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膀胱水圧拡張手術と膀胱三角部

間質性膀胱炎の治療として膀胱水圧拡張手術があります。
頻尿で苦しむ、敏感で小さく萎縮した膀胱を、水圧で無理矢理風船のように膨らませる治療が膀胱水圧拡張手術です。しかし、この方法は、素人でもチョッと考えれば思い付く短絡的な治療法です。この治療法を行っても効果が継続できるのは、平均で8カ月です。効果が持続しないのは、それなりの理由があるからです。

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膀胱で壁が一番厚くて、一番敏感な部分が膀胱三角部なのです。
この部分の敏感さが、間質性膀胱炎の症状を作っているのです。しかし、膀胱水圧拡張手術で膀胱を膨らませても、厚くなって頑丈な膀胱三角部はビクともしません。その代わり、膀胱水圧拡張手術で傷付いてしまった膀胱の他の部分は萎縮し瘢痕化するために膀胱はさらに小さくなります。その結果、膀胱内圧が高まり膀胱三角部を刺激して、症状は益ます強くなるのです。

間質性膀胱炎お究極の治療法が、膀胱摘出術+人工膀胱増設術です。
2010年の泌尿器科学会で、東京大学の報告で興味深いものがありました。
間質性膀胱炎の患者さんで膀胱全摘出術を実施したのが、4例ありました。その内、2例が膀胱を全て除去して人工膀胱を作った患者さんと、他の2例が、膀胱三角部を残して膀胱を切除して、人工膀胱を三角部に縫合した患者さんでした。膀胱を全て除去した患者さんは、症状が取れましたが、膀胱三角部を残した患者さんは症状が取れなかったという報告です。会場の雰囲気は、『そうか…膀胱は全て切除した方が良いんだ…』という感じでした。私ひとり、『…だったら、膀胱三角部だけ治療すれば良いでしょう…』と思っていました。何故、皆んな気が付かないんだろう?と、悶々としていました。

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コメント

30代後半の女性です。特に昼間の頻尿と尿意切迫感、尿がたまったときの下腹部や会陰部の痛みがあり、自分では間質性膀胱炎を疑っています。近くだったらまず先生のところに伺っていたと思うのですが、残念ながら非常に遠方に在住のため、まずはブログで相談させていただきます。どのような方向性で治療していったらよいか、アドバイスいただければ幸甚に存じます。

※個人特定を避けるため個人情報をぼかしたり省略したりしていますので、もし差し支えなければ以降はメールでやりとりさせていただけると大変助かります。


◆経過

幼少時よりやや頻尿傾向。思春期以降ぐらいから、徐々に自分が「トイレが近い」ことを意識するように。20代以降は「1時間もたない」「30分もたない」状態になることがあり、生活に不便を感じるようになった。

20代に入った頃、「過活動膀胱」という言葉を目にするように。何度かそれを疑ったものの、典型的な症状のひとつとされている尿失禁が私にはなかったため該当しないと思い、そのまま10年ほど放置。

数年前、尿失禁のない過活動膀胱もあるとの情報を見かけ、近所の泌尿器科に通うように。ベシケアを処方されたが、粘膜の乾燥感と便秘に苦労するわりにあまり効果が実感できず。1日2回服用のものならより短時間で効かせたいタイミングに効かせられるかなとの素人考えでステーブラの処方を受けたが、やはり副作用のわりに効果を実感できず。すぐに飲むのをやめた。

その後、「間質性膀胱炎」という疾患名を知り、自分の病気はこれではないかと感じた。自分の症状が、一般に言われる間質性膀胱炎の症状に一致するように思ったため。

間質性膀胱炎だとすると比較的確実に効きそうなのは膀胱水圧拡張術だったが、大がかりな手術であるわりに効果の持続期間が短く、繰り返すうちに膀胱が萎縮してしまう場合もあるという情報も得た(この中には高橋先生ご発信の情報もありました)。こういったリスクを避けるにはボトックス注射が良いとの情報も得たが、現在は保険適用外なため非常に高額な処置になる。どうしたものかと悩んだ。

