カテゴリー「間質性膀胱炎の検査」の記事

間質性膀胱炎の膀胱鏡所見「点状出血」

間質性膀胱炎の診断基準にある「点状出血」について、とある掲示板で話題になりました。
話の展開の中で、慢性前立腺炎と間質性膀胱炎の原因が排尿障害であると主張している私の考え方に矛先が向けられました。慢性前立腺炎の手術を多数行なっている私のブログの記載の中に「点状出血」の記載がないので、本当は、慢性前立腺炎と間質性膀胱炎を別物として私は考えているという趣旨の内容だったと思います。

そのことに関して、「慢性前立腺炎」のブログで詳細に解説しました。内容が重複しますが、本来の間質性膀胱炎のブログページに掲載します。

間質性膀胱炎の診断基準の一つである「点状出血」について、その価値について未だ確立されていません。
Waxmanらの報告によると、間質性膀胱炎症状を有する患者さんのうち「点状出血」を認めたのは42%のみだったそうです。また、同じWaxmanらの別の報告で、卵管結紮(不妊手術)を受けた21歳から43歳の無症状(間質性膀胱炎症状のない)の女性20人に膀胱水圧拡張を行ったところ、45%に「点状出血」を認めたという報告です。(いずれも排尿障害プラクティス 間質性膀胱炎の最前線より)
つまり、「点状出血」の存在確認は、間質性膀胱炎の診断の参考にはなるが決定打ではないということです。

「診断基準」とは、原因などの全体像が定かでない病気に対して、臨床医が困るので便宜上「仮」に儲けた「一時的」な定義です。しかし困ったことに、一時的にもかかわらず恒久的な存在になることがしばしばです。「診断基準」で定義されたことが一人歩きをし、新しい知見を蹴散らしてしまうのです。自分たちで定義した狭い意味の言葉によって、思考が呪縛され奴隷に成り下がるのです。この現象は思考の弱さにあるのです。一旦定義すると、それ以上問題の事象を掘り下げなくなります。そしてその定義したことを安心の「拠り所」にしてしまうのです。「点状出血がなければ間質性膀胱炎ではない」などとトンチンカンな考え方を吐露するのです。
しかし、この現象は私も含めた全ての人間にみられる傾向です。これを思考の「慣性の法則」といいます。もちろん私のブログの中でも、そこここにこの現象はあるでしょう。常に用心をしなければなりません。

私は間質性膀胱炎も難治性の慢性前立腺炎も、その原因はどちらも「排尿障害」だと信じています。
間質性膀胱炎も慢性前立腺炎も過活動膀胱も神経因性膀胱も心因性頻尿も慢性骨盤内疼痛症候群も、原因の出発点に排尿障害があり、その行き先がそれぞれ異なった終着駅(症状の異なる病気)として認識されているに過ぎないと考えています。特に女性の場合、前立腺というショック・アブソーバーがなく、また性差のために必ずしも男性と同じ症状同じ検査結果が得られないのでしょう。逆に原因が同じであれば、男性も女性も全く同じ症状同じ検査結果が得られるのだと主張すること自体に、生物学的にも医学的にも無理があるのでは?と考えます。

さて、「点状出血」については、その成因について深く解説した文献はありません。現象の程度についての記載はあります。では、なぜ「点状出血」がおきるのかをここで少しずつ考えてみましょう。

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膀胱出口の3D画像

以前から間質性膀胱炎や慢性膀胱炎の患者さんの検査を行い、詳細に説明しますが、膀胱出口が硬いというイメージがピンと来ない方がほとんどです。
何か良い手立てはないものかと頭を痛めていたところ、産科で使用される子宮内の赤ちゃんのリアルな表情を描出する3D・4D超音波エコー検査に可能性を見つけ器械を購入しました。
購入のいきさつに関しては、「開業医のこぼれ話」に掲載しています。また、その後の経過に関しては「慢性前立腺炎」のページに掲載しています。

Boo21133f24_2【実例】
大学病院で「心因性頻尿」と診断された、24歳のご婦人の尿流量測定ウロフロメトリー検査の所見です。
248mlの尿を54秒もの時間をかけてチョロチョロと排尿しています。残尿は87mlと大量です。
大学病院は何を検査したのでしょうね?
Boo21133f24e_2お決まりの超音波エコー検査では、膀胱出口の上にこんもりした盛り上がりが確認できます。これを膀胱出口周囲の硬化像の証拠として私は理解していますが、超音波エコー検査の側面像では想像しにくいでしょう。
Boo3d21133f24_2この超音波エコー検査を3D(立体)画像処理したのがこの写真です。
小さな穴のように見えるのが、膀胱出口です。膀胱出口を囲むように盛上がっているのが、上記の超音波エコー検査の側面像で確認できる膀胱出口周囲の硬化像です。
Boo3d17956f62【実例】
この写真は、62歳女性で1日排尿回数が最大61回だった患者さんの術後2年の3D写真です。上記の写真と比較して、膀胱出口が広く拡大しているのが分かります。この患者さんは現在、1日5回の排尿回数になりました。

