前立腺癌の文献・統計・学会報告

前立腺のラテント癌



PSA検査値が少しでも高いと、「前立腺ガンだ!ガンだ!ガンだ!」と決め付けて針生検を何回も何回も行います。マレにガン細胞が、発見されることがありますが、多くは良性に近いグリソンスコア5〜6です。

前立腺ガン、特にラテント癌は、加齢とともにかなりの確率で増えます。E77ae20c376146e9a511345b46e04cd0 1987年に友人の和田医師が発表した前立腺ガンでは死亡しなかった患者さんの前立腺病理結果です。前立腺ガンの潜伏率は表のようです。
❶80歳代50%→80%以上
❷70歳代33%→60%〜80%
❸60歳代22%→50%〜60%
❹50歳代12%→40%〜
❺40歳代 6%→40%
当時から30年以上も経過した現在に至ると、30%以上も確率が高くなっています。

56d44393e9934dca9bf8b5742e73e9a1 また同じ研究で2枚目の表のように、前立腺が大きければ大きいほど前立腺ガンの存在率が高まります。
❶前立腺の大きさが60cc以上であれば、75%存在する。
❷大きさが10cc以上であれば、20%〜30%存在する。

 

8672427dbb9b4011975b72b48b76d122 この証拠に、最近では前立腺肥大症が増えているので、それに比例して前立腺ガン・ラテント癌が増えているのです。

98269464f72545e1b1697a4a8b566ec1 統計的に前立腺肥大症は、80歳までに80%の男性が前立腺肥大症です。ラテント癌が増加するのは当然でしょう。

前立腺肥大症の増加→排尿障害の増加→前立腺針生検の増加→ラテント癌の発見増加→前立腺針生検で刺激され、ホルモン治療で刺激されたラテント癌の悪性化→前立腺ガンの死因の増加

ですからPSAが多少高くても、触診でガンが触れなければ、様子を見るだけにするべきです。

 

 

 

 

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PSAが高くなる理由



Psasyst1PSAは前立腺の腺腔に溜められているタンパク質分解酵素です。精子が自由に動けて妊娠の可能性を高くする酵素です。精液をサラサラにするのです。

PSAがタンパク分解酵素ですから、目的の精液以外に触れると悪影響があるかもしれません。そのために前立腺細胞で囲まれているのです。しかし初めのイラストに示すように漏れ出てしまうことがあるのです。
❶前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症があると排尿の都度前立腺に圧力がかかりPSAが漏れ出ます。
❷前立腺ガン細胞だあると、正常の前立腺細胞よりもシールドが不完全なのでPSAが漏れ出てしまいます。
❸過去にPSAが高いと前立腺針生検をされていると、後遺症で穴が開いてPSAがさらに高くなります。すると、前立腺ガンが増加したと、何回も前立腺針生検をしてしまうのです。
❹生まれつき前立腺にすき間の開いている人がいます。当然、PSAは高くなります。



Psasyst2 以上のことから分かるように、PSAは前立腺ガンだけで高くなる訳ではありません。ですからPSAが高いからと言って何も考えずに前立腺針生検を行うのは・・・問題です。
私は2枚目のイラストのように対処しています。
❶触診で前立腺ガンが触れなければ、PSAが高くなる原因のほとんどが排尿障害です。前立腺に隠れた前立腺ガンを発見するために針生検を行うと、刺激されたガン細胞が増殖し、さらに悪性度が増すのです。
❷触診で前立腺ガンが触れても、針生検をしないで治療を行えば、寿命に影響しません。

これらを色々考えて治療方法を考えるべきです。

 

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レントゲン検査の弊害?

