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患者さんからのレポート

このブログの新しい試みとして、高橋クリニックで実際に治療をお受けになった患者さんに無理を言って、体験談をお願いしました。患者さんは快く下記のようなレポートという形式でメールしていただきました。
慢性前立腺炎で悩んでおられる多くの患者さんのお役に立てればと思います。

最初のE-メール(6月18日 土曜日)
はじめまして高橋先生。
 私は、○○県在中49歳で薬剤師の○○と申します。
過去7年間、満足に用を足した事がありません。排尿の度に気分が憂鬱になり最近では生きるマインドも少々低下気味です。
 先生の診察を受けたくメールを送信致しました。
 早速ですが、私の症状の7年間は下記の通りです。
最初頻尿症状が出て自己判断(多分、尿道炎か膀胱炎だろうと思い)でナリジクス酸を服用しました。一旦頻尿症状は軽減しましたがまたすぐに症状がきつくなり今度はナリジクス酸が全然効かず近所の泌尿器科の先生に診ていただきました。エコー・尿検査の結果では前立腺に肥大はなく急性前立腺炎だろうとう言う事でタリビットとエビプロスタットが処方されました。すぐに症状は楽になりましたが、いまひとつスッキリ感がなくその後も通院しハルナールとエビプロスタットの服用を継続しました。8ヶ月位は薬が効いていましたがその後は効いた気がしません。
しかし5年半位前から再び尿の出が悪くなるとともにお尻の痛み(肛門のちょっと上の真ん中よりちょっと左側)と足の裏がしびれるような痛みも出始めました。特にお尻の痛みは耐え難く、洋式の椅子には2時間以上座ることも出来ず、会議や自動車の運転等生活にも支障が出てきました。ちなみに私の日常生活で使う椅子は、お尻に負担が掛からぬように全部円座かフカフカのクッションを取り付けてあります。
 当時私の兄が○○大○○科の勤務医をしておりましたので紹介で大学病院の分院に掛かりました。造影剤の点滴をしながらの検査と触診をされ、その時の触診の痛みは、お漏らししそうな位痛く今でも忘れられません。静脈のうっ滞と言う事でビブラマイシン・トランサミン・α-ブロッカー・ユベラニコチネート等が処方された記憶があります。病院の検査が終わった後、兄に連れられて○○○○の診療所で特別にMRI検査をしてもらいました。結果はガンもなく異常もなく兄からは、「精神的なものの方が大きいかもしれない。死にはしないから心配するな。」と言われました。
 近所の専門医の先生からも「○○さんの場合、PSAは異常値ではないが普通の人に比べるとかなり高いからそれらが排尿障害の一因になっているかもしれない。手術は、逆行性射精になるリスクが高いから、病と上手く付き合っていかなければいけないね。」と言われていました。その先生は、とっても気さくで地域医療にも積極的で私自身お気に入りの尊敬する医師です。
 その後は、大腿部の筋肉痛・会陰部の痛みと不快感等の関連痛も加わり良くなる事はなく、じわじわ悪くなる一方で今日に至っております。
 排尿障害になると体質も変わり、下半身が冷えるようになった気がします。湿度が高いと体感温度が変わるように(梅雨時は蒸し暑く、新潟の冬はジメジメしていて気温の割りに寒く感じます。)膀胱に尿が溜まると寒い季節は妙に足先・亀頭・お尻等下半身が冷えます。季節的には冬の寒い時が辛く、夏の暖かい時は比較的楽です。日内変動もあり、午前朝方では頻尿・残尿感があり、夜になると排尿痛・排尿困難・足のしびれ痛み等が強くなる傾向があります。
  先日、Googleで慢性前立腺炎を検索したら先生のHPを発見しました。ドクターショッピングの上、治らずあきらめそして悩んでいる患者様に論理的に丁寧に応えてらっしゃる高橋先生に感激致しました。
ぜひ私も診て下さい。来週6月25日〔土〕の外来に行きますのでよろしくお願い致します。