Boo3d19157f45uterus検査中にたまたま見つけた子宮筋腫の膀胱圧迫像です。
膀胱出口周囲が左右対称ではないのは、子宮筋腫の圧迫で膀胱右側が盛上がっているからです。
このようにハッキリ観察できますが、子宮の圧迫による排尿障害や膀胱刺激症状はありません。

★夕刊フジ(10月2日号)でこの事が取り上げれました。

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尿流量測定ウロフロメトリー検査

排尿障害を診断する検査として、尿流量測定ウロフロメトリー検査はとても重要な検査です。通称ウロフロと呼ばれています。
Uroflownl【正常なウロフロ】
日常診療のための泌尿器科診断学㈱インターメディカから複写、以下同じ)
正常なウロフロの排尿曲線は、上向きに凸の放物線に近い曲線です。一番高い部分を境にほぼ左右対称のシンメトリーです。
これ以外の排尿曲線は何らかの排尿障害があると考えます。

Uroflowall【いろいろな尿流曲線】
患者さんの排尿状態を定性的にも定量的にも評価できる簡単な検査にもかかわらず、この検査を行なわない泌尿器科医がとても多く、そのために排尿障害で苦しんでいる患者さんが不当評価=誤診されてしまうのです。
UroflowbB型排尿曲線
しかし、尿流量測定ウロフロメトリー検査を行なっても適正に評価されないことがあります。
右のイラストは、排尿曲線のB型と呼ばれる曲線を示しています。このB型曲線は、ご覧のように小刻みな波の集合体が大きな波を形成しています。
B型とは、Bladder Neck SclerosisBNS膀胱頚部硬化症の頭文字のBです。

Uroflowb2B型曲線の説明文は、右のようです。
膀胱頚部硬化症や慢性前立腺炎に多く認められる曲線だと記してあるでしょう。
つまり、排尿障害が病気の本質である膀胱頚部硬化症の排尿曲線と、炎症が病気の本質と思われている慢性前立腺炎の排尿曲線が同じであることに不思議な感じを受けませんか?
排尿曲線が同じであれば、同じタイプの排尿障害と考えるべきでしょう。同じタイプの排尿障害が同じ病気ではないと考える方に無理があると思えませんか?そうなのです。教科書的にも膀胱頚部硬化症=慢性前立腺炎を暗示しているにも関わらず、誰一人としてそのように病気を見ていないのです。(この曲線の論文は、出典が1981年泌尿器科紀要からです。)
慢性膀胱炎・間質性膀胱炎のご婦人も、この膀胱頚部硬化症型の排尿曲線になります。

尿流量測定ウロフロメトリー検査の分類が、前立腺を中心にしていることから、尿流量測定ウロフロメトリー検査=男性のための検査と思われているかも知れません。けっしてそのようなことはありません。
しかし、実際にご婦人のウロフロ検査を行なう医師が少ないので、そのように誤解するのも無理からぬことです。

排尿障害を調べるために、自分でできる方法として排尿量を排尿時間で割ると平均排尿速度が計算できます。しかし、平均排尿速度がどんなに良くても、このようなスパイク状の排尿曲線を知ることができません。平均排尿速度が良いから、排尿障害はないと思わないで下さい。


【患者さんの感想】
レポート25の会員 NO、・・・87です。
高橋先生お世話になっております。
ウロフロメトリーの記載を拝見させて頂きました。
僕も 排尿障害が病気の本質である、膀胱頚部硬化症の排尿曲線と、炎症が病気の本質と思われている、慢性前立腺炎の排尿曲線が同じであることに、素人ながら不思議な感じを受けます。
非細菌性慢性前立腺炎という病気は、僕は無いと思います。きっと高橋先生のホームページを泌尿器科医の医師は見ていると思います。 素人に生意気な事を言われたくないと思うと思いますが、僕は高橋先生の考えと同じです。興奮して、思わずメールしてしまいました。高橋先生がよろしければ、ブログに記載して下さい。
PS、 メールアドレスがかわりましが、会員NO、・・・87の○○○○です。
今後とも お世話になると思いますが、どうかよろしくお願い致します。

【参考】
排尿曲線のノコギリのようなスパイク状の波は、スパイク一つ一つが腹圧をかけている証拠です。繰返し何回も腹圧をかけないと排尿できないという膀胱頚部硬化症や慢性前立腺炎の病態を表現しています。
Bns18987m24ちなみに、感想を寄せていただいた患者さんは、どんなにひどい排尿曲線かな?とお思いでしょう。実は右に示すようにほぼ正常の排尿曲線でした。このような患者さんの場合、残尿量測定検査で排尿障害を確認します。実際、排尿曲線は正常でも、残尿量は63mlでした。

【正常型】
Uroflownこれは正常の排尿を示す排尿曲線です。
上向きに凸の放物線に近い曲線です。
尿量200ml以上で最大排尿速度25ml/秒以上かつ平均排尿速度15ml/秒以上を正常型とします。(この値は、男性用の正常値ですから、女性の場合はもっと良くなければなりません。)
波形が同じでも、排尿速度がどれか一つでも正常値に満たなければ、排尿障害と判断します。
この基準をいい加減に判断するので、排尿障害があっても異常なしと誤診するのです。
N型とはNormal正常の頭文字のNです。

