カテゴリー「間質性膀胱炎の考え方」の記事

夜間多尿の理由

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夜間頻尿の理由のひとつに「夜間多尿」という現象があります。夜間多尿は寝てからのオシッコの量が多い場合を意味します。定義として、1日の尿量の33%が夜間の尿量とします。例えば、毎日のオシッコが1.8リットルとすると、夜間だけで600㎖以上の尿量がある場合です。高齢者や高血圧の患者さんが、疫学的調査で夜間多尿が多く認められています。その理由について学会の有名な医師の説明によると、❶水分の摂り過ぎ、❷高齢者、❸抗利尿ホルモンの低下、❹塩分の摂り過ぎ、❺高血圧、❻腎臓に障害がある、等などの様々な理由をあげています。

 

多くの医師は、生化学的な観点からしか物事を考えないのです。そのため、理由が明確に追求できないのです。しかし、解剖学的構造学的な観点から考えると見えて来るものがあります。

Aortakidney 解剖学的腎臓の位置は寝ている時の姿です。起き上がっている時とでは、状態が異なります。起き上がると、腎臓の重さで下に移動します。おおよそ5cm以上です。10cm以上落下して症状がでると、「腎下垂・遊走腎」と云います。その症状が、腰痛、脇腹痛、吐き気などです。その理由は、腎下垂で腎動脈が引き伸ばされたために、腎血流量が低下して、ある意味で腎臓が阻血・虚血状態になるので、腎臓が痛くなり、腰痛・脇腹痛・吐き気になるのです。ちょうど、狭心症や心筋梗塞の胸の痛みと同じです。

Aortakidney2 高齢者になると、筋力が低下して、腹腔内の脂肪も減り、腎下垂の確率が高くなります。さらに動脈硬化のため、引き伸ばされた腎動脈の内腔が狭くなるのです。高血圧の人は、さらに動脈硬化が強いので、さらに狭くなります。

Yakantanyo_20200129112301 高齢者が日中に起き上がる、座る、立つと、腎臓は下垂して腎血流量が低下します。腎臓に注がれる水分が少なければ、日中の尿量は減少します。そのため排出できなかった水分が体内の細胞外液として残されてしまいます。寝て横になると、腎臓が元の位置に戻ります。血流が回復すると、体は「今がチャンスでだ!」と腎臓にたくさんの水分が流れて、たくさんの尿量が作られます。その結果、「夜間多尿」になるのです。排尿障害で膀胱容量が小さくなっている人は、当然、夜間頻尿になるのです。

昼間の水分が体内に残っている訳ですから、それを改善するために、夜間の抗利尿ホルモン分泌を抑えて多尿にするのです。

対策として、❶水分を控える❷昼間に1時間ほど昼寝したり横になることです。また、❸治療薬としては、合成抗利尿ホルモンのミニリンメルトOD錠があります。

 

夜間多尿はいろいろな原因説明がありましたが、本当の原因は動脈硬化と高齢者による腎下垂が原因です。その理由でいろいろな原因が一筋にまとまりました。

 

夜間多尿は、体を正常にするために、体に大量に溜まった水分を少しでも少なくする目的で、夜にオシッコをたくさん出しているのです。抗利尿ホルモン単独で夜間多尿を抑えると、さらに水分が体に溜まり、血液が水っぽくなる=低ナトリウム血症になり、頭痛、吐き気、食欲不振、錯乱、ケイレンなどの症状が発症して、本当の病気になってしまうのです。ですから、水分は控え目にすることと、日中に昼寝でもして、日中の尿量を増やしましょう。

 

 

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過活動膀胱の後遺症「低活動膀胱」

インターネットで調べると、私が否定する医学常識がたくさん掲載されています。その例として、実例をご紹介しましょう。
7c78c626a866459fb17b65e459e3335c過活動膀胱を放置すると、「低活動膀胱」という病気になるとされています。ある有名な医師のインターネットで得られた説明が下記の通りです。(……)に私の反論意見を記載しました。

https://www.google.co.jp/amp/s/tokusengai.com/_amp/_ct/17252274

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「低活動膀胱」とは、これは膀胱の筋肉の力が低下して、うまく縮まらなくなり、たまった尿をスッキリ出せなくなる状態です。長い間、過活動膀胱で過敏に働き続けた筋肉が疲れて衰えてしまって働きが弱り、低活動膀胱になるのです。(ある意味で、神経因性膀胱でしょう。では、神経因性膀胱と思われる患者さんの多くに、過去に過活動膀胱であるかと言うと、そんな事はないのです。)

膀胱の筋肉の収縮が起こらなくなると、尿意をあまり感じなくなります。過活動膀胱によって頻尿で困っていた人は「よくなった」と勘違いすることもありますが、そうではありません。

低活動膀胱が進行すると、膀胱が本来持っている排尿機能が失われ、膀胱はただ尿をためるだけの袋になってしまいます。(膀胱はもともと強い排出力はありません。膀胱の出口が開くか開かないかにかかっています。オシツコの勢いは、単に腹筋や内臓の重量による腹圧の力です。)

そうなると、うまく排尿できなくなって、膀胱に絶えず尿がたまってしまいますから、細菌感染症や結石症が起こりやすくなります。(膀胱内の尿は無菌です。また、膀胱結石も排尿障害がなければ出来上がりません。)

