カテゴリー「間質性膀胱炎の症状」の記事

条件反射

病気には、条件反射で症状が出るものがあります。

条件反射とは、見たり聞いたり感じたりすると、脊髄神経回路を介して特定の反応することです。

Reflexhiza条件反射の例としては、❶梅干しを見ただけで、酸っぱい唾液が出るアレです。❷寒かったり恐ろしかった時に起こる鳥肌、❸目にゴミが入った瞬間に涙目になる、❹失恋した彼女と姿が似た人を見ると、失恋した当時の気持ちを思い出してしまう、❺犬にエサをあげる時に鈴を鳴らすと、鈴の音がすると犬にヨダレ出る、❻曲げたヒザを叩くと、ヒザがのびる(膝蓋腱反射)。

ご覧のように、「条件」は単純な物や事ばかりですが、出てくる「反射」反応は脊髄神経回路(ソフトウエアー)を介するので、千差万別です。

Reflex病気の条件反射も同様のことが言えます。私の専門分野での排尿障害が原因の病気では、この条件反射が多々あるのです。

❶水を飲む(条件)と、急に尿意や尿意切迫感が出る(反射)。❷トイレに入ろうとする(条件)と、尿意切迫感が強く出て、漏らしてしまう(反射)。❸歯を磨いたり(条件)、水の音や水に触れる(条件)と尿意切迫感(反射)が出て、人によっては切迫性尿失禁(反射)になる。

このような現象を患者さんが主治医に訴えても、「気にし過ぎです」と言われることが多いのです。長い期間に排尿障害を経験していると、このような条件反射が起きることを主治医は習っていないから知らないのです。生物学の基本的概念を知っていれば、素人でも想像できることです。医師と言えども、自らの想像力を活かさないで、過去の教わった事しか考えないのです。……本当に情け無い⤵︎。

これらの反射症状は、排尿障害を連想しやすい症状です。しかしながら、脊髄神経回路の特性によっては個性的な反射症状の出る人がいます。例えば、水をたくさん飲むことによって、睾丸の痛み、陰部のかゆみ、錯覚の尿臭、舌の痛み、胃の痛み、坐骨神経痛、腰痛などです。また、これらの条件反射は瞬間的に出現するのではなく、ある程度の時間差で出現するので、条件反射と思えないのです。

生き物の行動は、ある意味で全て条件反射が基本です。河の流れがあれば、鮭は上流に泳ぎ、草原でメスの鹿が目に入れば、オスが交尾に走り、深夜に光があれば虫が集まるのです。この条件反射を何度も繰り返し複雑に経験することで、脊髄神経回路が発達して、結果的に知性のある人間になったのでしょう。

泌尿器科の病気に限らず。あらゆる分野で様々な条件反射がある筈です。そしてそれが原因不明の病気として処理されている可能性もあるのです。

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原因不明の痛み症候群の原因

泌尿器科の病気で、原因不明のために、患者さんが苦しむ病気がいくつもあります。痛み症候群(私の造語)として解説致します。

❶膀胱疼痛症

❷前立腺痛症

❸うっ血性慢性骨盤疼痛症候群

❹陰部疼痛症

❺間質性膀胱炎

❻慢性前立腺炎

今、パッと思いつく病気は上記の通りです。どの病気も、原因が明確に確定されず原因治療ができないので、どんな痛み止め(鎮痛剤)を処方しても、当然のように治りません。

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開業医ななって30年間に、痛みで苦しんでいた上記の患者さんをたくさん拝見しました。私のブログでもいくつも症例をご紹介しました。その患者さんの多くに排尿機能障害が認められました。しかし、多くの患者さん自身が排尿機能障害を自覚してはいないのです。私の造語、いわゆる「隠れ排尿障害」です。

具体的な症例として下記のブログをご覧ください。

①痛みでアメリカから来院したご婦人 http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cc/2018/06/post-9fc5.html

②痛みで徳島から来院した男性 http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/kobore/2019/04/post-6fa87c.html 

③痛みで苦しむ娘さんをお連れになったお父さん http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/kobore/2018/08/post-3fd3.html 

④1日3回の激痛が大学病院で治らず来院したご婦人(学会報告の症例1) http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cc/2008/04/2008_4cfc.html

医師は患者さんが訴えなければ、排尿機能障害を調べようとも治療しようとも考えないのです。患者さんの訴える自覚症状だけに注目・固執して治療するので、患者さんは当然治りません。

