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対症療法

私の考えている慢性前立腺炎は、排尿障害が根本原因です。
そのため、ハルナールやエブランチルなどのαーブロッカーを投与して症状の改善がみられなければ、内視鏡手術を治療手段として選択します。
しかし、内視鏡手術後、排尿障害は改善されたにも関わらず、会陰部痛などの不快な症状が軽快しない患者さんがおらえます。考えられる理由として、過去において症状を作り上げていた脊髄レベルや脳中枢レベルの記憶回路・メモリが未だに活発に作動しているためだと考えられます。
対策として、定期的な仙骨神経ブロックやデパスなどの向精神薬を試みます。それでも改善しない場合には、医師として苦慮する所です。
ただ悩んでいるのは、医師である私よりも患者さんの方です。ご本人がいろいろなことを試され、具合が良いと私に報告されます。教えていただいた方法を幾つか列挙します。
1.腰痛の湿布を腰に張ったら会陰部痛が激減した。
2.コエンザイムQ10を服用したら、楽になった。
3.皮膚がかぶれて地元の皮膚科で処方していただいたアレルギー剤を服用したら、尿意切迫が消失した。
4.腰部の不快感をホッカイロを装着したら楽になった。
5.まずい生姜紅茶を飲んだら、楽になった。

今後も集めた情報をここに掲載します。

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コメント

対処法の中にアレルギー剤を服用すしたら尿意切迫が消失したとございますが、このアレルギーを抑える薬はどのようなものでしょうか?リザベンなどのトラニラストを含むものでしょうか?この情報を提供された患者さんは手術を受けて排尿障害を直された方ですか?それともαブロッカーなどの対症療法の方でしょうか?リザベンの副作用として、膀胱炎症状がありますが、膀胱頸部硬化症、慢性前立腺炎患者が服用しても大丈夫でしょうか?またこの薬にはケロイド・肥厚性瘢痕に対する適応があるようですが、もし術後調子が今ひとつである患者さんであれば術後の傷口(ケロイド・肥厚性瘢痕)にこの効果が奏功したと考えられますでしょうか?ご回答よろしくお願いいたします。

【高橋クリニックからの回答】
手術後の患者さんです。
ジルテックとセレスタミンです。
ケロイドとの関連はありません。

投稿: スイカ | 2007/02/16 15:50

術後の傷痕と関係の無いと言うことは、手術を受けていない患者さんにも有効かも??と考えてよろしいでしょうか?
【高橋クリニックからの回答】
排尿障害が作った膀胱刺激症状に有効かも知れないということです。
排尿障害を治さない患者さんには、不明です。

またリザベンは、手術を受けた、受けていないに関係なく、慢性前立腺炎の患者さんが服用することは避けたほうがいいでしょうか?
【高橋クリニックからの回答】
リザベンと慢性前立腺炎、排尿障害についての知見を私は持っていませんから、回答することができません。

投稿: スイカ | 2007/02/16 16:32

術後の再狭窄について教えてください。再狭窄は術後の瘢痕が硬く、再硬化するとの事とで、これを事前に防ぐ方法として、ステロイドの注射が有効との事ですが、術後どれくらいの時期と回数で、注射すると有効と考えられますか?また注射を打つ場所はどこになるのでしょうか?
【高橋クリニックからの回答】
手術後1週間経過してから注射です。
ステロイドは免疫抑制剤でもありますから、手術直後に注射すると術後感染症が心配になります。
注射部位は上腕か臀部です。

 また、前回先生にお聞きしたリザベンという薬ですが、こちらも瘢痕のふくらみ、硬化に効果があるようですが、再狭窄防止として効果があると考えられるでしょうか?
【回答】
粘膜狭窄は皮膚の硬化・ケロイドと全く同じではないので、分かりません。

