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過活動膀胱と間質性膀胱炎/膀胱痛症候群には重複する部分が多いmedwireNewsから

間質性膀胱炎/膀胱痛症候群(IC/BPS)患者と過活動膀胱(OAB)患者の症状にかなりの重複が見られることが、米国の研究で明らかになった。

本研究結果によりこれら2つの疾患が一連の過知覚膀胱症候群に相当する可能性が高まったと、Washington University School of Medicine(ワシントン大学医学部、ミズーリ州、セントルイス)のH Henry LaiらはJournal of Urology誌で述べている。

本研究では、IC/BPS(間質性膀胱炎/膀胱疼痛症候群)の診断を受けた患者26例、OAB(過活動膀胱)患者53例、健常対照者30例の3群について検証を実施した。全被験者は、疼痛、頻尿、尿意切迫感、尿失禁という4つの重要な症状について、妥当性が確認された質問票による評価を受けた。

各症状の有病率には群間差が認められることをLaiらは見いだした。例えば、重度の疼痛症状の有病率は、OAB患者群に比べてIC/BPS患者群で有意に高く、健常対照群で最も低かった。

一方で、尿失禁症状の有病率は、IC/BPS患者群に比べてOAB患者群で有意に高く、健常対照群で最も低かった。

頻尿および尿意切迫感の重症度はいずれも、IC/BPS患者群とOAB患者群での差は認められず、両群とも健常対照群に比べて高かった。

さらなる解析を実施したところ、2つの患者群間で症状の重複がかなり認められることが明らかになった。OAB患者群の3分の1は、IC/BPSの特徴である膀胱充満時の疼痛や不快感があると回答したと、Laiらは述べている。OAB患者群の4分の1は排尿時の痛みや焼灼痛が、28%は恥骨上部および膀胱部に痛みがあると回答した。

IC/BPS患者群の3分の2以上は過去4週間に何らかの尿失禁を経験したと回答し、発生率は切迫性尿失禁が46%、腹圧性尿失禁が42%だった。

膀胱痛(数値評価尺度で評価)と尿失禁(国際失禁会議による尿失禁質問票で評価)は有意な正の線形相関を示し、これら2つの尺度に対する回答に基づきOABとIC/BPSを鑑別した場合の感度は90.6%、特異度は96.1%だった。

Laiらは次のように結論づけている:2つの診断には重複する部分が多く、OABとIC/BPSは、一連の過知覚膀胱症候群の臨床的に異なるステージである可能性がある。

「最終的には、これら2つの疾患のどの部分が同じで、どの部分が異なるのかについて理解するために、IC/BPSとOABを比較する機構研究の実施が必要である」と、Laiらは述べている。「本研究結果により、ある同様の症状からなる一連の集団とそこから推定される臨床診断との関連を再考することの必要性が示された」。

【備考】
以前から私が解説しているように、間質性膀胱炎も過活動膀胱も慢性膀胱炎も表向きの症状が少し異なるだけで、本質的には同じ症候群と考えるべきです。
医師の見方によって、過活動膀胱と診断したり、間質性膀胱炎と診断したりしているだけに過ぎません。
内視鏡検査で点状出血やハンナー潰瘍の存在を根拠にしている医師が大勢いますが、前立腺肥大症の内視鏡手術の際に、間質性膀胱炎症状の全くない患者さんにそれらの所見は多く認められるものです。
私から言わせてもらえば、そのような所見は排尿障害の患者さんに多く認められる所見であって、間質性膀胱炎の特徴的な所見ではありません。内視鏡手術の経験が少ない医師に限って、そのような所見を「錦の御旗」のように大袈裟に誇示するのでしょう。

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コメント

男性の前立腺肥大症状でもハンナー潰瘍や点状出血や新しい血管などが発生しているとありますが
例えば通常のturpなど排尿障害治療で潰瘍や出血は改善するのでしょうか?
【回答】
膀胱粘膜のそれらの所見は、排尿障害による膀胱粘膜の物理的破壊や血行障害に起因する所見です。
したがって、排尿障害の治療で膀胱粘膜の環境が改善すれば、それらの所見はなくなります。」

