カテゴリー「間質性膀胱炎と薬」の記事

牛車腎気丸の頻尿に対する効果(学会報告)

Img_0460
頻尿や下部尿路症や気虚の患者さんに牛車腎気丸を処方されることがよくあります。
学会ポスター報告で、牛車腎気丸の効果についてがありました。
1日の排尿回数が12.1回→11.5回に減少し、夜間排尿回数が4.4回→3.5回に減少したという内容の報告です。治療する側の医師としては、『減った!減った!』と喜ぶでしょうが……、患者さんの側から見れば、たった1回減っただけです。
頻尿に牛車腎気丸と言っても、……この程度です。八味地黄丸も恐らく同じでしょう。

| | コメント (0)

難治性膀胱炎の裏技治療

膀胱炎症状で治らない患者さんが、日本全国から来院されます。
私の考えでは、難治性の膀胱炎は原因は排尿障害ですから、抗生剤や抗菌剤ではなく排尿障害の治療でほとんどの患者さんが改善します。通常は、排尿障害の治療薬であるエブランチル、過活動膀胱の治療薬であるベシケア、ベタニス、トビエース、ウリトスなどです。この治療法でほとんどの患者さんは治ります。

ところが、一部の患者さんでなかなか治らない方が存在します。これが、治療師の医師としての課題です。そこで、裏技治療法を考案しました。
Img_0155❶まず、このような患者さんは、リンパ球免疫が過剰反応している場合があります。
免疫を適度にコントロールしてみます。劇的に症状が改善します。ただ欠点としてステロイドを分泌する副腎機能低下になることがあります。

Img_0156❷エブランチルというαブロッカーは昔からある降圧剤です。αブロッカーが排尿障害に効果があることが分かり転用された薬剤です。しかし、排尿障害用に開発された薬剤ではないので、効果的な作用が求めることができない患者さんもでてきます。そこで男性用の薬剤を流用すると、症状が改善しまず。

Img_0157❸仙骨神経が病気のために過剰反応しているので症状が改善しません。これは、ある意味で過剰の条件反射が症状を作っていると考えます。そのためには、別の条件反射を作って、問題の条件反射を抑え込むのです。欠点として、新しい条件反射を作れるまで、仙骨神経ブロックを毎週1回以上実施し、10回以上続けなければなりません。

Img_0154_2❹病気の症状を作っているのは、膀胱三角部の平滑筋のセンサーとしての興奮です。この興奮を抑えるためにαブロッカーや過活動膀胱の治療薬を使用するのです。その平滑筋の興奮を抑えるサプリメントが大豆イソフラボンです。

Img_0158_2❺膀胱三角部と仙骨神経の間を結び付けているのが、仙骨神経節です。難治性の患者さんの仙骨神経節は、これまでの疲弊により神経節のグリシンというアミノ酸が不足して難治性の症状の原因です。ですから、サプリメントとしてグリシン摂取を勧めています。

Img_0159❻難治性の患者さんの多くが、更年期を過ぎているご婦人が多いのです。ここにはホルモンバランスの崩壊が原因?と想像できます。女性の更年期を過ぎると、女性ホルモンが10分の1になります。すると、副腎から分泌している男性ホルモンは変わらないので、ホルモンバランス的には完全な男性になってしまうのです。その結果、女性ホルモンが優位の時には、抑えられていた症状が徐々に頭角を現すのです。最後に身動きの取れない症状になるのです。
単純に考えれば、女性ホルモンを投与すれば良いと考えるのですが、思うように症状が改善しません。生体が作る本物の男性ホルモンに、薬剤の偽女性ホルモンが負けてしまうのでしょう。
そこで、男性ホルモンを抑えることの出来る前立腺肥大症の薬剤が登場です。

Product_seirogan_l❼アニサキスの治療薬として脚光を浴びたのが、昔からある正露丸です。アニサキスが胃壁に食らいつき、虫の口からの分泌液が胃壁の平滑筋を刺激し、それが胃痛の原因なるのです。正露丸は、その平滑筋の興奮を抑えて鎮痛作用があるのです。難治性の膀胱炎症状の人も平滑筋の痛みですから、正露丸が効く人がいます。

☪️私が今現在思いつく治療法は、ここまでです。これからも、無い知恵を絞って研鑽いたします。

| | コメント (9)