 再狭窄するのは体質的なことが大きく関わっているのではと考えるのですが、もしそうだとすると再度手術してもやはり再硬化するのではと思いますがその点についてはどのように考えられますか?
【回答】
その可能性はあります。
そのため、再狭窄しないように十分な切開を入れます。
具体的には、膀胱頚部の膀胱輪状筋を十分に切開することです。
輪状筋切開が不十分だと、手術後の膀胱頚部の広がりが悪く、膀胱・尿道粘膜が容易にブリッジ状に切開部を覆い隠して狭窄の原因を作ります。
しかし、本来ある正常な輪状筋を十分に切開するのは、私でも勇気のいることです。そのため、私の初期の頃の手術は狭窄の発生率が高くなっています。
また、患者さんにより輪状筋の厚さが異なるので、ここまでという長さや距離の指標がないので、私の経験だけが頼りです。実際は輪状筋の断面を肉眼で確認しながらの手術になります。

投稿: スイカ | 2007/02/19 22:19

ご丁寧なご回答有難うございます。非常にデリケートでさじ加減が難しいことがよくわかりました。肥厚性瘢痕ができやすい私は再狭窄しやすいかもしれませんね。
 
 術後リザベンを飲めば大丈夫なのではと考えていましたがリザベンそのものの副作用に膀胱炎症状、血尿などがあったので、この疾患を持っている人には服用は無理なのではとおもってしまいました。その点はどうなのでしょうか…。
【高橋クリニックからの回答】
副作用は必ず出るものではないので、無理と考えるのは先走りです。

 術後のステロイド注射も効果的は不明ですね。
【回答】
効果的は不明という理由が分かりません。
私は、理由があって注射しているのに不明と断定されることに腹が立ちます。

輪状筋の切開については知識不十分でよくわかりませんが、狭窄した場合は大変難しいことがよくわかりました。また、粘膜狭窄と皮膚の硬化、ケロイド等とは質が違うことも知りませんでした。

 ちなみにステロイド注射の種類はどのようなものでしょうか?中長期的に効果のあるものでしょうか?少し調べましたが、ステロイド注射自体の副作用もなかなか怖い物ですね。
【回答】
ステロイドの副作用は、意味もなくダラダラと投与することで発症するものです。ステロイド=副作用の恐怖という図式にはなりません。

投稿: スイカ | 2007/02/19 23:21

ご回答有難うございました。また質問の内容に大変失礼があり申し訳ございませんでした。インターネットの検索でステロイド注射の副作用が多数紹介されておりましたので、少し恐怖を感じていました。また、一回目の手術をした人にステロイドの注射を必ずは、されていなかったようなので、あまり効果的でないのかと勝手に思ってしまい、変な質問をして申し訳ございませんでした。

 リザベンももしかすると効果があるかもしれないと考えていいのでしょうか?先生がリザベンを使用されない理由は何かございますか?

【高橋クリニックからの回答】
逆に、なぜリザベンを使用する必要があるのですか?
リザベンは「皮膚」のケロイドに適応があるお薬です。皮膚は重層扁平上皮です。しかし、膀胱頚部の粘膜は移行上皮です。リザベンの治療対象が異なるのです。
術後の膀胱頚部の狭窄に使用できる確固たる根拠があるお薬ではありません。
そして、術後の狭窄は、一部の患者さんに起こる合併症です。
手術後の患者さん全員に、ワンパターン的にステロイドや効果があるかどうか分からないリザベンを処方することに、疑問を感じませんか?
ワンパターン治療は頭を使わない診療です。そのような診療は、ドクターショッピングされてきた慢性前立腺炎患者さんが、一番不愉快に思う診療ではないのですか?

