過活動膀胱の本質
原因不明の「過活動膀胱」という病気があります。頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁が主な症状です。特にご婦人に多くて、男性の場合は、前立腺肥大症が原因とされていますが、前立腺肥大症の治療を行なってもなかなか治らない場合には、やはり原因不明の過活動膀胱と診断されてしまうのです。ご婦人の8割の患者さんに腹圧性尿失禁があると言われています。
これらを客観的に考察すると見えてくるものがあります。まずは、男性の場合は、前立腺肥大症の患者さんには発症する前から排尿機能障害が隠れているのです。その排尿機能障害が原因で、膀胱出口の真裏に存在する前立腺に負担をかけるので、その対抗処置として、前立腺が次第に大きくなり前立腺肥大症になるのです。
次に、女性の場合の過活動膀胱の患者さんの8割に腹圧性尿失禁があるとされています。では、なぜ腹圧性尿失禁が発症するのだと思いますか?実は、何十年にもわたって排尿機能障害が隠れていたので、オシツコの度に強い腹圧かけるのです。すると、骨盤底筋が次第に下垂してしまい尿道括約筋がゆるんでしまい、遂には咳やクシャミどなどのチョッと腹圧をかけるとオシツコが漏れてしまう「腹圧性尿失禁」になってしまうのです。
男性の過活動膀胱にもご婦人の過活動膀胱にも排尿機能障害が隠れているのです。その排尿機能障害が、膀胱にも負担をかけたため、膀胱が過敏になるのです。その負担のかかった膀胱の場所が、膀胱出口と連続している膀胱三角部です。
過活動膀胱のガイドラインや解説のアルゴリズムをご覧になれば分かるように、排尿機能障害ついては、全く無視しています。患者さん本人が、排尿困難を自覚していなければ、排尿機能障害はないと単純に考えるのです。人間の体は単純ではありません。排尿機能障害が存在しても、それらしい症状が出ない人もいるのです。だから、体は違う表現で訴えようとするのです。それが、過活動膀胱の症状なのです。例えば、刑事ドラマで一見良心的な人物が、実は殺人鬼だったという場合と同じです。一見問題ないと思われるところに、原因が隠れていると思わなければならないのです。
一般の泌尿器科医師は、膀胱の知覚過敏は膀胱全体で感じているからと思い込んでいるので、その原因が分からず、膀胱の粘膜全体の変性あるいは生物活性物質が放出されたことによると、いい加減で適当に解釈しているのです。
そのようなことが、前立腺肥大症や腹圧性尿失禁に結びつく訳もありません。にも関わらず、整合性のないことは「原因不明」として泌尿器科学会は済ませているのです。有名大学の有名医師は、受験を勝ち進んで来たパソコン的頭脳の持ち主、つまり計算能力と記憶力が高いだけです。病気に対して必要な想像力や発想能力が乏しいので、素人でも考えられる事象のデータを集めて学会報告しているだけです。科学者とはとても思えません。
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