6e924f682450408daaa7abe9ee4daa0f健康診断や人間ドックなどで胸のレントゲン検査(胸部XP)を行います。特に、ガンの患者さんは、定期的に胸部XPを肺転移を確認するために行います。

ところが、レントゲン検査を拒否される患者さんが結構います。また、レントゲンで肺ガンができるからと言われる医師もいます。

私たちの日常環境では、太陽光線に放射線が混じっていますし、食べ物の中にも、わずかですが、放射性物質が混じっていて、それを私たちは食べているのです。

あるネズミの実験で、餌に放射性物質をゼロにしで、放射線が入らない特殊な部屋で飼育しました。すると、1週間もしない短期間でネズミは死んでしまったのです。

今から30年以上も前の1982年に台湾で建てられた1万人が居住するマンションがありました。建築後の10年後にそこに住んでいる子どもたちが、たまたまガイガーカウンター(放射線探知機)を手に入れて、遊んでいました。すると、驚いたことに、マンションのどこでもガイガーカウンターが「ガーガーガー」と大きな警笛を鳴らすのです。

そこで国が調べてみると、マンションの鉄骨の中に、建築業者のミスか不良品かで、放射性物質コバルト60が混入した鉄骨を使用してしまったのです。当然、マンションはすべて壊されました。そこで、興味を持った医師・研究者たちが、マンション住民のその後を10年間調査したのです。普通で考えれば、放射線を長期間大量に浴びたために、ガン患者さんが大量に発生すると思われたのです。………ところが、台湾の一般の人々のガン発生率と比較しても、一人もガン患者は出なかったのです。

それを機会に、微量放射線治療を実施する代替医療の医師たちが存在します。それを放射線ホルミシス研究と呼びます。有名な先生が、テレビにたびたび出演する川嶋朗先生です。昔、心身医学研究会の理事長で、私も理事のひとりでした。医療に関して仲良く議論していました。

5ed9921777d04a68b4a2cc994a08f449放射線は体内の電解質や酵素やホルモンに当たると、イオン化させて活性化させるのです。その活性化がないと、生命は生きていけないのです。例えば、暖炉・溶解炉・火力発電機に燃料である木材・石油・石炭が入っていても、火を付けなければ、暖炉・溶解炉・火力発電機は活動しません。暖炉・溶解炉・火力発電機と木材・石油・石炭が生命体で、付け火が放射線と考えれば分かりやすいでしょう。適度の放射線を浴びなければ、人間は充実した生き方が出来ないのです。むしろ早く死んでしまうのです。

http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/daitai/2008/11/post-22ce.html

旅客機のパイロットは、一般的にみんな長生きです。1万メートルの高さで飛行すると、陸上で浴びる放射線よりもはるかに多いのです。つまり、放射線をたくさん浴びることで長生きするのです。また、パイロット経験者は髪の毛が薄い人も多いのです(笑)。

以上の観点から、わざわざX線を浴びる必要はありませんが、太陽光線にも放射線が微量ながら入っています。お日様に毎日当たることは健康に良いのです。ですから、朝起きたら朝日を浴びて、お天気の日には、日光に当たるように、なるべく散歩をしましょう。また、最近話題になっている大人も子どもの「引きこもり」を続けると、陽の光を浴びないので、心身ともにダメになるのです。過去に原子爆弾を2つも被害を受けた日本では、放射線=悪の根源と思われても仕方ないのです。しかし、放射線の強さによって、さまざまな有効な現象があるのも事実です。

 

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前立腺ガンの性格


926325e66a47463789354919242fee71 前立腺ガンは、ご存知のように多くが前立腺の外腺から発生します。外腺はそれまで散々内腺と硬〜い前立腺被膜によって挟まれ圧迫され続けたのです。そんな時に更年期になり頑張っていたエネルギーの男性ホルモンが一気に低下したために、男性ホルモンに依存していた外腺の細胞が、体質的にさらに苦しくなり、才能のある前立腺細胞が、遂に男性ホルモンを究極作ることのできるガン細胞に変身したのです。つまり、前立腺外腺の細胞は物理的にもホルモン的にも、常に緊張状態が続いた結果です。前立腺外腺は生まれてから更年期に至るまで、一生緊張状態にあったとも言えます。