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その理由として、過活動膀胱が原因だとされています。
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「過活動膀胱」になるいちばんの原因は、加齢に伴って膀胱への血流が低下することで、膀胱の神経が傷ついたり、硬くなったりすることです。膀胱の柔軟性が失われ、尿を十分にためられなくなります。
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以上の解説は、私から言うと余りにも支離滅裂のいい加減です。目の前の患者さんの所見だけを見て、適当に説明しているだけです。物事は目の前の三次元だけでなく、四次元的な発想をしなければ理解できません。四次元=時間経過も考えないといけません。

過活動膀胱になる理由が、加齢による血流障害と神経障害とされていますが、もしもそうだとすれば、40歳以上、日本人の半分以上、五千万人以上が過活動膀胱になっても不思議ではありません。現実には820万人です。ハッキリした原因も追求もしないで「加齢のせい」にしているのです。では、十代、二十代の過活動膀胱の患者さんも加齢が原因だと思われますか?加齢が原因だとするには矛盾があります。

低活動膀胱になる原因が、膀胱の筋肉が働きすぎて筋力が低下したからと掲載されています。人間の体で鍛えているのに、疲れたから筋力が低下すると言うのは非常識な考えです。鍛え続けていれば、筋力は衰えることはありません。

筋力が低下するのは、筋肉が鍛え過ぎたからではなく、外部から無理やり鍛えられたからです。筋肉の閾値を超えて負荷を掛けられたからです。

以上から分かるように、泌尿器科の一流の医師でさえ、この程度の一貫性のない論理なのです。ましてや普通の医師ならもっとダメでしょう。

Oabmec3過活動膀胱の原因は、膀胱出口が十分に開かない排尿機能障害が原因なのです。そのため、排尿する度に膀胱に負担がかかり、膀胱の壁の筋肉がマッチョになるのです。膀胱が積極的に働いたからマッチョになったのではなく、無理矢理の圧力がかかったからマッチョになったのです。相対的に膀胱三角部にも負担がかかり、頻尿や尿意切迫感になり、原因不明の病名である「過活動膀胱」と診断されるのです。

この時点で、膀胱がどんどん疲弊(ひへい)するのは当然です。医師が原因追求もせずに、患者さんの具合を放置するのは、医師としてあまりにも無責任です。自分たちの名誉や出世だけにしか興味を持たない情けない人格の医師ばかりです。

この過活動膀胱の状態が長期間継続すると、悪循環で膀胱出口はますます開かなく硬くなります。すると膀胱壁は収縮できなくなり、壁は次第に萎縮するのです。膀胱三角部の過敏症もマックスになり、脊髄神経回路は情報収集をブロックするために、尿意が無くなるのです。この状態を(低活動膀胱」と表面的な診断をされてしまうのです。

過活動膀胱も低活動膀胱と同じ流れで、時期の違いでしかありません。治療はどちらも排尿障害を積極的に治療しなければなりません。

物事は医学に限らず、本質を見極めないで見えている表面的な事しか考えないので、どんどん不思議な現象になっていくのです。

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エコー検査で分かる膀胱出口の秘密構造

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エコー検査で膀胱出口を観察すると、側面像で見えるのは、一般的に膀胱三角部と膀胱排尿筋だけです。ところが、排尿機能障害が強く長期間であると、側面像に膀胱括約筋が観察されます。膀胱出口の正面像では、イラストで示すように、左右に膀胱括約筋(青色)常に確認できます。12時と6時の位置には膀胱括約筋は無い筈なのです。6時には膀胱三角部があるので、ないのは当然です。

 

Bsph5_20200103104401 それから考えると、排尿機能障害が強く長期間であると、左右の膀胱括約筋が次第に前後左右に肥大し大きくなり、12時の方向に伸びてイラストで示すように、左右が融合するのです。結果、側面像で膀胱括約筋が容易に確認できるのです。6時方向は膀胱三角部が排尿機能障害で次第に肥大して太く大きくなるので、膀胱括約筋はブロックされるのです。そのため、側面像でも下の位置には膀胱括約筋が観察できないのです。

膀胱括約筋が12時の位置で完璧に癒着・融合している場合と、癒着していない場合とでは、膀胱出口の開き具合が当然異なります。膀胱括約筋が12時の位置で筋肉が無ければ、膀胱出口は伸縮性があり開きやすいのです。しかし左右が12時の位置で癒着・融合ていれば、筋肉の硬さで容易には開かないでしょう。

D2d14a115c7c4fbabc470ab37674338b 以上から、膀胱括約筋の形は完全な円形ではなく、最大で【1時〜5時】と【7時〜11時】に存在するだけです。下部尿路症(慢性前立腺炎・間質性膀胱炎・過活動膀胱・前立腺肥大症・膀胱疼痛)の患者さんの初診の際には、必ずエコー検査で側面像を観察しましょう。側面像で膀胱括約筋を見つけたら、「排尿機能障害」を確認したことになるのです。この写真では、膀胱括約筋はほぼ見えません。ところが、いろいろな患者さんを拝見すると、膀胱括約筋がハッキリと見えるのです。

もちろん患者さんによっては、12時の位置に膀胱括約筋が確認出来なくても、排尿機能障害が隠れている人も、膀胱括約筋が確認できても排尿機能障害のない人もいます。人はいろいろですからね。

Bsph1pp 【症例①】#22853男性29歳   以前から睾丸が痛くて何軒も泌尿器科で診察を受けましたが、「慢性副睾丸炎」と診断されて、治療を受けるも全く治らなかったのです。そこでインターネットで当院を見つけ来院されました。側面像で膀胱括約筋が白く確認できます。

