前立腺癌の文献・統計・学会報告

前立腺癌患者は不安から不要な手術を選ぶことも m3.comから

精神的苦痛への対処が重要
国際医学短信2017年4月12日 (水)配信 精神科疾患一般外科疾患腎・泌尿器疾患癌

 不安の強い前立腺癌患者は、不必要と思われる治療を選択する確率が高くなるという研究報告が、「Journal of Urology」2月号に掲載された。

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AUA(アメリカ泌尿器科学会)のガイドライン

PsaauaPSA検診に関するガイドラインは、日本とアメリカとでは異なります。
アメリカ泌尿器科学会のPSA検診に関するガイドラインは次のようです。
①40歳未満のPSA検診は推奨しない。
②40歳~54歳の男性にはPSA検診を勧めない。
③55歳~69歳の男性には、インフォームドコンセント後のPSA検診受診して下さい。の意思決定を強く勧める。
④検診の間隔は2年を勧める。
⑤70歳以上の男性、あるいは余命が10年~15年以内の男性にはPSA検診受診を推奨しない。
【参考】Prostate Cancer Front Line アステラス製薬株式会社発行雑誌から

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カナダ、PSA検査を推奨せず!Medical Tribune記事から

以前からPSA検診に疑問を感じ、矛盾点をこのブログでいろいろな角度から解説してきました。アメリカではすでにPSA検診は推奨されなくなっていましたが、今回、カナダのガイドライン(GL)の報告でも同じ意見に至ったようです。

「カナダの前立腺がんスクリーニング・ガイドライン,PSA検査を推奨せず」

20年ぶりに改訂,USPSTFと足並みそろえる
 カナダ予防医療対策委員会(CTFPHC)は10月27日,前立腺特異抗原(PSA)検査による前立腺がんスクリーニングに関する改訂ガイドライン(GL)をCMAJ(2014年10月27日オンライン版)で公表した。前回のGLは1994年に公表されており,20年ぶりの改訂となった。改訂GLではPSA検診に伴う害(合併症,偽陽性所見,過剰診断など)を示す多くのエビデンスがある一方で,死亡率の低下を示す明確なエビデンスはないと指摘。その上で,「前立腺がんの既往歴がない全年齢層の男性にPSA検診を推奨しない」と明記された。PSA検診の是非をめぐっては,わが国を含めた各国GLで見解が一致していないが,カナダのGLでは米国予防医療サービス対策委員会(USPSTF)の勧告と足並みをそろえる内容となった。

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前立腺癌の保有率

2010年の人口統計から計算すると、日本人の男性は6213万人います。その内、40歳以上の男性の数は3366万人います。
ラテント癌(潜伏癌)は、40歳以上の男性で平均で少なくても20%以上の確率・危険率で存在します。その割合で、40歳以上の日本人男性のラテント癌の保有率は、3366万人×20%=673万人になります。

今後、PSA検診が盛んに実施され、チョッとでも高いからと、針生検を満遍なく実施されれば、計算上は673万人の男性に前立腺癌が発見されることになるのです。

現在、年間4万人の前立腺癌患者さんが発見されていますから、今後も増えることは必至でしょう。この現象を医学の進歩と言うのか、はたまた医学の暴挙・暴走と言うのか分かりませんが、どう考えても疑問が湧きます。

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去勢抵抗性前立腺癌の治療 産経新聞9月9日コラムから

Pcanewssankei
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)とは、効き慣れない言葉でしょう。以前の言葉で表現すると、ホルモン抵抗性前立腺癌のことを意味します。
前立腺癌治療の主軸であったホルモン治療は、進化を遂げ、それまでの抗男性ホルモン剤からLH-RHホルモン剤に移行していきました。しかし数年のホルモン治療で、効かなくなる前立腺癌が出現するのです。LH-RHホルモン治療が内分泌的に去勢した状態と類似しているので、去勢抵抗性という言葉が使用されました。

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PSA検査で前立腺癌死大幅低減 m3.comから

PSA検査で前立腺癌死大幅低減

文献:Schroder FH,et al.Screening and prostate cancer mortality: results of the European Randomised Study of Screening for Prostate Cancer (ERSPC) at 13 years of follow-up.Lancet. 2014 Aug 6. pii: S0140-6736(14)60525-0. doi: 10.1016/S0140-6736(14)60525-0. [Epub ahead of print]

 欧州の前立腺癌検診無作為化試験(ERSPC)の13年間の追跡データから、前立腺特異抗原(PSA)検査による前立腺癌死の低減効果を検証。9、11、13年経過時点のデータによるPSA検査群と検査なし群との死亡率の率比は、それぞれ0.85、0.78、0.79だった。13年経過後にもPSA検査による前立腺癌低減が確認された。

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前立腺癌のHIFU改良で生存増  m3.comから

前立腺癌のHIFU改良で生存増
2014年08月06日

文献:Uchida T,et al.Improved Outcomes Owing to High-intensity Focused Ultrasound Devices Version-up for the Treatment of Patients with Localized Prostate Cancer.J Urol. 2014 Jul 28. pii: S0022-5347(14)04047-6. doi: 10.1016/j.juro.2014.07.096. [Epub ahead of print]

Hifu200 1999–2012年に高密度焦点式超音波治療(HIFU)を受けた限局性前立腺癌患者918人を対象に、機器の改良による転帰の改善を検証。全体の10年全生存率と癌特異的生存率は89.6%、97.4%だった。

