前立腺癌の文献・統計・学会報告

前立腺ガンの性格


926325e66a47463789354919242fee71 前立腺ガンは、ご存知のように多くが前立腺の外腺から発生します。外腺はそれまで散々内腺と硬〜い前立腺被膜によって挟まれ圧迫され続けたのです。そんな時に更年期になり頑張っていたエネルギーの男性ホルモンが一気に低下したために、男性ホルモンに依存していた外腺の細胞が、体質的にさらに苦しくなり、才能のある前立腺細胞が、遂に男性ホルモンを究極作ることのできるガン細胞に変身したのです。つまり、前立腺外腺の細胞は物理的にもホルモン的にも、常に緊張状態が続いた結果です。前立腺外腺は生まれてから更年期に至るまで、一生緊張状態にあったとも言えます。

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さらに検査のための針生検で刺激(攻撃)され、ホルモン治療で刺激(攻撃)される訳ですから、ず〜っと緊張しっぱなしです。刺激されれば刺激されるほど、攻撃されれば攻撃されるほど、才能のある前立腺ガンは抵抗力を増して前立腺ガンの悪性度を高める=男性ホルモンを作ることのできる=去勢抵抗性前立腺ガンの原因になるかも知れません。でしたら、ガン細胞が緊張しないように『リラックス』させてあげれば良いことになります。

ガン細胞の緊張を解くリラックスさせる方法を考えてみました。

❶排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーのフリバスが、前立腺ガンの再発を抑えてくれるという文献データがありました。α1ブロッカーは平滑筋だけでなく、その他の細胞の緊張をも解いてくれるのでしよう。それを元に、当院で前立腺ガンの患者さんにはフリバスを処方しています。でも、効いているとは思えない患者さんもおられます。これは、フリバスの作用するα1受容体が主にα1‐d受容体で、前立腺ガンによってはα1‐d受容体が存在しないので、フリバスを処方してもガン細胞の緊張が取れないのでしょう。

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❷やはり排尿機能障害の治療薬であるザルティア=タダラフィルは、細胞膜表面の受容体を介さないで全ての細胞の緊張を抑えてリラックスさせてくれます。細胞が裸でゆっくりとお風呂に入っているイメージです。当然、前立腺ガン細胞も同じで、リラックスして緊張も取れるでしょう。緊張が取れれば、裸ですから防御能力は低下して、医師の行う様々な治療攻撃に負けてしまうのです。

ですから、今後の前立腺ガンの患者さんには、前立腺ガン細胞をリラックスさせる排尿機能障害の治療薬であるフリバスと、さらにザルティアを処方するつもりです。もちろん、この考えは私の思い付きですから、正しいかどうかは、今後を観ていかなければ分かりません。

 

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前立腺肥大症の割合とラテント癌

Bphglaf現在の日本人は、80歳までに80%の人が前立腺肥大症になると言われています。

このグラフは、An Atlas of PROSTATIC DISEASEというイギリスの専門書に掲載されているグラフを改変したものです。赤い折れ線グラフは亡くなられた人の解剖の結果で、前立腺肥大症の割合を表しています。年齢数字の下に記載されている(数字)は剖検数・解剖数です。緑の折れ線グラフは別の統計結果で、臨床的に前立腺肥大症(症候性前立腺肥大症)の割合を表しています。解剖学的にも臨床的なにも割合はほぼ同じです。

これらグラフはイギリスのデータですが、日本人でもほぼ同じとされています。では何故?こんなに日本人男性も前立腺肥大症が増えてくるのでしょうか?私が研修医の頃は、80歳までに前立腺肥大症になるのは、20%くらい、つまり5人に1人でした。ほとんどの人は前立腺が萎縮していました。今の泌尿器科医師は過去に比べて、前立腺肥大症だけに関して言えば、需要が4倍も増したことになります。

その理由は2つあると思われます。

1つは平均寿命が延びたという事です。40年前は今の20%でしたから、80%の人は前立腺肥大症ではなかったと言う事を考えれば、前立腺肥大症になる人は短命だと考えられます。

