前立腺癌の文献・統計・学会報告

ガンの5年生存率(週刊現代の記事から)

今日4月2日月曜日に発売された週刊現代で、治る「がん」治らない「がん」というテーマの記事がありました。記事の根拠になるデータは、全国がんセンター協議会の統計から得ているそうです。
各臓器のガンを年代別(50代・60代・70代)・ステージ別(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ)で記載されています。ガンの特徴を著しく表現できるのが、60代のステージⅢ(臓器の外側に浸潤)だと思います。そこで、ここに簡単にまとめてみました。
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肺がん: 35.1%
胃がん: 49.4%
直腸がん: 89.3%
結腸がん: 87.8%
肝臓がん: 8.4%★
膵臓がん: 6.0%★
腎臓がん: 58.2%
食道がん: 42.3%
胆嚢がん: 10.9%★
前立腺がん: 100.0%※
膀胱がん: 58.9%
甲状腺がん: 99.3%※
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このデータを見て、いかが思われましたか?
ガンとして恐怖しなければならないのは、生存率70%以下のガンだと思います。なぜなら3人に1人が5年持たないからです。そのようなガンが、肺がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がん、食道がん、胆嚢がん、膀胱がんです。特に、★で印したガンは、5年間に10人に1人しか生き残れません。
それらのガンと比較すると、前立腺がんや甲状腺がんは、同じガンとは思えません。有名な先生が唱えた「ガンもどき」と考えることができます。
記事の中では、前立腺がんは治療法が進歩したので、生存率が良くなったと言うことでした。それにしても、前立腺がんと甲状腺がんの生存率は断トツで高過ぎませんか?そういう意味では、前立腺がんは、「ガンもどき」かもしれません。前立腺の中に眠っている時は、「ガンもどき」で針生検で発見されると「癌」になってしまうのかもしれません。もちろん、「ガンもどき」から「癌」になるものもあるでしょう。そのタイミングを見つけるのが、PSA検査+触診+エコー検査かもしれません。

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前立腺ガンとBRCA遺伝子

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Img_0991アンジェリーナ・ジョリーというアメリカの有名なハリウッド女優さんが、乳がん遺伝子のリスクがあるので、乳房摘出と卵巣摘出を時間を置いて行いました。その遺伝子がBRCA1と2と言う癌抑制遺伝子の変異だったのです。この2つの遺伝子の変異が、乳がんと卵巣ガンの発生リスクを高める上に、遺伝するのです。
血縁関係(祖母・母・叔母など)の中に乳ガンや卵巣ガンの体験者が存在した場合は、ご自分の遺伝子のBRCA1/2遺伝子に変異がある可能性が高くなります。

Img_0879この2つのBRCA遺伝子の変異が、実は、男性の前立腺ガンにも深く関わっているのです。血縁関係に乳ガンと卵巣ガンの体験者が存在する場合、もしかするとBRCA1・2遺伝子の変異がある遺伝性ガン体質の可能性があると、男性であっても安心は出来ません。何故なら、その遺伝子変異は、イラストのように男女関係なく遺伝して男性にも伝わり、それが前立腺ガンの発症リスクになると言うのです。その遺伝子変異が原因で生じた前立腺ガンは、かなりの確率で転移性の前立腺ガン、すなわち、悪性度の高い前立腺ガンになるのです。

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そんな能力を秘めたエリート前立腺ガンは、ホルモン治療や抗ガン剤にも抵抗力の強い去勢抵抗性前立腺ガンになるのです。そのような患者さんの場合、治療手段がない訳ではありません。
実は、BRCA遺伝子変異を修復させる治療薬リムパーザを投与すると、効果がかなり出てくるようです。

血筋の身内に卵巣ガンや乳ガンの女性がいる男性の場合、遺伝子チェックして、もしもBRCA1/2遺伝子の変異が認められたら、40歳過ぎたらPSAチェックを頻繁に行い、あるいは女優のアンジェリーナ・ジェリーと同じく事前に前立腺を摘出するという方法もあります。

前立腺ガンの治療法の選択に迷った時には、BRCA遺伝子の変異を調べると良いかも知れません。なぜなら、変異が認められたら、悪性度の高い前立腺ガンの可能性が高いので、サッサと手術して前立腺を除去した方が良いかも知れません。前立腺ガンの悪性度を高める理由は幾つかかあるかも知れませんが、このBRCA遺伝子変異がその1つです。


