高見さん、今日もお元気ですか?
高見さんは、現在33歳男性で平成17年9月に初めて当院を受診しました。
当院で膀胱頚部硬化症の診断で、2回の内視鏡手術を行っています。初めて来院した時から比較すると、症状は軽減していますが、完全に消えていないので3回目の手術を強く希望されています。
現在、奥様が二人目のお子様を妊娠中で、来年の2月に出産予定です。それ以降に手術を考えましょうという話になっています。「この子だ生まれたら、3回目の手術は精液が出ないくらい削ってもらえる」と嬉しそうに?に話されます。
高見さんは、精神的にとてもデリケートで、残りの症状が強く出るときには、ブログの私の顔をご覧になると楽になるので、一時、携帯電話の待受け画面を私の顔にしていたそうです。(奥様が笑顔でそのように話されていました)
1回目の手術の感想については、患者さんからのレポート#10で報告していただいています。1回の手術で治らないのは私の不徳の致すところですが、患者さんが私を信頼しご夫婦で来院されるので、医師としては喜びです。
高見さんは、毎日このブログをご覧になりながら、「今日は更新した!」「今日は更新していない」と一喜一憂されていると、奥様から伺いました。執筆をするにあたて責任を感じます。
高見さん!一緒に治して行きましょう!
帰りの新幹線で、このページをご覧になっていますか?お約束通り、掲載しました。
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コメント
こちらの患者様は2度目の手術を終えられて、3度目の手術を希望それているとのことですが、いわゆる再狭窄になられたのでしょうか?どこかの説明で蘇生力が強いと再狭窄するとの記載があったかと思いますが、それでしょうか?いままで手術された患者さんでこのように再度手術されるかんじゃさんは人数にしてどれくらいいままでおられましたか?お教えいただければと思います。
【高橋クリニックからの回答】
高見さんも再狭窄です。
再狭窄といっても完全な狭窄ではなく、膀胱出口の再硬化症というイメージです。
正確な人数は数えていませんが、10人に1.5人の割合(約15%)でしょう。
膀胱頚部硬化症の患者さんは、膀胱出口の筋肉や神経がもともと機能しないので、手術後も正常の人のように十分に大きく開きません。
内視鏡手術をした直後の開きのままなので、次第に狭く瘢痕を形成して治ろうとする癖を持っています。それが手術後3ヶ月の傷が治る時点で判断できます。
だからといって、膀胱出口・膀胱頚部に穴が開いてしまうほど切除することは出来ませんから、その手前まで切ったり、切り方に工夫をして、瘢痕化を回避するように努力しているのが現状です。
このブログの手術手順が変化しているのもそういった理由があります。年間200件ほどの内視鏡手術を私一人で行なっており、ほんの少しずつ技法を変えて、再硬化しない完成された手術法を模索・研究しています。
投稿: スイカ | 2006/11/06 14:32
ご回答誠に有難うございます。三ヵ月後に再手術が必要か否かの判断ができるとのことですが、その際の診断方法は実際に内視鏡にて観察するのでしょうか?判断基準の詳細はどのようなものでしょうか?たとえば再狭窄していなくとも痛みが残る場合と、再狭窄して痛みが復活する場合とを判断はどのようにされていますか?ご教授いただければと思います。
【高橋クリニックからの回答】
内視鏡検査は行いません。あくまでも患者さんの訴えが診断基準です。慢性前立腺炎の患者さんは、症状の多彩さに特徴があります。ですから、患者さんのQOLが改善しないのであれば、手術が不十分か再狭窄と判断します。
尿線が細くなれば、明らかに再狭窄と判断できますし、尿線は太く排尿障害は改善されたが、不快感が取れなければ、その患者さんにとっては、まだ手術が不十分である可能性がある訳です。
また、現実問題として、物理的に内視鏡検査を行う時間がありません。内視鏡手術・包茎手術・パイプカット手術・尖圭コンジローマ手術・外傷手術・陥入爪手術を合わせると、年間500例以上の手術を私一人でこなしています。内視鏡検査のための余裕がないのも事実です。
投稿: スイカ | 2006/11/06 17:56
早々のご回答有難うございます。そういたしますと、あくまでも、患者さんの訴えと、尿流測定が基準ということですね。再度手術するか、あるいは、ペインクリニック的な方法をとるかは現状の患者数から見ても患者さんの訴えによらざるを得ないということですね。
【高橋クリニックからの回答】
その通りです。
もともと膀胱頚部硬化症が存在していても、患者さんが生来オシッコが近いとか年のせいだと、病識がないのであれば、治療の必要もない訳です。
私も現在はハナールを飲んでおり、痛み、不快感などは4割程度に落ち着いたのですが、この四割の不快感も結構いやなもので、何とかならないかと考えて、先生のホームページから色々勉強させていただいています。
