« 排尿のメカニズム 膀胱三角部の重要性 | トップページ | ドラマ »

慢性前立腺炎の症状#11 朝一番のオシッコが直ぐ出ない

Bnopen4膀胱三角部の重要性に関しては、前のページで詳細に解説しました。
ここでは、慢性前立腺炎の患者さんの訴えで、「朝一番のオシッコが直ぐに出ない」という症状について、膀胱三角部と関連して解説します。
右図は、慢性前立腺炎=膀胱頚部硬化症の患者さんの下部尿路の余り溜まっていない状態での排尿を示すイラストです。
膀胱頚部硬化症(緑に着色している部分)のために、膀胱三角部(赤く着色している部分)は伸縮性に欠けます。

朝、尿がいっぱいに溜まったオシッコ直前の状態は・・・

Bnopen6・・・右図に示すイラストの如くです。
膀胱前面は恥骨が支持しているので、蓄尿時には膀胱は後ろ側(直腸側)に赤い矢印のように膨らみます。膀胱の膨らみと比例して、赤い細い矢印のように輪状筋脚も引き伸ばされます。輪状筋脚と連結している輪状筋は、輪状筋脚の伸展とともに、膀胱出口(膀胱頚部)を塞ぐようになります。
この時点で、排尿しようと力んでも、膀胱三角部は膀胱頚部硬化症によって漏斗状に開きません。唯一頼りにしている小さな膀胱出口も、脚によって引張られた輪状筋によって塞がれています。尿がいっぱいに溜まれば溜まるほど輪状筋は膀胱出口を塞ぎますから、朝一番のオシッコは当然、直ぐには出ないのです。

|

« 排尿のメカニズム 膀胱三角部の重要性 | トップページ | ドラマ »

コメント

これは手術をしたらすぐに出るようになるのでしょうか?

【高橋クリニックからの回答】
残念ながら、100%そうではありません。
ここで解説していることは、一つの現象の私なりの解釈です。
実際には、他の要因もあるかも知れません。
理論が現象を完全に説明できたとしても、あくまでも机上の理論であることに変わりはありません。理論を説く場合には、このことを肝に命じなければなりません。
他の要因がある場合に、そこに治療の照準を定めている訳ではありませんから、100%の治療にはならないのです。


投稿: 777 | 2008/01/26 01:46

 日や時間によって朝に限らず排尿が腹圧をちょっとかけなくては出にくい時があります。逆にシャーッと全く力を入れなくても綺麗に出る時があります。この記事によれば尿が溜まっていれば溜まっているほど排尿がしづらくなるということですが、私の場合尿が多くてもシャーっと出る時もあれば腹圧をかけて出す時もあり、尿量に左右されないように思います。尿量以外に排尿の出やすさを左右する要因はあるのですか?
【回答】
膀胱頚部の機能が完全ではないので、様々な要因で左右されるのです。
膀胱の膨らみ具合、交感神経や副交感神経のバランス、気圧、湿度、温度などの天候、膀胱頚部の浮腫み、直腸とのバランスなど、いくらでも要因はあります。

投稿: | 2013/04/04 11:07

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 慢性前立腺炎の症状#11 朝一番のオシッコが直ぐ出ない:

« 排尿のメカニズム 膀胱三角部の重要性 | トップページ | ドラマ »