患者さんが自覚しない程度の排尿機能障害は、検査・治療の「必要なし・問題なし」と医師が勝手に判断してしまうのです。しかし、排尿機能障害の負担を評価するのは、患者さんの意思ではなく、患者さんの「体自身」なのです。患者さんが自覚しない病変を医師が「問題なし」と判断すること自体が「問題」なのです。

例えば失恋しても、次々に恋愛を繰り返す人もいれば、たった一回の失恋で自殺する人もいます。病気の状況を診断基準だけで単純にに判断してはいけないのです。病気の状況を判断するのは、体なのです。医師の常識が誤診や原因不明を生むのです。患者さんが自覚していない=病気の原因ではない、と思い込んでいる医師の誤解が、痛み病気症候群を治せないでいるのです。病気の程度が問題ではなく、それに反応する脊髄神経回路=ソフトウェアの個性の問題なのです。

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目の前の患者さんは単純な生命体=単細胞生物=例えばミドリムシではありません。超複雑な精密ロボットだと思って診察しなければならないのです。目の前の表面的な症状だけに惑わされずに、裏の隠れた症状も推理しなければなりません。

 

 

 

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自律神経失調症と間質性膀胱炎

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原因が不明の病気の診断に「自律神経失調症」という診断名はよく聞く言葉です。
自律神経は、交感神経と副交感神経に分類されるヒトの意識ではコントロールできない神経システムです。ヒトの無意識の生命維持システムなのです。立ち上がった時に、血液が足下に流れて上半身の血流が低下しないように足の血管を収縮させる、寒い時に鳥肌が立つ、明るい場所に出ると瞳孔が小さくなる、目にゴミが入ると涙が出る、酸っぱいものを食べると唾液が出る、冷たい空気を吸うと鼻水が出る等々、全て自動的に起こる生理現象が自律神経の働きです。

ところが、この表に示すように、自律神経失調症の症状はたくさんあります。この病気と診断する医師は、神経作動性のお薬を処方するのが常です。しかし、そのような薬を服用しても「治った!」と感じることはありません。理由は、原因を治療しないからです。

この表をよ〜く眺めると、膀胱関連症状があります。確かに、慢性前立腺尖や間質性膀胱炎の患者さんには、ここに掲げてある自律神経失調症の症状もあります。そして、慢性前立腺尖や間質性膀胱炎を治療すると、自律神経失調症症状が軽快するのです。これから考えれば、自律神経失調症には必ず理由がある筈です。自律神経失調症と診断した医師は、その原因を捜すべきです。

【参考】http://cocoromi-cl.jp/about/autonomic

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下半身の痛みで苦しむご婦人

夏の膀胱炎の後に、だんだん下半身が痛くなってきました。
その痛みは、次第に強くなりました。そのため、まず婦人科を受診して精密検査しましたが、異常なし。次に皮膚科を受診しましたが、やはり異常なし。次に地元の泌尿器科を受診しましたが、やっぱり異常なしでした。どの診療科を受診しても、「気のせいでしょうね」と診断されるだけでした。
そこで、私に相談のコメントをお送り頂きました。
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こんばんは
初めてメールします
43歳女性です
夏頃に膀胱炎になり抗生物質で治ったのですか、それから少しして膣周り?尿道付近が痛いので婦人科に行ったところ特に問題なしとのこと
皮膚科にも行ったのですか異常なし
痛いせいかトイレも近くなり泌尿器科に行ったら特に何も出ず
エコーで見てもらったのですが少し尿がためにくいかな?と言われただけで原因がわかりませんと言われてしまいました
それからは一向に治らす膣の上の方?が痛いためトイレが1時間に一回は行っています
最近ではデスクワークのため座ると股に圧迫感もあり仕事が辛いです
ネットを見ていたところ高橋先生のブログをみてもしかしたら間質性膀胱炎ではないか?と思いメールしました
今度先生に診察していただこうと思っています
こんな症状でもみていただけますか?
ほんとになかなか治らず悩んでいます
夜遅くに申し訳ありません
【回答】
難治性膀胱炎の関連痛症状です。
薬の服用で軽快します。
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来院して頂きました。
お話をお聞きすると、以前から頻尿(1日14回)がありました。以前から頻尿がある事=以前から膀胱に問題を抱えている事です。
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早速、エコー検査を行いました。やはり、予想通りです。膀胱括約筋①がホウキの様に先端が広がり変形・偏向しています。本来なれば膀胱出口②に向かっていなけれなりません。その結果、センサーである膀胱三角部③が厚くなっています。正常では厚さ2mmですが、この患者さんは、8mm越えです。2mmで排尿回数5回だとすると、8mmで排尿回数20回以上と考えられます。しかし、患者さんの排尿回数は、14回ですから、あと6回足りません。1日6回、10日で60回、1年で2190回分のエネルギーが、消費されないで脊髄神経に溢れます。脊髄神経は、困って他の神経ルートにエネルギーを流します。そのエネルギーを受けた神経が下半身の痛み感覚のルートだったので、過敏になり痛み症状が作られるのです。