投稿: スイカ | 2007/02/20 19:29

リザベンについてあったので書かせてください。中学生のころから悩んでいる血精液症ですが詳しい原因はわからず半年前にグリチロンを処方され、たった2日(1週間服用のみ)で血が出なくなりました。半年後また出血したのでグリチロンを処方してもらい飲みましたが今度は全く止まる気配がなく、1か月服用してもだめで何が原因か考え、血がでだしたころに飲み始めたリザベンを止めるとそこから今現在までの1か月まだ出てません。参考になれば

投稿: しん | 2013/08/13 23:26

お久しぶりに高橋先生のブログに来ました。

ジルテックとセレスタミンで尿意切迫が消失というお話が、頻尿症状を主とする私にはとても興味深く思いました。

現在、高橋先生にデパス、エブランチル、ベタニスを定期的に送ってもらっていますが、ジルテックとセレスタミンも処方してもらうことは可能でしょうか?
【回答】
考えても良いでしょう。
ただし、セレスタミンはステロイド剤です。

投稿: レイニーブルー | 2013/08/21 15:19

お返事ありがとうございます。
ジルテックとセレスタミンの使用をかなり前向きに検討したいと思います!

高橋先生は、花粉症の患者さんに用いるステロイド注射を、間質性膀胱炎状態で膀胱粘膜の状態が悪い患者さんに応用されます。

セレスタミン等の服用薬剤と、このステロイド注射とでは、ステロイド注射のほうが効果が期待できるのでしょうか?

セレスタミン等の服用型の薬剤があるなかで、手間暇のかかるステロイド注射を選択なさるということは、それだけ注射のほうに利点があるということなのでしょうか?
【回答】
注射の方が強力ですが、その分、副作用は強く出ます。

投稿: レイニーブルー | 2013/08/26 11:27

お尋ねします。先生、常時の尿意と陰部違和感に対して、デパス+リリカ(+エブランチル、ベタニス)は併用できますか?
【回答】
併用は出来るでしょう。

また、効果が期待できますか?
【回答】
分かりません。

投稿: | 2013/08/27 12:32

お返事ありがとうございます。
保険証が変わったため、コピーをFAXした後、いつものように薬の処方のお願いを電話でします。
その際はよろしくお願いします。

投稿: レイニーブルー | 2013/09/02 21:16

何度もすみません。

注射のほうが強力だとのことですので、スケジュール的に病院に通いやすい今のうちに、
地元の病院でステロイド注射を受けたいという気持ちが強くなりました。

それで効果が実感できなければ、服用するタイプより強力である注射でもダメだったということで諦めがつくと思います。

こちらから高橋先生に返信用封筒を送付し、ステロイド注射を受けるための紹介状を返信していただくことはできますでしょうか?
【回答】
一般的な治療ではないので、他の医師による理解が得られません。
よって、紹介状はお書きできません。

投稿: レイニーブルー | 2013/09/02 21:53

お返事を下さりありがとうございます。

仙骨神経ブロック50回注射のときに、高橋先生に紹介状を書いてもらい、地元の病院で注射してもらうことができたので、そのときと同じように考えてしまいました。

仙骨神経ブロックの場合は、ペインクリニックの先生から「尿意等の感覚を鈍くする処置」として理解を得やすいのに対し、
ステロイド注射の場合は、花粉症等のはっきりとしたアレルギー状態でない限り、どの診療科の医師であっても理解は得られにくいのですかね。

自分が東京に住んでいれば定期的に高橋先生に診てもらうことができますが、人生なかなかうまくはいかないものですね。

内服のステロイド剤でチャレンジしてみようと思います!
【回答】
下記のブログの患者さんのような免疫暴走の場合に限り、ステロイドが効果的です。
それ以外の場合はステロイドに意味がありません。
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cc/2007/10/post_a2d8.html

投稿: レイニーブルー | 2013/09/04 10:36

デパスについてご相談させて下さい。デパス0.5で尿意不快感がおさまらないときに、1mgにすると完全消失します。1日、つまり2mg。これは、症状が消失する点では適切ですか?
【回答】
今の薬剤容量が貴方の症状に合ったのでしょう。』

また、泌尿器疾患での使用なら依存性はあまり、考えない方がよろしいですか?
【回答】
はい。』

また、デパスの処方量オーバーに代替する方法は、ブロック注射以外でありますか?よろしくお願いします。
【回答】
デパスなどの他の薬を試してみいるしかないでしょう。』

投稿: | 2013/09/09 12:52

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