 

Bsph2pp 【症例②】#22808男性65歳   頻尿・尿意切迫感の症状で悩まれた高齢者です。地元の泌尿器科で前立腺肥大症だから仕方がないと診断されたのです。膀胱括約筋が白く確認できます。膀胱三角部も発達しているので、頻尿・尿意切迫感が生じるのです。αブロッカーとβ3作動薬で症状は軽快しました。

 

Bsph3pp 【症例③】#22707男性45歳 尿道口の痛みがなかなか治らず、非細菌性慢性尿道炎と診断された患者さんです。抗生剤をいくつもたくさん内服しましたが治らないのです。膀胱括約筋が白く確認できます。膀胱三角部も発達しています。αブロッカーとβ3作動薬で尿道口の痛みは無くなりました。

慢性前立腺炎のエコー所見  http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cp/2007/03/post_b4e1.html

間質性膀胱炎のエコー所見  http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/cc/2007/03/post_b4e1.html

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なかなか治らない過活動膀胱、間質性膀胱炎の患者さんへ

慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、難治性過活動膀胱でなかなか治らない患者のお役に立てれば良いと思い、主治医に下記の文面を参考にお渡しください。

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日本全国から慢性前立腺炎・間質性膀胱炎・難治性過活動膀胱などの患者さんが、たくさんおいでになります。その原因のほとんどが排尿機能障害です。しかしながら、患者さんが自覚しない軽微な排尿機能障害が原因なのです。現代医学では、原因不明の病気として対処するのは、科学的とは言えません。

ところが、患者さんが自覚しないために、警告するために患者さんの脊髄神経回路が工夫して、医師が予想しないさまざまな症状、頻尿・尿意切迫感・切迫性尿失禁・さまざまな痛みやシビレ感やかゆみなどの症状になるのです。その症状に応じて、関与した医師が、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、難治性過活動膀胱、膀胱疼痛症、慢性骨盤疼痛症候群などの病名が付けられて、症状に応じた対症療法しか行わないので、患者さんがなかなか治らないのです。「原因不明」のまま教科書やガイドライン通りに治療することは、非科学的な行為そのものです。

80f658b9d2d34c6f831bbe387ede7f0a 地元の主治医先生にお願い申し上げます。ウロフロメトリーや残尿測定や前立腺の大きさに明確な異常が無くても、軽微な排尿機能障害が膀胱三角部と脊髄神経回路を介して、イラストのように症状を作っていると思ってください。

①そして第1の治療は、排尿機能障害の治療薬としてα1ブロッカー(ユリーフ、ハルナール、フリバス、エブランチルなど)を必ず使用してください。ご婦人の場合は、使用出来る保険薬はエブランチルしかありません。反応が弱ければ、ユリーフ・シロドシンを処方してください。もちろんご婦人の場合は、保険適応外になるので、自費で処方されたら助かります。シロドシンだとジェネチックですから、1カ月分2千円ほどですから、患者さんへの負担が少ないのです。もしも治療を優先するのであれば、ご主人やお父様の許可を得て、保険で処方して頂ければ、患者さんは医師の使命感にとても感謝されるでしょう。

②尿意センサーである膀胱三角部の興奮を鎮めるために、β3作動薬であるベオーバ、ベタニスを使用してください。頻尿だけでなく、痛み、痒み、しびれ、違和感にも効果が得られます。

③β3作動薬で不十分な場合は、抗コリン剤のベシケア、トビエースなどを使用してみてください。

④前立腺が大きければ、アボルブを併用すると、症状の改善を補助します。

⑤経過が長いために、脊髄神経回路の完成度が高く、とても興奮しやすいと、上記のクスリだけでは、なかなか治りません。その場合は、トラムセット、リリカを併用してみてください。

少なくても3ヶ月間の治療は続けてください。お願い申し上げます。この病気は高血圧や糖尿病と同じで、治る病気ではないので続けてください。症状が落ち着いたら、処方量を患者さんに応じて減らしても構いません。よろしくお願い致します。

ご質問は下記にどうぞ。
高橋クリニック 高橋知宏(無名の開業医)
東京都大田区中馬込2-22-16
03ー3771ー8000

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間質性膀胱炎で不必要な治療を受けた患者さん

2007年の今から12年前の間質性膀胱炎・陰部疼痛症の女性患者のKさんお話しです。間質性膀胱炎・陰部疼痛症は排尿機能障害と膀胱三角部の過敏さが作る病気です。

Kさんは、間質性膀胱炎の診断を受けるまで大学病院を含め4箇所以上の医療機関で治療を受けましたが治らずに、高橋クリニックへ来院した患者さんです。尿が少したまるだけで下半身の強烈な痛みと1回の尿量が100ml、1時間に1回の頻尿、夜間3回の頻尿状態でした。

頻尿症状は子宮筋腫が原因と診断した、ある病院の婦人科で子宮摘出手術までされました。まだお子さんがいなかったのに関わらず、苦渋の選択でした。しかし婦人科の手術後、頻尿の他に痛みがさらに強く出現するようになり、婦人科執刀医に相談したのですが、「あっそうですか。」としか言われなかったのです。……無責任な医師ですね!

