慢性前立腺炎CPとセルニルトン
慢性前立腺炎の治療薬でセルニルトンという有名な薬があります。これを読まれている方の中にはもうすでにセルニルトンを飲まれている方も多いでしょう。
セルニルトンは前立腺疾患治療剤の保健薬です。製造発売は、扶桑薬品工業株式会社です。
セルニルトンは1錠中にセルニチンポーレンエキス63mg(セルニチンT-60 60mgとセルニチンGBX 3mg)を含む錠剤です。1回2錠、1日3回、6錠服用します。
セルニチンポーレンエキスは下記の様々な植物の花粉混合物を微生物処理を行い、水で抽出したセルニチンT-60と有機溶媒抽出したセルニチンGBXから作られた生薬です。使用材料と製法から考えると、ヨーロッパに古くから伝わる伝承医学をアレンジしたものでしょう。
植物の花粉成分
チモシイ 26%
ライムギ 19%
ネコヤナギ 6%
フランスギク 6%
トウモロコシ 26%
ヘーゼル 6%
ハコヤナギ 6%
マツ 5%
適応病名
セルニルトンの保険上使用許可の病名は、
●慢性前立腺炎
●初期前立腺肥大症による次の諸症状
排尿困難・頻尿・残尿・残尿感・排尿痛・尿線最小・会陰部不快感
臨床成績
日本での臨床試験報告498症例における有効率は、
●前立腺肥大症 67.5%(135例/200例中)
●慢性前立腺炎 63.8%(190例/298例中)
薬理作用
●抗炎症作用
①前立腺炎に対する作用
去勢ラットに17βーエストラジオールを投与し誘発した非細菌性前立腺炎モデルにおいて、腺上皮細胞の低下した分泌機能を回復させ、腺腔内・間質への炎症性細胞の浸潤を抑制した。
②炎症に対する作用
ラットにおける卵白アルブミンによる急性足蹠浮腫並びにろ紙ペレット法による肉芽増殖を抑制した。
ウシ血清アルブミンの熱変性、ラット赤血球の熱溶血をそれぞれ抑制した。
●排尿促進作用
①膀胱機能に対する作用
無麻酔ラットを用いて測定した膀胱内圧曲線において、排尿時の膀胱最大内圧を増大させた。なお、排尿回数、排尿直前の排尿閾値にはほとんど影響しなかった。
②下部尿路平滑筋に対する作用
マウスの摘出膀胱筋を収縮させ、この作用はセルニチンT-60に基づくものであった。一方、マウスの尿道筋ではノルエピネフリン収縮を抑制し、また、セルニチンGBXはブタの摘出尿道筋を直接弛緩させた。
●抗前立腺肥大作用
正常ラット及びテストステロンを投与した去勢ラットで前立腺の重量増加をそれぞれ抑制した。一方、精嚢、睾丸、副腎等の多臓器の重量及び病理組織学的所見に著変はなかった。
副作用(発現頻度:2.85%)
●消化器症状(胃腸障害・胃部不快感・食欲不振)
●発疹
仮説
以上のセルニルトンの薬理作用を知ると、セルニルトンは抗炎症作用の一面と前立腺を中心とした排尿障害を改善させる排尿促進作用の一面があります(抗前立腺肥大作用を含む)。
慢性前立腺炎で苦しむ患者さんの立場から見ると、セルニルトンは抗炎症作用が強く、前立腺の炎症を抑えてくれるとお思いでしょう?でもよく考えてみてください。作用は大きく分けて二つ存在していて、どちらの作用も同じ確立で作用するのに、炎症(前立腺炎)だから抗炎症作用と短絡的に考えてしまうのが誤解の基なのです。
臨床成績では、初期前立腺肥大症の成績(67.5%)の方が慢性前立腺炎の成績(63.8%)を上回っています。前立腺肥大症患者さんの立場から見ると、セルニルトンは排尿促進作用が強いと思うでしょう。あれ?おかしくありませんか?同じお薬なのに、患者さんの立場が違うと薬の主作用が全く異なる作用に変化するのです。
勘のよい方ならもうお分かりでしょう。初期前立腺肥大症も慢性前立腺炎も病気の本質は同じなのです。要するに排尿障害とそれから来る軽微な炎症が、患者さんを苦しめている症状の原因なのです。前立腺肥大症は前立腺が明らかに大きく腫れていて排尿障害の症状が前面に出ているので前立腺肥大症と診断が付いていますが、慢性前立腺炎の場合は前立腺の大きさは正常で炎症の症状だけが前面に出ているので慢性前立腺炎という病名が付いていると考えれば、セルニルトンが前立腺肥大症にも慢性前立腺炎にも同じように効き目がある理由がスッキリします。
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コメント
3ヶ月医者の指示で服用しています。
次の症状は、この薬の副作用でしょうか?
お尋ねします。
①皮膚の腹部や背中が痒くなる
②血圧が高くなる(以前は120が今は167.
以上です
投稿: WM | 2004/12/25 19:13
8日間医者指示で服用始めました、下腹部や背中が痒くなり両手の嘗が少し赤くなり指先がジンジンするときがあります、セルニルトンの副作用でしょうか?血圧は変わりなく食欲もあります、他に高血圧、糖尿病の薬を服用してます。
投稿: TN | 2006/03/21 08:47
治療薬として使用されているセルニルトンも薬理作用がある訳ですから、ここには掲載していない様々な副作用がある筈です。
副作用を疑った場合には、薬の服用を1週間ほど休止するか、医師にご相談下さい。
このコメント欄には、匿名でお願いします。
投稿: 高橋クリニックからの回答 | 2006/03/21 10:13