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高圧酸素カプセル

O2capsule盛岡で他の会員の学会報告を聞いていた時に、高圧酸素治療で間質性膀胱炎が経過する症例を知りました。
高圧酸素治療の器械は、大病院でしか設置されていません。潜水病や脳梗塞の治療に利用されています。1千万以上もする器械ですが、一般的には利用できません。
そこで整骨院、カイロプラクティック、健康サロンなどに設置されている「酸素カプセル」にも効き目があるのではないかと思い、間質性膀胱炎や慢性前立腺炎症状で苦しんでいる患者さんに地元で試すように指示しました。
すると、半数くらいの患者さんに効果がありました。

患者さんに効き目がある治療法なら、この際、酸素カプセルを購入しようかと悩んでいます。高橋クリニックには整形外科の診察・治療も行っていて、リハビリ器械は所狭しとあるのですが、現在は泌尿器科の患者さんがほとんどで、リハビリ機器があまり利用されていません。
そこで、ほとんど使用していないリハビリ器械を処分し、新たに酸素カプセルを購入しようかと考えているのです。

【備考】
術後の症状が安定しないご婦人の患者さんがいました。
学会の報告を知ってから酸素カプセルを勧め、早速、自宅近くの整骨院で入ったところ、驚くなかれ、その日から夜間の症状が消失しました。その患者さんは現在、週2回のペースで酸素カプセルに入っていますが、それを見た患者さんのお母さまが、ご自分もやってみたいと言って酸素カプセルに入ったそうです。
そのお母さまは、15年前に原発巣の分からない大腿骨の癌になり手術を受け、さらに2年前に胃癌となり手術を受けていました。癌の治療を2度も受け、精気が全くなくなていましたが、酸素カプセルに入るようになってから見違えるように元気になり、80歳を超える高齢ですが、テキパキとお仕事をなさっているそうです。
酸素カプセルから出てきた直後は、頬は桜色で、冷えていた指先は暖かくなるそうです。
そのお母さまの元気な姿を目の当たりにした社員がこぞって酸素カプセル通いになったのは、容易に予想できることでしょう。

高橋クリニックも高圧酸素カプセルを導入しました。

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コメント

「酸素カプセル」で、半数くらいの患者さんに効果があったというお話、とても興味深く読ませていただきました。

やはりこれは、整骨院で受けても、どこで受けても保険が適用されないもので、患者の全額負担となるのでしょうか?
【回答】
高圧酸素カプセルで保険適応のある疾患は、潜水病、脳血管障害疾患くらいでしょう。
全額自己負担です。

個人差があるとは思いますが、効果があった患者さんは、週に何回、どれくらいの期間「酸素カプセル」を使用して効果を実感されたのでしょうか?
【回答】
一人の女性患者さんは、1回処置され、当日から改善したそうです。
他の患者さんでは、処置されている時だけ、改善をみた患者さんもおられます。

ネットで検索していると、「干渉低周波治療」http://www.suyama-clinic.com/kanshouteishuuha/kanshouteishuha.html
というものを見つけました。
「膀胱の緊張をほぐしたり」という説明を読んで、もしかしたら排尿障害によって過敏になっている膀胱の過敏性を少しは緩和することができるのではないかと思いました。
保険適応ということですので、一応、それなりに根拠がある治療法なのかなあなどとも思いました。
【回答】
以前からある治療法です。
患者さんの体験談を聞くと、とても効果があったという印象はありません。
患者さんは効果がなかったので高橋クリニックに訪れた訳ですから、効果のあった方は来院しない筈なので正確な判断はできません。

この機器の慢性前立腺炎症状への有効性についてご存知であれば、教えていただきたいのですが。
【回答】
泌尿器科学会の発表では、間質性膀胱炎の組織改善と症状改善について言及されていました。
私の考えは、「間質性膀胱炎」も「慢性前立腺炎」も症状発現のメカニズムは同じだと考えます。
過敏になった膀胱三角部が、「間質性膀胱炎」の症状も「慢性前立腺炎」の症状も作る訳ですから、膀胱三角部組織(膀胱平滑筋)への十分な酸素の供給が、組織の正常な修復を促し、病態のストレスに対して寛容になり症状が軽減するものと考えます。