そのKさんの強い希望で、平成17年11月に内視鏡手術を行ないました。手術後、頻尿が2時間に1回、夜間が2回にまで減少しましたが、……症状は不安定でした。次第に痛みが再発し増強したため、2度目の内視鏡手術を平成18年1月に行なったのです。

956554bed0214df09a3102d0d38aa9d9その後、半年間は来院されなかったので心配していました。翌年の7月ある日、突然来院されました「心配していましたよ。どうしてたの?」と質問すると、とっても具合が良かったとのこと。あの毎日の強い下半身の痛みがほとんどなくなり、好きなテニスをガンガンとこなし、たくさんの試合に参加して上位入賞を果たしていたのでした。2週間に1日か2日の頻度で痛みの出ることはありましたが、ほどなく治まるので様子をみていたとのことでした。ところが、平成18年の7月になり痛みが出現、この3日間治まらず、遂に観念して高橋クリニックを再び訪れたのでした。

さて、こうなると痛みのコントロールが難しくなるのです。過去に内視鏡手術を行なって、過敏な膀胱三角部を治療(センサーの破壊)しても、長年の病気で形成された脊髄神経回路の痛みのソフトウェアは絶対に消えないのです。落着いていた時に、膀胱三角部の信号が、その脊髄内のソフトウエアーを起動しないように心掛けていないといけません。ソフトウェアーは起動したくてしたくて仕方がありません。どんなささいな信号でもソフトの起動に結び付けようとします。一度結び付けられると、それを外すのが難しいのです。

手がない訳ではありません。デパスなどの自律神経調節剤の服用や神経ブロックを小まめに行なうことで、外すことが可能と考えています。今だとトラムセットで治療できますが、当時はまだ販売されていませんでした。

そこで7月13日(金)に仙骨神経ブロックを行ないました。翌日に来院されないので落着いているなと喜んでいたら、その日の夜に再び痛み出し、夜の午後10時にご主人の車で来院されました。仙骨神経ブロックを行なうと、激しい激痛が10分ほどで治まり、笑顔で帰宅できるようになります。さぁこうなると、Kさんの脊髄内ソフトとの持久戦です。どちらかが音を上げるまでの勝負です。Kさんは、昨日に引き続き、翌日の22時にも来院され、仙骨神経ブロックを受け、直ぐにお帰りになりました。やはりご主人が自家用車で送迎です。愛されていますネ。この仕事は、根気と忍耐と、たゆまぬ努力です。このような仕事を天命として私に授けていただき、神様に感謝します。

結局、Kさんの痛みはますます強くなり、毎日の仙骨神経ブロックでも12時間ほど位しか痛みを管理できなくなりました。横浜の地元のペインクリニックに依頼したのですが、私ほど上手くはいかなかったのです。本人の希望もあり、7月19日の朝9時に3回目の緊急手術になりました。手術のための麻酔がどういう訳か十分に効かずに、膀胱の刺激で陰部痛のどこが痛がっているのかが判明しました。ある意味ラッキーです。患者さんのご協力で、その痛い個所を電気メスで入念に切開・凝固を行ないました。まるで私は「サド侯爵」です。

手術は無事に終わり、午前11時には帰宅です。Kさんのテニス仲間が4人もお見舞いに来院し、狭い待合室は大騒ぎです。聞こえてくる会話からは、これから昼食でも一緒にという雰囲気です。『緊急手術の後なのになぁ・・・_| ̄|○。』

さてさて、手術の結果、痛みは嘘のように軽減しました。7月21日、Kさん曰く、100%の痛みが1~2%前後になったそうです。毎日行なっていた仙骨神経ブロックは手術後一回も行なっていません。肩の荷が下り、ヤレヤレです。

その後12年以上経過していますが、半年〜1年に1回来院されて、現状を報告されています。落ち着いていて、私としてもとても安心です。

 

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間質性膀胱炎でわかる事

原因不明で難病にもされているのが、間質性膀胱炎です。間質性膀胱炎の症状は、❶頻尿、❷尿意切迫感、❸下腹部の痛み、❹陰部・尿道口の痛みです。具体的に解説しましょう。

❶頻尿:

オシッコの回数が非常に多くて、1日に20回〜30回(当院で多かったのは、40回、60回、83回でした)がザラです。過活動膀胱と診断される人は、一般的に1日に10回〜20回前後です。尿検査では、白血球や細菌感染はないので、やはり膀胱出口=膀胱括約筋+膀胱三角部の過敏さが頻尿を作っているのです。

❷尿意切迫感:

オシッコが終わっても、残尿感は普通ないのですが、5分以内に再び尿意を感じてオシッコをしたくなる=尿意切迫感が出てくるのです。このため、何度もトイレに行くようになるのです。膀胱出口の平滑筋が深部まで過敏だと想像できます。急性膀胱炎の場合は、排尿直後に膀胱壁が膀胱出口に接触するので残尿感を感じ、数分後に尿が溜まりだすと接触がなくなるので、残尿感が消えるのです。ところが、かなり深くまで平滑筋が過敏になると、尿が少しでも溜まると、すぐに尿意が出てしまうのでしょう。

❸下腹部の痛み:

間質性膀胱炎の患者さんは、尿が溜まると尿意の他に、下腹部の痛みを感じます。患者さんは痛み=尿意切迫感と考えてトイレに行くのです。生理学的に考えれば、膀胱という袋の臓器がパンパンに膨らめば、本来なれば痛みになってもおかしくはありません。でも、いちいちオシッコのたび毎に膀胱を痛がってはオシッコをしないように水を飲まなくなってしまうでしょう。そうはならないように、尿がパンパンに溜まったら、脊髄神経回路を介して脳中枢では、尿意→尿意切迫感に置き換えているのです。しかし、膀胱出口が非常に過敏になると、脊髄神経回路内の情報が多すぎて、尿意の神経ルートだけでは伝達出来なくなるのです。そこで、大雑把な下腹部の痛み神経ルートに尿意情報が漏れ出てしまうので、下腹部の痛みになるのです。