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さらに検査のための針生検で刺激(攻撃)され、ホルモン治療で刺激(攻撃)される訳ですから、ず〜っと緊張しっぱなしです。刺激されれば刺激されるほど、攻撃されれば攻撃されるほど、才能のある前立腺ガンは抵抗力を増して前立腺ガンの悪性度を高める=男性ホルモンを作ることのできる=去勢抵抗性前立腺ガンの原因になるかも知れません。でしたら、ガン細胞が緊張しないように『リラックス』させてあげれば良いことになります。

ガン細胞の緊張を解くリラックスさせる方法を考えてみました。

❶排尿機能障害の治療薬であるα1ブロッカーのフリバスが、前立腺ガンの再発を抑えてくれるという文献データがありました。α1ブロッカーは平滑筋だけでなく、その他の細胞の緊張をも解いてくれるのでしよう。それを元に、当院で前立腺ガンの患者さんにはフリバスを処方しています。でも、効いているとは思えない患者さんもおられます。これは、フリバスの作用するα1受容体が主にα1‐d受容体で、前立腺ガンによってはα1‐d受容体が存在しないので、フリバスを処方してもガン細胞の緊張が取れないのでしょう。

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❷やはり排尿機能障害の治療薬であるザルティア=タダラフィルは、細胞膜表面の受容体を介さないで全ての細胞の緊張を抑えてリラックスさせてくれます。細胞が裸でゆっくりとお風呂に入っているイメージです。当然、前立腺ガン細胞も同じで、リラックスして緊張も取れるでしょう。緊張が取れれば、裸ですから防御能力は低下して、医師の行う様々な治療攻撃に負けてしまうのです。

ですから、今後の前立腺ガンの患者さんには、前立腺ガン細胞をリラックスさせる排尿機能障害の治療薬であるフリバスと、さらにザルティアを処方するつもりです。もちろん、この考えは私の思い付きですから、正しいかどうかは、今後を観ていかなければ分かりません。

 

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前立腺肥大症の割合とラテント癌

Bphglaf現在の日本人は、80歳までに80%の人が前立腺肥大症になると言われています。

このグラフは、An Atlas of PROSTATIC DISEASEというイギリスの専門書に掲載されているグラフを改変したものです。赤い折れ線グラフは亡くなられた人の解剖の結果で、前立腺肥大症の割合を表しています。年齢数字の下に記載されている(数字)は剖検数・解剖数です。緑の折れ線グラフは別の統計結果で、臨床的に前立腺肥大症(症候性前立腺肥大症)の割合を表しています。解剖学的にも臨床的なにも割合はほぼ同じです。

これらグラフはイギリスのデータですが、日本人でもほぼ同じとされています。では何故?こんなに日本人男性も前立腺肥大症が増えてくるのでしょうか?私が研修医の頃は、80歳までに前立腺肥大症になるのは、20%くらい、つまり5人に1人でした。ほとんどの人は前立腺が萎縮していました。今の泌尿器科医師は過去に比べて、前立腺肥大症だけに関して言えば、需要が4倍も増したことになります。

その理由は2つあると思われます。

1つは平均寿命が延びたという事です。40年前は今の20%でしたから、80%の人は前立腺肥大症ではなかったと言う事を考えれば、前立腺肥大症になる人は短命だと考えられます。

2つ目は、栄養状態が良くなったのが、前立腺肥大症の増殖を刺激しているのでしょう。つまり栄養状態良好が短命な前立腺肥大症の患者さんの延命効果があるとも言えます。

Bphpcaこのグラフは、前立腺肥大症の年齢別の発生割合と、前立腺ラテント癌の年齢別の発生割合を比較したグラフです。後輩に和田鉄郎先生の研究結果です。前立腺肥大症の割合が増えると、同調するようにラテント癌も増えています。前立腺肥大症と前立腺ガンは無関係と思われますが、何故、このようにガンが増えるのでしょうか?それには理由があります。

