エブランチルの著効例

30歳代の男性が、次のメモを持参し診察に訪れました。

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【{症状】
地元の○○○○クリニックでは慢性前立腺炎と判定。
尿道の先の方が痛い。痛さには波があって常に同じではない。これはきついと思えるときや、ちょっと痛いな～とか。
○○○○クリニックのおかげで、これはきついと思える痛さが最近は1週間に1度くらい。違和感はつねにある。
それまではどこの医者にいっても症状はよくならなかった。
特にゲリをしたときいっしょにおしっこをしたときと、射精のあと1日後に痛くなる。そのあと2～3日痛い症状が続く。
射精したあとはお風呂に入ったりして、亀頭表面をよく洗ってやるとその後の痛みが少しはましになる気がする。
頻尿だったり、おしっこがでづらかったりするときがあるような気がする。
内ももチクチク、全身チクチク、下腹部痛、陰嚢痒い。長時間座るのはつらい。下腹部痛と陰嚢が痒いのは中学時代から。

【経過】
尿道が痛くなったのは2000年7月。
若気のいたりで風俗にいっていしまいその後、内ももがチクチクする感じがあったので、性病の検査をしてもらうと地元にある○○○○病院へ。
この病院選びが大失敗。性病の検査は尿検査でいいのに、綿棒みたいなのを尿道に突っ込んで検査することに。
当時はそうやって検査するものだと思っていたし、お医者さんは無条件で100％信じるものと思ってた。
それに性病になったかもしれないという動揺で頭がいっぱいだった。ちなみに病院は友達の紹介。
その綿棒みたいなのを尿道に入れられたことによって、尿道が痛くなったような気がする。
うまく入らなくて一度入れ直したくらいだし、今でもそのあとが亀頭表面から尿道に向かって赤い線として残っている。
検査の結果はクラミジア。一転してトリコモナス。結果が変わるのはおかしいと思ったし、そのあと別の病院にいって血液検査をしてクラミジアの抗体がなかったことから、誤診だったことがわかる。
トリコモナスも採った尿を検査する人が持っていくときに、その人の指がおもいっきり尿に入っていたのを見てしまった。しかも素手。
これではそこから菌が尿に入ってしまう危険性大。
“病院と医者は選ばなきゃいけない”という知識がなかった無知な自分を反省したのと、あまりにもずさんな管理体制の病院を目のあたりにして、病院と医者に対してかなり不信感が湧く。
実際に性病だったかどうかは今になってはわからないが、以前から下腹部痛と陰嚢の痒みがあったことから、風俗にいったことによって、神経質になって内もものチクチクを感じたのかもしれないし、もともと内もものチクチク感は自分の体にあって、それを過敏に感じたのかもしれない。
自分では一連の流れから性病ではなかったと思っている。
○○病院でクラビット錠を処方された。一向に症状がよくならないのでもう一回同じ病院へ行ってみたけど何でもないという判定。

【今までいった病院】
○○病院（地元）
○○○医院（東京都・○○○○）
○○○病院（地元）
○○クリニック
この他に○○県○○○○福祉センターで心あたりはないけどHIV検査。もちろん陰性。
頭が半分以上パニックになったので検査を受けた。（2回も行った）念のためという意味ではよかったと思う。
尿道が痛かったり、下腹部が痛かったりという症状はずっとあったけど、病院と医者に対する不信感からずっと病院に行けなかった。
でも日々続く違和感と痛みで気持ち的にいっぱいいっぱいになって、一度会社をやめてちゃんと痛いのを治してからもう一回働こうと思うようになり、実行した。
仕事が相当忙しかったので働きながら病院にいく余裕がなかったし、だいいち病院をしらべる気力もなかった。ちょっと休職扱いにしてもらおうなんて思う余裕もなかった。
ようやく○○○医院に行けたのが○○病院に行かなくなってから4年半後くらい。
性病かもしれないという相談は友達にすぐできたからよかったけど、ずっと症状がよくならないことは長い間誰にも言えなくて、1人でかかえこんでしまったことが、余計いけなかったと思う。
ひどいときには陰茎を丸ごと切ってしまおうかとも思った。ただこれだと温泉にも行けなくなるし、結婚もできなくなるし、とにかく人生に絶望していた。
あと○○○病院に行っているときに、一向に症状がよくならないので以前から症状としては軽かったけど、痔かもしれないと思ってたので、痔の○○肛門病院へ。痔のせいで尿道が痛いのかもしれないと考えたこともあった。痔の方は軽い切れ痔。
早く尿道の痛みから解放されたいと思い、肛門も尿道も同じ粘膜だから尿道に傷がついていつのなら、痔の薬をぬれば良くなるのでは？と今から思えばアホな素人考えをおこしてしまい、綿棒を使って尿道に痔の薬をぬっていた。藁をもすがる思いだった。
綿棒が尿道にあたって痛いこともあった。自分で新たな傷を作ってしまったかもしれないと思い自己嫌悪。
痔の薬を尿道に塗っていると○○○病院の先生に言ったら、やめた方がいいと言われた。
痔の薬を塗って少し症状がよくなった気もするが、あまり覚えていない。

【今まで飲んだ薬】
クラビット錠
セフゾンカプセル
クラリシッド錠
ノフキサン錠
セルニルトン錠
（この薬でだいぶ症状がよくなった気がする。ただ飲み続けているうちに薬を飲んだときの方が尿道が痛くなった）

