メール相談 慢性前立腺炎編#11
「高橋先生へ。はじめてメールしました。○○県○○市在住 37歳独身(結婚暦無)男です。23歳頃から慢性前立腺炎で悩んでいます。東京スポーツ誌で先生の排尿障害と慢性前立腺炎の記事を読んで、もしや自分のことではないかと思いワラをも掴む思いでメールしました。
8歳頃から12歳ころまでに数回膀胱炎になりました。遠い記憶ですが、お医者さんにそう診断されていました。
10歳のときに膀胱炎になったときには膿みがでてかなり苦しかったです。思えば、この後から、なんだか竿の奥にムズムズ感や痛みが時々発生するようになったと思います。自分は慢性膀胱炎なのか?と思っていましたが、尿検査では異常はなかったです。
20歳ごろに、おしっこをした後に竿の奥深くがゴボゴボと泡立ったような感じがしたあと、痛みというか不快感が襲って動けなくなりました。それは30分程で消えるのです。病院で造影材などを注入して検査してもらいましたが異常なしと診断されました。
23歳のとき、ジンジン/ムズムズ/鈍痛/濡れた感じ/など色々な症状が慢性化したため、病院に行きましたがやはり異常なしでした。2つ目の病院では菌がでているということで抗生剤を処方してもらいましたが改善しませんでした。
30歳のころ、前立腺マッサージをしてくれる○○の病院に2週間続けてマッサージしてもらいましたが改善しませんでした。書籍で調べてお医者さんに「私は慢性前立腺炎でしょうか?」とたずねると肯定する答えが返ってきました。そして現在まで治っておりません。現在37歳です。
現在の症状。射精時や後の痛み/勃起時に竿に傷みがある/勃起強度がかなり減退/精力減退/排尿後に尿道奥に激痛がはしる/前立腺が痙攣する/鈍痛/おしっこの切れが悪く排尿の最後にだらだらと垂れる/尿道奥から竿の先までムズムズ感が取れない 今のお医者さんで超音波撮影や、マッサージ後の前立腺液の検査をしてもらいましたが、「うっけつ」「白血球が増加しており僅かに炎症はある」と言われています。
以前はひどかったですが、今は昼間の日常生活では精神的にあまり気になりません。しかし女性体験がないので果して正常なセックスできるかが心配です。そのため女性にアプローチするのにブレーキをかけてしまいます。
先生に診てもらいたいのですが、遠方なため難しいです。先生、私は排尿障害なのでしょうか。だとすればどのような治療をしてもらえば良いのでしょうか。何卒、ご相談よろしくお願いいたします。(長文、失礼いたしました。
【解説】
東京スポーツ誌で先生の排尿障害と慢性前立腺炎の記事
見つけていただいて、うれしい限りです。
数回膀胱炎になりました
男子児童で数回も膀胱炎になることは珍しいです。この時点で、排尿障害があったのだと思います。
竿の奥にムズムズ感や痛みが時々発生するようになった
前立腺の関連痛でしょう。
自分は慢性膀胱炎なのか?