湿布テープ型の頻尿治療薬

Neoxtape
頻尿治療薬には、昔からあります。
旧いもので、ブラダロン・バップフォー・ポラキス、新しいもので過活動膀胱の薬として、抗コリン剤のベシケア・ウリトス・トビエース、β3剤のベタニスがあります。


続きを読む "湿布テープ型の頻尿治療薬"

| | コメント (3)

間質性膀胱炎の治療薬 IPDカプセル

間質性膀胱炎と診断された患者さんの多くが服用する薬剤にIPDカプセルがあります。
この薬剤は、もともとアレルギーの薬剤ですが、原因不明の間質性膀胱炎の原因をアレルギー疾患だろうと考えての処方です。
効果がある?と思われ、製薬会社が、間質性膀胱炎の治療薬として臨床治験を実施したのですが、残念ながら思うような結果は得られませんでした。
つまり、間質性膀胱炎はアレルギー疾患ではないと示唆されたことになります。

下記に掲げるのは、平成21年3月に発表された記事です。

【間質性膀胱炎に対するIPD-1151T無作為化比較試験結果のお知らせ】

IPD-1151Tは、当社が国内において「アイピーディ®カプセル」の販売名で、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎を適応症として既に販売している薬剤です。当社は、同薬の間質性膀胱炎の適応追加を目指し、国内での第III相比較臨床試験を進めてきました。その結果、間質性膀胱炎の症状スコアの改善量において、プラセボ投与群に対するIPD-1151T投与群の優越性を検証することができませんでした。

今般、日本での第III相臨床試験成績を含むこれまでに得られた知見を総合的に評価した結果、IPD-1151Tの間質性膀胱炎での開発を中止することを決定いたしましたので、お知らせいたします。

| | コメント (7)

過活動膀胱治療薬剤「ベタニス」薬価収載になる!間質性膀胱炎の救世主になりうるか?

Betanistab待ちに待った(本当に)ベタニスが9月16日(金)にやっと薬価収載されることになりました。
薬価は、25mgが1錠113円、50mgが1錠189円80銭です。1年間は1回の処方で2週間分しか処方できませんから、薬剤費だけで25mg錠で113円×14日×3割負担=474円、50mgで189円80銭×14日×3割負担=797円です。(処方調剤料は別途)
9月16日あるいは17日から処方できる筈です。みなさん、お待たせしました。

| | コメント (18) | トラックバック (0)

ベタニス(ミラベクロン)製造販売承認!

Betanisついにβ3作動薬である「ベタニス錠」の製造販売が厚労省により承認されました。
アステラス製薬から発売されるβ3作動薬(刺激剤)は、膀胱平滑筋の緊張を積極的に弛緩させる薬剤です。効力からすると、α‐ブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフ・フリバスなど)よりも効き目があります。表向きは「過活動膀胱OAB」の治療薬ですが、私の理論(慢性前立腺炎・間質性膀胱炎は膀胱頚部硬化症などの排尿機能障害が原因の膀胱平滑筋の異常興奮)からすれば、おそらく、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんにも効果がある筈です。
実際に、臨床治験に参加した際に、間質性膀胱炎症状の被験者に効果があり、排尿機能障害も改善されました。
9月から遅くとも10月には販売される予定です。期待していました!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

大豆イソフラボンと残尿感

様々な治療を実施してもなかなか完全に治りきらないご婦人がいます。
この患者さんは1年前に乳癌手術を行い、手術後化学療法(抗癌剤)の治療を外来で受けています。ところが、この治療は女性ホルモンを完全に抑制するため、いろいろな副作用が出現しました。特に辛いのが動悸(患者さん曰く、心臓がバクバク言う)と全身のだるさです。その上に、高橋クリニックで治療したにもかかわらず、残尿感が治りきらないでいました。

ご婦人が、女性ホルモンを完全に抑制されると、ホルモン的には50代の女性が無理やり80代の女性にされるようなものです。乳癌を執刀した主治医に訴えるのですが、ただひたすら「我慢しなさい」の一点張りです。
仕方なく、膀胱の主治医である私に相談されました。

続きを読む "大豆イソフラボンと残尿感"

| | コメント (5) | トラックバック (0)

一酸化窒素の効果は?

