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慢性膀胱炎・間質性膀胱炎に関する私の考え

慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・過活動性膀胱・心因性頻尿に関するご質問が多いので、ここに私の考えを簡単にまとめました。さらに詳しくはブログ内のそれぞれのページをご覧下さい。

【概要】
慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・過活動性膀胱・心因性頻尿は原因が排尿障害であると私は信じている。(私の独りよがりの仮説かも知れない)
排尿障害の治療をしないで、原因不明の細菌性感染症や心因性疾患として、抗生剤・抗うつ剤で治療しても治らない。
排尿障害を治さなければ、日常生活をどんなに健康的なものにしても決して治らない。

【病気の本質】
ほとんどの原因病名が、機能性膀胱頚部硬化症、膀胱排尿筋内尿道括約筋協調不全、膀胱出口閉塞症のいずれかである。
これらの原因による長期間にわたる慢性的軽微な排尿障害が、慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・過活動性膀胱・心因性頻尿という原因不明の病気として具現化している。

【症状】
下半身の症状であれば何でも起こりうる。
尿道痛・会陰部痛・膣の痛み・肛門痛・尿漏れ感・太もも内側痛・腰痛・背部痛・足の裏痛などである。痛みの他にそれぞれの部分の熱感・しびれ・痒みなどでも同じである。
頻尿・残尿感・排尿障害などもある。

【検査】
排尿障害を直接的・間接的に証明できればよい。
1.超音波エコー検査(膀胱粘膜の肥厚・膀胱壁の静脈うっ血・膀胱出口のハイエコー)
2.尿流量測定ウロフロメトリー検査(息み時間が長い・勢いが弱い・グラフの山がギザギザ曲線)
3.残尿量測定検査(残尿が10ml以上の存在)
上記の検査でいずれか一つでも異常があれば、排尿障害とする。排尿障害が確認できれば、内視鏡検査はあえて行う必要はない。
尿検査・レントゲン検査は参考程度である。

【治療】
排尿障害治療薬であるα-ブロッカーのエブランチルを使用する。
薬剤で効果が得られなければ、内視鏡手術を行う。
排尿障害を改善しても症状が改善しない場合がある。その時点で仙骨神経ブロックや抗うつ剤を利用する。

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