現在の私の対処法はベルヌーイの定理から考えて、結局のところ狭いとこにりきんで排尿すると前立腺の内圧がさがり色々な問題がおき、また膀胱頸部にも負担がかかるとのことと解していますので、ほとんど力まず、いつもの1割から2割程度の力で排尿しています。つまり膀胱頸部の開きに見合った排尿をするといった感じです。当然出は非常に悪く時間もかかりますが痛みや不快感は1割以下程度に落ち着いています。
【高橋クリニックからの回答】
その通りです。気がつかれましたね。
まだこのブログには掲載していませんが、私の理論からはその通りです。
力まれると確実に開くのは外尿道括約筋のみですから、仮想のてこの力で膀胱出口は閉じてしまいます。それも力めば力むほどに閉じるのです。薬のみの患者さんの場合には、早朝尿の際には、特に力まないように指導しています。
このまま、ずっと生活するか手術をお願いするかどうかはなかなか難しい選択ですが。。。
【高橋クリニックからの回答】
手術は無理に行なうものではありません。私も背中を押すつもりもありません。心の底から、本心から手術を希望された時が、チャンスでしょう。
私の感覚から考えて、術後、完全に治りが悪い人で、さほど再狭窄していないのであれば、すこしいつもより力を抜いて排尿することで随分効果があるのではないかと思います。(最近思うことですが、実は排尿時に力むことが癖というか、当然の行為となっていたことに気づきました。きっと普通の方はほんの少し力を抜くだけで爽快に排尿できるのだと思います。)
逆行性射精も厄介ですが、再狭窄も厄介ですね。。。
【高橋クリニックからの回答】
逆向性射精にならないように手術すると、再狭窄になるし、再狭窄にならないように切りすぎると逆向性射精になるというジレンマです。
投稿: スイカ | 2006/11/06 18:46
高橋先生へ
今日の診察ありがとうございました。
家に着いて、早速先生のブログを拝見していたら、
あらら!びっくり!!本当に自分の事がブログに載っていたので、びっくりしました。
先生にとって、僕のような治りの悪い患者は嫌かもしれません。
しかし、先生から「良くなるまで面倒を診るから」と、言っていただいたときには涙が出るくらい嬉しかったです。
これからも、高橋先生についていきますので今後ともどうぞ宜しくお願いします。
嫁さんも、良い先生にめぐり合えて良かったねといってくれています。
06.11.6 高見
【高橋クリニックからの回答】
貴方は一人ではありません。みんなが貴方を見守っています。
私もその一人です。奥様もお子さんも・・・。
奥様とお子さんによろしくお伝え下さい。
お大事に。
投稿: 高見 | 2006/11/06 19:03
やはりそうでしたか。仮定的な理論を組み立てて、現実的に実行するとその通りになる。実に面白いですね。自分の体に起こっていることですが、非常に興味深いです。最近では皮膚炎も随分と軽快しています。これは意外なことでしたが、間質性膀胱炎の患者さんにもこのような方がおられましたね。結構、慢性前立腺炎の患者さんで、皮膚炎に悩まれている方は多いと思います。実に神秘的というか興味深いです。
【高橋クリニックからの回答】
人間は口から取り込んだものを様々な事象の【排泄】という形で反応します。排便・排尿・発汗・呼気(二酸化炭素排泄)・鼻汁(白血球・免疫抗体排泄)・体温(熱排泄)・炎症反応(白血球排泄)・アレルギー反応(免疫抗体排泄)などすべて排泄として考えられます。思考そのものも脳内の電気エネルギーの排泄としてとらえることができます。つまりはエントロピーの増大・拡散です。
水分代謝の排泄に限定すれば、尿・汗・呼気・消化器液・涙などに集約することができます。そしてこれらの間には相互関係が存在します。夏の暑い日は汗が多く出ますから、尿量が少なくなります。冬の寒い日は汗が出ませんから、尿量が多くなります。
もしも、排尿システムに障害があれば、他のシステムがその障害をカバーしようとします。しかし、他のシステムが排尿システムをカバーすることが出来ませんから、他のシステムが疲労し、そのシステム自体も機能低下を来たします。
排尿システム障害があれば、発汗システムの皮膚が機能低下を来たし、皮下の免疫システムが傷害されアトピー性皮膚炎・蕁麻疹などの原因不明の皮膚炎になってもおかしくありません。
呼気のシステムが機能低下すれば、気管気管支の免疫システムが傷害され気管支喘息になってもおかしくはありません。
しかし、これもすべて私の仮説です。この仮説を私が力説すると、「排尿障害を治せば何でも治る」的な奇人・変人として評価されてしまうでしょうから、この程度に留め置きます。
あと痛みが朝起きたときに一番強く感じるのは何が原因でしょうか?朝は尿が濃いために、微細な炎症や、傷にしみるためでしょうか?それとも尿がたくさん溜まって膀胱頸部に負担がかかるためでしょうか?また座っているときにも痛みが出やすいのはどのようなメカニズムと考えられますか?
