慢性前立腺炎に急性前立腺炎が併発する理由
慢性前立腺炎の患者さんが、時として急性前立腺炎になることがあります。
慢性的に消えそうで消えない状態で沸々と炎症がいつまでもいつまでも続いているのに、なぜ突然として燃え上がるのでしょうか?そして燃え上がった急性前立腺炎は、抗生剤の治療でいとも簡単に消失するのに、その後も慢性前立腺炎が続くのでしょうか?
不思議でしょう?さあ、どうしてでしょうか?
分かりますか?
理由は・・・
理由は・・・簡単です。
慢性前立腺炎の炎症と急性前立腺炎の炎症の本質がまったく違うからです。
慢性前立腺炎は排尿障害による物理的刺激による炎症(生体反応)です。
片や、急性前立腺炎は化膿性の炎症です。【化膿=白血球の塊】による炎症です。化膿も生体反応ですが、その主役は白血球です。物理的刺激による炎症の主役は、リンパ球や免疫抗体です。リンパ球や免疫抗体はいくら集合しても膿にはなりません。
私は体のいたるところに細菌が存在していると信じています。
血液中にも扁桃腺にも肝臓にも肺にも、もちろん前立腺にもです。細菌は常在菌となって共生しています。共生していますから悪さはしません。
ところが、軽微な刺激が続くと、臓器組織がわずかながらに破壊され、その情報が血液を介して体全体の白血球に知らされます。「細菌による組織破壊工作が行なわれた!」と誤解した白血球は一斉に患部(前立腺)に集合して常在菌をむさぼり喰います。お腹いっぱい貪食した白血球は、これ以上食べられないとなると、その場で自爆します。あたり一面に白血球の強い化学物質がばらまかれるのです。その情報が同じようにして体全体の白血球に「仲間が自爆した!」と知らされ、次々に白血球の援軍が前立腺に押寄せ、炎症は止め処もなく延々と続くのです。白血球による化膿性炎症は、抗生剤によりいとも簡単に沈静化するのです。
これが慢性前立腺炎患者さんの急性前立腺炎という症状になります。
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コメント
慢性前立腺炎という病名自体おかしいですね。
前立腺炎の教科書を見るとすみっこに5行くらいです。
どれだけ軽く扱われてるんだと驚きました。
先生の理論が日の目を浴びること、私も祈っています。
【回答】
ありがとうございます。
投稿: | 2012/09/25 08:52