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膀胱頚部硬化症・膀胱出口閉塞症の手術手順#2 膀胱出口6時を切除する理由

以前にご説明したように、膀胱頚部硬化症の手術の時に、膀胱出口の6時の位置を必ず切除します。切除するのには意味があります。膀胱出口を拡大させる意味も当然ありますが、膀胱出口と膀胱三角部を切り離すという意味が重要です。
言葉でいくら説明しても、理解しにくいので、「百聞は一見にしかず」の諺の通り、模式図で説明しましょう。

【正常の膀胱・側面図】
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健常のご婦人の場合、膀胱頚部は柔らかく、尿道から膀胱方向を覗くとなだらかな丘のように見えます。膀胱内腔を直視することができます。膀胱頚部の裏に位置する膀胱三角部(赤いだ円部分)はゆるんでいて緊張はしていません。

【膀胱頚部硬化症・膀胱出口閉塞症の側面図】
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ところがこのブログで何度も説明している膀胱頚部硬化症の場合は、膀胱頚部が固く盛り上がっていて(黒い三角の部分)、崖のようにせり上がっています。男性の膀胱頚部硬化症で観察できる、いわゆる柵形成(Bar in the sky)の所見です。尿道から膀胱内腔を大きく直視することはできません。膀胱出口の裏に位置する膀胱三角部(赤い台形部分)も固くなり吊り上った状態です。膀胱三角部のこの状態が膀胱刺激症状や関連痛の原因になるのです。

【膀胱出口6時切除の模式図】
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膀胱出口の6時の位置を電気メスで切除します。場合によっては、膀胱三角部の一部が切除されても構いません。

【切除直後の模式図】
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切除により膀胱出口の緊張が解放され、膀胱頚部はゆるんで平たくなります。膀胱出口全体が拡がります。また、膀胱三角部の緊張も解けゆるみます。ゆるんだ膀胱三角部のお陰で膀胱刺激症状や関連痛が軽減されるのです。膀胱頚部だけの切開では膀胱三角部の緊張がゆるまないので、この手技が必ず必要です。

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コメント

ネットでHPを拝見し書き込ませていただきます。50歳男性です。
20年前に痛風発作あり水を沢山飲むようにと言われ一日2L以上の水分を取ってきました。おかげでトイレが非常に近くなり、日中10回以上、夜間は1回とトイレに行き頻尿です。量も1回150ccも出ません。
最近では電車で長時間座っていたり寝る際に鼠径部がムズムズし動かしたくなる症状があります。
前立腺は20cc程度とのことで年齢の割に肥大が進んでいると言われています。ザルティアとセルニルトンを処方されていますが頻尿に効果がある実感がありません。
ここからご相談です。私も柵ができ硬化しているのではないか、その場合手術をしたいと考えています。しかし前立腺の手術には逆行性射精が伴うとお聞きします。逆行性射精を伴わずに前立腺を少し削ることで頻尿の症状は改善するものでしょうか。α1ブロッカーも逆行性射精が高い確率で起きると聞き踏み切れずにいます。よろしくお願いします。

【回答】
膀胱頚部硬化症による排尿機能障害で、慢性前立腺炎症状になるのです。
頻尿とムズムズ感の治療のためには、頻尿治療薬が必要です。
それがβ3作動薬のベタニス・ベオーバです。
またα1ブロッカーも必要です。
逆行性射精になるのは、効果の強いユリーフ・シロドシンだけです。
ハルナール・フリバスだったら、逆行性射精には、ほとんどなりません。

投稿: たくちゃん | 2019/12/21 17:42

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