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排尿直後の残尿量は、20ml(正常では0ml)ですから、明らかに排尿障害が隠れています。
治療は、膀胱出口の緊張を緩めるαブロッカーであるエブランチルを、膀胱三角部の興奮を抑えるためにベタニスを、炎症ではない合成された痛みを抑えるトラセンタを処方しました。さあ〜来年には、症状が落ち着いたら良いですね。

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生理学的観点からの関連痛

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膀胱・前立腺からの情報は脊髄内で、脳中枢に上行する脊髄神経にシナップス結合を介してバトンタッチします。
シナップス結合は、固定されたものではなく、必要に応じて神経の枝が伸びて、他の神経とシナップス結合することがよくあります。その原因として、情報量の多さにかかっています。排尿障害で、膀胱や前立腺に慢性的に繰り返し負担がかかれば、膀胱三角部の送り出す情報量は莫大なエネルギーになります。

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すると、定番の1つの上行神経だけでは、十分に脳中枢に情報を伝達することができません。その結果、神経末端から新しい芽が出て来ます(萌芽現象)。新たな神経は、周囲にある他の上行神経とシナップス結合します。その上行神経が陰嚢皮膚知覚神経であれば陰嚢の痒みに、睾丸の知覚神経であれば睾丸痛に、肛門の知覚神経であれば肛門痛になります。
脊髄神経の長さは、40cm〜45cmです。当然、一番下の仙骨の脊髄から脳中枢まで単独では到達出来ません。したがってリレーを繰り返す、つまりバトンタッチを繰り返すことになります。そこには、またシナップス結合が繰り返されます。背の高い人ほどバトンタッチの機会が多くなります。そのため、背の高い人ほど、バラエティに富んだ症状が出る筈です。

なぜならば、本来の上行神経に大量の情報は、上位の脊髄神経に負荷をかけます。すると、上位神経末端から、萌芽現象が起きます。また同じ様に、他の上行神経にシナップス結合を起こすのです。その上行神経が胃の知覚神経であれば慢性胃痛症に、食道の知覚神経であれば逆流性食道炎に、舌の知覚神経であれば舌痛症になります。

バラエティに富んだ症状には、それなりの理由があるのです。さらに、個々の人の神経分布に個性があります。一般的に各神経の分布配分は、人間の80%は、ほぼ同じですが、20%は奇形です。神経は何百何千と存在します。おのおのの神経の20%が奇形とすれば、人類の神経配分で同じ人はいないことになります。それが、関連痛症状のバラエティさの根源です。

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関連痛・関連症状

C663fdf9ba444b12aa891601b09be46f医学用語で関連痛という病名があります。
一番有名なのが、心筋梗塞の症状です。心筋梗塞の患者さんの中には、心臓発作の胸が痛くなく、左手の小指が痛かったり、左五十肩や左の歯の痛みが出る人がいます。何故そのような現象が起きるかと言えば、脊髄レベルの心臓の神経支配の近くに、左手の小指・左肩・左歯の神経中枢があり、そこに心臓の情報が流出するために、心臓とは無関係の発作症状が出るのです。
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そのような現象は、心臓だけではありません。例えば、胃潰瘍の人は背中が痛くなります。膵ガンの人も背中が痛くなります。下顎の歯が虫歯なのに上の歯が痛くなることがあり、間違って虫歯でない上の歯を抜歯されてしまうことがあります。

本題に入りましょう。
膀胱や前立腺の症状は、頻尿や残尿感、尿意切迫感、排尿後の疼痛があります。それが、代表的なオモテ面の症状です。裏面の症状が関連痛・関連症状なのです。陰部の痛み、痒み、痺れ、手足の痛み、痺れ、胃痛、肛門の痛み、痒み、首の痛み、舌の痛み、取れない臭いなどです。