BRCA遺伝子のチェックは、下記の医療機関でできます。
自費で20万円~30万円位です。
HBOC(遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)協会のホームページ
http://hboc.jp/facilities/index.html

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前立腺ガンの年齢階層別推移

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前立腺ガンの罹患数を年代別に観察すると、グラフのようになります。(2016年統計)
40歳過ぎてから、罹患数は急激に上昇します。

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前立腺ガンのラテント癌の潜伏率と、年代別の増加推移を比較したグラフです。
年齢を重ねる毎に潜伏率は増えます。この曲線と前立腺ガンの罹患数の増加曲線が近似したものになります。
つまり、罹患数の増加は、加齢に伴うラテント癌の潜伏率に比例しているのです。
もしも男性全員に前立腺針生検を実施すれば、罹患数はこんなものでは終わりません。桁が2桁は多くなります。80代は、930万人存在しますから、ラテント癌は、465万人存在することになります。

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初めのグラフと男性生涯の男性ホルモン(テストステロン)の推移を比較すると、このグラフになります。
男性ホルモンが下降に沿って、次第に前立腺ガンの罹患数が増加しているように見えます。
前立腺は男性ホルモンの低下、特に60歳を越えたテストステロンが最盛期に60%に低下した時を境に、その変化を引金にして前立腺ガンが発生すると考えられます。
これから、考えると更年期前後でテストステロンの補充療法が前立腺ガンの抑制効果が得られるかも知れません。

要するに、前立腺ガンの罹患率は、
①年齢による潜伏率
②年齢によるテストステロンの低下
に相関しています。つまり前立腺癌は年齢とともに増加する自然現象です。その自然現象に針生検で刺激することが、寿命に影響するガン細胞に変身するのではないでしょうか?

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前立腺の基礎医学♯4(臨床医学的観点)

【臨床学・泌尿器科学的観点】
前立腺の病気で問題になるのが、次のものです。
❶急性前立腺炎
❷慢性前立腺炎
❸膀胱頚部硬化症
❹前立腺肥大症
❺前立腺ガン
❻男子不妊症
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❶急性前立腺炎
突然の細菌感染と誤診されることが多いのが現実です。急性前立腺炎になる患者さんには、必ず排尿障害が隠れています。一般的には、膀胱頚部硬化症です。排尿障害があると、排尿の度ごとに前立腺は圧迫と振動を繰り返し受けます。その物理的刺激により前立腺内の白血球は過剰に反応し易くなります。そのため、前立腺内の常在菌に過剰反応すると、急性前立腺炎になるのです。

❷慢性前立腺炎
急性前立腺炎を繰り返す患者さんに、慢性前立腺炎症状が発症することが多いのが現実です。理由は、急性前立腺炎と同じで、膀胱頚部硬化症による排尿障害が慢性的に繰り返し繰り返し前立腺を刺激する結果です。この慢性的刺激により、前立腺が神経的に過敏になり、慢性前立腺炎症状になるのです。ですから、抗生剤や抗菌剤を服用しても本質の治療にはなりません。興奮した白血球や常在菌を抑えるだけです。

Img_0904❸膀胱頚部硬化症
生まれつき、膀胱頚部が排尿時に漏斗状に開き難い人が、一定の確率で存在します。そのため、膀胱出口が十分に開きません。膀胱出口が排尿の度ごとに、膀胱出口が振動します。結果、膀胱出口が硬くなり膀胱頚部硬化症になり、前立腺に振動負荷がかかり、前立腺の機能低下や前立腺の膀胱内への突出を促すため、なお一層排尿障害が強くなります。前立腺ガンの腫瘍マーカーであるPSA値が高くなります。この写真は、慢性前立腺炎と診断された患者さんのエコー所見です。膀胱三角部の突出=膀胱の魚の目が確認出来ます。

Img_0902❹前立腺肥大症
食生活の向上により、前立腺肥大症の要素である平滑筋が大量に造られ易くなります。
また、先の膀胱頚部硬化症による物理的振動エネルギーが刺激になって、前立腺肥大症を促進します。ですから、前立腺肥大症の患者さんの多くが、もともと膀胱頚部硬化症があり、排尿障害症状の主な原因が、前立腺肥大症の大きさではなく、膀胱頚部硬化症なのです。その証拠に、前立腺肥大症の症状の強い患者さんに膀胱出口の緊張を和らげるαブロッカー(ユリーフ・ハルナール・フリバス)服用するだけで、前立腺の大きさを無視しても、症状が軽減することが多いのです。前立腺肥大症の大きさが、正常の2倍であれば、PSA値も2倍になります。

