未病
慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の原因が明確にできない理由があります。
それは医師も人間だからです。人間としての常識的な思考の呪縛から逃れられないからです。
人間の本能的判断は、通常、二者択一です。例えると、白と黒、右と左、善と悪、陰と陽、病気と健康、暑いと寒い、空と海、左翼よ右翼などなどです。
ところがお分かりのように、世の中はそんなに単純ではありません。本能ではなく理性的に熟慮すれば、白・灰色・黒、右・正面・左、善・偽善・悪、陰・中庸・陽、病気・未病・病気、暑・暖・寒、空・山・海、左翼・ノンポリ・右翼などなど、いくらでも細分化することは可能です。

病気になる手前の状態を未病(みびょう)といいます。漢方的な考え方です。
病気になる手前は一見健康です。でも今まさに病気になろうとしているのです。昨今、この未病の状態を発見して、病気にならないように事前に手を打とうという考え方が出てきました。
さて、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の原因が、患者さん本人も自覚しないような中途半端な排尿障害であるというのが私の考え方です。
上の図は医師が誤解する原因を示しています。
医師の頭には、排尿障害の検査を行っても、本当にひどい排尿障害しか「排尿障害」と認識しません。それ以外はすべて「正常範囲」あるいは「たまたま」、「緊張したから」と認識します。ところが中途半端な排尿障害が患者さんの健康を害しないという証拠はどこにもない筈です。しかし現実には中途半端な排尿障害は健康被害の原因ではないと信じている医師や患者さんがほとんどです。そして既知・未知の病原菌・ウイルスや根も葉もない根拠の生活習慣が慢性前立腺炎の原因と妄信する人たちの何と多いことか!頑固一徹という印象です。
中途半端な排尿障害が「排尿障害」と認識されずに、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎と診断され、誤った治療を受けているのが現状ではないでしょうか?
例えば、このような例があります。30歳代で慢性前立腺炎と診断され、それなりの治療を受けましたが改善しません。何十年も経過して60歳代で排尿障害の原因が前立腺肥大症とたまたま診断(誤診)され、排尿障害の治療を受けたら慢性前立腺炎の症状が軽快したというのが良い例でしょう。この患者さんにとっては前立腺肥大症が今の病気ですが、未病が実は慢性前立腺炎だったということになります。
未病は症状が出ていないと思われますが、この例のように違う症状として出現することも大いにあり得るのです。
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