患者さんからのレポート#37
高橋先生様
前略、お世話になります。○○です(診察カードNO・・・36)。 先日は、お忙しい中、診断書と治療費証明書を送付して頂きまして誠に有難うございました。無事提出を終え、返済猶予をいただけました。
7月末日の手術からおよそ3ヶ月がたちましたので現状を報告させていただきます。
術後一ヶ月半から2ヶ月目くらいで腫れが引いたのか尿の勢いがよくなりました。その後現在に至るまでは尿の出の変化はなくまずまずの出を保っているように思います。大体20秒前後で排尿し切れるようです。沢山尿が溜まっているときは腹圧をかけて勢いよくだすと少し噴水のようになります。(あと少し開き具合が悪いのかもしれません)
逆行性射精ですが1度目の術後より変わらないか、少し出がわるくなった様な印象です。私の場合は手術で逆行性になりやすいのかもしれません。一応出てくるのでOKと考えたいです。
痛みに関しては、2ヶ月目くらいに排尿がよくなって少しましになってきたかなと思いましたが、その後また痛みが出てきたりと今のところ安定しません。私の場合は血圧と眩暈にも関連痛が関係しているようで、痛みがあるときは眩暈のような感じになります。
手の皮膚炎ですが、術後いったん酷くなり、2ヶ月目くらいの落ち着いてきた頃によくなり始め、このまま完治するかと思いましたが、残念ながらまだ少しのこったままでよくなったり悪くなったりしています。
現在皮膚炎がある部分の右手中指、人差し指は、皮膚炎が出始めた小学生後半から中学生くらいの部分でした。そこから歳をおうごとに左手、首周り、脇の下、胸、肢、背中などに広がっていき二回の手術で、最初の右手指までに治まった感じです。
病気の治癒の目安として右手の皮膚炎が治れば関連痛なども感じなくなっているのではと考えています。
そのほか二回目の手術後の変化としてはいままで便が緩かったのですが、それが通常の状態に戻りました。いままではやや下痢気味でしたが今はそのようなことなく通常です。(ちなみに2度目手術後はお腹を壊したような状態が2,3週間くらいつづきました)
現在は関連痛と眩暈のような偏頭痛のような右目奥、右副鼻腔の痛みが辛いです。また痛みの酷いときは体も少し重くあまり動く気になれず、朝もなかなか起きれません。(術前よりは随分良くなっているのですが…)
ブログをいつも拝見させていただいております。間質性膀胱炎のブログで自己免疫の暴走の話がありましたが、私のような慢性前立腺炎患者にも効果的でしょうか?東京に何度も通うのは少し難しいのですが、服用できる錠剤などの副腎皮質ホルモンなどで治療にあたることはできないものでしょうか?もし私にも効果が期待できるようでしたら是非お願いしたいです。ハルナールもデパスも私には副作用がきつくあまり体に合わないようです。
【高橋クリニックからの回答】
現在、ケナコルトA水懸注40mg/1mlというステロイド剤を使用しています。内服薬の治療は行っていません。
この薬は、蕁麻疹・アレルギー性鼻炎・花粉症に適応があります。地元の懇意にしている医師に相談し注射していただくのも、一つの方法です。自費で注射したとしても、それほど高額ではありません。
また膀胱の平滑筋の話も出ていましたが排尿障害を起こし、異常をきたした平滑筋は元にもどるのでしょうか?ラットの実験のように核がない細胞などは再生するのでしょうか?それが回復がいまいちな原因だったりしますか?同じようなことが私にも起こっていると仮定するなら何か治療方法はありますでしょうか?
【高橋クリニックからの回答】
不明です。治療法に関しては模索中です。
現在の状態ではやはり辛いので、今後どの様な治療をしていけばいいか是非先生にお教えいただきたいです。本来ならば先生の診療所にいって、最新のエコーやウロフロで一度検査していただきたいと思っていますが、なかなか、気軽に行ける距離でないのが残念です。
良くなる可能性があるのであれば、三度目の正直??の再手術も考えていますが逆行性がこれ以上すすむと考えるとどうなのだろうかと考えてしまいます。しかしながら現状ではなかなか前に進めそうにないので最終的にはある程度覚悟せざるを得ないものだと考えています。 できれば今年中にこの疾患にある程度メドを付けたいと考えていましたが、今年中は難しいかもしれませんね…。
病気が完治いたしますよう先生についていきますのでどうぞ今後とも宜しくお願いいたします。
P.S.
慢性前立腺炎症状インデックスを記載したのでFAXか郵送にてお送りしたいと考えています。FAXはございますでしょうか?無ければ郵送させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【高橋クリニックからの回答】
郵送でお願いします。
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コメント
高橋先生、質問があるのですが。
この患者さんの体験談からすると、1回目の手術により少し逆行性射精になった感じなのですが、2回目の手術では前回とほぼ射精状態に変化がないように受けとれます。
この事から、先生の実施している膀胱頚部硬化症手術は逆行性射精が起こりにくいように工夫されていると感じました。
以前の「膀胱頚部硬化症の内視鏡手術手順」でも、ご説明されている通り先生独自の工夫の成果でしょうか?
「膀胱頚部硬化症の内視鏡手術手順」のコメント欄にも
>若い青年の慢性前立腺炎の場合の手術は、前立腺肥大症がありませんから、逆向性射精は1%以下の確率になります。
とあります。現実的に考えて1%の確立ですと、ほとんどの患者さんで逆行性射精が起きてない。もしくは起きにくい状況と考えてもよろしいでしょうか?
お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。
【高橋クリニックからの回答】
膀胱頚部硬化症手術の際に、従来の前立腺肥大症手術と同じように丸く(360度全周に渡って)切除すると、術後、膀胱出口は常に開いたままですから、逆向性射精になります。
工夫により、膀胱出口が開いたり閉じたりできるように手術をすれば、逆向性射精を防ぐことになります。
この方法を利用すれば、他の病院で前立腺肥大症手術を行なった逆向性射精の後遺症を持つ患者さんを再度手術することで逆向性射精を治すことが可能です。
投稿: 山井 | 2007/11/07 21:56
高橋先生、返信ありがとうございました。
やはり先生独自の工夫の効果があるようですね。
ところで私もこの病気になってから、射精時の勢いが無くなってきたと感じています。これは膀胱頚部の動きが固く膀胱出口が閉じにくいと考えられるのでしょうか?
また、膀胱頚部の手術を行なう事により膀胱出口の閉じ具合が良くなれば、射精時の勢いは良くなると考えられますでしょうか?
ふと疑問に思ったため、再度ご質問させていただきました。
厚かましいとは思いますが、なにとぞよろしくお願いします。
【高橋クリニックからの回答】
射精のメカニズムは、膀胱出口の開閉が重要な要素ですが、それだけではありません。もっと複雑なメカニズムです。
そのため、逆向性射精を作らないように手術を行なっても、1%の確率で逆向性射精が出現するのです。
ですから、手術をすれば必ずよくなるものでもありません。
投稿: 山井 | 2007/11/07 23:48
高橋先生、ありがとうございました。
遅い時間の質問でしたが、ご返信いただき恐縮です。
投稿: 山井 | 2007/11/08 13:48