M51normalurflw411ml正常型の排尿曲線です。
実は51歳の時の私の排尿曲線です。勢いがいいでしょう。
立ち上がりの急な角度、ノッチはありますがギザギザ曲線とはいえない波です。
頂点を境にほぼ対称(シンメトリー)です。
F49normalurflw202ml49歳ご婦人の正常型の排尿曲線です。
私の排尿曲線よりも数段上です。
一般的に、ご婦人の排尿曲線は、尿道が男性の20cmに対して4cmとはるかに短いので、男性の排尿曲線よりも尿の勢いが良くなるのです。

【前立腺肥大症・尿道狭窄型】
Uroflowo前立腺肥大症や尿道狭窄による排尿障害の場合に見られる排尿曲線です。
尿道が硬くて開かないので、このような排尿曲線になります。腹圧をかけても排尿速度は上がりません。ですから膀胱頚部硬化症型のように鋭いスパイク曲線にはならないのです。
膀胱頚部硬化症も器質化すると、前立腺肥大症型と同じ排尿曲線になります。
O型は、Obstraction閉塞性の頭文字Oを意味します。

【神経因性膀胱型】
Uroflowa膀胱の力がなくなった神経因性膀胱などの排尿障害の排尿曲線です。膀胱出口は前立腺肥大症よりも開くのですが、持続して腹圧をかけることができないので大きな山の排尿曲線が一旦は終了してしまいます。
前立腺肥大症型と区別がつきにくいことがあります。
A型は、Akinetic無力性の頭文字Aを意味します。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

下記に、最近2ヶ月以内に慢性膀胱炎・間質性膀胱炎症状で初診・再診で来院された患者さん60名(作業が大変なので少しずつ掲載します)の初診時のウロフロ検査の結果を示します。間質性膀胱炎患者さんの全員が、このノコギリ様スパイク状の排尿曲線(膀胱頚部硬化症型)になるとは限りません。
慢性膀胱炎・間質性膀胱炎患者さんの排尿曲線は、ほとんどが膀胱頚部硬化症型ですが、女性なのに前立腺肥大症型(台形型)が結構な割で存在します。
また、膀胱頚部硬化症型と前立腺肥大症型を足して2で割ったような混合型も存在します。つまり台形でノコギリスパイク型です。
正常型でも尿の勢いがない場合は、不完全な正常型とします。
5人に1人は正常型の排尿曲線です。
初診時の超音波検査所見と排尿曲線を対比すると何か見えてくるかも知れません。
そこで、膀胱出口を真横から観察した超音波検査所見も提示して考えてみましょう。患者さんの中には、男性の前立腺肥大症のように膀胱出口が見える女性もおられます。慢性前立腺炎の同じテーマの写真と比べると興味深いと思います。
●年齢
●病歴
●過去の病名
●症状
●排尿曲線の型
●初診時検査直後の残尿量
●超音波検査所見
の順に記載します。ただし、十分な情報がない場合もあります。
頻尿(1日10回以上)の場合は、頻尿を症状として自覚していることを示します。
また、(頻尿1日10回以上)の場合は、若い時から頻尿で頻尿が当然だと思い、症状として自覚していないことを示します。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

【実例】
Boo20645f28★28歳女性
病歴:2年
過去の病名:間質性膀胱炎
症状:残尿感、頻尿(1日10回)
排尿曲線:正常型
残尿26ml
Boo20645f28e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出中等度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
膀胱出口の硬化像あり

Boo20637f59★59歳女性
病歴:
過去の病名:気のせい
症状:頻尿(1日30回以上、夜間6回)、排尿痛(尿道・膣)、下肢のモヤモヤ感
排尿曲線:正常型
残尿87ml

Boo20637f59e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
膀胱出口の硬化像著明

Boo20563f29★29歳女性
病歴:12年
過去の病名:心因性頻尿
症状:尿意切迫(30分に1回)、頻尿(1日20回以上)
排尿曲線:前立腺肥大症型
残尿5ml
Boo20563f29e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口の硬化像あり
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
尿道結石あり


Boo20481f37★37歳女性
病歴:1ヶ月
過去の病名:慢性膀胱炎
排尿曲線:不完全な正常型
残尿108ml
Boo20481f37e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出中等度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo20459f34★34歳女性
病歴:4か月
症状:頻尿(1日10回)、排尿痛
排尿曲線:正常型
残尿129ml
Boo20459f34e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出なし
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
Boo20446f44★44歳女性
病歴:5年
症状:頻尿(1日17回)、残尿感
排尿曲線:正常型
残尿27ml
Boo20446f44e超音波検査所見:
膀胱出口の硬化像あり
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
尿道結石あり

Boo20441f65★65歳女性
病歴:2日
症状:下腹部不快感
排尿曲線:前立腺肥大症型
残尿10ml
Boo20441f65e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出中等度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
尿道結石