Bphstage前立腺の外腺は、胎児の初期の男性ホルモン上昇で始めて生まれます。出生直後に再び男性ホルモンが上昇して前立腺の内腺が生まれるのです。子供が成長して思春期に入ると、男性ホルモンが長期間高くなるので、前立腺が完成します。そして更年期前後から男性ホルモンが確実に低下していきます。その時期くらいから、前立腺肥大症の患者さんが増えます。

前立腺の外腺から見ると、次の環境です。

🔲ホルモンレベルでは、男性ホルモンの上昇が3回、明確な下降が1回の計4回です。(①〜④)

🔲物理的刺激は、⑤出産直後に内腺ができ、初めて外腺が圧迫されます。⑥思春期になり内腺が成長して外腺はさらに圧迫されます。⑦そして更年期前後から内腺が前立腺肥大症になり、さらに外腺は強烈に圧迫されるのです。

Bphstage2結果、外腺は生まれてから7回(ホルモン刺激4回+物理的刺激3回)も受け続けるのです。内蔵でこれほど刺激を受ける臓器があるでしょうか?結局、前立腺外腺からガン細胞が生まれるのです。

ただこの時点では、沈黙した悪性度の低いラテント癌ですが、では何故に死に至るような前立腺ガンになるのでしょうか?その理由は、排尿機能障害による前立腺に対する物理的負荷が、PSA値を高めてしまうため、ワンパターン思考の医師によって前立腺針生検をされ、8回目の強烈な刺激を受ける結果😱、死に至る悪性度の高い前立腺ガンに変身☠️させているのです。

 

 

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日米の前立腺ガン比較

7498e69a9cc3438a95b2ad9c3efd6300日米の前立腺ガンの発生率(10万人当たり)年齢別の比較したグラフがこれです。こんなに格差のある前立腺ガンの多いアメリカでは、PSA検査を行うのを条件付きの制限を加えています。

何故、アメリカではPSA検査を日本のように自由にしなかったのか?実は、PSA検査はアメリカで考案・普及した検査です。PSA検査の考案者は、転移した前立腺ガンの状況を把握・確認するための検査として開発したのでした。ところが、『PSA検査で前立腺ガンを早期発見ができるかも知れない?』と考えた医師や企業が、PSA検査・検診を普及させたのです。

その結果、寿命に影響のない、治療の必要のないラテント癌を発見し、「そ〜ら!ヤッパリ前立腺ガンですね!」と言って積極的な治療(前立腺全摘手術、放射線治療)、あるいは保存的治療を行いますが、患者さんは『癌だ!ガンだ!がんだ〜!』と常に神経症にさせてしまい、その後の人生のクオリティーが下げてしまうのです。

では何故、アメリカで開発したPSA検査が、アメリカで普及し、日本の3倍以上の人口のアメリカで、日本の7倍以上の前立腺ガン(3✖️7=21、実質的に日本の21倍以上)を発見したにも関わらず、アメリカではPSA検査を制限したのでしょうか?その理由は政府の要請で、寿命に影響しない前立腺ガンを必要以上に発見し、治療することで患者さんの精神的・肉体的後遺症を作るので、患者さんにとっては統計的には不利益であると評価されたからです。

PSA検査を輸入した日本では、アメリカでの経過を無視して、日本独自の統計結果を優先して、「PSA検査!PSA検査!針生検!針生検!ガンだ!ガンだ!」と固執するのです。統計は研究者の意思により統計結果は容易に変えることができます。日本の泌尿器科学会が根拠にするヨーロッパの前立腺ガンPSA検診鯛規模調査ERSPC文献をよく読むと、結果は反対にも解釈できる中途半端な文献でした。

