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腎盂腎炎と膀胱炎

私が唱える慢性膀胱炎と間質性膀胱炎の原因は、排尿障害です。(異論もあるでしょうが・・・)
慢性膀胱炎や間質性膀胱炎症状で来院される患者さんにお聞きすると、過去に腎盂腎炎の既往があります。

腎盂腎炎とは腎臓に細菌が浸入して感染を起こす病気です。
常識的に腎臓には細菌がいません、無菌状態です。すると腎盂腎炎になるためには、どこからか細菌が浸入しなければなりません。一番考えやすいのは、膀胱炎の原因菌が腎臓まで昇ってきて細菌感染を起こすというものです。
腎臓(腎盂)→尿管→膀胱までの尿の流れは正常では一方通行です。逆走はありません。
ところがある病気のときに限って、膀胱→尿管→腎臓と一方通行を逆走することがあります。それが膀胱尿管逆流症という病気です。

Vurradionuclidecystogramこの写真はラジオアイソトープを利用した検査の経過を示すものです。
排尿中の膀胱内の尿を観察しています。始め膀胱内にだけ認められた尿が、排尿中に次第次第に尿管を伝わって腎盂(腎臓)に上昇していくのが分かります。そして排尿終了後も膀胱内に尿が残っています。いわゆる残尿です。(排尿障害を認めたことになります。)
要するに、腎臓に逆流するはずのない膀胱尿が、逆流するのです。この状況を端的に示す病名が、膀胱尿管逆流症なのです。

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