Boo20438f57★57歳女性
病歴:7年
過去の病名:急性膀胱炎(毎月1回~2回)
症状:頻尿(1日15回以上)
排尿曲線:膀胱頚部硬化症型
残尿15ml
Boo20438f57e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口の硬化像あり
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
Boo20151f52★52歳女性
病歴:20年
過去の病名:間質性膀胱炎(膀胱水圧拡張術)、異常なし
症状:尿漏れ感覚、下腹部痛、頻尿(1日16回、夜間1回)
排尿曲線:膀胱頚部硬化症型
残尿:5ml
Boo20151f52e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo19845f39★39歳女性
病歴:36年
過去の病名:心因性頻尿、慢性膀胱炎、気のせい
症状:頻尿(1日40回~50回、夜間6回)
排尿曲線:
前立腺肥大症型、1回尿50ml以下で正確に判断できず
Boo19845f39e超音波検査所見:
膀胱内の尿がわずかのため不明瞭

Boo19765f56★56歳女性
病歴:5ヶ月
過去の病名:慢性膀胱炎?(25歳で精査するも病名なし、硝酸銀の膀胱注入を受ける)、心因性頻尿、過活動膀胱
排尿曲線:不完全な正常型
残尿71ml
Boo19765f56e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口の硬化像あり
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
Boo19702f63★63歳女性
病歴:7ヶ月年
過去の病名:急性虫垂炎手術、3年に1回の急性膀胱炎、間質性膀胱炎
症状:頻尿(1日10回以上、夜間2回)、尿道痛、右下腹部痛、左手シビレ、左右の膝下のシビレ、首の痛み、肩甲骨の痛み、明るい場所で涙が多分泌
排尿曲線:神経因性膀胱型
残尿120ml
Boo19702f63e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口の硬化像あり
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo19686f35★35歳女性
病歴:1年
過去の病名:急性膀胱炎
症状:頻尿(1日15回以上)、残尿感、膣の痛み、尿道痛
排尿曲線:前立腺肥大症型
残尿15ml
Boo19686f35e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
膀胱出口の硬化像あり

Boo19680f27★27歳女性
病歴:6年
過去の病名:間質性膀胱炎
症状:頻尿(1日15回以上)、下腹部痛、尿道不快感
排尿曲線:前立腺肥大症型
残尿8ml
Boo19680f27e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出中等度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
膀胱出口の硬化像あり
Boo19541f51★51歳女性
病歴:4年
症状:頻尿(1日20回)、尿漏れ
排尿曲線:正常型
残尿なし
Boo19541f51e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
膀胱出口の硬化像あり
Boo19514f58★58歳女性
病歴:4年
過去の病名:繰り返す膀胱炎、繰り返す腎盂腎炎
症状:下腹部痛、残尿感、頻尿(1日10回、夜間2回)、尿失禁(月に5回)
排尿曲線:膀胱頚部硬化症型
残尿225ml
Boo19514f58e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出なし
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo19511f41★41歳女性
病歴:3年
過去の病名:気のせい、分からない、間質性膀胱炎
症状:頻尿(1日25回、夜間5回)、陰部の痛み、排尿痛
排尿曲線:膀胱頚部硬化症型
残尿26ml
Boo19511f41e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
尿道結石あり


Boo19255f41★41歳女性
病歴:1ヶ月
症状:尿意切迫、のどの不快感、全身倦怠感、陰部のかゆみ
排尿曲線:膀胱頚部硬化症型
残尿7ml
Boo19255f41e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出高度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
Boo19157f44★44歳女性
病歴:2年
過去の病名:慢性膀胱炎
症状:尿意切迫
排尿曲線:膀胱頚部硬化症型
残尿23ml
Boo19157f44e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出中等度
膀胱出口の硬化像あり
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
尿道結石あり

Boo18984f38★38歳女性
病歴:4ヶ月
過去の病名:間質性膀胱炎、分からない
症状:恥骨の痛み、膣の痛み、(頻尿1日10回以上)
排尿曲線:前立腺肥大症型
残尿40ml

Boo18984f38e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出なし
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
膀胱出口の硬化像あり

Boo18934f52★52歳女性
病歴:30年
過去の病名:急性膀胱炎(年に3回以上)
症状:頻尿(1日15回以上)、尿意切迫
排尿曲線:不完全な正常型
残尿58ml
Boo18934f52e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
尿道結石
膀胱出口の硬化像
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
Boo18893f37★37歳女性
病歴:3ヶ月
過去の病名:急性膀胱炎
排尿曲線:前立腺肥大症型
残尿16ml
Boo18893f37e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
尿道結石
膀胱出口の硬化像あり
Boo18186f71★71歳女性
病歴:7年
過去の病名:慢性膀胱炎、腎盂腎炎
症状:尿が出にくい、尿の混濁
排尿曲線:神経因性膀胱型
残尿212ml
Boo18186f71e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出高度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo17614f48★48歳女性
病歴:4年
過去の病名:急性膀胱炎
症状:残尿感、息み時間が長い、(頻尿1日10回)
排尿曲線:不完全な正常型
残尿28ml
Boo17614f48e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
膀胱出口の硬化像あり
Boo17956f60★60歳女性
病歴:3年
過去の病名:間質性膀胱炎
過去の治療:膀胱水圧拡張術2回
症状:頻尿(1日60回、夜間10回)
排尿曲線:正常型
残尿64ml
Boo17956f60e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口の硬化像あり
膀胱三角部の肥厚