投稿: レイニーブルー | 2010/07/29 15:53

お忙しいなか、とてもすばやく回答くださりありがとうございます。

泌尿器科学会の発表では、間質性膀胱炎の「組織改善」
について言及されていたということですが、
これは、酸素カプセルが単なる対症療法ではなく、
膀胱の皮膚組織の形成を促す、
つまり、器質的に膀胱皮膚組織に働きかけるという
画期的な作用を持っているという理解でよろしいのでしょうか?
【回答】
そのように理解します。


高橋先生のブログだったでしょうか、2チャンネルの書き込みだったでしょうか、
「チョコラBBが慢性前立腺炎にいい」というような情報が
あったように思います。
これは皮膚の形成を促進する作用を持つビタミンBが、
膀胱三角部組織の正常な形成を促すという考え方なのでしょうか?
【回答】
私のブログではないですね。
病気の方向あるいはベクトルは、健常・健康のベクトルとは方向が異なると考えます。
酸素カプセルにしろサプリメントにしろ、病気のベクトルを健康のベクトルに変えてくれるかどうかは、その結果を見なければ分かりません。もしかすると、病気のベクトルを増悪させることに作用するかも知れません。
理論は、原因と結果から後からそれらしく推理するものですから、私も数少ない証拠から推理しているだけです。

投稿: レイニーブルー | 2010/07/30 23:48

ご回答ありがとうございます。

「病気の方向あるいはベクトルは、健常・健康のベクトルとは方向が異なると考えます。」
という言葉の意味がなんとなく理解できるような、できないような感じです(僕の理解力不足です。)。

しかし、学会でその有効性が発表された酸素カプセルでさえ、「もしかすると、病気のベクトルを増悪させることに作用するかも知れません。」
という言葉が印象的です。

確かに、「理論は、原因と結果から後からそれらしく推理するもの」ということはいろいろな学問についていえることだと思います。

ですから、必ずしも理論どおりの作用をせずに、酸素カプセルでさえ、病気のベクトルを増悪させる可能性があるというのは、なるほどと思いました。

【回答】
私は58歳という年齢の割には「荒唐無稽」なことを思いつきます。
突拍子もない内容を説明することにご容赦下さい。
私たちは生まれてすぐに「健康」というベクトルに乗っかっていると思って下さい。
ところが、この「健康」というベクトルは、年齢とともに、いつの間にか「病気」というベクトルや「死」というベクトルに変化します。必ず変化します。
「健康」の行きつく先が、「病気」であり「死」であることには異論はないものと思います。
なぜなら永遠の命はないからです。
つまり、それまで「健康」と思われる生命反応や生理作用は、時間が経過すると、必ず「病気」や「死」に至ると考えることができます。
医学は、「健康」な生命反応や生理作用を基に考えた科学です。ところが、その裏には「病気」や「死」が厳然と存在することを医師は忘れています。
そして、「健康」という幻想に戻そう戻そうと努力するのです。
治療は「健康」そのものに戻すのではなく、「健康に似せた」ものに線路変更させることが肝要だと考えます。
酸素カプセルにしろビタミン剤にしろ、従来の「健康」の延長線上にあると思われるものが、必ずしも患者さんの希望の世界ではないかも知れません。
間質性膀胱炎にしろ慢性前立腺炎にしろ、薬剤や手術で治すことが本道とは、私も思えません。私の行っていることは、「健康に似せた」ものに線路変更させているだけでしょう。将来、本当に「健康」にさせる方法が見つかるかも知れません。

投稿: レイニーブルー | 2010/08/01 18:04

お返事ありがとうございます。

【備考】の80歳を超えた方のエピソード、酸素カプセルの威力の凄さを物語っているようで、これまた興味深いです。
80歳を超えている僕の祖母にも勧めてみようかなぁと思いました。


“「健康に似せた」ものに線路変更させているだけ”だとしても、つらい症状が消失・減少して、QOLの向上を実感する患者さんがいるということは、とても素晴らしいことだと思います。