❹陰部・尿道の出口の痛み:

頻尿症状ではなく、痛み症状の患者さんも結構おられます。痛み=炎症と考えて尿検査をしますが、白血球や細菌感染は確認できないので、膀胱頚部の粘膜下の間質組織が、原因不明の炎症があるから痛いのだとされています。それ以上の原因を追究しないのです。科学者=医学者とは思えませんよね? 病理学の教科書の「炎症」の定義は、「生物学的、化学的、物理学的刺激による生体の反応を炎症という」とされているのです。ところが、一般の医師は炎症=生物学的刺激=細菌感染・ウィルス感染・免疫反応だと勘違いしているのです。例えば、排尿障害があると膀胱に負荷がかかる=物理的刺激になりますから、炎症が起きるのです。さらに、痛み=炎症とは限りません。なぜならば、症状の発言のためには、脊髄神経回路が関与しているからです。隠れた頻尿情報が脊髄神経回路を介して痛み症状に変換されていると考えられるのです。


3a69cc1daccd4a59b10a9f3fa7a51cb3【備考】

★点状出血

間質性膀胱炎の内視鏡(膀胱鏡)所見では、膀胱粘膜の点状出血と潰瘍があります。膀胱を膨らませると点々と出血点が見え、さらに膨らませると、五月雨(さみだれ)状に膀胱粘膜から血液がポタポタ降り注ぐのです。急性膀胱炎の場合は、膀胱が収縮した最後に血液が絞られて滲み出るのですが、間質性膀胱炎の場合は、その逆で、膀胱が膨らむと血液が出て来るのです。これには出血の原因に違いがあるのです。

 急性膀胱炎では、毛細血管が拡張して血管内に多く残留している血液が、膀胱が収縮ると血液が絞られ出て来るのです。ところが、間質性膀胱炎では、検査で普段以上に膀胱を膨らませると、血管のハッキリ見えない所から血液が滲み出ているのです。この理由は、普段の膀胱容量が小さいので、普通よりも膀胱を大きくされたために、毛細血管が伸び切れなくなり、毛細血管が切れて出血したのです。つまりこの出血は原因不明の炎症ではなく、単なる物理的な血管損傷なのです。

ところが、この点状出血は前立腺肥大症の内視鏡手術(TUR-P)の際の膀胱粘膜によく認められる所見です。つまり、前立腺肥大症の患者さんのように、排尿障害のため頻尿で膀胱容量が小さくなっている患者さん多く認められる所見です。これから考えられることは、間質性膀胱炎のガイドラインを決定した有名な医師たちは、手術の経験が少ないペーパーだけに興味のある外科医ではない泌尿器科の医師ばかりでしょう。

詳しくは次のブログをお読みください。

間質性膀胱炎の「点状出血」

E0942831b9dd4e8ead2304f57aa96ae9★ハンナ型潰瘍

やはり膀胱鏡検査で、間質性膀胱炎の粘膜には、粘膜が欠如した粘膜潰瘍が認められます。これがハンナ型潰瘍と呼ばれます。ハンナ型潰瘍のある間質性膀胱炎は、難病指定の病気です。

しかし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合は、ピロリ菌などが関与して、粘膜が胃液の「塩酸」によって発症します。ところが、膀胱粘膜の周辺には、塩酸のような劇薬成分はありません。これは、前述の点状出血と同じ理由です。医師のアドバイスで「オシッコをガマンしなさい」と支持されます。当然、適切な膀胱容量が無理やり大きくなります。結果、膀胱粘膜が伸びますが、毛細血管は粘膜ほど伸びないので、血流が途絶えます。まるで梗塞状態になって、血流が届かない末梢の粘膜が壊死して潰瘍になるのです。

これらを、間質性膀胱炎の「特徴」と定義している学会のガイドラインは、想像力のない連中が作成しているとしか思えませんね。

★膀胱水圧拡張手術

間質性膀胱炎の治療が、水圧拡張手術です。膀胱が過敏になり、次第に膀胱が萎縮し、結果として頻尿になります。その膀胱を無理やり膨らませて、膀胱の容量を大きくする方法です。でも、よく考えてみてください。原因が不明のままダメになった膀胱を無理やり大きくするのです。無謀な治療だと思えませんか?この治療で症状が改善するのは、平均で7カ月です。そのため何回この治療をして苦しむ患者さんかたくさんいます。最後には完璧にダメになった膀胱を取り去る手術をするのです。これが標準治療というのは、???……人を助ける筈の医療行為だとは思えません!