患者さんでハンナー潰瘍が排尿障害の治療で改善せずハンナー潰瘍を焼いたりすれば改善した場合がありますが
【回答】
ありません。

投稿: 慢前 | 2014/07/27 09:39

お世話になっております。
No.34220です。

先日残尿感と排尿後に陰部がしみるという症状で貴院に伺い、エブランチルとベタニスを処方され現在服用です。

貴院に伺う前に泌尿器科、婦人科を受診し、泌尿器科では排尿後エコー検査で残尿はゼロ。菌もなし。潜血はプラス2。婦人科でも同じでした。
婦人科では膣の培養検査をし、陰性。

素朴な質問ですが、残尿がゼロで、尿を出やすくする薬が処方されるのはどうしてなのでしょうか?
【回答】
排尿障害があっても、残尿のない「隠れ排尿障害」の人が多いからです。」

飲み始めてから尿漏れが時折おきます。
またしみるのは相変わらずしみるのですが、これは年齢から女性ホルモンの低下で更年期の症状の一つなのでしょうか?
【回答】
更年期障害の時に尿の症状が出る患者さんは、そのほとんどに排尿障害が隠れていたのです。

投稿: ゆう子 | 2016/02/08 23:16

初めてお便りする57才女性です。5年以上前から、頻尿、夜間排尿、痛みがあり、地元の泌尿器科に度々受診。尿から細菌は出ないのですが、薬はいつもクラビットとロキソニンでした。だましだまし生活していましたが、痛みが、左下腹部、恥骨、会陰部に頻繁になり、不安で、1年前から県庁所在地の病院に通院。間質性膀胱炎所見、エブランチル15㎎ベシケア2.5㎎を夜に(低血圧の為、朝のふらつき防止で、夜に変更)、トシラート100㎎を朝昼夜服用しながら食事指導を受けていました。元々太いのですが、59キロの体重が51キロになり自分としては気をつけたつもりでしたが、多少良くなったり、つい食べてしまうと痛みが強くなりの繰り返しで、痛くなったらトイレどうしよう、食べるのが怖くなり食事を抜くと痛みがなくなるときもありました。春先のタケノコごぼう等芽吹く物は痛みを長引かせる気がします。病院の先生からは、食事を抜く方法はだめだよ。どの食べ物が悪いのか探してみようと言われましたが、沢山あるような気がして。。6月に膀胱鏡検査で、ハンナ潰瘍が見つかり、初めて聞く言葉に、私の膀胱はどんな状態なのか不安になり、先生の病院の情報を見つけ、勇気づけられています。私の病歴は、30才で第3子出産後、不妊手術、産後3週間位で高熱。腎盂炎と診断された記憶があります。45才位から症状があったのですが、1時間46回の無呼吸低呼吸で、3年前からシーハップ使用しています。40才位から生理不順45才位で閉経。45才に帯状疱疹になりました。先生の書かれている、体の不調は酸素不足と言う言葉が身にしみています。膀胱の状態はハンナ潰瘍所見ですが、先生の診察で、病気深度、治療深度が判断してもらえますか。最近は、水分量も気をつけています。ただ今週の暑さで、短い時間ですが汗をかく仕事をしていて、スポーツ飲料を飲むと痛みが強くなる様な気がします。ちなみに、主人が勧めてくれて、近くの病院の酸素カプセルに三回入ってみました。夜間排尿3回位が、カプセル1回目の夜は、久しぶりに起きませんでした。お忙し中、すいません。
【回答】
おそらく、排尿障害が原因の間質性膀胱炎症状でしょう。
超音波エコー検査で異常が見つかります。
薬を工夫すれば、もう少し軽快するでしょう。

投稿: | 2016/07/08 20:17

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