【高橋クリニックからの回答】
早朝は、膀胱が限界まで緊満していますから、膀胱三角部・膀胱頚部に負荷がかかり、関連痛が刺激されます。
このままの排尿方法で過ごしていくことで、何か今後問題として考えられることはございますか?たとえば、膀胱頸部の器質的に硬化する傾向など。。。
【高橋クリニックからの回答】
対策を立てた排尿の方が、器質的硬化はゆるやかに進むでしょう。
正直言えばさっさとこの病気とおさらばしたいと考えています。実費のハルナールも馬鹿になりませんし、いずれ手術が必要ならさっさと終えたいと考えています。手術が必要と強く思ったときがその時とは、まさにその通りだと思っています。もし仮にハルナールの服用をやめ、かつこの力を抜いたちょろちょろ排尿で痛みの無く一生暮らせるならそれでもいいのかもしれません。迷うところです。。。
先生の手術はたの病院の膀胱頸部硬化症の手術よりはるかに逆行性射精も、再狭窄も確立が低く驚いています。やっていただくなら先生しかいないと考えています。 手術後、再狭窄になって現在よりさらに膀胱頸部の開きが悪くなったり排尿困難になったりすることはあるのでしょうか?
【高橋クリニックからの回答】
手術直後1ヶ月は、電気メスによる腫れのために開きが悪くなり、一時的に症状が悪化することがあります。
何度も書き込みして申し訳ありません。
投稿: スイカ | 2006/11/06 19:45
上記の確立→確率です。そのほかにもちょくちょく誤字があって申し訳ございません。
投稿: スイカ | 2006/11/06 19:53
高見さんは現在お元気なのですか?6年前からここまで先生に信頼を寄せている患者さんがいるとは驚きです。このころから先生がすでに慢性前立腺炎治療の正解を射抜いていたからなんでしょうね。
【回答】
最近は連絡がありません。
お子さんが出来たら、前立腺を全部削っていただきたとおっしゃっていたんですが、お子さんが出来たのですが、その後の症状が安定しているので、連絡がないのでしょう。
投稿: とし | 2012/10/30 14:09
高橋先生お久しぶりです。
二度目の手術からもう、6年弱経ちました。あの時の、お腹にいた子はもう来年には小学校に入学します。
先生のブログはあれからもよく拝見させていただいています。
症状としましては、今は全くありません。
二度目の手術の後はやはり電気メスで削ったところの腫れがあったため症状が悪化したように思いましたが、腫れが引くにつれて、劇的によくなりました。
何度か、調子が悪くなることもありましたが、(その度に、嫁さんから高橋先生のところに行ってきなさい!!と言われていましたが・・・汗)以前のように、仕事に身が入らない、夜も寝れない、トイレの回数が多いといった症状はほとんどなく多少の不快感で済んでいました。
当時は三回目の手術も希望していましたが、今では大丈夫のような気がします。
今では普通に普段の生活や仕事を出来るようになり、こんなに普通に生活できることがとても幸せなことだと実感しています。
これも、先生に出会えたおかげだと思っています。本当にありがとうございます。
一度は術後の経過や今の状態を見てもらいたいとは思っていますので、時間の都合がつき次第お伺いさせていただきたいと思います。
【回答】
元気で何よりです。
投稿: 高見です | 2012/11/22 19:58
高見さんは手術後アルファブロッカーかベタニスをずっと飲んでいるのですか?
【回答】
何も飲んでいません。
投稿: とし | 2012/11/26 11:33