男性は、原則として慢性膀胱炎は存在しません。
ジンジン/ムズムズ/鈍痛/濡れた感じ
多彩な症状が出現するので、心の病気とされてしまいます。
おしっこの切れが悪く排尿の最後にだらだらと垂れる
やはり排尿障害があったのですね。これが本当の原因です。
どのような治療をしてもらえば良いのでしょうか
前立腺肥大症の治療薬であるハルナールを処方していただいて下さい。多少の改善は期待できるでしょう。お薬の保険病名上、前立腺肥大症という病名がついてしまいますが。
「高橋先生へ。
あけましておめでとうございます。メール相談#11で相談した○○○○と申します。度々のメールで失礼いたします。
高橋先生のHPの内容を、今診てもらっているお医者さんに話して相談してみました。そしたら、すぐに内視鏡検査をしてくれました。(○○○○県○○○○市の○○○○クリニックです)
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検査後のお医者さんの話
約1年半診察してきたが、あなたの病気の場合はおそらくメンタル的なトラウマかなにかが原因だと私は思う。
しかし、私の知識や経験以外の何かが原因である可能性はある。ここでは手術はできないので前にいた市立病院を紹介しても良いが、彼らは多分手術はしないと思う.....。紹介するにしても、本人は手術を望んでいるとは書くが、手術を勧めるとは書けない。
1.確かに膀胱の出口が少し狭い。膀胱頚部硬化症かもしれない。 しかし、手術するほどではないと思う。 昔、その手術をやっても何年かするとまた硬くなってしまう例がいくつかあった。
2.膀胱の「逆三角形の筋肉の盛り上がりが無い。のっぺらぼうのよう。」膀胱の中の2つのエクボの間を上辺として、尿の出口を頂点とする 逆三角形が形成されていない。分かりやすく言えば「発育不良」です。排尿で何か調子の悪いことは起こるかも知れないが大きな問題ではない。
3.内視鏡の画面に、(確か尿道だったと思いますが)白い昆布のひらひらのようなものが 写しだされたが、頚部が狭いため傷をつけてしまったのでそのためだろう。 大丈夫。
4.前立腺の状態は、少し大きいかもしれないが異常ではない。
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内視鏡が尿道から膀胱へなかなか入っていかず、入るときにすごく痛かったです。出血しました。しばらく痛みも残りました。約2日半くらい血がでました。今もまだ違和感がありますが、もともとの症状とごっちゃになって区別がつきません。
1項の結果だと、私はやはり膀胱頚部硬化症なのでしょうか。そして 手術しても恒久的な治療ではないのでしょうか。
2項はやはり発育不良なのでしょうか。だとすると手術しても病気は改善しないのでしょうか。全く別な病気なのでしょうか。
3項は本当に大丈夫なのでしょうか。おしっこの回数が多い日は竿の付け根の奥がひりひりしてジンジンする度合いが強くなるのはこのせいではないでしょうか。
お忙しいところ誠にすみませんが、ご相談よろしくお願いします。」
【解説】
確かに膀胱の出口が少し狭い。膀胱頚部硬化症かもしれない。
今まで調べもしなかった医師が、調べてみた結果、自分の目で見ても狭いと患者さんに告げたのにもかかわらず、
しかし、手術するほどではないと思う。
このように断言できるところがおかしいですね。何の根拠でこのように断言できるのですか?患者さんは長年苦しんでいるにもかかわらず、異常所見が出ても認めないで、
おそらくメンタル的なトラウマかなにかが原因だと私は思う。
と結論付ける論理思考がメチャメチャでしょう。医師もほとんどが非科学的な世界で生きていることが分かりますね。
昔、その手術をやっても何年かするとまた硬くなってしまう例がいくつかあった。
だから、何?何年かはその間は硬くならなかったのでしょう?その間は患者さんが楽になったのでしょう?また硬くなってしまったのなら、そうならないように努力したのですか?負け犬の遠吠えのようなことを言わないでほしい!
排尿で何か調子の悪いことは起こるかも知れないが大きな問題ではない。
調子が悪いから、患者さんは悩んでいるのではないのですか?
白い昆布のひらひらのようなものが 写しだされた
恐らく炎症性ポリープでしょう。排尿障害があると出てくるポリープです。
前立腺の状態は、少し大きいかもしれないが異常ではない。
陽性所見は全て否定ですか?何が何でもストレス性にしたいのでしょう、この医師は。
「高橋先生へ
メール相談#11の続きを拝見しました。○○○○と申します。お忙しい仲、ご回答ありがとうございます。
先生の見解では、私の病気は手術で治りそうなのでしょうか。下記の所見が気になるのです。
>2.膀胱の「逆三角形の筋肉の盛り上がりが無い。のっぺらぼうのよう。」膀胱の中の2つのエクボの間を上辺として、尿の出口を頂点とする 逆三角形が形成されていない。分かりやすく言えば「発育不良」です。排尿で何か調子の悪いことは起こるかも知れないが大きな問題ではない。
