超音波検査でみる膀胱頚部の静脈瘤
排尿障害が強く、排尿のたびに膀胱が力強く息んでいると、膀胱出口を中心とした膀胱頚部に圧力がかかります。その圧力が膀胱頚部周囲の静脈圧を上げます。すると、次第に静脈が拡張するようになり最終的には静脈瘤になります。膀胱頚部周囲の静脈瘤の発見=排尿障害の存在と考えられる訳です。
超音波エコー検査では、膀胱頚部(膀胱出口周囲)周囲の膀胱壁のブドウの房状に黒く抜けた像として観察できます。
【膀胱頚部周囲の静脈瘤】
イラストの膀胱出口周囲の膀胱壁の中にブドウ房状の青い●が静脈瘤です。この静脈瘤を静脈のうっ滞と判断し、骨盤内静脈うっ滞症候群という病気で診断される患者さんがおられます。そして漢方で云う「瘀血(おけつ)」状態ですから、漢方医は桂枝茯苓丸などの瘀血(おけつ)治療薬を患者さんに処方するパターンが多いのが現状です。
瘀血(おけつ)が元凶ではなく、瘀血に至らしめる病態が元凶なのに本末転倒の治療がされる訳です。当然、薬は効きません。
【解剖図 ネッター解剖学アトラスから】
解剖図によれば、膀胱出口周囲にはご覧のように静脈(青い部分)が確認できます。しかし、超音波エコー検査では確認できない程度の静脈です。ですからこれらの静脈が超音波エコー検査で確認できるのは異常なことです。
45歳女性
21年前から頻尿で苦しむ。現在1日30回、夜間3回。
31歳女性
平成17年1月より残尿を指摘され、自己導尿を薦められる。膀胱炎になったため現在自己導尿中。
48歳女性
残尿感と1時間~2時間に1回の頻尿。4年前の夏の膀胱炎症状から残尿感が続く。病院を受診しても尿がきれいだから「気にしないように」と告げられた。
39歳女性
1時間1回の頻尿と尿意頻拍感。平成17年9月より神経性膀胱障害(神経因性膀胱?)と診断される。
25歳女性
3年前から恥骨疼痛、腰・大腿・臀部の熱いような不快感、1時間に1回の頻尿。国立国際医療センターを受診し、心因性頻尿と診断される。
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