 

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過活動膀胱でわかる事

Bladout膀胱の病気で最近有名なのがD活動膀胱です。この病気は原因不明とされています。

過活動膀胱の症状は、❶頻尿❷尿意切迫感❸切迫性尿失禁の3つです。

❶頻尿:

過活動膀胱は、尿検査で白血球も細菌感染も認められません。また、性別では、ほとんどの患者さんがご婦人ですから、前立腺肥大症のような排尿障害は認められません。膀胱鏡検査を行なっても、膀胱の粘膜は正常ですから、原因不明とされてしまうのです。

Bladouttori★私のブログで何回も解説していますが、尿意のセンサーは膀胱粘膜には無いのです。臨床現場では、膀胱出口=膀胱括約筋+膀胱三角部なのです。何故この事に気が付いたかと言えば、10年以上前に、夕方のニュースで胎児の顔が見えるという、3Dエコー検査に興味を持ちました。『膀胱出口はどのように見えるのだろう?』と思ったのです。高額(定価2250万円→750万円)だったのですが、思い切って購入したのです。泌尿器科の病気で悩まれている患者さんをすべて検査しました。

Bladouttokageすると、正常の人は(初めの写真)無機質に見える(一つ目小僧、丸い穴だけ)のですが、患者さんの膀胱出口は、エリマキトカゲ、小鳥の口ばし、ネコ、恐竜、イルカ、鬼、オバケのQ太郎などに見えたのです。二枚目の写真が36歳で過活動膀胱と診断されたご婦人です。膀胱出口が小鳥の口ばしのように見えますね。3枚目の写真が慢性膀胱炎と診断されたご婦人です。まるでえりまきトカゲのように見えますね。同時に通常のエコー検査と比較すると、膀胱括約筋と膀胱三角部が厚く肥厚しており、膀胱出口周囲の静脈が拡張していて、オバケのや動物の眼のように見えたのです。結果、症状を作っているのは、頻尿・痛み・シビレなどあらゆる症状が、膀胱出口だと理解したのです。つまり、膀胱出口が過敏だと膀胱内圧を受けて尿意を頻繁に感じるので、頻尿になるのです。

 

❷尿意切迫感(オシッコが我慢できない尿意):

尿意を感じて、ある程度の時間ガマンすることができます。しかし、尿意が頻繁に感じると、脳中枢はガマン出来なくなります。それが尿意切迫感です。膀胱出口が排尿障害で極端に過敏になると、尿意情報を短時間でたくさん脳中枢に連絡します。脳中枢は尿意情報を蓄積して、一定の数を超えると切迫感になります。膀胱出口が過敏で、たくさん情報が短時間に流入すると、あっとう間に尿意切迫感の閾値に達してしまうので、我慢のできない尿意切迫感になるのです。脳中枢の尿意システムでは、尿意情報の数は決まっていますから、膀胱の尿量に関係なく、いっぱい溜まったと錯覚してしまうのです。

Oabmec2❸切迫性尿失禁:

膀胱括約筋が過敏のため、正常な人よりも、単位時間当たりたくさんの尿意情報が脳中枢に伝達されます。イメージをイラストで表示しました。

正常な人は、一定の間隔で尿意情報が脳中枢に「ポタポタ」と伝達されます。脳中枢に一定の情報がたまると、「尿意」を感じ、さらに増えると「尿意切迫感」を感じて排尿するのです。

過活動膀胱の患者さんの場合は、単位時間当たり何倍ものたくさんの尿意情報が脳中枢に「ザーッ」と伝達され、脳中枢に一定量がたまる時間も速くなるので「頻尿」なります。そして尿意から尿意切迫感までの時間が無くなり、「切迫性尿失禁」になるのです。

これから分かることは、過敏になっている膀胱括約筋と膀胱三角部の平滑筋の興奮を鎮めてあげればいいのです。そのための治療薬が、β3作動薬のべオーバとベタニス、抗コリン剤のベシケアとトビエース、α1ブロッカーのユリーフとハルナールとエブランチルです。

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急性膀胱炎でわかる事

前回解説してように、急性膀胱炎には典型的な5つの症状があります。

❶血尿❷混濁尿❸排尿痛❹頻尿❺残尿感です。これらを各々具体的に説明しましょう。

❶血尿:

膀胱粘膜に炎症が起きていますから、一過性に血管が増えます。いわゆる充血です。炎症の基本は、白血球の作用によるものです。膀胱内に侵入した大量のバイ菌に対して、白血球が食べる(貪食どんしょく)のです。1個の白血球で数十個のバイ菌を食べます。無限に食べれるわけもなく、限界に達すると、白血球は破裂します。バイ菌を殺菌するための劇薬物質が周囲に飛び散るのです。中に一酸化窒素NOなどの物質が膀胱の粘膜に付着すると、たくさんの毛細血管が刺激を受けて拡張し、結果、充血するのです。ですから内視鏡で膀胱粘膜を観察すると、たくさんの血管が増えたように見えるのです。オシッコが終わる際に、膨らんで伸ばされた膀胱粘膜が縮んで、充血した血管内の血液がしぼり出されます。毛細血管は一般的の血管に比較して、血液成分が漏れやすいので、それが、急性膀胱炎の症状であるオシッコの、「終わりかけの血尿」になるのです。

C9bbe19612254216afcf97017f29c7ae❷混濁尿(白いにごった尿):

バイ菌を食べる白血球が次々に増えるので、破裂する白血球もさらに増えます。白血球の破裂物質が、膀胱の粘膜を通じて、全身に流れます。それが炎症情報として流れ、体内で警戒している全ての白血球が気づき、膀胱に集まるのです。ある意味で連鎖反応ですから、膀胱内に大量の白血球が集合します。皮膚の傷が膿んだ時の膿みは、白血球の塊スープですから、それが尿で薄まれば白濁の混濁尿になるのです。そのため、尿に大量の白血球が含まれるので、白く混濁した尿になるのです。対策として、水分を多く取って尿量を増やして何回もオシッコをするのです。何回もオシッコをすることで、バイ菌の数を減らして、破裂し散布された白血球の毒物を薄め、白血球の興奮を抑えるのです。

