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前立腺結石 3D画像

前立腺結石と慢性前立腺炎の関係については以前にも詳細に述べています。
ここでは、3D画像を利用して、もっと深く掘り下げてみましょう。
Bns56m211352dこれは53歳男性の2D側面画像です。
2ヶ月前から排尿痛がありました。1日の排尿回数は7回、夜間1回です。23歳の時に虫垂炎手術を行なっています。
2D画像では、前立腺の大きさは21ccで正常範囲内です。膀胱出口周囲が膀胱側に盛上がっていて(私の自説では)膀胱頚部硬化症所見です。前立腺内に石灰=前立腺結石を認めます。

Bns56m211352d22D正面画像では、膀胱出口が開いているように見えます。
排尿障害があるにもかかわらず、膀胱出口がオープンしているのは矛盾しているでしょう?

Bns56m21135上記の3D正面画像です。
膀胱出口周囲が盛上がっていて、膀胱出口が開いているように観察できます。
しかし、その奥に何か構造物が観察できます。
Bns56m21135r3D背面画像です。
膀胱出口の手前に白い石灰=前立腺結石が確認できます。
膀胱出口から尿道にかけての円筒状の形に沿って前立腺結石は内側に凹の丸みのある形状です。
結石はご覧のような塊ですから、この部分の尿道はこの形に固定されていることになります。
本来、膀胱出口も尿道も柔軟に動き開く場所ですから、硬い結石は、この部分が最大限に大きくなる位置で形作られます。すなわち、この患者さんの膀胱出口と尿道はもともと前立腺結石の形以上に大きくならないことになるのです。前立腺結石の存在からも排尿障害をうかがえます。

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