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慢性前立腺炎に関する私の考え

慢性前立腺炎に関するご質問が多いので、ここに私の考え方を簡単にまとめました。
さらに詳しくはブログ内のそれぞれのページをご覧下さい。(2005年4月の記事です)

【基本概念】
難治性慢性前立腺炎・前立腺症・前立腺痛・慢性骨盤疼痛症候群・非淋菌性非クラミジア性尿道炎は原因が排尿障害であると私は信じている。
排尿障害の治療をしないで、原因不明の細菌性感染症や心因性疾患として、抗生剤・抗うつ剤で治療するから、いつまで経っても治らない。
健康食品や機能性食品は一時的な改善はあるかもしれないが、治療目標がずれているので完全な軽快にはならない。
日常生活をどんなに健全なものにしても治らない。

【病気の本質】
ほとんどの原因が、機能性膀胱頚部硬化症、膀胱排尿筋内尿道括約筋協調不全、膀胱出口閉塞症、前立腺中葉肥大のいずれかである。
基本的には、発育期の膀胱の発育不全がほとんどであろう。
4人に1人が虫垂炎手術のための脊椎麻酔の既往があるので、脊椎麻酔の後遺症も原因の一つとして疑っている。
これらの病気による長期間にわたる慢性的軽微な排尿障害が、慢性前立腺炎にそっくりな症状を作る。症状が同じだから慢性前立腺炎として治療される。

【症状】
下半身の症状であれば何でも起こりうる。
尿道痛・睾丸痛・会陰部痛・肛門痛・尿漏れ感・太もも内側痛・腰痛・背部痛・足の裏痛などである。痛みの他にそれぞれの部分の熱感・しびれ・痒みなどでも同じである。
頻尿・残尿感・排尿障害などもある。
射精時あるいは射精後の痛みもある。
上半身の症状も起こりうる。

【検査】
排尿障害を直接的・間接的に証明できればよい。
1.超音波エコー検査(膀胱粘膜の肥厚・膀胱壁の静脈うっ血・膀胱出口のハイエコー・出っ張り・前立腺結石)
2.尿流量測定ウロフロメトリー検査(息み時間が長い・勢いが弱い・グラフの山がギザギザ排尿曲線)
3.残尿量測定検査(残尿が10ml以上の存在)
上記の検査でいずれか一つでも異常があれば、排尿障害とする。
排尿障害が確認できれば、内視鏡検査はあえて行う必要はない。
尿検査・レントゲン検査・EPS検査は参考程度である。
細菌培養検査を行っても、健常者と慢性前立腺炎患者さんとの間に有意差がないという報告(2003年J.URO)もある。

【治療】
排尿障害治療薬であるα-ブロッカーのハルナール・フリバス・アビショット・ユリーフ・エブランチルを使用する。
薬剤で効果が得られなければ、仕方がなく内視鏡手術を行う。
排尿障害を改善しても症状が改善しない場合がある。その時点で仙骨神経ブロックや抗うつ剤を利用する。

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