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「慢性前立腺炎と無関係の体質?」 慢性前立腺炎の症状#9 多彩な症状

過去に慢性前立腺炎と診断された患者さんが、毎日の新患としてコンスタントに2~5人来院されます。月で20~30人、年で300~400人ほどの慢性前立腺炎の新患です。他の病気も含めた初めての新患(再来の新患を含めない)が1年間で総計1200人前後です。開業医としては特定の病気に片寄った診療は避けたいのが現実です。このブログの「患者さんからのレポート」が効いて慢性前立腺炎の新患は減少傾向です。
患者さんが減ることは、ゆとりのある診療と治療ができるので、私としては理想的です。忙しさに追われながら数をこなすような診察は、収入は多くなりますが、診療の質を落とします。診療の質を落としてまで患者さんに来院されたくはないのです。新患の数は程々・・・それが本音です。
ちなみに私の高圧的な不遜な診療態度も効果的なようです。私は実に不愉快な人間です。私は人格のある良医ではなく、頑固な治療者に徹しているつもりです。もしも来院される場合には、そのおつもりで。(・・・ある掲示板を読んでの感想)

私はたかが街の中の開業医です。私の診察・検査・治療は取るに足らないものです。このブログは私の臨床研究の発表の場でもあります。集客(患者さん)目的の広告ではありません。それよりも慢性前立腺炎の本質を理解していただくことが、このブログの目的です。ですから大学病院のように細かい統計などは積極的に載せる必要はないし考えもありません。(気が向いたら報告する程度です)
慢性前立腺炎に対して地元の医師が無理解であれば、このブログをコピーして、主治医にご相談下さい。素人が理解できることを専門の医師が理解できない訳はありません。・・・あくまでも期待ですが・・・。

さて、このブログに掲載されているように、行う検査はパターン化されていて、超音波エコー検査・尿流量測定ウロフロメトリー検査・残尿量測定検査・尿検査で私が思っている排尿障害が証明できます。慢性前立腺炎と過去に診断された患者さんの内、95%以上の確率で排尿障害を認めます。
患者さんの中には、「私は排尿障害がありません!」と断言される患者さんに限って、典型的な排尿障害が見つかります。
診療内容がパターン化されると、私自身の頭は使っていないことになりますから、このままだと私はバカになります。将来認知症になりたくないので、いろいろな空想・妄想をして、新しい考え方や発想を産み出そうと日夜努力しています。現在、マイブームの3D・4D超音波エコー検査は、その典型です。

さてさて、診察の際の患者さんへの質問もパターン化しています。まるでテープレコードのようです。術前の患者さんが診察室の横でスタンバイしていると(・・・高橋クリニックはとても狭いのです)、その患者さんから、「先生の質問も患者さんの答えも、老若男女区別なくみんな私が経験した内容と同じですね?」と正直な感想を漏らされます。
このままでは医師としてモチベーションが保てなくなります。・・・いつも同じ質問で同じ検査ですから・・・

・・・そこで、一通りの質問を行なったら、患者さんが無関係と思って私にお話しされないご自身の体質について、私の方から「○○○○ではありませんか?」質問をすることにしています。

慢性前立腺炎の患者さんは、前立腺炎症状の他に、次のような体質を引きずっています。
1.汗をかきやすい、緊張すると汗をかく。
2・風邪をひくと、喉が腫れやすい。
3・オデキが化膿しやすい。
4.緊張すると下痢をする。下痢しやすい。過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎がある。
5.早朝、オシッコがたまっていると、オシッコがすぐに出ない。

6.ドライアイである。
7.口内炎が出きやすい。
8.肩こり症である。
9.蕁麻疹が出る。
10.花粉症である。
11.アトピー性皮膚炎がある。
12.男性なのにトイレで座ってオシッコをすることが多い。
13.シャワーを浴びると、ついついオシッコをしてしまう。
14.手がしびれることがある。
15.耳鳴りがする。
16.めまいがする。
17.尿の臭いが気になる。
18.尿の臭いではないが、体臭が気になる。
19.毎日便通があるのにオナラがよく出る、お腹がゴロゴロうるさい。
20.血管が細い。
21.低血圧である。
22.喘息の既往があり、気管支が弱い。
23.肉体的身体と精神的体がピッタリと一致していない、テレビ画面のゴーストのようにピントが合っていない感覚がある。
24.冷え性である。
25.鏡で自分の顔をしみじみと観察すると、目の周囲がくぼんだ影がある印象である。
26.陰嚢がかゆい。
27.アレルギー性鼻炎・蓄膿症である。
28.非淋菌性非クラミジア性慢性尿道炎である。
29.尿線が割れたり、定まらない。便器を汚す。
30.亀頭包皮炎がなかなか治らない。
31.オシッコの最中に、簡単にオシッコを止めることができる。