❸排尿痛(オシッコの最後の痛み):

炎症のために、膀胱粘膜は過敏になります。少しでも尿がたまり、粘膜が引き延ばされると「尿意」になります。そしてオシッコをすると、膀胱粘膜が縮みますから、過敏になった粘膜同士が重なりぶつかるので、刺激を受け「痛み」として感じるのです。ですから、急性膀胱炎の排尿痛は、オシッコの最後に痛くなるのです。

★この考え方は、一般的に思われている事ですが、実は、あとの残尿感で解説してるように、オシッコで膀胱が縮むと、膀胱の壁が膀胱出口に衝突するのです。膀胱炎で過敏になった膀胱出口が衝突で刺激されるので、オシッコの最後に感じる排尿痛になるのです。

❹頻尿(1日のオシッコの回数8回以上):

炎症により膀胱の粘膜が過敏になるので、オシッコが100〜200㎖程度で尿意を強く感じて何回もトイレに行くので、頻尿になるのです。ところが、急性膀胱炎の患者さんは、寝てからはオシツコで起きないのです。日中の頻尿はあるのですが、夜間の頻尿はないのです。

★ここで一つ疑問に思われませんか?夜間に寝ている時の方が、尿はタップリと溜まるはずですよね?膀胱の粘膜は引き延ばされて、夜間でも尿意を強く感じるはずです。では何故でしょう。実は尿意のセンサーは、膀胱の出口近くの膀胱三角部と膀胱括約筋にあるのです。日中は立ったり座ったりしていますから、内臓で一番下の臓器である膀胱は、すべての内臓の重さが負担としてかかるので、膀胱内圧が高くなり、膀胱三角部と膀胱括約筋に負担がかかるのです。しかし、夜間寝るとすべての内臓が平らになるので、膀胱に圧力がかかりません。したがって、400㎖溜まって膀胱粘膜の引き延ばされても尿意を感じないのです。

❺残尿感(オシッコが終わったのに尿が残っている感じ):

 オシッコの最後に残尿感を感じる理由があります。オシッコの最後に膀胱が収縮して、お互いにぶつかります。膀胱出口=膀胱括約筋+膀胱三角部に膀胱全体が当たるのです。炎症で過敏な尿意センサーである膀胱出口に他の部分の膀胱壁が当たると同時に尿意を感じる、すなわち残尿感になるのです。

★そして、排尿後に、次第に尿が溜まり始めると、膀胱壁と膀胱出口との接触が次第に離れるので、残尿感が無くなるのです。尿が溜まると残尿感が無くなるという現象は、不思議で面白いでしょう?

このように急性膀胱炎の症状を詳しく調べることで、症状の発生原理が明確に理解できたでしょう?ところが、一般的な泌尿器科医は、『膀胱が細菌感染で、血尿・混濁尿・排尿痛・頻尿・残尿感が起きるんだ!』と知っているだけで、具体的な理由は無視して『炎症が原因だから仕方がないのだ…』と漠然としたイメージだけで終わらせてしまうのです。ある意味で、適当・いい加減です。当然として、他の病気のことも正確に考えませんから、原因不明の過活動膀胱も間質性膀胱炎も膀胱疼痛も慢性前立腺炎など、症状の組み合わせの偽造病名がいくつも創作されるのです。世間的には有名で頭がいいとされる教授たちが集まって、泌尿器科学会でガイドラインを決めます。当然として、対症療法だけにとどまるのです。

 

 

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泌尿器科の病気の全体像

Lutstotal泌尿器科の病気には、数多くの原因不明の病気がたくさんあります。原因不明のまま治療します。でもそれは、根治的治療ではなく、対症療法なのです。実は、根本的原因が患者さんの自覚しない排尿機能障害が原因なのです。患者さんが訴えもしない排尿機能障害を医師が調べもせずに、目の前の症状だけに振り回されて、さまざまな病名・病気が作られるのです。

ここで示した病気・病名は、それぞれ私が何十人も実際に治療して、治した経験のある患者さんばかりです。

原因が1つなのに、こんなにたくさんの病気になってしまうのは、脊髄神経回路=生きたソフトウエアに依存するからです。情報量の多さによって、ソフトウエアが次々にバージョンアップ(過剰更新)するからです。ただし、そのバージョンアップが、患者さんに警告するだけでなく、苦しめ悩ませるから原因不明の病気になってしまうのです。

排尿機能障害→【無自覚】

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膀胱出口の肥厚➡︎➡︎➡︎膀胱出口の過敏

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       ⬇︎⬇︎⬇︎              脊髄神経回路の工夫

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    排尿障害→【自覚】 ❹過活動膀胱:頻尿・尿失禁

       ⬇︎⬇︎⬇︎                ❺間質性膀胱:頻尿・痛み

❶前立腺肥大症            ❻慢性前立腺炎:痛み・しびれ

❷神経因性膀胱            ❼膀胱疼痛:痛み

❸PSA髙値                 ❽慢性骨盤疼痛症候群:痛み

                                 ❾陰嚢掻痒症:かゆみ

                                 ➓❶カンジダ性膣炎:かゆみ

                                 ➓❷慢性胃痛症:痛み

                                 ➓❸坐骨神経痛:痛み

                                 ➓❹舌痛症:痛み

                                 ➓❺幻臭症:臭い

                                 ➓❻頸肩腕症:痛み

                                 ➓❼四肢振戦:運動神経

                                 ➓❽四肢しびれ:知覚神経

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切迫性尿失禁の本質

過活動膀胱の代表的な症状が「切迫性尿失禁」です。尿意を感じたと同時に尿意切迫感になり、急にオシッコが漏れてしまうのです。切迫性尿失禁のメカニズムについて解説します。

