前立腺肥大症の治療薬

難治性の前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症の治療を長年しても、症状がなかなか改善しない患者さんが多く来院されます。
主治医の先生には、「歳のせいですね」と冷たく告げられているのです。実は、歳のせいではありません。

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夜間頻尿の治し方のコツ

前立腺肥大症のお薬を飲んでも、夜間頻尿が治らない場合はどうしたら良いのか?という相談を他の病院で治療している患者さんや医師から相談を受けることがあります。
お聞きすると、それなりのお薬を処方され、あるいは処方しているのです。
ところが、病名で処方されていう事が多く、患者さんの病気に応じた細かい処方がなされていないのが原因です。
前立腺肥大症といっても前立腺が大きい患者さんもいれば小さい患者さんもいます。
前立腺の大きさは20ccが正常ですが、これを鵜呑みにすると誤診するのです。例えば、10代の頃の前立腺が10cc位の大きさの患者さんであれば、60歳を過ぎて前立腺が40ccになったとすると、前立腺の大きさは実に4倍になったとことになります。泌尿器科医からすると40ccは大した大きさではありませんから、前立腺肥大症を小さくしようという治療方針は選択されません。排尿障害の治療薬だけを処方されるので、今ひとつ効果が出ないという結果になるのです。思い込みが治療方針を誤らせた一例です。
例を挙げればキリがないので、治療を場合分けして解説しましょう。

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アボルブが夜間頻尿を改善する m3.comの記事から

前立腺肥大を示唆する下部尿路症状(LUTS/BPH)のある男性の夜間頻尿に対するデュタステリド(アボルブ)の効果:3件の第3相試験の統合分析

2014年06月27日(原文公開: 2014年06月10日)Oelke M, et al. –

本試験では、デュタステリド(アボルブ)の臨床第3相試験から得られた統合データを用いて、前立腺肥大症が示唆される下部尿路症状のある男性の夜間頻尿に対するデュタステリドの効果をプラセボと比較評価する。
結論として、24カ月の治療後、特に夜間の頻尿エピソードが2-3回の被験者において、デュタステリド治療群ではプラセボ群に比べて夜間頻尿が有意に改善され、頻尿の増悪も減少した。これらの結果を確認するため、特に夜間頻尿の評価を目的にデザインされたプロスペクティブ試験が必要である。

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前立腺肥大症の新しい治療薬

Avolvetestosteron前立腺肥大症の新しい治療薬で「アボルブ」という商品名の新薬が8月から9月にかけて登場します。
この薬は5α還元酵素阻害剤で、男性ホルモンのテストステロンがDHT(ジヒドロ・テストステロン)に変化するのを抑えます。前立腺はDHTに依存していますから、DHTの濃度が少なければ、前立腺は委縮します。
5α還元酵素阻害剤で有名なのは「プロペシア」という育毛剤です。慢性前立腺炎に詳しい方ならば、一時期プロペシアが慢性前立腺炎に効果があるという情報が氾濫したのをご存じでしょう。
しかし、その後、鳴かず飛ばずでした。前立腺が委縮して小さくなるような薬でさえ、慢性前立腺炎を効果的に治すことができなかったのです。「慢性炎症」の場をなくすような治療でさえ、慢性前立腺炎症状を治せなかった事実から、慢性前立腺炎の本質が見えてくるでしょう。

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前立腺肥大症と抗男性ホルモン剤

前立腺肥大症の治療の現在の主流は、α-ブロッカーです。商品名としては、ハルナールD、ユリーフ、フリバス、エブランチルなどがあります。
私が研修医のころの前立腺肥大症の治療は、プロスタールなどの抗男性ホルモン剤が主流でした。しかし、前立腺が小さくなり頻尿などの症状が軽減するまで、時間を要しました。また、性欲がなくなるなどの副作用もあったので、α-ブロッカーが出現し患者さんの症状が劇的に軽快した時の驚きは、今でも忘れません。
現在では、ほとんどの医療機関で、α-ブロッカーの治療一辺倒になってしまいました。これはこれで弊害が出るのです。いくらα-ブロッカーが前立腺や膀胱の平滑筋の緊張をゆるめてくれても、前立腺容積が大きい場合には前立腺肥大症の排尿障害には太刀打ちできません。
Prostal22988m73この写真は73歳の男性患者さんの超音波エコー検査の所見です。
夜間頻尿と陰嚢掻痒症で来院しました。前立腺容積を計算すると約100ccです。正常が20cc前後ですから、正常の5倍の体積を有しています。
こんなに大きくてはα-ブロッカー単独の治療では限界があります。患者さんは内視鏡手術を希望していましたが、私が行う日帰り手術では、大き過ぎて手術時間が長くなることと、出血のコントロールが難しくなるので、安全を期してとりあえずお断りしました。
その代わり、排尿障害治療薬であるα-ブロッカーと抗男性ホルモン剤の治療をしばらく行うことになりました。

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頻尿の薬一覧

今日、漢方のツムラの営業の方が来訪しました。牛車腎気丸の宣伝が目的です。
その際に配布された資料が良かったので、ここに掲載します。
お薬の参考になさって下さい。
Tsumuradysuria
最近、泌尿器科医の間では尿意切迫感を主訴とするOAB(過活動膀胱)という病気が話題になっています。
原因は兎も角として(?)尿意切迫感や切迫性尿失禁で苦しんでおられる患者さんを助けようと、医師も製薬会社も必死です。
漢方の牛車腎気丸が過活動膀胱に効くメカニズムが下記の図に示してあります。
Tsumuradysuria2

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前立腺肥大症とノコギリヤシ

前立腺肥大症にノコギリヤシ(saw palmetto)は無効という文献がありました。
参考までにご覧下さい。
内容的には、今流行のノコギリヤシを飲んでも、尿流量測定ウロフロメトリー検査では変化がなかったという結果です。しかし、尿流量測定ウロフロメトリー検査の結果はあくまでも尿の勢いとしての外見上の結果であって、その結果を出すのに膀胱や前立腺への負荷がどのくらいかという内面的な結果は分からないのです。
例えると、白鳥が湖面を滑るようにスーッと泳いでいます。白鳥が水面下で足の一漕ぎでスーッとなのか、十漕ぎでスーッとなのかは外見上では判断できないのと同じです。一漕ぎでスーッとの方が効率がよく楽に滑っていることになります。
ノコギリヤシを飲まれた前立腺肥大症の患者さんも、尿流量測定ウロフロメトリー検査では変化がないかも知れませんが、楽に排尿しているのであれば、頻尿や残尿感などの症状は軽減する筈です。
この文献の短絡的な誤解と評価のように、検査結果は往々にして表面的なことしか判断できないことがあります。一つの検査がその病気の全てを完璧に評価している訳ではないことを充分に知るべきです。臨床治験を行なう場合、浅はかな医師が治験のプロトコールを作成すると往々にしてしょうもない文献が出来上がってしまいます。ところが、EBM(文献的証拠・エビデンスに基づく医療)を唱える一握りの医師たちは(本人たちは大多数と思っているらしいのですが・・・)、このような本質を見抜けず、ただひたすら文献的証拠!文献的証拠!と声高に唱えるので、医学の常識を乱し、結局は患者さんを混乱させてしまいます。

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