日本がPSA検査・PSA検診に固執するには、それなりの理由があるのです。アメリカでは前立腺ガンを除いても、泌尿器科の病気がはるかに多いのでPSA検査で前立腺ガンを発見しなくても、泌尿器科学会の収入ははるかに多いのです。ですから、アメリカ政府のPSA検査の評価に対して、簡単に受け入れたのでしょう。またアメリカは自由診療で治療の単価も高額なのです。例えば、盲腸の虫垂炎手術治療は一泊二日で100万円を超えます。でも日本では健康保険制度が確立し、また政府の決めた治療費の単価も安いのです。そして人種の違いにより泌尿器科疾患がアメリカに比べてはるかに少ないのです。せっかくPSA検査で泌尿器科がやっと注目を浴び、また健康診断や人間ドックの結果で泌尿器科に紹介される患者さんは今まではほとんどなかったのに、PSA検査のお陰で人気の診療科目になったのですから、それを泌尿器科学会が拒否するとは到底思えません。

 

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前立腺がんと大豆イソフラボン

米国がん学会で2005年(平成15年)に発表があった文献の内容をここでご紹介します。

Pcainvitroハーバード大学医学部とイソフラボンの会社(ニチモウ・バイオテックス(株))の共同研究の報告です。乳がん細胞と前立腺がん細胞を利用したイン・ビトロ(in vitro試験管・培養器)実験です。

乳がん細胞と前立腺がん細胞をそれぞれ培養器に入れ増殖させます。2つのグループに分け、そのまま増殖させるグループと、イソフラボンを注入したグループに分けるのです。そしてがん細胞の増殖の経過を観察したのです。

初めのグラフは、前立腺がん細胞の増殖率の比較です。通常に培養したコントロール群の増殖率を100%とすると、イソフラボン(Agly Max)群の増殖率は32.2%です。その差は何と67.8%にも及ぶのです。イソフラボンの培養液で育った前立腺がん細胞の増殖率は、通常のがん細胞の増殖率の3分の1になるのです。生体内でも同じ条件だとすれば、前立腺がんになってしまった患者さんがイソフラボン(Agly Max)を服用すれば、服用しない患者さんと比較して3倍長生きできることになります。乳がん細胞の場合も前立腺がん細胞とほぼ同じで、その差が63.9%でした。

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次に、前立腺がん細胞の培養中のアポトーシス(細胞の死滅)を比較すると、イソフラボンで培養した前立腺がん細胞のアポトーシス(細胞の死滅)率は20.7%でした。つまり培養したがん細胞の5分の1が死滅したのです。乳がん細胞のアポトーシス死滅率は16.5%でした。

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この実験のキッカケは、乳がんと前立腺がんの罹患率を比べると、アジア人の発症率が西洋人に比べてはるかに少ない事実からです。 その理由は何か?と考えた時に食習慣、特に大豆食品の摂取量に可能性を指摘されたのです。そして、大豆の摂取量が多いほど、これらのガンの発生率が低いのでした。当然、大豆の何らかの成分が、これらのガンの発生率を抑えていると考えられたのです。大豆と言えば、イソフラボンです。

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上のグラフは乳がんで下のグラフは前立腺がんの日米比較のグラフです。この両方のグラフを見ると、日本と比較してアメリカでは、断トツにそれぞれの癌の発症率は高いのです。

これから分かるように、納豆・味噌汁などの大豆食品の摂取している日本人の方が、はるかにガンの発生率は少ないのです。しかし、最近の日本人の食習慣も変わり、毎日納豆を食べ味噌汁を飲む人は少なくなってきています。それから考えると、徐々に乳がんも前立腺がんも次第に増加してくるでしょう。