Boo17576f40★40歳女性
病歴:20年
過去の病名:神経性頻尿
症状:頻尿(1日15回以上)、就寝前に5分後と6回
排尿曲線:膀胱頚部硬化症型
残尿143ml
Boo17576f40e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo16546f24★24歳女性
病歴:5ヶ月
過去の病名:慢性膀胱炎
症状:尿意切迫
排尿曲線:前立腺肥大症型
75ml
Boo16546f24e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出中等度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo16143f28★28歳女性
病歴:6ヶ月
過去の病名:異常なし
症状:下腹部痛、夜間尿意切迫(月1回)、早朝の排尿障害
排尿曲線:膀胱頚部硬化症型
残尿18ml
Boo16143f28e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口の硬化像あり
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo14600f38★38歳女性
病歴:7年
過去の病名:神経性頻尿
症状:頻尿(1日10回)
排尿曲線:前立腺肥大症型
残尿34ml
Boo14600f38e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出なし
膀胱出口周囲の静脈瘤あり
膀胱出口の硬化像あり

Boo13926f25★25歳女性
病歴:1年
過去の病名:神経性頻尿。ビダール苔癬
症状:頻尿(1日10回以上)
排尿曲線:前立腺肥大症型
残尿11ml
Boo13926f25e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出高度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

Boo9733f33★33歳女性
病歴:15年
過去の病名:気のせい
症状:頻尿(1日15回)
排尿曲線:前立腺肥大症型
32ml
Boo9733f33e超音波検査所見:
膀胱出口の膀胱内突出軽度
膀胱出口周囲の静脈瘤あり

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頻尿とMRIの所見

患者さんは40歳代のご婦人です。1時間に1回の頻尿で20年前に「神経性頻尿」と診断されました。
平成17年に高橋クリニックを受診しました。当時の症状は、入眠前の5分毎に1回の頻尿(続けて5回~6回)、日中2時間~3時間に1回の排尿回数が気になると1時間毎に1回の頻尿になるというものです。
検査の結果、排尿障害があり、おなじみのエブランチルを処方した所、症状が軽快した患者さんです。もちろん、現在もエブランチルを服用しておられます。
子宮内膜症のMRI検査を最近受けたので、フィルムを持参されました。ちょうど頻尿原因の所見がありましたので、患者さんの承諾を得て、ここに供覧します。
Boo17576f41mri患者さんが上向きに寝ている状態で、画面の左側が頭側で画面の右側が足側です。画面の上がお腹で画面の下がおしりです。
体を縦割りにして、断面を観察している状態です。
水分の多い部分と脂肪の部分が白っぽく表現されています。

Boo17576f41mri2膀胱出口を中心に拡大した写真です。膀胱出口が膀胱内に突出している状態が鮮明に映し出されています。一般的には、この部分は平らですから、明らかに異常な所見です。私が超音波エコー検査で膀胱頚部硬化像としている所見です。
膀胱出口周囲が白っぽく観察できるのは、静脈瘤が存在しているからでしょう。

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超音波検査でみる膀胱頚部の静脈瘤

排尿障害が強く、排尿のたびに膀胱が力強く息んでいると、膀胱出口を中心とした膀胱頚部に圧力がかかります。その圧力が膀胱頚部周囲の静脈圧を上げます。すると、次第に静脈が拡張するようになり最終的には静脈瘤になります。膀胱頚部周囲の静脈瘤の発見=排尿障害の存在と考えられる訳です。
超音波エコー検査では、膀胱頚部(膀胱出口周囲)周囲の膀胱壁のブドウの房状に黒く抜けた像として観察できます。

【膀胱頚部周囲の静脈瘤】
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イラストの膀胱出口周囲の膀胱壁の中にブドウ房状の青い●が静脈瘤です。この静脈瘤を静脈のうっ滞と判断し、骨盤内静脈うっ滞症候群という病気で診断される患者さんがおられます。そして漢方で云う「瘀血(おけつ)」状態ですから、漢方医は桂枝茯苓丸などの瘀血(おけつ)治療薬を患者さんに処方するパターンが多いのが現状です。
瘀血(おけつ)が元凶ではなく、瘀血に至らしめる病態が元凶なのに本末転倒の治療がされる訳です。当然、薬は効きません。

【解剖図 ネッター解剖学アトラスから】
netter-f解剖図によれば、膀胱出口周囲にはご覧のように静脈(青い部分)が確認できます。しかし、超音波エコー検査では確認できない程度の静脈です。ですからこれらの静脈が超音波エコー検査で確認できるのは異常なことです。

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21年前から頻尿で苦しむ。現在1日30回、夜間3回。

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平成17年1月より残尿を指摘され、自己導尿を薦められる。膀胱炎になったため現在自己導尿中。