今年の12月頃に代替医療に関心を寄せている医師や医療関係者に講師として講演会に招待されています。
前回は前立腺癌についての常識と非常識についてお話しました。今回は、更年期とコレステロールと動脈硬化についてお話しするつもりです。原稿を書き進めているうちに、次第に動脈硬化の本質が分かり始めました。

Nitroeffect2_2右のグラフは、治療する前の患者さんの橈骨動脈の血圧脈波(左)とニトログリセリンを投与した後の血圧脈波を示すものです。
ニトログリセリンを投与すると、血管の脈波伝播速度が遅くなり、血圧脈波の形が改善されます。つまり、血管が拡張して軟らかくなったことを示します。

Whyprogressas8no血管の内側にある内皮細胞が物理的刺激を受けると、アルギニンというアミノ酸と酸素を利用して一酸化窒素(NO)が作られます。
一酸化窒素は、内皮細胞に隣接する平滑筋に作用して、平滑筋内のカルシウムイオンの排泄を促して平滑筋を積極的にゆるめます。この作用によって血管の緊張はゆるみ拡張して、血圧は下がり血流は改善し心筋梗塞・狭心症など発作が軽減します。

続きを読む "一酸化窒素の効果は?"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

BOTOX治療の可能性

Cpmecha1千人以上の慢性前立腺炎や間質性膀胱炎の患者さんを診察・検査・診断・治療・経過観察するうちに、これら病気の病態が少しずつ分かってきました。
イラストで示すように、これら病気の本質は恐らく「膀胱頚部機能不全あるいは機能障害Bladder Neck Dysfunction)でしょう。つまり排尿の際に膀胱出口・膀胱頚部が十分に開かないことにあるのです。
十分に開かなければ、膀胱の収縮力と腹圧で無理に排尿することになります。無理に排尿すれば、膀胱出口・膀胱頚部は必要以上にブルブル振動します。
この振動が数年~十年単位で長期間にわたり繰り返し起きれば、膀胱出口・膀胱頚部は生体反応で硬化してきます。これが超音波エコー検査で診断できる「膀胱頚部硬化症Bladder Neck SclerosisあるいはBladder Neck Contraction)」です。
「硬化」して膀胱出口・膀胱頚部の柔軟性が欠如する訳ですから、尿の出が悪くなるのは当たり前です。これが「排尿障害」として自覚するのです。
膀胱出口・膀胱頚部の硬化は、膀胱三角部にも及びます。膀胱三角部は膀胱の感覚器=センサーとしての役目も担っていますから、硬くなればなるほど振動しやすくなり過敏になります。これが「頻尿・関連痛・自律神経症状」として自覚されるようになります。
また、膀胱出口・膀胱頚部の硬化は、排尿時の振動数を増やすようになります。振動数の増加=エネルギーの増加ですから、敏感になった膀胱三角部は振動エネルギーにますます被曝され、症状は増悪の一途です。

「排尿障害」「頻尿」「関連痛」「自律神経症状」などの症状の程度・組み合わせなどから、診察する医師の判断で患者さんを「慢性前立腺炎」「間質性膀胱炎」「過活動膀胱」「心因性頻尿」「神経因性膀胱」「前立腺肥大症」などと分類・診断されているのに違いありません。(もちろん、あくまでも私の仮説です。)

続きを読む "BOTOX治療の可能性"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

デパスの筋弛緩作用と自律神経調節作用

私が治療にしばしば使用する、デパスについてご説明しましょう。
「高橋クリニックも最後はデパスか!」という慢性前立腺炎でお悩みの方の文面がありました。おそらく、「デパスは抗うつ剤!」という認識の持ち主が嘆いているのでしょう。デパスについて不当な誤解があるようなので、ここで詳しく解説しましょう。
●デパスはベンゾジアゼピン系抗不安薬です。その名の通り、抗うつ剤ではありません。そのベンゾジアゼピン系抗不安薬には、作用時間によって次のように分類できます。
【短時間型】
デパス・リーゼ
【中間型】
コンスタン・ソラナックス・ワイパックス・レキソタン
【長時間型】
コントール・バランス・セレナール・レスミット・セルシン・ホリゾン・セパゾン
【超長時間型】
メイラックス