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❺前立腺ガン
発生学で解説したように、前立腺外腺はいくつもの刺激を受けます。
⑴胎児期に性別分化のための一時的なテストステロンの刺激
⑵出産直後の大量のテストステロンの刺激
⑶思春期の大量のテストステロンの刺激
⑷更年期以降のテストステロンの減少の刺激
⑸中高年以降の前立腺肥大症による圧迫と排尿障害の排尿時の振動刺激
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少なくても5つの刺激要素で、前立腺の外腺は一生かけて5回の刺激を受けるのです。これほど物理的・ホルモン的刺激を受ける分泌腺が他にあるでしょうか?その結果、癌細胞が発生しても不思議ではないでしょう。この写真は、PSA値が高く来院された患者さんのエコー所見です。小さな前立腺ガン(赤い矢印)が外腺に認められます。

❻男子不妊症
生理学で解説したように、前立腺の分泌する前立腺液は、精子の活動にとって必須の要素です。排尿障害による前立腺の物理的疲労は、分泌腺としての前立腺液が質・量ともに十分に分泌されなくなります。その結果、男子不妊症になるのです。したがって、男子不妊症の患者さんに遭遇いたら、排尿障害を見つけ出して治療して、前立腺の負担を解除し、前立腺液が正常に快復させるのです。
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私の考え方は、とても偏向的です。何にが何でも膀胱頚部硬化症が原因だという考え方です。私は完璧な人間ではありませんから、誤診した時はご免なさい。

【参考文献】
男の更年期 日東書院

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前立腺の基礎医学♯3(生理学的観点)

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前立腺は、4つの役目を担っています。
❶射精器としての前立腺。前立腺を収縮して、その収縮力で精液を体外に噴出させる。射精の押し出す力である。
❷分泌腺としての前立腺。前立腺液を分泌して、子孫繁栄に必要な精子の活動を援助する。
❸ミキサーとしての前立腺。精嚢腺液と前立腺液と精子をミックスする場となる。
❹整流装置としての前立腺。
❺ホルモン反応臓器として前立腺
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❸前立腺液の成分は次の通りです。
⑴弱酸性
精嚢腺液は、強アルカリ性pH7.5で、精子の活動を抑える作用があります。女性の膣内には殺菌作用のある乳酸菌の出す強酸性の乳酸に負けないように、弱酸性pH6.5の前立腺液と強アルカリの精嚢腺液が、適度に混ざって、弱アルカリ性の精液になるので、精子が元気に活動できるのです。
⑵アデノシン三リン酸ATP
精子はエネルギーの蓄えがありません。ミトコンドリアは持っているので、周囲の環境からミトコンドリアにエネルギーの補給の必要があります。そのエネルギーがATPなのです。
⑶PSA
精液の粘り気をサラサラにするのが、PSAというタンパク分解酵素です。精液をサラサラにすることで、精子の活動範囲が広くなって、卵子との遭遇する可能性が高くなる=妊娠し易くなるのです。このPSAが前立腺から漏れ出て血液中の濃度が高くなる事を前立腺ガンの目安=腫瘍マーカーになるのです。
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Img_0899❹整流装置としての前立腺
4センチという短く真っ直ぐな女性の尿道に比べ、男性の場合場合は約20センチと長い(膀胱出口から尿道出口)上に、少なくとも二カ所屈曲しています。前立腺から直ぐ出た所(尿道球部)で約90度曲がり、陰茎の根元(振子部)でまた90度曲がります。そのため、尿道が単なるホースであると、各曲がりの個所で流れの位相差が生じます。その結果、尿道出口から尿が出るときには尿が散ってしまいます。

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乱流・渦流を防止するために、スムーズな流れを作るための施しが、前立腺と尿道に工夫されています。
このイラストは、ある整流装置の説明図です。
何もしない管の中を流れる流体は、管の近辺に乱流・渦流が生じます。ちょうど、電車のホームに立っていて、急行や特急列車がそばを通過すると、電車に引き込まれるような突風が吹きます。あの突風が乱流です。乱流にしないためには、このイラストのような整流装置が必要になります。