2つ目は、栄養状態が良くなったのが、前立腺肥大症の増殖を刺激しているのでしょう。つまり栄養状態良好が短命な前立腺肥大症の患者さんの延命効果があるとも言えます。

Bphpcaこのグラフは、前立腺肥大症の年齢別の発生割合と、前立腺ラテント癌の年齢別の発生割合を比較したグラフです。後輩に和田鉄郎先生の研究結果です。前立腺肥大症の割合が増えると、同調するようにラテント癌も増えています。前立腺肥大症と前立腺ガンは無関係と思われますが、何故、このようにガンが増えるのでしょうか?それには理由があります。

Bphstage前立腺の外腺は、胎児の初期の男性ホルモン上昇で始めて生まれます。出生直後に再び男性ホルモンが上昇して前立腺の内腺が生まれるのです。子供が成長して思春期に入ると、男性ホルモンが長期間高くなるので、前立腺が完成します。そして更年期前後から男性ホルモンが確実に低下していきます。その時期くらいから、前立腺肥大症の患者さんが増えます。

前立腺の外腺から見ると、次の環境です。

🔲ホルモンレベルでは、男性ホルモンの上昇が3回、明確な下降が1回の計4回です。(①〜④)

🔲物理的刺激は、⑤出産直後に内腺ができ、初めて外腺が圧迫されます。⑥思春期になり内腺が成長して外腺はさらに圧迫されます。⑦そして更年期前後から内腺が前立腺肥大症になり、さらに外腺は強烈に圧迫されるのです。

Bphstage2結果、外腺は生まれてから7回(ホルモン刺激4回+物理的刺激3回)も受け続けるのです。内蔵でこれほど刺激を受ける臓器があるでしょうか?結局、前立腺外腺からガン細胞が生まれるのです。

ただこの時点では、沈黙した悪性度の低いラテント癌ですが、では何故に死に至るような前立腺ガンになるのでしょうか?その理由は、排尿機能障害による前立腺に対する物理的負荷が、PSA値を高めてしまうため、ワンパターン思考の医師によって前立腺針生検をされ、8回目の強烈な刺激を受ける結果😱、死に至る悪性度の高い前立腺ガンに変身☠️させているのです。

 

 

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日米の前立腺ガン比較

7498e69a9cc3438a95b2ad9c3efd6300日米の前立腺ガンの発生率(10万人当たり)年齢別の比較したグラフがこれです。こんなに格差のある前立腺ガンの多いアメリカでは、PSA検査を行うのを条件付きの制限を加えています。

何故、アメリカではPSA検査を日本のように自由にしなかったのか?実は、PSA検査はアメリカで考案・普及した検査です。PSA検査の考案者は、転移した前立腺ガンの状況を把握・確認するための検査として開発したのでした。ところが、『PSA検査で前立腺ガンを早期発見ができるかも知れない?』と考えた医師や企業が、PSA検査・検診を普及させたのです。

その結果、寿命に影響のない、治療の必要のないラテント癌を発見し、「そ〜ら!ヤッパリ前立腺ガンですね!」と言って積極的な治療(前立腺全摘手術、放射線治療)、あるいは保存的治療を行いますが、患者さんは『癌だ!ガンだ!がんだ〜!』と常に神経症にさせてしまい、その後の人生のクオリティーが下げてしまうのです。

では何故、アメリカで開発したPSA検査が、アメリカで普及し、日本の3倍以上の人口のアメリカで、日本の7倍以上の前立腺ガン(3✖️7=21、実質的に日本の21倍以上)を発見したにも関わらず、アメリカではPSA検査を制限したのでしょうか?その理由は政府の要請で、寿命に影響しない前立腺ガンを必要以上に発見し、治療することで患者さんの精神的・肉体的後遺症を作るので、患者さんにとっては統計的には不利益であると評価されたからです。

PSA検査を輸入した日本では、アメリカでの経過を無視して、日本独自の統計結果を優先して、「PSA検査!PSA検査!針生検!針生検!ガンだ!ガンだ!」と固執するのです。統計は研究者の意思により統計結果は容易に変えることができます。日本の泌尿器科学会が根拠にするヨーロッパの前立腺ガンPSA検診鯛規模調査ERSPC文献をよく読むと、結果は反対にも解釈できる中途半端な文献でした。