これらの症状を聞いた医師が『この患者さんはストレスが溜まっていて、精神的に病んでいるんだ。』と思われても不思議ではないでしょう。しかし、医師の理解できない事を患者さんの「心の病気」と判断するのは、医師としてふさわしくないと思います。医師の理解できる事だけを病気と認め、理解できない事は「気のせい」とすることに憤りを感じます。当院に来院するたくさんの患者さんは、それまでの医師の診断・検査・治療により、大多数の方が精神的に抑圧状態です。

患者さんは常に正直なこと、常に正しいことを述べていると、腹をくくって真摯に聴き取るべきです。私の大学のモットーである「病気を診ずして、病人を診よ❗️」です。

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症状♯ 冷え症は未病の証

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慢性膀胱炎、過活動膀胱、間質性膀胱炎と診断された既往があり、従来の治療法で治らない患者さんが多く訪れます。

その患者さんの多くが排尿障害が原因です。お話しを詳しくお聞きすると、若い頃からオシッコが近く、また、冷え性がある事が分かりました。
一般的に「冷え症だから➡︎オシッコが近い」が常識です。同じく、「年を取ったから➡︎オシッコが近い」
と思われています。
私から言わせると、逆です。
つまり、「オシッコが近いから➡︎冷え症になる」、「オシッコが近いから➡︎年を取る」というのが真理です。

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一例をご紹介しましょう。
この写真は、頻尿1日50回と陰部全体の持続性の痛みで、高橋クリニックを受診した50歳代のご婦人の治療後の足です。
αブロッカーのエブランチルの投与で頻尿は50回→20回に、陰部の痛みは面積が10円玉くらいの大きさに改善しましたが、ビールを思う存分飲みたいということで、内視鏡手術を希望された患者さんです。
手術後症状は不安定であるにもかかわらず、頻尿は15回に、陰部の痛みは消失しました。
治療前にはお聞きしていなかった、両足の裏に氷をベタッと貼りつけたような足の辛い「冷え」が、全く消失したそうです。これがその改善した足の裏です。

「頻尿・痛み」というのはよく知られた間質性膀胱炎の症状ですが、「足の冷え」を代表とする「冷え症」を持っている方も多くいます。
「冷え症」あるいは「冷え性」は、漢方の世界でも代表的な症状のひとつです。漢方では、その原因を「虚症きょしょう」として捉え、「気」が足りない状態「気虚ききょ」を意味します。漢方では、気が不足してしまった理由を言及しないで治療することが問題です。

西洋医学的考えでは、「気」は存在しません。実際には存在するのかも知れませんが、現代医学では証明できるエネルギーや物質ではありません。一般的には、体質、気のせいなどと言って、やはり漢方薬を処方してしまうのです。では、「冷え症」をどのように考えれば納得ができるのでしょうか。

生理学的に考察しましょう。
冷たい感覚は、知覚神経(感覚神経)の冷覚が刺激されているに他なりません。実際に患者さんの足の冷えを訴える足を触れると、冷たく感じる場合が多いようです。「・・・多いようです」というのは、冷たくない場合もあるからです。

足が本当に冷たい場合、足の末梢血管が十分に拡張しないで、周囲の温度と比較して低いために起こる現象です。末梢血管は血管運動神経の支配下にあり、安静時、副交感神経が興奮し、血管は拡張し血流が増え周囲の組織を温めます。

運動時はこの現象がちょっと変化します。心拍数・心拍出量が増えります。十分過ぎるほどの血液が末梢血管に送られるので、安静時と同じように拡張すると血管が破裂しますから、安静時と逆に交感神経が興奮し血管は収縮し、血圧もそれにより上昇します。また、副交感神経は興奮は低下して、交感神経の監視役やストッパー的な役目に徹し、血管運動の役目を交感神経に譲ります。

安静時に本当に「足が冷たい」のは、副交感神経が興奮せずに交感神経が興奮するので、末梢血管が収縮して十分な血流がないので、周囲の組織の温度を上げることができないことになります。安静時なのに、運動時に興奮する交感神経が優位になるのはおかしな現象です。
理由としては、膀胱刺激症状の電気的信号が脊髄レベルで自律神経の交感神経と混線、血管運動神経を興奮させ、運動時でもないのに末梢血管を収縮させるのでしょう。

