磁気刺激が腹圧性尿失禁に有効 medwireNews(アステラスネット)から
仙骨磁気刺激は治療が奏効しない腹圧性尿失禁に有効
Arch Phys Med Rehabil 2014; Advance online publication
英語版 配信日 2014-08-11
medwireNews: 仙骨磁気刺激(SMS)は標準療法が奏効しない腹圧性尿失禁女性患者に対する有効な治療法である可能性が、台湾の臨床試験で示唆された。
SMSを短期的に実施することにより、患者の禁制およびQOLが著しく改善し、さらにその治療効果は最長4.5カ月にわたり持続したことを、Taipei Veterans General Hospital(台北栄民総医院、台湾)のTien-Yow Chuangらは見いだした。
本治療戦法の効果を最大限に高めるために、さらなる検証および改良が必要であると、ChuangらはArchives of Physical Medicine and Rehabilitation誌で述べている。
Chuangらは、排尿筋過活動を伴うか否かにかかわらず、腹圧性尿失禁の診断を受けた45~75歳の女性40例を研究に組み入れた。被験者は、コイル刺激装置による第3仙髄神経根への磁気刺激を、1日当たり20分、平日の12日間にわたり連続して行うSMS群と、偽治療群のいずれかに無作為に割り付けられた。
SMSによる有害な副作用は認められなかったと、Chuangらは述べている。さらに、ベースライン時と18週時での「生活ストレス」評価において、SMS群で有意な改善が認められた。
具体的には、SMS群において、尿意切迫感を評価するUrge-Urinary Distress Inventory(Urge-UDI)質問票の平均得点は2.6点から1.14点へ、さらに過活動膀胱質問票1の点数は48.1点から26.6点へとそれぞれ低下した。これらの変化はいずれも6週時まで統計的に有意であり、その後も持続した。
それに対し、偽治療群では、試験期間中に同評価での変化は見られなかった。
また、SMSは、ウロダイナミックパラメーターにおける客観的改善との関連性も示した。膀胱容量、機能的尿道長、圧伝達率はすべて、ベースライン時に比べて追跡調査時にSMS群で有意に増加した。これらのパラメーターにおいても、偽治療群では改善が認められなかった。
Chuangらは、治療応答性の予測因子を特定するために、多変量解析を実施した。その結果、症状重症度が高い患者ほど、SMSにより得られる効果も大きいことが明らかになった。特に、ベースライン時におけるUrge-UDIの高得点および機能的尿道長の低値は、SMS後の最大尿道閉鎖圧増加の高値と関連した。
「本研究において、より重症度の高い腹圧性尿失禁患者は、軽症の患者に比べて、SMSへの応答性が高く、さらに長期的な治療効果が認められた。この結果は、腹圧性尿失禁治療におけるSMSの有効性を裏付けている」とChuangらは結論づけている。
「最適な刺激パラメーター、維持プロトコール、併用療法に関するさらなる研究が、治療効果を最大限に高めるために必要である」と補足している。
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