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これらのサプリメントを服用すれば、抗がん剤を服用しなくても、ガンの成長や勢いや増大をある程度抑える可能性があると考えられます。神経質でガン神経症の人にはオススメです。このページでご紹介した大豆イソフラボンは、ニチモウ・バイオテックス(株)のアグリマックスというサプリメントです。乳がんや前立腺がんの患者さんやこれらの病気の疑いをかけられている人は、このサプリメントをオススメします。ご希望の方は、右のパンフレットをお読みください。

http://draglymax.jp/

クリニックID 5045900

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去勢抵抗性前立腺ガンCRPCの発現率

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前立腺ガンを標準治療でテストステロン(男性ホルモン)を抑制するホルモン治療を行うと、4年~5年で効かなくなります。この状態の前立腺ガンを去勢抵抗性前立腺ガンCRPCと呼びます。

どの程度の頻度で、この状態になるのか明確に記された文献がないので、いろいろ調べてみました。すると、こんな表を見つけました。癌が骨転移する確率と、その予後(生存期間)です。
前立腺ガンの場合、骨転移が発現する確率が、【65%~75%】とかなりの高さです。2人に1人以上の危険率で骨に転移したということになります。ただし、初めから骨に転移した人は別です。ホルモン治療しているにもかかわらず、骨にガン細胞が転移すると言う事は、すなわち、ホルモン治療では抑えることが出来なくなった前立腺ガンと言うことになります。つまり、【骨転移≒去勢抵抗性前立腺ガン】ということです。

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先の表と同じサイトには、前立腺ガンの治療経過を示すイラストが併記されています。
このように、治療法・治療経過がイラストで表示できるほど、決まりきった前立腺ガンの個性なのです。では、どうして前立腺ガンは、このような性格が出てくるのでしようか?

前立腺ガンに、この特有な個性を促した要素かあるかもしれません。治療する前と後では、何が違うかと言うと、毎日のホルモン治療がキッカケです。ホルモン治療は、前立腺ガンを相当抑えることは出来ますが、完璧ではありません。そのために、ガン細胞がバージョンアップして、去勢抵抗性前立腺ガンが生まれるのです。「毎日」の治療がいけないのです。ガン細胞に治療を気付かせるのが去勢抵抗性前立腺ガンが生まれる原因だと私は考えています。

もしそうだとしたら、毎日ではなく、ガン細胞が気付かせない治療法を選択すれば良いと思います。つまり、密かに計画的に気付かないようにガン細胞の食事に毒を盛るような暗殺をするのです。
もう1つの考え方として、毎日大量の薬を間断なく連続して治療を続けると、ガン細胞の変身のストッパーを毎日1個ずつ外してしまうのではないでしょうか?そのため、治療を少量で1週間に1錠、2週間に1錠であれば、ガン細胞の変身ストッパーを外す時間がかかって、7年〜14年以上延ばすことが出来るかもしれません。
教科書的の知識だけが、常に正しいとは限りません。教科書的な知識の境界線を超えるような柔軟な発想で、目の前の事実の本質を見極めるべきです。

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前立腺ガンとフリバス

Furivas

今回の泌尿器科学会で興味を引いたのが、東京大学の先生が発表した下記のPDFファイルの報告です。
「jua2018_1297_unit_prog_ext_ja.pdf」をダウンロード