●ベンゾジアゼピン系薬剤の共通した作用には、次のものが上げられます。
1.抗不安作用
2.鎮静作用
3.睡眠導入作用
4.筋弛緩作用
5.抗ケイレン作用
6.自律神経調節作用
7.抗ストレス作用

●ベンゾジアゼピン系薬剤の作用機序
神経細胞の細胞膜に存在する塩素イオン・チャンネル(塩素イオンの出入り口)を開放し、神経細胞内への塩素イオンの流入を促進します。その結果、神経細胞の興奮性が抑えられます。その抑制が、脳神経細胞であれば、1.抗不安作用 2.鎮静作用 3.睡眠導入作用 5.抗ケイレン作用(中枢性) 6.自律神経調節作用(中枢性) 7.抗ストレス作用になるのだろうと推測されています。
また、末梢神経末端であれば、4.筋弛緩作用 5.抗ケイレン作用に、自律神経であれば、6.自律神経調節作用になるのでしょう。

特にデパスには5番目の筋弛緩作用が強いので、筋緊張性頭痛、頸肩腕症、ムチ打ち症、肩こりの患者さんに、鎮痛剤と一緒にしばしば処方されます。これらの病気を「うつ病」として医師は処方していません。

さて私は、慢性膀胱炎・間質性膀胱炎の患者さんに、通常α-ブロッカーを処方しますが、症状が今ひとつ改善しない場合に、デパスを処方することがあります。
その理由は、膀胱頚部の筋弛緩作用を期待してのことと、仙骨部を中心とした自律神経系の調節を期待してのことです。慢性膀胱炎・間質性膀胱炎で苦しんでいる患者さんを「うつ病」とは考えてもいません。
内視鏡手術後の患者さんに、症状の改善がみられない時にデパスを処方するのも理由があります。
内視鏡手術を行なっても、膀胱出口の平滑筋や神経が健常者と同じように正常に戻る訳ではありません。あくまでも開かないスライドドアを壊しただけです。しかし壊すにも限度があり、スライドドアが完全にオープンになるほど壊すことはできません。患者さんによっては、その程度の壊れた穴では不十分の場合があり、そのような際にはデパスの筋弛緩作用を利用します。
【補足】
デパスの筋弛緩作用の標的は、主に骨格筋でしょう。しかし私は期待しているのは、内臓筋(膀胱平滑筋)です。ですから、デパスが必ずしもシャープに効くわけではありません。
漢方薬の芍薬甘草湯の効能には、骨格筋や内臓筋の抗ケイレン作用をうたっていますから、慢性前立腺炎にも効果があるかも知れません。

また、排尿障害が軽減しても、一度完成してしまった膀胱・仙骨神経を中心とした知覚神経・自律神経回路の過敏さは、なかなか消失してくれない場合があります。そのため、デパスの自律神経調節作用を利用するのです。
医師の中には、不定愁訴(さまざまな訴え)の多い患者さんを「抗うつ剤」などで「とりあえず黙らせよう」とする医師がいるのも事実です。そういう輩は、病気の本質や病態生理は見ずに、表面上の症状や病名でのみ薬を処方するので、「数撃てば当る」的な治療になります。そのような治療を行なえば、誤解される薬や効かない薬が増えます。デパスも、その代表例でしょう。

●下記に、慢性前立腺炎の男性患者さんですが、参考になるメールが届きましたので、ご披露します。

2006年10月21日に診察して頂いた、会員番号・・・78 ○○○○です。
あれから高橋先生に処方していただいたデパスを飲み続けたところ、今までに悩んでいた原因不明の右肋骨の痛み、逆流性食道炎の症状(頑固な胸焼け、胃の鈍痛、胃のせん痛、胃もたれ)が消滅しました。
ほかに多量の唾液の分泌や睡眠障害、腸内異常発酵も改善されました。本当に助かってとても喜んでおります。
デパスは、今までほかの病院で処方された胃薬ガスターD錠やタケプロンよりも胃痛に効果がありました。胃からくる症状やほかの原因不明な症状も慢性前立腺炎からくる関連痛だったのでしょうか?
もしくは私は心身症になっていたのでしょうか?考えるだけで混乱しますがこれからも診断の方よろしくお願いします。
あと薬のことなんですが、デパスはこれからもずっと飲み続けてもいいでしょうか? 

| | コメント (5) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