○膀胱の構造が常人と違うことは、私にとっては凄くショックでした。もし発育不良だとすれば、手術しても治癒は難しいのでしょうか。
○炎症ポリープは、慢性前立腺炎の症状と関係があるのでしょうか。やはり手術する必要があるのでしょうか。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
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こちらで検査していただいたお医者さんですが、高橋先生の慢性前立腺炎の治療に関しては,決して否定的ではありませんでした。膀胱頚部硬化症の話をしたら、「なるほど、よし直ぐ診て見よう」という感じで、こだわることなく相談にのってくれました。私が、高橋先生の慢性前立腺炎と排尿障害の治療の関係を説明したときも真剣に聞いてくれました。(私にとっても予想外の反応でした)
私のメールの文体が率直すぎたため、高橋先生に会話の雰囲気まで伝わらなかったようです。すみませんでした。」
【解説】
もし発育不良だとすれば、手術しても治癒は難しいのでしょうか。
発育不良で機能障害が出ているのであれば、それを手術で補えばよいのです。例えば事故で足を切断した人は、義足で歩行することができます。また火傷のケロイドで関節の動き制限を受ける時には、ケロイドを手術で切り離し動かせるようにします。もし発育不全で排尿障害が存在しているのならば、手術で排尿障害を治し機能回復させるのです。
炎症ポリープは、慢性前立腺炎の症状と関係があるのでしょうか。
炎症性ポリープ(後部尿道炎の所見)は排尿障害の時に出現します。私は治らない慢性前立腺炎の原因は排尿障害だと信じていますから、炎症性ポリープを発見した時点で、その患者さんの病気の原因は排尿障害と断定するのです。
「メール相談#11のものです。
高橋先生へ。
5月から勤務地の関係で別なドクターに診てもらっています。自分の症状を伝えたところ、治療には真剣に向き合っていただいてますが、ぜひ高橋先生のお話を伺いたくてメールしました。
行った検査
1.排尿後の超音波検査
おしっこをしたばかりなのに残尿が20mlくらいある。膀胱からへそにかけての経路が通常の人より残っている。(高橋先生のHPの「尿膜管残存」に該当するのでしょうか)
2.造影剤(腕の静脈注射)
膀胱の出口が開いている。(前立腺側というよりも膀胱側の部分が開いているように見えました) これは膀胱の異常です。
3.ウロフロによる尿流の検査
私が尿の我慢の限界まで我慢しようとしたのですがどこまでも我慢できそうだったのです。700mlもでました。このときの残尿は40ml。これは全尿量の相対でみれば問題はないそうです。
しかし、尿の量にドクターは驚いてました。こんなに溜めるのを繰り返したら膀胱の神経が伸び切ってしまいいずれ神経が尿意を感じなくなってしまい、おしっこが出なくなってしまうよと強く注意されました。排尿流量自体は問題ないそうです。
普段から、尿意がはっきりしないのです。我慢できるといえば我慢できるし、いつも尿意といっしょに膀胱のムズムズ感を感じてトイレにいくのです。
尿意を感じないで試しにトイレにいったら250mlでました。(計量コップをもらいました)
ドクターの話
あなたの尿意は信用しないほうが良い。まず尿を溜めないようにすること。3時間以上は間隔を開けない方が良い。これ以上神経が伸びたら大変なことになりますよ。
検査の結果を見ても膀胱に異常があるのは確か。膀胱 の異常はすなわち神経の異常。時間はかかりますが、まず尿を溜めないことから始めましょう。これは神経/膀胱の病気です。しかし訴える症状が典型的ではない。
処方された薬
フリバス錠
ベサコリン散
高橋先生、この内容は私にとってショッキングでした。神経の異常は修復に長期間かかるそうなのです。
高橋先生のおっしゃる慢性前立腺炎的病気と私の病気は異なるのでしょうか。
ヘソを押すと膀胱とペニスの尿道と先端にかけて痛みが走るのです。
これは押せば必ずいつでも痛みます。一度押すのを試すと、1日ぐらい痛みが残ります。これは中学生くらいからあったと思います。尿道を押すと痛みもあります。これも中学生くらいからでした。
そして、中学生頃は逆に朝トイレにいって、夕方までトイレにいかなかったような日もありました。人よりトイレにいく回数が少ないなと感じ続けていました。(20頃にこの病気を認識するまでは)
先生、私の病気は一体何なのでしょうか。ご回答よろしくお願いします。」
【回答】
医師が100人いれば、100通りの考え方・診断があります。貴方の主治医の検査結果の判断をどうですか?と持ってこられても、直に貴方を診察していない私には、これ以上答えようがありません。
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