初診の日(6月25日 土曜日)
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尿をたっぷり溜めてクリニックに伺い、排尿前のエコー検査・尿流量測定ウロフロメトリー検査・排尿後のエコー検査の順に検査を受けました。検査後、先生から「典型的な排尿障害ですね。グラフの線は、普通の人は山型になるのにダラダラと長くて低い台形を描いています。線がギザギザなのは、尿が出にくいから無意識に腹圧を何回もかけながら排尿しているからです。残尿も非常に多いです。薬が効かないのであれば手術以外に治す方法はありません。」と説明をされました。私自身、とても納得できたので、早速手術の日を7月28日に決めていただきました。
 「手術の日が待ち遠しい。」そんな気持ちで新潟に帰りました。
※尿流量測定ウロフロメトリー検査は、初めて受けました。

手術の日(7月28日 木曜日)
 手術は、液晶で映像が目の前に映る厚いメガネ様モニターを装着し、先生の解説を聞きながら行われました。膀胱の出口の映像が映し出された時、先生から「ここは普通の人だと直径6㎜位開いているのですが麻酔が効いていて2㎜しか開いていません。麻酔をしていないと多分1㎜位しか開いてないでしょう。ここを削ります。」なるほど、直径が1/3になれば面積は1/9、直径が1/6になれば面積は1/36になりますから、尿が出なくて当たり前です。納得の上、削っていただきました。その後、膀胱三角部が赤く充血していたので切開術をしていただきました。
 手術は、あまり痛くもなく、時間もかからず無事終了しました。手術後に再度、女房と一緒に手術経過をVTRで見ながら解説していただきました。当日夕方には、もうホテルでくつろぎ、土用丑の日だったので奮発してうなぎ弁当を食べました。
 2日後の土曜日に膀胱留置カテーテルを外していただき、日曜日には新潟に帰えることができました。月曜日から普通に仕事をしています。

手術後の経過報告E-メール(8月24日水曜日)
 手術後8月8日(月)までは、術後の尿道狭窄症状なのでしょうか、尿はチョロチョロで、出ても尿線が2本線・3本線になったりして排尿が上手く行かなかったのですが、その日の夜と13日(土)にかなり大きな血の固まりが尿と混じって出てからは、尿線も毎日じわじわと太くなってきています。その後、小さな血の固まりが8月20日まで混じっていましたが、今はきれいな尿が出ています。会陰部や脚の痛み・足のしびれ等の関連痛は半減しています。お尻の痛みはまだ強いですが、手術前と比較したら楽になってきています。排尿時間は、手術前の1/3から1/4で排尿終了時に変な痛みを感じますがスーッと終わる事が出来ます。
今週の土曜日に東京に行きますので、また診て下さい。よろしくお願い致します。たっぷり尿を溜めてお伺いします。

手術から1ケ月後の診察(8月27日 土曜日)
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時間の都合でたっぷりから七分目位の尿しか溜められませんでした。
初診と同じ内容の検査をしていただき、尿流量測定ウロフロメトリー検査ではグラフの線の頂点にややギザギザが有るものの綺麗な山型になっていました。先生からは「目では見えないけれどまだ血が混ざっているね。残尿が約100mlあるからまだまだですが、もう1ケ月位すればもっと良くなりますよ。」と説明を受け励まされました。
検査結果は私にとって驚きで「検査で膀胱・前立腺は真実を語る。」を思い知らされました。

今現在(9月10日 土曜日)
手術から1ケ月半経ち、その後も日に日に尿線が太くなってきています。排尿終了時の変な痛みは消え、関連痛もかなり軽減されています。お尻の痛みは、数字で表すのは難しいですがピーク時の70%位です。
手術でこんなにQOLが改善されるなんて思ってもいませんでした。
高橋先生、本当にありがとうございました。

2005年9月10日(土)
             〒・・・-・・・・ ○○県○○市○○町○○○○ ○○○○
e-mail ・・・・@・・・・

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コメント

前立腺肥大手術を詳しく知りたい

投稿: k | 2007/07/08 07:59

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