日本がPSA検査・PSA検診に固執するには、それなりの理由があるのです。アメリカでは前立腺ガンを除いても、泌尿器科の病気がはるかに多いのでPSA検査で前立腺ガンを発見しなくても、泌尿器科学会の収入ははるかに多いのです。ですから、アメリカ政府のPSA検査の評価に対して、簡単に受け入れたのでしょう。またアメリカは自由診療で治療の単価も高額なのです。例えば、盲腸の虫垂炎手術治療は一泊二日で100万円を超えます。でも日本では健康保険制度が確立し、また政府の決めた治療費の単価も安いのです。そして人種の違いにより泌尿器科疾患がアメリカに比べてはるかに少ないのです。せっかくPSA検査で泌尿器科がやっと注目を浴び、また健康診断や人間ドックの結果で泌尿器科に紹介される患者さんは今まではほとんどなかったのに、PSA検査のお陰で人気の診療科目になったのですから、それを泌尿器科学会が拒否するとは到底思えません。

 

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前立腺がんと大豆イソフラボン

米国がん学会で2005年(平成15年)に発表があった文献の内容をここでご紹介します。

Pcainvitroハーバード大学医学部とイソフラボンの会社(ニチモウ・バイオテックス(株))の共同研究の報告です。乳がん細胞と前立腺がん細胞を利用したイン・ビトロ(in vitro試験管・培養器)実験です。

乳がん細胞と前立腺がん細胞をそれぞれ培養器に入れ増殖させます。2つのグループに分け、そのまま増殖させるグループと、イソフラボンを注入したグループに分けるのです。そしてがん細胞の増殖の経過を観察したのです。

初めのグラフは、前立腺がん細胞の増殖率の比較です。通常に培養したコントロール群の増殖率を100%とすると、イソフラボン(Agly Max)群の増殖率は32.2%です。その差は何と67.8%にも及ぶのです。イソフラボンの培養液で育った前立腺がん細胞の増殖率は、通常のがん細胞の増殖率の3分の1になるのです。生体内でも同じ条件だとすれば、前立腺がんになってしまった患者さんがイソフラボン(Agly Max)を服用すれば、服用しない患者さんと比較して3倍長生きできることになります。乳がん細胞の場合も前立腺がん細胞とほぼ同じで、その差が63.9%でした。

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次に、前立腺がん細胞の培養中のアポトーシス(細胞の死滅)を比較すると、イソフラボンで培養した前立腺がん細胞のアポトーシス(細胞の死滅)率は20.7%でした。つまり培養したがん細胞の5分の1が死滅したのです。乳がん細胞のアポトーシス死滅率は16.5%でした。

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この実験のキッカケは、乳がんと前立腺がんの罹患率を比べると、アジア人の発症率が西洋人に比べてはるかに少ない事実からです。 その理由は何か?と考えた時に食習慣、特に大豆食品の摂取量に可能性を指摘されたのです。そして、大豆の摂取量が多いほど、これらのガンの発生率が低いのでした。当然、大豆の何らかの成分が、これらのガンの発生率を抑えていると考えられたのです。大豆と言えば、イソフラボンです。

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上のグラフは乳がんで下のグラフは前立腺がんの日米比較のグラフです。この両方のグラフを見ると、日本と比較してアメリカでは、断トツにそれぞれの癌の発症率は高いのです。

これから分かるように、納豆・味噌汁などの大豆食品の摂取している日本人の方が、はるかにガンの発生率は少ないのです。しかし、最近の日本人の食習慣も変わり、毎日納豆を食べ味噌汁を飲む人は少なくなってきています。それから考えると、徐々に乳がんも前立腺がんも次第に増加してくるでしょう。