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残尿感と1時間~2時間に1回の頻尿。4年前の夏の膀胱炎症状から残尿感が続く。病院を受診しても尿がきれいだから「気にしないように」と告げられた。

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1時間1回の頻尿と尿意頻拍感。平成17年9月より神経性膀胱障害(神経因性膀胱?)と診断される。

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3年前から恥骨疼痛、腰・大腿・臀部の熱いような不快感、1時間に1回の頻尿。国立国際医療センターを受診し、心因性頻尿と診断される。

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超音波検査でみる膀胱出口周囲の硬化像

boo-vib排尿障害が原因で膀胱出口の振動による膀胱出口周囲の硬化は、超音波エコー検査で確認できます。それは膀胱の側面像で膀胱内に突出した「出っ張り」として見ることができます。
膀胱出口は排尿時に漏斗(ろうと)状に開く仕組みになっています。解剖学的に漏斗状に開かなければならない周囲に「出っ張り」のような邪魔な構造物が存在することは、病的と判断するべきでしょう。
しかし例外はあるもので、わずかな排尿障害で膀胱出口が振動していても、形態学的変化としてこの「出っ張り」が必ずしも観察できない方もおられます。それでも観察できた時にはラッキーで、膀胱出口が振動している=排尿障害の存在と考えてよいでしょう。
下に掲載した超音波エコー検査の像は、全て慢性膀胱炎・間質性膀胱炎症状で来院した患者さんのものです。側面で観察すると、黒く見える部分が膀胱の尿です。凹みのある部分が膀胱出口です。膀胱出口の上の膨らみが硬化像です。膀胱出口の下が膨らんでいる患者さんはほとんどいません。そこは膀胱三角部に当たる部分なので構造上膨らまない分、膀胱三角部が硬くなり過敏になるのです。

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頻尿(1時間に1回)、下腹部不快感、中学生の頃から年に10回の膀胱炎を繰返す。

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頻尿(1日10回前後)、朝と晩の排尿後の不快感、3年前から年に4回の膀胱炎を繰返す。

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30歳から頻尿(1日10回以上)、陰部の痛みと肛門の不快感を訴える。

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頻尿(1時間1回~2回)、なかなか尿が出ない(息み時間が長い)、4年前から膀胱炎を年に2回繰返す。

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朝一番の尿の出が悪い。

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18歳頃から頻尿(1時間1回)、いきみ時間が長く、排尿時間も長い。

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初診で検査を受ける患者さんへ

sakura★★★必ず、十分に尿をためた状態でお越し下さい。

私の慢性膀胱炎・間質性膀胱炎に関する考え方は、原因の本質が排尿障害だと信じています。それを簡単な検査で証明するためには、工夫が必要です。あらかじめ十分に水分をとり、高橋クリニックに来院した際には、オシッコが出来るようにしていて下さい。出来れば我慢できる一歩手前くらいまでです。
検査前に十分にオシッコを溜めなければいけないある理由があるのです。もしも、オシッコが十分に溜まっていなければ、近くのコンビニで水分を500ml購入していただき、全量を飲みながら待合室で1時間以上お待ちいただくことになります。

※先日、午前11時過ぎに来院された、慢性前立腺炎の患者さんが尿をためていなかったので、昼時間の手術のこともあり、次回にと帰っていただきました。すると、その人を紹介したという方から、「対応が悪い!尿をためろとは知らなかった!公的機関に訴える!」と抗議の電話があり、さらに公的機関である保健所からも連絡がありました。
当院としては、時間的制約と医師が私一人という物理的制約から、正確な診断をする上で止むを得ません。それまでに適切な検査をされておらず、意味のない治療を受けている方が当院に来院するのです。他の医療機関と同じ検査を行っても無意味です。再度同じ状況であれば、必ず同じ態度をとります。誤診をしたくないのです。患者さんに不利益を与えたくないのです。しかし、私としては100人の患者さん全員に迎合するつもりはありません。抗議をされた方は他の医師をあたって下さい。

20060325chief★★★★このブログをお読みになればお分かりでしょうが、私は難治性の慢性膀胱炎・間質性膀胱炎に真剣に取り組み、少しでも多くの悩める患者さんを救おうと懸命です。慢性膀胱炎・間質性膀胱炎という病気を治すための巧み技の職人のような医師です。ですから真剣勝負で診察・検査・治療を行っています。私は「やさしさ」を売り物にしている商売人ではありません。患者さんといえども非常識な態度や無礼であればバンバン怒ります。ブログをお読みになり、自分勝手なイメージで私像を作って、実際に会って「やさしい医師ではない」ことを知り、そのギャップに驚く患者さんが存在するようです。「やさしさ」を求めるのであれば、やさしさを売り物にしている医師にお掛かり下さい。