足が冷たくもないのに「冷たい」と感じる場合はなぜでしょう?
足が冷たくないということは、副交感神経は正常に興奮して末梢血管が拡張し血流が保たれ、周囲の組織温度が上昇していることになります。
では、なぜ「冷たく」感じるのでしょう。それは膀胱刺激症状の電気的興奮が脊髄レベルで冷覚神経と混線し、「冷たい」と感じるからです。


元の原因は何であれ、自律神経(交感神経と副交感神経)のアンバランス(自律神経失調症)は、症状として「足の冷え」にも「足の火照り」にもなります。漢方で「足の火照り」も「冷え」症状として捉える事があるのはそのためです。膀胱刺激症状の電気的刺激が脊髄レベルを混乱させて自律神経のバランスを崩せば、間質性膀胱炎の患者さんに「足の火照り」がみられても不思議ではありません。

一回読んだだけでは、今までの内容は理解できないかもしれません。でも何回か精読すると、私の見ている世界と同じ世界が見えてきます。試してみてください。
先日、慢性前立腺炎の患者さんの内視鏡手術を行いました。翌日、患者さんの奥様から「先生は牧師様みたい」と言われました。次第にそっちの世界に行ってしまいそうな今日この頃です。牧師様は、・・・今日も泌尿器科の患者さんを診るのです・・・。

Ic23867f51asiuonome【補足】
足の冷えがなくなったご婦人には、さらにうれしい付録がついていました。
私が事前に「足の裏の写真を撮影するよ」と告げてから、きれいな足を撮影してもらおうと足の裏の大きな魚の目を処置しようと覗いたら、以前は左足に500円玉以上の直径の魚の目(たこ)が、写真で示すように1円玉くらいに小さくなっていたのです。患者さんもびっくりです。膀胱の内視鏡手術を行ったら足の魚の目が改善した・・・珍現象です。

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間質性膀胱炎や慢性前立腺炎の多彩な症状

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いわゆる慢性膀胱炎や間質性膀胱炎の症状の秘密と治療

❶中高年ご婦人が、たまには若いご婦人が、いわゆる「慢性膀胱炎」と診断されて、頻尿や残尿感などの症状以外の訴え、例えば、膀胱の痛みや膣の痛み・痒みを訴えても、主治医に理解してもらえず、「気のせい」「精神的」と診断されてしまいます。その上、尿検査で異常がないと、症状のすべてを「気のせい」と診断されてしまいます。

❷まず、初診の尿検査で異常があった時の症状は認めておいて、治療後、尿検査が正常になった時に治らない症状は認めないという愚行・愚考は、医師としてとても恥ずかしい行為です。初診の時点で、尿検査の異常を病気の原因とした診断が誤診だったということです。

❸一般の泌尿器科医師が、慢性膀胱炎や間質性膀胱炎の原因を排尿障害と認識していないところに、誤診のつまずきがあるのです。その根底には、男性のように前立腺がないので、ご婦人には排尿障害がないという誤解があるからです。その他に、過活動膀胱、心因性頻尿、膀胱疼痛症、慢性骨盤内うっ血疼痛症候群も、この範疇の病気です。

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症状♯ 「膣の痒み」

ご紹介するのは、20歳代のご婦人です。
平成23年6月頃にクラミジア感染症で治療を受けました。その後、なぜか膣が痒くなり始めたのです。1日中膣が痒くて仕方がありません。地元の婦人科を受診して、検査を受けるのですが、クラミジアは治っている、カンジダ性膣炎でもありませんでした。
インターネットで検索して、性行為感染症の治療でも有名?な高橋クリニックが見つかり、私のクリニックに来院されました。
患者さんのこの経緯をお聞きして、私は排尿障害がイメージしました。早速、超音波エコー検査と尿流量測定検査(ウロフロメトリー)を実施しました。
Kayumi27264f膀胱出口が膀胱側に突出しています。
膀胱括約筋は膀胱出口の方向とは異なる方角に向いています。膀胱三角部も肥厚しており、一般的に頻尿の患者さんの所見です。しかし、この患者さんの排尿回数は1日6回で頻尿はありません。所見と症状が一致しない場合、膀胱三角部で作られる情報は、違う形で表現されることになります。恐らく、それが膣の痒みとなってこの患者さんを苦しめているのでしょう。

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