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これらのサプリメントを服用すれば、抗がん剤を服用しなくても、ガンの成長や勢いや増大をある程度抑える可能性があると考えられます。神経質でガン神経症の人にはオススメです。このページでご紹介した大豆イソフラボンは、ニチモウ・バイオテックス(株)のアグリマックスというサプリメントです。乳がんや前立腺がんの患者さんやこれらの病気の疑いをかけられている人は、このサプリメントをオススメします。ご希望の方は、右のパンフレットをお読みください。

http://draglymax.jp/

クリニックID 5045900

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去勢抵抗性前立腺ガンCRPCの発現率

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前立腺ガンを標準治療でテストステロン(男性ホルモン)を抑制するホルモン治療を行うと、4年~5年で効かなくなります。この状態の前立腺ガンを去勢抵抗性前立腺ガンCRPCと呼びます。

どの程度の頻度で、この状態になるのか明確に記された文献がないので、いろいろ調べてみました。すると、こんな表を見つけました。癌が骨転移する確率と、その予後(生存期間)です。
前立腺ガンの場合、骨転移が発現する確率が、【65%~75%】とかなりの高さです。2人に1人以上の危険率で骨に転移したということになります。ただし、初めから骨に転移した人は別です。ホルモン治療しているにもかかわらず、骨にガン細胞が転移すると言う事は、すなわち、ホルモン治療では抑えることが出来なくなった前立腺ガンと言うことになります。つまり、【骨転移≒去勢抵抗性前立腺ガン】ということです。

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先の表と同じサイトには、前立腺ガンの治療経過を示すイラストが併記されています。
このように、治療法・治療経過がイラストで表示できるほど、決まりきった前立腺ガンの個性なのです。では、どうして前立腺ガンは、このような性格が出てくるのでしようか?

前立腺ガンに、この特有な個性を促した要素かあるかもしれません。治療する前と後では、何が違うかと言うと、毎日のホルモン治療がキッカケです。ホルモン治療は、前立腺ガンを相当抑えることは出来ますが、完璧ではありません。そのために、ガン細胞がバージョンアップして、去勢抵抗性前立腺ガンが生まれるのです。「毎日」の治療がいけないのです。ガン細胞に治療を気付かせるのが去勢抵抗性前立腺ガンが生まれる原因だと私は考えています。

もしそうだとしたら、毎日ではなく、ガン細胞が気付かせない治療法を選択すれば良いと思います。つまり、密かに計画的に気付かないようにガン細胞の食事に毒を盛るような暗殺をするのです。
もう1つの考え方として、毎日大量の薬を間断なく連続して治療を続けると、ガン細胞の変身のストッパーを毎日1個ずつ外してしまうのではないでしょうか?そのため、治療を少量で1週間に1錠、2週間に1錠であれば、ガン細胞の変身ストッパーを外す時間がかかって、7年〜14年以上延ばすことが出来るかもしれません。
教科書的の知識だけが、常に正しいとは限りません。教科書的な知識の境界線を超えるような柔軟な発想で、目の前の事実の本質を見極めるべきです。

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前立腺ガンとフリバス

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今回の泌尿器科学会で興味を引いたのが、東京大学の先生が発表した下記のPDFファイルの報告です。
「jua2018_1297_unit_prog_ext_ja.pdf」をダウンロード