いかがですか?いくつか当てはまる体質や習慣があるでしょう?
慢性前立腺炎で苦しまれている患者さんの結構な数の方に、上記のような体質・症状・習慣があります。ある意味、「慢性前立腺炎シンドロム」と名付けても大袈裟ではないでしょう。
このような体質・習慣になるのには、それなりの理由があります・・・詳しくは改めていつか解説しましょう。

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コメント

高橋先生

いつも日頃からブログを読ませていただいてる者です。
現在は、服用しているエブランチルのお陰で普通の生活が出来ております。
私の場合、上に書いてある体質の殆どに当てはまる節があります。正直かなり驚きました。
この「慢性前立腺炎シンドロム」の解説、お願いできませんでしょうか?
是非、理由を知りたいです。

そして最近、気になっている事がありましたのでコメントさせていただきました。
これまであまり出てこなかった新しい症状があり、検索していたらこのページに書いてありました。IBS(過敏性腸症候群)です。
これも症状の変化として表れているものでしょうか?

お忙しいとは思いますが、是非ご回答いただ買えればと思います。
【回答】
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/tlz/2007/06/post_6120.html
をご覧になれば、ご理解できると思います。
要するに、排尿障害が原因で水分代謝に負荷がかかり、その排泄経路としての臓器負荷や代謝負荷や免疫負荷が、慢性前立腺炎の多彩な症状を形成するのです。
例えば、体が尿として水分を排泄したくないので、汗っかきになります。汗をかくくらいですから皮膚は保湿する必要なしと判断して乾燥肌になります。
皮膚・粘膜も乾燥するので口内炎やドライアイになります。
炎症という形で水分を外に出そうとするので、風邪をひくと喉が腫れやすくなったりオデキが化膿しやすくなります。
アレルギー反応で水分を外に出そうとすると、花粉症やアレルギー性鼻炎や蓄膿症になります。
摂取した水分を吸収したくないので、下痢症になったり、アレルギー反応と協力して過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎になります。
膀胱や膀胱頚部の排尿障害による興奮を抑えようと、神経抑制がかかるので、早朝すぐに起きれないとか、抑うつ気分や鬱病になるのです。

投稿: 慢性患者 | 2013/03/14 01:53

慢性前立腺炎よ診断されハルナールを1年ほど服用していますが、徐々に鼻や耳が詰まった感じになり
耳鳴りが始まりました。
服用をやめた方がいいでしょうか?
【回答】
はい。

投稿: | 2013/11/22 15:04

耳や鼻が詰まった感じがきつくなり、
急に耳鳴りへと発展しておりますが、服用をやめればおさまるでしょうか?
高橋先生から定期的にいただいておりまして
再度診察に寄せてもらった方がよろしいでしょうか?
耳鳴りはかなり厳しく辛いです。
【回答】
まずは止めてください。

投稿: | 2013/11/23 04:49

 高橋先生のブログを拝読し、78歳の父の事でお伺いしたい事がございまして、ご連絡させて頂きました。
 昨年の1月に針生検を受け、「慢性前立腺炎」と診断され、薬は、それまでユリーフ錠8mgのみだったのが、セルニルトン4錠が追加されました。
 3ヶ月に一回PSA値を測っています。昨年5月には10。8月は13。11月は12。今年の1月は18になりました。次回上がっていたら、まずMRI、そしてまた針生検と言われました。
 先生のブログから、ニチモウのイソフラボンを飲んだら、数値が下がるのではないかと思いました。
 現在服用している薬との飲み合わせが気になりましたので、高橋先生にお伺いしたく、ご連絡させて頂きました。
ユリーフ、セルニルトンと一緒に服用しても大丈夫でしょうか?大丈夫だとしたら、1日1錠でよろしいでしょうか?
【回答】
構いません。」

そして、効果はどのくらいで出てくるものでしょうか?
【回答】
効果の出ない人もいます。」

 その他、何か気をつける事はございますでしょうか?
【回答】
前立腺が大きいの出れば抗男性ホルモン剤(アボルブ・プロスタール)を服用しない限り、PSA値は下がりません。」

 お忙しいところ恐縮ですが、ご回答をよろしくお願いいたします。

投稿: まめまめ | 2014/02/08 10:13

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