Bulubulu男女問わず、排尿機能障害が存在すると、膀胱出口周辺に物理的負担がかかります。膀胱出口が排尿時に十分に開かないでオシッコする訳ですから、腹圧が膀胱出口に必要以上にかかるのです。すると膀胱出口は細かく振動します。ちょうど、空気を吸って口から吹く時に口を閉じ気味にすると、唇(くちびる)がブルブル振える現象と同じです。結果、膀胱出口周辺の平滑筋(内臓筋)が振動します。この現象が長期間にわたって何度も繰り返し起きることで、平滑筋が次第に増殖して過敏になるのです。

膀胱出口周辺の平滑筋は、膀胱括約筋と膀胱三角部なのです。これら平滑筋は尿意のセンサーでもあります。膀胱に尿(オシッコ)が十分に溜まると、その圧力が膀胱出口周辺の平滑筋を刺激するので、尿意が生じてオシッコをするようになるのです。ところが、排尿機能障害によって、膀胱出口周辺の平滑筋が予想以上に敏感になると、わずかな尿の圧力で尿意を感じてしまうのです。

 

Ansinoabinc_20190827160701脊髄神経回路を介して、尿の圧力情報が脳中枢に伝達されます。脳中枢は、情報の回数を蓄積します。時間の経過とともに情報はかなりたまります。仮に例えば、3時間で20パルスの情報が脳中枢に伝達するとします。(イメージで言うと、トン・トン・トン・・・と3時間です。)一定のライン(閾値)を超え、20パルスが溜まると「尿意」を感じます。個人差がありますが、200〜300mlです。さらに時間が経過すると次のライン(閾値)を超え、50パルスが溜まると「尿意切迫感」として感じます。400〜500mlです。膀胱に尿が溜まると、膀胱内の圧力が高まるので、3時間かけて20パルスで尿意を感じてから、さらに2時間ほどで、30パルスが溜まります。結果、20+30=50パルスになるのです。すぐにオシッコに行くのです。これが基本的な生理反応なのです。

 

Ansinoabinc2_20190827160701ところが、排尿機能障害のために膀胱出口周辺の平滑筋が過剰に敏感であると、膀胱内の水圧(尿圧)に関係なく情報パルスが短時間で脳中枢に伝達されるのです。当然ですが、脳中枢の情報の蓄積速度も速くなります。例えば、1時間で20パルスの速さです。(イメージで言うと、トトトトトト・・・)そのため、短時間20パルスの情報刺激で尿意を感じます。膀胱内のオシツコの量は少ないけれど、平滑筋が敏感なので、さらに短時間で情報パルスが等比級数的に増加するのです。短時間で正常と同じ20パルス回数になるので尿意を感じるのです。さらに短時間で30パルスの追加があり尿意切迫感も感じるのです。これが過活動膀胱の裏の仕組みなのです。この状況が繰り返し起きると、生体内は無駄な時間やルートを省こうとします。それが、いわゆる条件反射です。この条件反射によって、初めの尿意と尿意切迫感が近接し、さらに時間が経過すると、尿意切迫感と排尿近接して、結果、切迫性尿失禁になるのです。

❶【初めの尿意→我慢→尿意切迫感→我慢→排尿】(1枚目のイラスト)というルートを省略して、

❷【初めの尿意→尿意切迫感→我慢→排尿】次第に、

❸【初めの尿意≒尿意切迫感→我慢→排尿】(2枚目のイラスト)そして最後に、条件反射が完成されて、

❹【初めの尿意=尿意切迫感→排尿】すなわち、切迫性尿失禁になるのです。

治療としては、尿意情報の速度を抑えるために、β作動薬(ベタニス・べオーバ)や抗コリン剤(ベシケア・トビエース)を使用するのです。これだけで、症状が軽快する患者さんもおられます。しかし、膀胱出口周辺の平滑筋が過敏になった原因である排尿機能障害を治療しなければ、難治性過活動膀胱になってしまうのです。

これまでの解説は、全て私のオリジナルです。教科書的な内容ではありません。教科書的な解説では、過活動膀胱を完璧に理解出来ないので、私の想像力で、矛盾のない整合性を得られました。膀胱の情報は常に神経で伝達されます。その神経情報が、私たちのようにスマフォで話しているとは思えません。また、症状が激しいから、神経のエネルギーが倍以上に強くなったとも思えません。生命エネルギーですから、常に一定(フォメオスターシス)の筈です。そう考えると、一定のエネルギーで情報を伝達するためには、単位時間当たりのパルスの数で表現するしかないでしょう。脳中枢は単位時間当たりのパルスの数で判断するように、おそらく作られているのでしょう。

皆さん、いかがですか?切迫性尿失禁について、素人でも理解できたでしょう?単なる膀胱の過敏さだけが、過活動膀胱→切迫性尿失禁を作っている訳ではないのです。生命の幾重にも重なる複雑なシステムが病気を作っているのです。ひとつひとつの症状・現象を正確に考察すれば、複雑な現象も理解出来るようになります。

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