そこで先日少し大きな病院に行ったが、そこの先生の第一印象的な所見では「断言はできないが、少なくとも典型的な間質性膀胱炎ではないように思う。間質性膀胱炎の人は夜間も10回排尿があったりするが、あなたの場合はそうではないから」というもの。「確定診断のためには膀胱水圧拡張術が必要になるけれどハードルが高いので、まずは様子を見てみよう」ということで薬をトビエース4mgに変えてくれただけ。私としては、間質性膀胱炎を想定した複数の薬剤を処方してくれることを期待していたが、また抗コリン系の単剤。副作用のわりにイマイチな効果しか得られないのかと思うと憂鬱。
(私は過敏体質で、薬でも食品成分でも強い反応を起こしやすいのです。新薬のミラベグロンなら抗コリン系の副作用がもっと弱いかもと思うのですが、マウスの実験で子宮の重量がどうので生殖可能年齢には慎重投与とあるので、避けたほうがいいのか? と迷っています)

今回、「過活動膀胱にも間質性膀胱炎にも、蓄尿量が減るに至る何らかの理由があったはずで、それが排尿障害。排尿障害の実態は膀胱三角部の過敏なので、いずれの場合も膀胱三角部のみ(外科)治療すればよい」との先生のお考えを拝見して光を見る思いがし、質問申し上げるに至った。


◆症状

・頻尿。1日に10〜10数回の排尿、1日の排尿量は800~1000ml程度。午前中から昼間が特に頻尿で、夜間、排尿に起きるのは0~2回。食事や飲み物でもう少し水分を摂りたいが、「摂ったぶんすぐに出る」ような感じなので、いつも無意識に少し水分摂取量を抑えている。
(身長160cm弱、体重50キロ強です)

・朝起きたときにトイレに駆け込むようにして出る最大量が200ml程度のよう。

・1時間もてばいいほうなので、出かけるときにはいつもトイレのことばかり気になり、イベントに集中できない。トイレ状況により外出を諦めることもあり、かなりQOLに影響が出ていると思う。

・薬剤や食品成分に反応しやすいようす。カフェインだけでなく、利尿作用のある薬草などにも反応するようなので、外出するときにはかなり飲み物を選ばなければならない。

・敏感になっているときは、排尿直後でもまたすぐに排尿したいような、尿が残っているような気分になる。常に尿意がある中でなんとか我慢して15分から30分に1回、という排尿ペースになることも。ほかの持病に片頭痛があるが、片頭痛が出ているときはこの傾向が顕著で、非常に苦痛。
(排尿直後の膀胱の残尿を検査してもらったところ0でした)

・尿意というよりも尿意切迫感。数十ml尿がたまっただけで尿意を感じ、「すぐにトイレに行かなくては漏らしてしまうのでは」という気持ちになる。我慢しつづけていると下腹部や会陰部に痛みが出、それも我慢していると冷や汗が出てきたりして死ぬような思いをするが、そこまで我慢してもなぜか失禁したことはない。

・尿がある程度たまって痛みが出ているときに排尿しようとすると、最初に腹圧をかけないと尿が出ない状態になる。腹圧をかけて出している間は痛みがあり、尿はちょろちょろと勢いがない。膀胱がふだん程度の大きさまで縮んだらしいところまでくるとスムーズに出るようになる。
(膀胱訓練などうまくいく気がしません。膀胱まわりに何か物理的な問題があるような気がしてなりません)

・夜間、眠っていたいのに尿意に無理やり起こされるような感じがとても不快。「トイレに行きたいのにトイレがない」という悪夢を見て起きる。いつか夜尿するのではとか、寝ぼけている中で慌てて動いて怪我したりするのではと怖い。

以上です。よろしくお願いいたします。
【回答】
排尿障害が原因の膀胱刺激症状でしょう。
医師によって、慢性膀胱炎・過活動膀胱・間質性膀胱炎など色々病名が付けられるだけです。
基本的には排尿障害です。
治療薬としてαブロッカー(エブランチル・ハルナール・ユリーフなど)とベタニスの処方が良いでしょう。
ベタニスについては、貴方がネズミではないのだから心配無用です。

投稿: | 2018/01/18 16:04

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