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【背景】
我々は前回の研究で、ナフトピジルががん細胞にアポトー シスを誘導し増殖を抑制させること、後ろ向きではあるがタムス ロシン内服群(3.1%)に比べてナフトピジル内服群(1.8%)で 前立腺がんの発生率が有意に低いことを見出した。そこで今回、 前向きの無作為化比較研究でナフトピジルの前立腺がん発生予 防効果について検証研究を計画した。
【方法】
本研究は多施設共同非盲検無作為化比較試験である。初 回前立腺針生検で陰性だった前立腺肥大症症例のうち、すべての 選択基準を満足し、除外基準に抵触しない症例を対象に、ナフト ピジル投与群、非投与群に無作為に割付後、1 年毎に血清 PSA 値を測定する。血清PSA値が前回生検前直近値より上昇した場 合には前立腺針生検を行い前立腺がんの有無を確かめる。登録 割付日から前立腺がんの判定日までの期間を主要評価項目とし Kaplan-Meier法を用いて各群の前立腺がんイベント発症確率を 求め、log-rank検定により群間比較を行う。
【考察】
ドキサゾシンやテラゾシンなどのα1アドレナリン受容 体遮断薬がアポトーシスを起こしてがん細胞の増殖を抑制する ことは1994年から報告されている。その後、アポトーシスを誘 導する経路はα1アドレナリン受容体を介さない事、タムスロシ ンなど一部のα1アドレナリン受容体遮断薬ではアポトーシス を誘導する効果がないことなどが報告され、2007 年には後ろ向 きの研究であるがドキサゾシン、テラゾシンの内服者は非内服 者に比べ前立腺がんの発生率が低かった(1.65% vs 2.41%)と Harris らが報告した。ナフトピジルはα1アドレナリン受容体 サブタイプBへの親和性が低く血圧低下の作用が少ない薬剤で、 日本では前立腺肥大症の治療に使用されており、2008 年に神田 らから前立腺がん細胞株の増殖を抑制すると報告された。 本研 究はα1アドレナリン受容体遮断薬が前立腺がんの発生率に影 響するか検証する初めての前向き臨床研究である。  
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ナフトビジル(商品名:フリバス)が前立腺ガンを自滅(アポトーシスapoptosis)させる作用があることが分かりました。アルファ・ブロッカーであるフリバスにこのような作用があるとは‼️ビックリです。排尿障害の治療薬としては、ユリーフ>>ハルナール>>フリバスのイメージでした。
それが事実であるのならば、前立腺肥大症などの排尿障害の症状がなくても、フリバスを前立腺ガンの治療薬として併用した方が良いことが理解できます。今後はフリバスの出番が多くなるでしょう。
フリバスは平滑筋に影響するクスリです。それからすると、平滑筋に効果のあるイソフラボンや正露丸も効果があるかもしれません。

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ガンの5年生存率(週刊現代の記事から)

今日4月2日月曜日に発売された週刊現代で、治る「がん」治らない「がん」というテーマの記事がありました。記事の根拠になるデータは、全国がんセンター協議会の統計から得ているそうです。
各臓器のガンを年代別(50代・60代・70代)・ステージ別(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)で記載されています。ガンの特徴を著しく表現できるのが、60代のステージⅢ(臓器の外側に浸潤)だと思います。そこで、ここに簡単にまとめてみました。
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肺がん: 35.1%
胃がん: 49.4%
直腸がん: 89.3%
結腸がん: 87.8%
肝臓がん: 8.4%★
膵臓がん: 6.0%★
腎臓がん: 58.2%
食道がん: 42.3%
胆嚢がん: 10.9%★
前立腺がん: 100.0%※
膀胱がん: 58.9%
甲状腺がん: 99.3%※
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このデータを見て、いかが思われましたか?
ガンとして恐怖しなければならないのは、生存率70%以下のガンだと思います。なぜなら3人に1人が5年持たないからです。そのようなガンが、肺がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がん、食道がん、胆嚢がん、膀胱がんです。特に、★で印したガンは、5年間に10人に1人しか生き残れません。
それらのガンと比較すると、前立腺がんや甲状腺がんは、同じガンとは思えません。有名な先生が唱えた「ガンもどき」と考えることができます。
記事の中では、前立腺がんは治療法が進歩したので、生存率が良くなったと言うことでした。それにしても、前立腺がんと甲状腺がんの生存率は断トツで高過ぎませんか?そういう意味では、前立腺がんは、「ガンもどき」かもしれません。前立腺の中に眠っている時は、「ガンもどき」で針生検で発見されると「癌」になってしまうのかもしれません。もちろん、「ガンもどき」から「癌」になるものもあるでしょう。そのタイミングを見つけるのが、PSA検査+触診+エコー検査かもしれません。

