膀胱痛症候群 m3.comの記事から
「膀胱痛症候群」指針を発表
英国2学会が合同
国際医学短信2017年2月21日 (火)
英国産婦人科学会は先頃、膀胱痛症候群(bladder pain syndrome)診療ガイドラインを発表した。英国内の同症候群指針は初めてで、英国ウロギネコロジー学会が共同で作成に当たった。
同学会によると、膀胱痛症候群の定義は「原因が特定できない排尿症状〔頻尿、尿意切迫感、夜尿症、膀胱充満に伴う疼痛(bladder filling pain)〕を伴う骨盤/膀胱内の疼痛、圧迫感や不快感が6週間以上継続すること」。
患者数は女性が男性の2-5倍と多く、米国での有病率は2.3-6.5%と推計されている。
新指針では既往の問診や身体診察を含む初期診療の方針に言及。膀胱痛症候群には除外診断が必要で、排尿日記や食事日記、尿路感染症を除外するための尿検査を考慮してよいとの推奨も盛り込まれている。
指針ではまた、膀胱痛症候群は実際の症状と同様、患者の生活やQOLなどに影響をもたらす病態であると強調。持続性の膀胱痛症候群に対しては、パートナーや家族の協力、臨床精神科医、患者サポートグループ、認知行動療法などへの早期アクセスを考慮すべきと勧告している。治療としては食事指導やストレスマネジメントを挙げている。食事の変更は有効である可能性があり、カフェイン、アルコール、酸性の飲食物を避けることも考慮すべきと述べている。ストレスマネジメントには定期的な運動が推奨される一方、鍼治療のベネフィットに関するエビデンスは限定的との見解が示されている。この他、指針では膀胱痛症候群の疼痛に対しては鎮痛薬の使用を勧告。薬物治療やその他の治療が奏効しない場合の外科治療も取り上げている。
【備考】
原因が特定できないから、膀胱痛症候群という症状名に近い病名に定義されたとしか考えられません。
いったん、病名が定義されると、それ以上原因を追究しないで、膀胱痛症候群という病名が独り歩きするのです。
原因不明なので、原因の治療はされず、対症療法に固執します。対症療法で症状が落ち着く人も、中には存在しますが、治らない人たちは「気にし過ぎ」や「精神的・・・」と誤診されてしまします。この状態が長期間続くと、当然ながら、誰でも精神的に病んできます。病んだ状態を医師が診て、「やはり、精神病だ」と誤診するのです。
医師が見逃す程度の「軽微な排尿障害」が、これら病気の原因です。ですから、積極的に排尿障害の治療を行えば、無関係に思えた症状が軽減するのです。
通院している患者さんに、本人が自覚していない排尿障害の治療を行うと、症状が軽減するので、患者さんは驚かれます。初めの頃は、「私は痛みで来たのに、何で排尿障害の治療をするのですか?」と半信半疑です。しかし、経過を追って、いつの間にか痛みが軽減すると、私の理論を理解してくれます。
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