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病気の原因・結果・誤診

ここで病気の成り立ちに関して、簡単に説明しましょう。
一つの原因が存在し、その原因が臓器や組織を障害すると病気が発生します。とても単純ですね。

下の図は、そのことを簡略に表現したものです。★印の原因が、ある臓器を障害すると★型の病気になります。同じように■印の原因が、同じ臓器を障害すると■型の違う病気になります。さらに、▲印の原因が、またまた同じ臓器を障害すると▲型のこれも異なる病気になります。

★型の病気は原因が★印、■型の病気は原因が■印、▲型の病気は原因が▲印ということが、容易に診断できます。それぞれの原因を治療すれば、それぞれの病気を治すことが出来る訳です。ここまでは簡単に理解できますよね。とても教科書的な典型例ですから、これでは簡単過ぎて誤診したくてもしようがありません。

癌・悪性腫瘍の発生とその障害を受ける臓器の場合は、この教科書的な典型例に当たります。胃に潰瘍を伴った胃癌が出来た、脳に脳腫瘍(癌)ができて神経症状が出現した、肺癌で咳が止まらない、膀胱癌で尿に血が混じる、大腸癌で便に血が混じる便秘気味だ、等などです。
これら患者さんの多くは大学病院や超有名病院で診察・検査・治療を受ける例がほとんどです。言い換えれば、大学病院や超有名病院の医師たちは、これら教科書的な典型例の患者さんしか診ていないことになります。これが後々、彼らの考え方の盲点になるのです。


ingaoho

ところが、生命現象はそんなに単純ではありません。実際の臨床現場では、教科書的で典型例ばかりの患者さんが来院する訳ではありません。

★印の原因が、医師が問題ないと考える程度(小さな★印)の障害の時に、★型の病気になれば、結果的に原因が★印と何とか診断が出来ます。
しかし、もしもこの時に障害を受けた臓器や組織の反応が予想に反して変幻自在で、★型とは異なる■型の病気症状や▲型の病気症状になった時に、果たして容易に原因が★印と診断できるでしょうか。■型の病気は■印が原因、▲型の病気は▲印が原因と誤診してしまう可能性が多々あるのです。

また、病気症状が★型にもかかわらず、原因の★印が微々たるもので発見できずに、あるいは発見できても無視をされ、★型の病気にもかかわらず「気のせい」と診断されてしまうことの多いことは、このブログに登場した患者さんをご覧になれば、ご理解いただけるでしょう。

ingaoho-gosin

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