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前立腺ガンとBRCA遺伝子

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Img_0991アンジェリーナ・ジョリーというアメリカの有名なハリウッド女優さんが、乳がん遺伝子のリスクがあるので、乳房摘出と卵巣摘出を時間を置いて行いました。その遺伝子がBRCA1と2と言う癌抑制遺伝子の変異だったのです。この2つの遺伝子の変異が、乳がんと卵巣ガンの発生リスクを高める上に、遺伝するのです。
血縁関係(祖母・母・叔母など)の中に乳ガンや卵巣ガンの体験者が存在した場合は、ご自分の遺伝子のBRCA1/2遺伝子に変異がある可能性が高くなります。

Img_0879この2つのBRCA遺伝子の変異が、実は、男性の前立腺ガンにも深く関わっているのです。血縁関係に乳ガンと卵巣ガンの体験者が存在する場合、もしかするとBRCA1・2遺伝子の変異がある遺伝性ガン体質の可能性があると、男性であっても安心は出来ません。何故なら、その遺伝子変異は、イラストのように男女関係なく遺伝して男性にも伝わり、それが前立腺ガンの発症リスクになると言うのです。その遺伝子変異が原因で生じた前立腺ガンは、かなりの確率で転移性の前立腺ガン、すなわち、悪性度の高い前立腺ガンになるのです。

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そんな能力を秘めたエリート前立腺ガンは、ホルモン治療や抗ガン剤にも抵抗力の強い去勢抵抗性前立腺ガンになるのです。そのような患者さんの場合、治療手段がない訳ではありません。
実は、BRCA遺伝子変異を修復させる治療薬リムパーザを投与すると、効果がかなり出てくるようです。

血筋の身内に卵巣ガンや乳ガンの女性がいる男性の場合、遺伝子チェックして、もしもBRCA1/2遺伝子の変異が認められたら、40歳過ぎたらPSAチェックを頻繁に行い、あるいは女優のアンジェリーナ・ジェリーと同じく事前に前立腺を摘出するという方法もあります。

前立腺ガンの治療法の選択に迷った時には、BRCA遺伝子の変異を調べると良いかも知れません。なぜなら、変異が認められたら、悪性度の高い前立腺ガンの可能性が高いので、サッサと手術して前立腺を除去した方が良いかも知れません。前立腺ガンの悪性度を高める理由は幾つかかあるかも知れませんが、このBRCA遺伝子変異がその1つです。


BRCA遺伝子のチェックは、下記の医療機関でできます。
自費で20万円~30万円位です。
HBOC(遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)協会のホームページ
http://hboc.jp/facilities/index.html

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前立腺ガンの年齢階層別推移

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前立腺ガンの罹患数を年代別に観察すると、グラフのようになります。(2016年統計)
40歳過ぎてから、罹患数は急激に上昇します。

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前立腺ガンのラテント癌の潜伏率と、年代別の増加推移を比較したグラフです。
年齢を重ねる毎に潜伏率は増えます。この曲線と前立腺ガンの罹患数の増加曲線が近似したものになります。
つまり、罹患数の増加は、加齢に伴うラテント癌の潜伏率に比例しているのです。
もしも男性全員に前立腺針生検を実施すれば、罹患数はこんなものでは終わりません。桁が2桁は多くなります。80代は、930万人存在しますから、ラテント癌は、465万人存在することになります。

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初めのグラフと男性生涯の男性ホルモン(テストステロン)の推移を比較すると、このグラフになります。
男性ホルモンが下降に沿って、次第に前立腺ガンの罹患数が増加しているように見えます。
前立腺は男性ホルモンの低下、特に60歳を越えたテストステロンが最盛期に60%に低下した時を境に、その変化を引金にして前立腺ガンが発生すると考えられます。
これから、考えると更年期前後でテストステロンの補充療法が前立腺ガンの抑制効果が得られるかも知れません。

要するに、前立腺ガンの罹患率は、
①年齢による潜伏率
②年齢によるテストステロンの低下
に相関しています。つまり前立腺癌は年齢とともに増加する自然現象です。その自然現象に針生検で刺激することが、寿命に影響するガン細胞に変身するのではないでしょうか?