【自分の考え（素人考え）】
自分では○○病院で尿道に綿棒を入れられたことによって、タイミングからみても尿道が痛くなったと思っている。もしくは思い込んでいる。そのことを今まで行ったお医者さんに聞いてみても相手してもらえない。
それを認めると○○病院での医療ミスを認めることになるから、同業者としてそれは全体にできないのだと思う。
こっちは医療ミスで訴えたいとかそういうことじゃなくて、純粋に尿道が痛い原因を知りたいだけなんだけど・・・
またただ単純に綿棒を入れられたことによって傷がついたなんて前例がないし、わからないのかもしれない。
いろんなお医者さんに観てもらって気がついたことだけど、わからないことを質問したときは答えを濁したり、話をそらしたりする。
慢性前立腺炎のブログを読ませてもらって、その考えが少し変わった。本当は慢性前立腺炎なのではないのかと。慢性前立腺炎という言葉を知れたのもつい最近のこと。
何よりもこのブログで自分と同じように苦しんでいる患者さんがこんなにいるのだとわかって、だいぶ気が楽になった。

【質問】
綿棒みたいなのを尿道に入れられたことが原因で、尿道が痛い可能性がありますか？
（いままでおしっこをするとき痛かったことはほとんどなく、むしろおしっこをすると楽になる。亀頭表面とパンツがすれると痛い）
（素人考えですが射精したあと１日後痛くなるのは、精液は時間がたつと酸性に変わるからそれが傷口にしみて痛いのではないか）
ただ直腸に指を入れて前立腺を圧迫してもらう検査をしたとき、同時に普段痛い尿道の先っぽの方も痛くなった。

セルニルトンを飲んで症状がよくなってきたと思ったら、今度は薬を飲んだときの方が尿道の先が痛くなったのですけど、これはどういう事ですか？

慢性前立腺炎だった場合、子供を作ったとき遺伝しますか？
またこれまでいろんな薬を飲んできたり、可能性は低いと思いますが性病だった可能性もあるので、これらのことが子供に悪影響がでる可能性はありますか？

もし尿道の痛みが綿棒によるものなら、これから先、治る可能性はありますか？

今の症状は慢性前立腺炎と綿棒による外傷の両方ですか？
もしくは綿棒で尿道が傷ついたことによって、慢性前立腺炎の症状はでますか？

【やってもらいたいこと（素人考え）】
尿流測定

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いわゆる、痛み系に属する慢性前立腺炎症状の患者さんです。頻尿や排尿障害に関しては、ほんのわずかな記載があるだけです。
下記に示す、検査の結果、排尿障害を強く認めました。年齢的にハルナール（適用保険病名が前立腺肥大症）が処方できないので、止む無く、同じα－ブロッカーであるエブランチルを処方しました。

【尿流量測定ウロフロメトリー検査】
排尿量５６０ｍｌで排尿時間６３秒、最高排尿速度２１ｍｌ/秒、平均排尿速度８．９ｍｌ/秒と明らかな排尿障害を認めました。

【排尿前の超音波エコー検査】
尿は十分に蓄尿することができています。

【排尿後の超音波エコー検査】
残尿量測定検査は１００ｍｌでした。正常の場合は残尿量０ｍｌですから明らかに排尿障害です。
前立腺肥大症の手術適応が残尿量５０ｍｌ以上ですから、かなりの残尿量になる訳です。
エブランチルを１日１回１カプセルの服用していただき、１ヵ月後再診時には、症状が劇的に改善し１００％→５％以下（患者さん談）という状態になりました。
検査で排尿障害を証明するためには、三つの要因が必要です。
１．蓄尿障害がない。十分に尿をためることができる。正常であれば、３００ｍｌ～５００ｍｌ以上です。
２．尿の勢いがよい。尿流量測定ウロフロメトリー検査で左右対称の単純な放物線（を描かなければなりません。
３．残尿があってはならない。残尿を５０ｍｌ未満を正常と判断する医師がいるので、排尿障害を見逃すのです。

【コメントから】
メモを持参し診察に訪れた患者の○○です。

高橋先生。この度はいろいろとお世話になりました。
ホント感謝の気持ちでいっぱいです。
今改めて自分で書いた文章を読み返してみて、かなり気持ち的にいっぱいいっぱいになってたと思います。
毎朝起きると尿道が痛くて、その痛みに波はあるものの痛感は１日中続いて、その原因がわからないまま５年近く過ごしてきたのですから、無理ないかもしれません。
まさに人生お先真っ暗でした。

いろんな病院を巡って、高橋クリニックで“エブランチル”を処方していただき、症状が劇的に改善しました。
どのくらい劇的だったかというと、１回目（１日目）を服用したら痛みとその他もろもろの違和感がかなりの部分でなくなり、２回目（２日目）を服用したら痛み＆違和感がほとんどなくなりました。
高橋クリニックにくる前の痛さを１００とすると、今の痛さは５以下です。前は常に痛かったのに、今は常に痛くないときの方がほとんどで、たまにちょっと痛いかなと感じるくらいです。
“エブランチル”以外のどの薬を服用しても、ほとんど効果がなかったので、感動ものでした。

日々の苦痛から開放された現在は、普通に仕事をこなし、休みの日はテニス等をしてエンジョイ！してます。
余談ですがここ半年くらいで女の子の人脈がかなり増えました！この病気にメドが立つまでは、そんな気力すらおきなかったですから・・・

最後に改めて、高橋先生ありがとうございました。