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お答えしましょう。

このブログをすべて読めば分かると思いますが、一部を読んで、理解できないと否定されるのは癪に障るものです。
掲示板で次のような疑問が掲載してあったので、お答えしましょう。
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711 :病弱名無しさん:2007/08/04(土) 01:50:58 ID:amqVxw420
αブロッカーいろいろ試しました。
確かに尿の出は良くなります。
しかし全く痛みは取れません。。。

【高橋クリニックからの回答】
短期間の服用では効かないことがあります。同じ薬を3ヶ月以上服用しましたか?
水分を取り過ぎるとα-ブロッカーを服用しても効きません。
また、ハルナール・ユリーフが効くタイプとフリバス・アビショットが効くタイプがあります。どちらもお試しになりましたか?
服用したα-ブロッカーはジェネリック(後発品)ではありませんか?ジェネリックは先発品と比較して作用が50%~30%以下にしか過ぎません。α-ブロッカーに関しては、値段が安くて作用が落ちるのがジェネリックです。
そうでないとすると、α-ブロッカーの効果が出る時期を過ぎて病気が進んだと考えます。
病気が深くなると、簡単な治療では治せなくなるからです。

T先生の理論って正しいのか疑問。
でもやってみないと分からないしなぁ。

【高橋クリニックからの回答】
正しいのかどうかは、私にも分かりません。
病気で苦しむ患者さんから得られたデータを論理的に(私の独断ですが)組み立てて見出した理論です。方法が論理的だから正しい理論とは限りません。
論理には必ず落とし穴があって、それを無視すると間違った理論になることは周知の如くです。
疑問がある内は実施しない方がよいでしょう。私の治療結果は100%ではない訳ですから・・・。

ホントに治る人が多いのなら、BLOGのコメント欄に
もっと書き込みあっても良い筈。

【高橋クリニックからの回答】
実際に書き込みがない訳ですから仕方がないですね。
貴方はひどい風邪をひいて地元の開業医を受診し治った時に、「お陰さまで」と御礼に行ったことがありますか?
人間は喉下(のどもと)を過ぎると、過去のことはどうでもよくなるのです。
私の存在は走馬灯の「馬」に過ぎません。

もっと賛同する医者もいる筈。
【高橋クリニックからの回答】
同業者が読む訳ないでしょう。
貴方は、自分のお仕事の中で疑問に思ったこと、あるいは常識だとお思っていて他人はどのように考えているだろうと詳しくインターネットで探して常に勉強していますか?インターネットの情報価値は、その専門家が調べるような情報源ではありません。
畑違いの人が読む情報源に過ぎません。このブログを読むのは慢性前立腺炎で苦しむ患者さんだけです。

学会に発表しないのは何故?
【高橋クリニックからの回答】
年間に500人以上の慢性前立腺炎の患者さんと150人以上の間質性膀胱炎の患者さんを私一人で診察・検査・治療しています。年間の手術件数は内視鏡手術を含めて約400件以上です。すべて一人で行なっています。私のクリニックは、標榜科目が泌尿器科以外に外科・整形外科・内科・胃腸科・リハビリです。要するに総合診療を目標に診療を行なっています。医師会の仕事、代替医療団体の理事の仕事も行なっています。
それらのことを放置して、慢性前立腺炎の学会発表にエネルギーを向けるだけの余裕はありません。私はそれ程能力のある人間でもありませんし時間もありません。高々街中の開業医です。

デパスなんて出して誤魔化すのは何故?
【高橋クリニックからの回答】
デパスは脊髄神経と自律神経の興奮を抑える目的で処方しています。理由はブログに記載されている通りです。
これを誤魔化しと茶化すのであれば、精神科や心療内科で処方する薬はすべて誤魔化しなのですか?
肩こりの筋弛緩を目的にする整形外科のデパスの処方も誤魔化しですか?

痛み系と頻尿系の処置が同じのは何故?
【高橋クリニックからの回答】
排尿障害が「始めに在りき」で、その後病気が長期になるに従い様々な症状が出現します。
ですから、痛み系と頻尿系の治療法が同じであることに何の疑問はないはずですが。
例えば、結核という病気の際に、「微熱と体重減少」の患者さんもいれば、「咳と痰」の患者さんもいます。治療法はどちらも結核菌の駆除です。同じ治療です。
痔、クモ状血管腫、腹水、食道静脈瘤、黄疸、これら一つ一つは肝硬変の初発症状です。肝硬変の治療は、これら異なる症状であっても、治療は原則的には同じです。
目先の症状だけに目が曇り、本質を治療できないのは患者さんにとって不幸です。痛みだけの治療、頻尿だけの治療で慢性前立腺炎が治っているのなら、このような掲示板はない筈です。
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【患者さんからの励ましのお便り】

高橋知宏  先生
やっと夏本番となりました。
カルテNO.・・・89の○○です。

さて、ココログほぼ毎日楽しみに拝見させて頂いております。
近日の先生のブログ、2ちゃんねる書き込みに向けての回答ですよね。
拝見しましたら結構先生に対して癇に障るコメントが書き込まれていますよね。

回答は先生のおっしゃる通りだと思います。
今までの治療で、何の効果も無いのなら間違っているか、別のところに原因があると考えるのが筋だと私も思います。
ただ、人によって考え方が違いますし、既成概念の範囲内治療を済ます方、病気そのものに対しての理解力しいてはブログに対しての読解力の差がありますから、なかなか上手く伝わらないのかもしれません。

私は先生のところに伺う前と比べると、ずっと病状は改善じてきているのですが・・・
ネット上では中々伝わらないですよね。

今回先生の回答で、一定の読解力のある方には伝わると思います。
私は先生の考え方に賛同いたします。

私事ですが、勤め先の院長(京大卒)も私の病気に対して理解しておりません。
やはり頭が邪魔をするのでしょうか?

柔軟な発想で、治療を続けて頂いて本当に感謝いたします。
患者の一人として、また医療従事者の一人として応援いたします。

6月にフリバス処方していただいて、今現在はかなり悪化した時よりだいぶ関連痛は収まっております。
また、過敏性腸症候群の方もだいぶ上手くコントロールできています。
やっぱり互いに関連してますね。

11月は3回目のOPとなりますが、宜しくお願いいたします。

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宮崎県○○○○
○○○○
E-mail: ○○○○@○○○○.jp
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コメント

高橋先生、暑中お見舞い申し上げます。、ブログコメントに対する先生のご返答を拝読し、本当にありがたく思います。私はαブロッカーの先生のコメントを熟読し、内科医である主治医と相談し、複数の薬剤を試しました。その結果、飲酒後(ビールジョッキ2杯程度)には時々排尿障害が出ることはありますが、それ以外は本当に不快な症状は消えました。現在48才で30才に慢性前立腺炎と診断され、抗生剤を大量に服用し、薬物疹まで出ましたが、症状は良くなったり、悪くなったりを繰り返しました。排尿障害がこの病気の原因で、それが長期化すれば色々と複雑な症状を見せるという先生の理論が今の私には見事なほど、一致します。αブロッカーの服用についてはA,Dタイプの優位性が分からないため、ハルナールとフリバスのダブル服用を行い、残尿感等の症状が落ち着いてから、今はハルナールのみを服用しています。年のせいか、夜1回はトイレのために起きますが、寝不足にはなりません。
以上、先生の理論実践者として、コメントさせて頂きました。

【高橋クリニックからの回答】
貴重なコメントをありがとうございます。
理論をさらにより磨きをかけるよう研鑽しています。
いつの日か、この理論が常識になることを祈っています。

投稿: αブロッカーについて | 2007/08/07 10:47

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