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前立腺の基礎医学♯4(臨床医学的観点)

【臨床学・泌尿器科学的観点】
前立腺の病気で問題になるのが、次のものです。
❶急性前立腺炎
❷慢性前立腺炎
❸膀胱頚部硬化症
❹前立腺肥大症
❺前立腺ガン
❻男子不妊症
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❶急性前立腺炎
突然の細菌感染と誤診されることが多いのが現実です。急性前立腺炎になる患者さんには、必ず排尿障害が隠れています。一般的には、膀胱頚部硬化症です。排尿障害があると、排尿の度ごとに前立腺は圧迫と振動を繰り返し受けます。その物理的刺激により前立腺内の白血球は過剰に反応し易くなります。そのため、前立腺内の常在菌に過剰反応すると、急性前立腺炎になるのです。

❷慢性前立腺炎
急性前立腺炎を繰り返す患者さんに、慢性前立腺炎症状が発症することが多いのが現実です。理由は、急性前立腺炎と同じで、膀胱頚部硬化症による排尿障害が慢性的に繰り返し繰り返し前立腺を刺激する結果です。この慢性的刺激により、前立腺が神経的に過敏になり、慢性前立腺炎症状になるのです。ですから、抗生剤や抗菌剤を服用しても本質の治療にはなりません。興奮した白血球や常在菌を抑えるだけです。

Img_0904❸膀胱頚部硬化症
生まれつき、膀胱頚部が排尿時に漏斗状に開き難い人が、一定の確率で存在します。そのため、膀胱出口が十分に開きません。膀胱出口が排尿の度ごとに、膀胱出口が振動します。結果、膀胱出口が硬くなり膀胱頚部硬化症になり、前立腺に振動負荷がかかり、前立腺の機能低下や前立腺の膀胱内への突出を促すため、なお一層排尿障害が強くなります。前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSA値が高くなります。この写真は、慢性前立腺炎と診断された患者さんのエコー所見です。膀胱三角部の突出=膀胱の魚の目が確認出来ます。

Img_0902❹前立腺肥大症
食生活の向上により、前立腺肥大症の要素である平滑筋が大量に造られ易くなります。
また、先の膀胱頚部硬化症による物理的振動エネルギーが刺激になって、前立腺肥大症を促進します。ですから、前立腺肥大症の患者さんの多くが、もともと膀胱頚部硬化症があり、排尿障害症状の主な原因が、前立腺肥大症の大きさではなく、膀胱頚部硬化症なのです。その証拠に、前立腺肥大症の症状の強い患者さんに膀胱出口の緊張を和らげるαブロッカー(ユリーフ・ハルナール・フリバス)服用するだけで、前立腺の大きさを無視しても、症状が軽減することが多いのです。前立腺肥大症の大きさが、正常の2倍であれば、PSA値も2倍になります。

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❺前立腺ガン
発生学で解説したように、前立腺外腺はいくつもの刺激を受けます。
⑴胎児期に性別分化のための一時的なテストステロンの刺激
⑵出産直後の大量のテストステロンの刺激
⑶思春期の大量のテストステロンの刺激
⑷更年期以降のテストステロンの減少の刺激
⑸中高年以降の前立腺肥大症による圧迫と排尿障害の排尿時の振動刺激
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少なくても5つの刺激要素で、前立腺の外腺は一生かけて5回の刺激を受けるのです。これほど物理的・ホルモン的刺激を受ける分泌腺が他にあるでしょうか?その結果、癌細胞が発生しても不思議ではないでしょう。この写真は、PSA値が高く来院された患者さんのエコー所見です。小さな前立腺ガン(赤い矢印)が外腺に認められます。

❻男子不妊症
生理学で解説したように、前立腺の分泌する前立腺液は、精子の活動にとって必須の要素です。排尿障害による前立腺の物理的疲労は、分泌腺としての前立腺液が質・量ともに十分に分泌されなくなります。その結果、男子不妊症になるのです。したがって、男子不妊症の患者さんに遭遇いたら、排尿障害を見つけ出して治療して、前立腺の負担を解除し、前立腺液が正常に快復させるのです。
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私の考え方は、とても偏向的です。何にが何でも膀胱頚部硬化症が原因だという考え方です。私は完璧な人間ではありませんから、誤診した時はご免なさい。

【参考文献】
男の更年期 日東書院

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