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検査の考え方の盲点

慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・心因性頻尿と診断されるご婦人には、わずかながらではありますが、必ず排尿障害が存在します。ここで述べる排尿障害は、尿の勢いが悪いか残尿があることを云います。
すでに慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・心因性頻尿と診断されたが、なかなか治らずにドクターショッピングされる患者さんが多く私のクリニックに来院されますが、その中には、運良く?尿流量測定ウロフロメトリー検査や残尿量測定検査を行われていた方がおられます。その過去の結果をお聞きすると、
「勢いは悪いがタマタマなのでしょう。」
「緊張したから出なかったのでしょう。」
「一生懸命に出しました?」
「この程度は問題ないでしょう。」
などと、検査結果に異常が出ているのにもかかわらず、その結果に対して医師は評価を出そうとしいないのです。検査は異常が出た時が勝負なのです。なのに千載一遇の折角のチャンスを無駄にしている医師の何と多いことか!これでは患者さんの本当の姿を見つけることは出来ません。
麻酔を行った膀胱鏡検査で膀胱粘膜に点状出血を見つけて、鬼の首を取ったように「間質性膀胱炎だ!」と自慢げに診断する医師の姿は滑稽です。膀胱鏡検査すら行わない医師はもってのほかですが、膀胱鏡検査だけでは膀胱の真の姿をすべてが診断できる訳ではないのです。「点状出血は重要な所見だが、あるかないかの排尿障害の所見は目をつぶってもOKでしょう」とでもいうのでしょうか? 
私から言わせてもらえば、点状出血とは現在の具合の悪い膀胱の姿を肉眼的に観察しただけのことです。頻尿や膀胱痛といった症状と同じ意味にも取れます。具合が悪くなった膀胱の原因ではないのです。医師としては、原因を追究しなければならないのに、【点状出血=間質性膀胱炎】で終わりの印象が強く感じるのは私だけでしょうか?
間質性膀胱炎ではない患者さん(前立腺肥大症や膀胱排尿筋内尿道括約筋協調不全など)の内視鏡手術の際に、手術用還流液でパンパンに膨れた膀胱の膀胱粘膜に点状出血を認めることはよく経験することです。排尿障害で膀胱が楽をしようと長い間膨らむのを忘れた結果、膀胱粘膜や膀胱表在の血管が固く伸展しなくなり、プチプチ切れて出血するのは当たり前の現象です。頻尿や膀胱痛が強い患者さんの膀胱は、すでに十分膨らまなくなり、さらに硬くなり点状出血するのは容易に想像できるでしょう?
泌尿器科が行う検査は、目的に応じて尿検査・レントゲン検査・細菌培養・血液検査・超音波エコー検査・尿流量測定ウロフロメトリー検査・残尿量測定検査・膀胱内圧検査・膀胱鏡検査などいろいろあります。貴方はこれらの検査のどの検査を行いましたか?もしも尿検査だけで異常なしと診断されているとしたら、貴方はいかにいい加減な診断をされたかお分かりでしょう。

「勢いは悪いがタマタマなのでしょう。」
検査結果に異常が出ることは確率的には少ないことなのです。ですから異常所見は大切に扱わなければなりません。常にタマタマであることを期待するのが本当の医師の姿だと思います。例えば、胃カメラで潰瘍が見つかり、治りが悪いのでバイオプシー(生検)を行いますが、1回目では異常が出なかったとしましょう。すると主治医は癌細胞が出てくるまで何度でも日を改めて胃カメラとバイオプシーを行おうとします。1回目の検査で異常がないからといって決して諦めません。その逆に、1回目のバイオプシーで癌細胞が発見された時には、タマタマだろうとは思わないでしょう。

「緊張したから出なかったのでしょう。」
体に全く異常がなければ、常に正常であって、決して検査では異常は出ません。それは緊張しようが緊張しまいが、常に正常なのです。もしも緊張してオシッコが出にくいとすれば、私から言わせれば、緊張したぐらいで出にくくなる何か異常が隠されていると考えるのです。

「一生懸命に出しました?」
尿に関して常に敏感で悩み疲れ、恥ずかしいのをガマンして診察に訪れた患者さんに対して、一生懸命に出さない訳がないではありませんか!こういうことを言う医師は、自分がいつも一生懸命に仕事をしていないのに違いありません。

「この程度は問題ないでしょう。」
この程度とは、どの程度なのかを医師は明言しません。
例えば、ある患者さんが尿流量測定ウロフロメトリー検査で正常の人よりも10%程度オシッコの勢いが悪いとしましょう。高々10%程度です。医師がこの程度と言われる程度です。膀胱は常に全力で与えられた使命(排尿)を果たそうとします。膀胱は臓器ですからですから当たり前のことです。ところが、検査結果では10%程度勢いが悪かったかも知れませんが、膀胱は100%以上、もしかすると200%の力を振り絞って出した結果かも知れません。それは様々な検査を行ってもなかなか分かりませんが、膀胱の気持ちになって考えてみるのです。この尿流量測定ウロフロメトリー検査後に残尿量測定検査を行えば、膀胱の気持ちが分かることがあります。明らかな残尿が見つかれば、膀胱が頑張っても残尿を0にすることが出来なかったことを示します。残念ながら、残尿の0の時点での膀胱の苦しみを認識する手立てはありませんが...。
さて、1日8回排尿をしたとして、10年間この状態が続いたとしましょう。すると、【8回×365日×10年=29200回】も膀胱が200%もの力を振り絞ることになります。貴方が膀胱そのもので、10年間に2万9千2百回も全力疾走を続けたら普通でいられますか?間質性膀胱炎という状態になったとしてもおかしくはありませんね?
1回の検査結果の「この程度」という言葉の中には、このような盲点が隠されていて、医師は気がついていないのです。人間は医師も含めて目先のことのホンの一瞬・ホンの刹那のことしか理解できません。でも病気の中には長時間にわたって経過して初めて症状や病気として発現するものもある筈です。医師は素人ではないのですから、長いスパンのことも考慮して診断しなければなりません。膀胱鏡検査で点状出血を見つけておしまいの診察では、チョッと賢い小学生にも可能な診断法です。
このような適当な診断で被害を被るのは、慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・心因性頻尿と診断された患者さんなのです。