僕も、頻尿症状がなくなってくれれば、もっと快適に生活することができるのになぁと切に思っています。たとえそれが、「健康に似せた」状態であったとしてもです。


“将来、本当に「健康」にさせる方法が見つかるかも知れません。”
そうなることを一患者として切に願います。でも、その頃には僕もすっかり年を取ってしまっているか、この世にはいなくなっているでしょう。
なかなかこの病気に関する研究は進んでいないように思えますから・・・。そもそも、この病気について、高橋先生のように突き詰めて研究しておられる先生がいらっしゃるのかどうか、心もとないです・・・。

普通の若者なら、お金は持っていなくても健康だけは持っているものです。若い皆が元気に過ごしているときに――悩みがあるとすれば、それは将来の進路や恋愛や勉強、人間関係などについてでしょう――自分は頻尿のことばかり考えているなんて惨めなだなぁなんて、ふと思ってしまいます。


さて、話は変わりますが、6月の終わりごろに市立病院の泌尿器科で入院することになりました。自分としては、また前と同じような処置を受けてすぐ帰れると思っていたのですが、今回は違ったようです(笑)。

そのときに担当になった先生は、31歳という若さでした。そして、なかなか話しやすい先生でしたので、
「高橋先生のブログを読んだことがありますか?」と質問してみました。
答えは「いいえ」でした。

そこで僕は、図々しくも、「読んでみてもらえませんか」というようなことを言ってみました。
高橋先生と同様の考え方・手術をなさる倉内洋文先生が亡くなられたこともあり、1人でも多くの泌尿器科の先生が、
高橋先生の考え方を取り入れて下さったらいいなという淡い期待から、
ダメもとで言ってみたのです。
若い先生だから、柔軟に新しい考え方を取り入れてくださるかもしれないという期待もありました。
また、僕は大阪に住んでいますので、大阪で高橋先生と同じような診断・手術が受けられたら助かるなぁという思いもありまし
た。

「(31歳の先生の)元気がある日に見てみます」というような感じのお返事でした。なかなか忙しく疲れていらっしゃる感じでしたので、まあ、そのような答えになってしまうのは無理もないことです(笑)。
実際、夜の8時頃に回診に来たこともありました。そのときに「忙しいんですか?」と聞いたら、「忙しくなかったらこんな時間に来ないよ~(笑)」とおっしゃいました。

ブログを見てくださることは無理だとしても、学会で発表されることには耳を傾けてくださるだろうと思い、
「高橋先生は学会でも発表したりしてるんですけど。この前もたしか東部総会で発表したみたいです」
と言ってみました。
すると、「う~ん・・・東部までは行かないないなぁ~(笑)(遠いから)」
というお答えでした。

保険金請求用紙を書いてもらうために、近日またその病院に行くことになりますから、そのときにでも、「高橋先生のブログ、読みましたか?」と聞いてみようかなあと思っています。
まあ、あまりしつこくして嫌われないように、程々にしておきますが・・・(笑)

【回答】
何事も、ほどほどが良いでしょう。

投稿: レイニーブルー | 2010/08/05 23:39

感謝のメール(2)

こんにちは~。とうとう春らしい日々もなく梅雨入りとなりました。
この度は、院長先生にお世話になり、酸素カプセルを買わせて頂きました。
6月8日に念願のカプセルが届きました。ありがとうございました。

実は、私だけではなく私の母親も院長先生に大変お世話になっております。
高酸素カプセルの備考欄に書かれておりますのは、私の母親でございます。
2度の癌を克服致しまして、とても元気でございます。
私の母は、今年の3月で酸素カプセルに入り続けて2年半となります。(週に2回です)

3月に癌検診に行きましたところ、2年前は骨が老化して痛かった足が、
驚くことに、「ものすごく良い状態ですよ!!」
と担当の先生に言われました。先生も驚いておりました。
88才になって骨が若返る事など考えられません。
私も母も驚くと同時に「酸素に入っています。」と声を揃えて答えておりました。

88才の米寿ですが、まだ元気に働いております。
2年半前は、精がなくなり「私みたいな年寄りはいつ死んでも良いの。」
と云っておりましたが、現在は、もう少し頑張りたいとはりきって仕事をしております。
酸素のお陰で本当に元気でございます。
もちろん、私も酸素カプセルに2年半利用させて頂いておりますので、
おしっこの調子がとても良い状態です。

院長先生のおかげでございます。本当にありがとうございました。
心より感謝いたしております。

〇〇〇〇

投稿: | 2013/06/10 09:02

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