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【背景】
我々は前回の研究で、ナフトピジルががん細胞にアポトー シスを誘導し増殖を抑制させること、後ろ向きではあるがタムス ロシン内服群(3.1%)に比べてナフトピジル内服群(1.8%)で 前立腺がんの発生率が有意に低いことを見出した。そこで今回、 前向きの無作為化比較研究でナフトピジルの前立腺がん発生予 防効果について検証研究を計画した。
【方法】
本研究は多施設共同非盲検無作為化比較試験である。初 回前立腺針生検で陰性だった前立腺肥大症症例のうち、すべての 選択基準を満足し、除外基準に抵触しない症例を対象に、ナフト ピジル投与群、非投与群に無作為に割付後、1 年毎に血清 PSA 値を測定する。血清PSA値が前回生検前直近値より上昇した場 合には前立腺針生検を行い前立腺がんの有無を確かめる。登録 割付日から前立腺がんの判定日までの期間を主要評価項目とし Kaplan-Meier法を用いて各群の前立腺がんイベント発症確率を 求め、log-rank検定により群間比較を行う。
【考察】
ドキサゾシンやテラゾシンなどのα1アドレナリン受容 体遮断薬がアポトーシスを起こしてがん細胞の増殖を抑制する ことは1994年から報告されている。その後、アポトーシスを誘 導する経路はα1アドレナリン受容体を介さない事、タムスロシ ンなど一部のα1アドレナリン受容体遮断薬ではアポトーシス を誘導する効果がないことなどが報告され、2007 年には後ろ向 きの研究であるがドキサゾシン、テラゾシンの内服者は非内服 者に比べ前立腺がんの発生率が低かった(1.65% vs 2.41%)と Harris らが報告した。ナフトピジルはα1アドレナリン受容体 サブタイプBへの親和性が低く血圧低下の作用が少ない薬剤で、 日本では前立腺肥大症の治療に使用されており、2008 年に神田 らから前立腺がん細胞株の増殖を抑制すると報告された。 本研 究はα1アドレナリン受容体遮断薬が前立腺がんの発生率に影 響するか検証する初めての前向き臨床研究である。  
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ナフトビジル(商品名:フリバス)が前立腺ガンを自滅(アポトーシスapoptosis)させる作用があることが分かりました。アルファ・ブロッカーであるフリバスにこのような作用があるとは‼️ビックリです。排尿障害の治療薬としては、ユリーフ>>ハルナール>>フリバスのイメージでした。
それが事実であるのならば、前立腺肥大症などの排尿障害の症状がなくても、フリバスを前立腺ガンの治療薬として併用した方が良いことが理解できます。今後はフリバスの出番が多くなるでしょう。
フリバスは平滑筋に影響するクスリです。それからすると、平滑筋に効果のあるイソフラボンや正露丸も効果があるかもしれません。

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ガンの5年生存率(週刊現代の記事から)

今日4月2日月曜日に発売された週刊現代で、治る「がん」治らない「がん」というテーマの記事がありました。記事の根拠になるデータは、全国がんセンター協議会の統計から得ているそうです。
各臓器のガンを年代別(50代・60代・70代)・ステージ別(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)で記載されています。ガンの特徴を著しく表現できるのが、60代のステージⅢ(臓器の外側に浸潤)だと思います。そこで、ここに簡単にまとめてみました。
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Syukangendai20184
肺がん: 35.1%
胃がん: 49.4%
直腸がん: 89.3%
結腸がん: 87.8%
肝臓がん: 8.4%★
膵臓がん: 6.0%★
腎臓がん: 58.2%
食道がん: 42.3%
胆嚢がん: 10.9%★
前立腺がん: 100.0%※
膀胱がん: 58.9%
甲状腺がん: 99.3%※
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このデータを見て、いかが思われましたか?
ガンとして恐怖しなければならないのは、生存率70%以下のガンだと思います。なぜなら3人に1人が5年持たないからです。そのようなガンが、肺がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がん、食道がん、胆嚢がん、膀胱がんです。特に、★で印したガンは、5年間に10人に1人しか生き残れません。
それらのガンと比較すると、前立腺がんや甲状腺がんは、同じガンとは思えません。有名な先生が唱えた「ガンもどき」と考えることができます。
記事の中では、前立腺がんは治療法が進歩したので、生存率が良くなったと言うことでした。それにしても、前立腺がんと甲状腺がんの生存率は断トツで高過ぎませんか?そういう意味では、前立腺がんは、「ガンもどき」かもしれません。前立腺の中に眠っている時は、「ガンもどき」で針生検で発見されると「癌」になってしまうのかもしれません。もちろん、「ガンもどき」から「癌」になるものもあるでしょう。そのタイミングを見つけるのが、PSA検査+触診+エコー検査かもしれません。

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