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膀胱に本当のことを言わせるテクニック

慢性膀胱炎の患者さんを問診すると、何箇所かの病院やクリニックの診察・検査・治療を行った経験のある方がほとんどです。その中には、私がより所にしている排尿障害の検査(尿流量測定ウロフロメトリー検査・残尿量測定検査など)の経験をお持ちの方がおられます。10人にお一人の割合ですが...。しかし、数少ないその検査で「異常なし」と判断された方や排尿障害の結果が出ているのに、「たまたまでしょう」と無視された方がいるのです!

他の病院で同じ検査を行って異常が出ないものが、なぜ私が行うと異常が出るのでしょう?私は詐欺師?手品師?魔法使い?いいえ、私は一介の開業医です。では、なぜ?理由はいたって簡単です。患者さんの体(膀胱)にだまされないようにしているからなのです。物言わない膀胱に、私のテクニックで言わせているだけなのです。

慢性膀胱炎で苦しんでいるのは患者さんだけではありません。実は膀胱そのものが、とてもとても苦しんでいるのです。ですから、初診で来院した時の膀胱は、ある程度楽な状態で来院されています。そのまま間髪入れずに排尿障害検査(尿流量測定ウロフロメトリー検査・残尿量測定検査)を行っても、異常が出る訳がありません。なぜなら、排尿障害という異常な状態にならないように、頻尿・残尿感・尿意頻拍・膀胱痛が出現しているのです。私とお話中の患者さんは、その辛い症状の合間の状態です。この状態で検査を行っても、膀胱は本当のことをしゃべってはくれません。

それでは、膀胱に本当のことを言わせるテクニックをご披露しましょう。私の秘密のテクニックですが、慢性膀胱炎で苦しんでいる大勢のご婦人のために公開します。
膀胱が楽な状態では本当のことを言ってくれないので、膀胱にとって辛い状態にすれば本当のことを話してくれます。検査の前に十分に尿をためていただくのです。それも患者さんが辛いと言うまでです。
具体的には、診察時に「十分尿をためて来ました」という患者さん以外は、近くのコンビにで清涼飲料水(お茶・水・コーヒー・ジュースなど)を500ml~1000ml購入していただき、待合室で飲みながら待っていただきます。尿がたまり、辛くなったら受け付けに声をかけて、検査開始です。「な~んだ」でしょう?たったこれだけの注意で、本当のことを話してくれなかった膀胱が真実を語ってくれるのです。

慢性膀胱炎でご近所の泌尿器科を受診して、排尿障害の検査で異常なしと診断されても、くじけることなく前述のことを実践して再度検査していただいて下さい。きっと異常が出る筈です。

「たまたまでしょう」と判断する泌尿器科医には、ほとほと頭を抱え込んでしまいたい気持ちで一杯です。運良く異常所見が出ているのに、言い換えれば膀胱が真実を語っているのに、それを「たまたま」とは言語道断です。
このような医師は、胃レントゲン検査で胃潰瘍・胃癌の所見が見えても「たまたまでしょう」と言えるのでしょうか?CTスキャンで腎臓に腫瘍性病変が見えても、やはり「たまたま」と言うのでしょうか?このような医師に遭遇したら、病院を変えて下さい。今後の治療もいいかげんですから。

【実例】カルテ番号16086
患者さんは45歳のつくば市在住のご婦人です。中学生時代から頻尿でしたが気にもしていませんでした。だいたい日中は2時間に1回の頻尿です。時折、10分置きの尿意切迫感に襲われることがありました。最近、そのことがたびたび出現するようになったので来院しました。十分に尿をためていただいて、検査を行いました。

尿流量測定ウロフロメトリー検査では、グラフの山の形がギザギザで左右対称ではなく、高さも十分ではありません。尿量253mlありました。右のグラフは正常の女性の排尿曲線です。尿量は211mlでこの患者さんよりも少ないのですが、山はきれいで高く左右対称です。
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排尿前の膀胱です。子宮の圧迫が認められます。
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1回目の排尿直後の残尿です。残尿70ml認めます。
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2回目の排尿直後の残尿です。残尿24ml認めます。
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チョッと工夫で、膀胱が上記の実例のように本当のことを話してくれます。排尿障害の検査を行う時には、貴方の判断で十分に(十二分に)尿をためて検査を行ってください。このチョッとした工夫が、貴方の主治医を名医にするコツです。

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