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顕在癌の検出率

PSA値が高いと言って心配されてくる患者さんがたくさんいます。
8月初めから今月の11月初めまでで、160人のPSA値が高い患者さんが来院されました。その内、前立腺触診で前立腺癌と診断された患者さんは22人です。PSA値が高い患者さんの13.8%に触診で触れるような前立腺癌が発見されるのです。
PSA値が一番高い人で94、74.8ng/mL、一番低い人で4.67ng/mLです。一番高い人二人と一番低い人のデータを除き平均すると、顕在癌のPSA値の平均は15.1ng/mLになります。つまり、PSA値が10ng/mL以上であれば、前立腺顕在癌の可能性が高くなります。

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ラテント癌疫学的考察 前立腺癌診療ガイドライン2012年から 

前立腺癌診療ガイドラインがwebで公開されたので、ここで一部紹介します。

疫学
CQ2 ラテント癌の性質と頻度はどのくらいか?

ラテント癌は加齢に伴い増加し,50歳以上では約20~30%に認められる。臨床癌と異なり地域差が少ない。また,一部の癌が長い期間を経て臨床癌に進展するが,多くは臨床癌とならずに経過すると考えられている。
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解説
ラテント癌とは,生前,臨床的に前立腺癌の徴候が認められず,死後の解剖により初めて確認される癌である。ラテント癌の頻度は加齢に伴い増加し,50歳以上では約13.0~26.5%に認められるとの報告がある1-4)。また,欧米と本邦における前立腺ラテント癌の頻度の差は,罹患率の相違に比較して小さいことが知られている。
米国の黒人,白人,コロンビア人,ハワイ移住の日本人および日本在住の日本人を対象とした同一の検索方法,組織判定基準での比較研究がなされており,50歳以上における年齢調整(5集団の全対象症例の年齢分布で調整)後のラテント癌の頻度はそれぞれ,36.9%,34.6%,31.5%,25.6%および20.5%であった1)。さらにラテント癌を浸潤型と非浸潤型に分けた場合,非浸潤型腫瘍の頻度は各国で有意差はなかったが,浸潤型腫瘍の頻度は,日本在住の日本人は,米国の黒人,白人,コロンビア人より有意に低く,ハワイ在住の日本人と比較しても低い傾向があった。ハワイ在住の日本人は,米国の黒人とは浸潤型腫瘍の頻度に有意な差があったが,白人,コロンビア人とは差がなかった1)。同一施設での1955年~1960年および1991年~2000年における剖検例の比較検討では,40歳以上での前立腺ラテント癌の頻度が4.8%から1.2%へ有意に減少したとの報告があり,PSA検査の普及によりラテント癌の頻度が低下する可能性が示唆されている5)。
前立腺のラテント癌が臨床癌に進展するまでの期間の解明は難しい。若年者の剖検による検討で,微小なラテント癌は30歳代から認められると報告されている6)。ラテント癌から臨床癌へ進展する期間は11~12年と推測している報告がある一方で7),発癌から癌死に至るまでの期間は45年以上と推測している報告がある8,9)。前立腺癌は比較的ゆっくり増殖するものが多いが,稀に数カ月のうちに急速に進行するものがあり,ラテント癌から臨床癌になるまでの期間は非常に幅が広い。いずれにせよ,一般的にラテント癌の多くは臨床癌にならずに経過し,一部は緩徐な経過をたどって臨床癌に進展すると考えられている。

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「前立腺生検は利益目当て」 m3.comから

米国泌尿器科学会AUAが猛抗議、良質ケアのための補助サービス、争点にズレ

2013年8月1日 米国学会短信

 米国泌尿器科学会(AUA)は7月16日、米国政府会計検査院(GAO)が7月15日に発表した他者の関与を拒む「独断的医療(self-referral)」と解剖病理学検査室に関する最新報告に対してコメントを発表した。泌尿器科医が利益目当てに補助サービスを利用し不必要に不適切な生検をしているというGAOの見解に反論している。

 AUAは、泌尿器科医が主に従事する前立腺癌治療での良質なケアと適切な医療サービスの確保を国と共に強く願っていると説明。GAOの報告は、院内補助サービス、独断的医療、良質ケアへの費用高騰など複雑な問題を建設的に議論する内容ではないと批判する。AUAと米国消化器学会が過去に言及した、解剖病理学サービスへの独断的医療に関するデータ収集方法や分析など報告書設計の問題は重大と指摘。米国保健社会福祉省(HHS)もGAOには同意していないと説明している。

 メディケア メディケイドサービスセンター(CMS)が生検の適切性を監視することになれば、独断的医療の有無を問わず対象は医療提供者全員とし、独断的医療を正しく評価するための統一的な識別方法も必要と主張する。

 「泌尿器科医が利益目当てに補助サービスを利用し不必要に不適切な生検をしているというGAOの見解は、泌尿器科医を軽視するだけでなく患者に大きな損害を与え、全く不当で侮辱的」とAUA。適切な患者管理のもと迅速で継続的に治療するには、泌尿器科医が前立腺癌患者ケア全般に従事し、患者が院内補助サービスを利用することが必要であると強調している。

【備考】
PSA検査は有益ではないという結果を公表した良心のアメリカ泌尿器科学会でさえ、針生検に関して、このような結論をされてしまうアメリカなのです。PSA検査盲信の日本ではもっと追求されてしまうでしょう。

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