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①整流装置としての精丘
前立腺の尿道括約筋手前に精丘(精阜せいふ)と呼ばれる突起が存在します。
ここを尿が流れると、先程の整流装置のように内側・中心部へ向かう渦が出来ます。すると、流れに速い部分と遅い部分になり、層流が出来ます。層流は整流になり、尿道近辺に渦が出来なくなります。
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この写真は、手術後の前立腺内部の内視鏡所見がです。丸い部分が精丘です。
②尿道全体が整流装置
排尿中は、膀胱出口の膀胱頚部や尿道全体がある一定の間隔で直径が変化・拍動します。直径が拍動することで渦流・乱流が出来なくなります。動脈が拍動するのは、乱流を防止して血栓を作らないためです。
前立腺肥大症になると拍動が起きないので、オシッコが散ったり割れたりするのです。
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❺ホルモン反応臓器としての前立腺
男性は生涯をかけて、このぐラグのように男性ホルモン=テストステロンの変化のピークが4回あります。
①胎児期、②出産直後、③思春期、④更年期です。
①胎児期:
第6週の胎児期に、性別を分けるためにテストステロンが予想以上に大量に分泌されます。その結果、前立腺芽が成長して前立腺になるのです。その際に、中心領域と辺縁領域が形成されます。しかし、前立腺肥大症の原因組織である移行領域は、いつ出来るのか不明です。
②出産直後:
出産後数ヶ月で再びテストステロンがピークを迎えます。おそらく、この時期に移行領域が発芽するのでしょう。そして、男としての骨格や筋肉の作られるキッカケにもなるのでしょう。
③思春期:
皆さんもご存知のように、十代後半から男性ホルモン=テストステロンが盛んに分泌され二十代でピークになります。この時期に男の子は男らしくなるのです。そしてある日、精液が出せるようになります。つまり、前立腺が完成するのです。恐らく、この時期に移行領域が成長発達し、エコー所見でも確認できる程の大きさボリュームになるのです。
④更年期:
それまで高かったテストステロン濃度も、45歳頃から分泌が徐々に低下していきます。50代で60%、60代で50%、70代で40%です。その分泌変化が刺激になり、前立腺の移行領域が前立腺肥大症に変化して行くのです。
⑤圧力も刺激?
思春期③を過ぎてから前立腺の移行領域は成長して体積が増えます。前立腺は、すでに存在する辺縁領域の外腺が、移行領域の内腺と硬〜い線維性の前立腺被膜の間に挟まれて圧迫されます。さらに更年期④を過ぎると内腺はますます大きくなり結果、前立腺肥大症になります。外腺はなお一層圧迫されます。ホルモン変化の刺激を4回、圧力刺激を2回もさらされて、外腺はトコトン刺激を受けます。この刺激が前立腺ガンを誕生させるキッカケになるのかも知れません。

【参考文献】
解剖学アトラス
男の更年期 日東書院

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前立腺の基礎医学♯2(解剖学的観点)

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【解剖学的観点】
今まで私たちが学んだ前立腺の知識は、構造的に内腺と外腺に分類されていました。前立腺肥大症は内腺から、前立腺癌は外腺から発生すると信じられています。

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しかし、新しい知識として、前立腺は移行領域、中心領域、辺縁領域に分けることが出来ます。
既存の知識である内腺は、移行領域と中心領域が融合して作られています。外腺は尿道括約筋付近から発生し外側に発育する辺縁領域です。移行領域は前立腺の前面から、中心領域は膀胱頚部から誕生するのです。尿道に沿って発育し、外腺の内側に存在します。つまり、尿道の周囲であるので、排尿の善し悪しに直接関わることになります。前立腺は尿道を挟んで、後側の上下からと前側の真ん中から発生するのです。
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内腺は、思春期の男性ホルモンであるテストステロンの分泌が盛んな思春期以降に更に発育し、更年期の男性ホルモン分泌が低下するタイミングで、その変化が刺激になって前立腺肥大症に変化するのは、納得できる反応です。しかし、移行領域と中心領域由来の内腺からの前立腺肥大症は、尿道に直結しているので、排尿障害に当然関与します。また、内腺部分が大きく発育しても、以前から存在する外腺に周囲を阻まれますから、抵抗のない膀胱側に発育するので、それが膀胱突出型の前立腺肥大症(中葉肥大型)になるのです。このタイプは、極めて排尿機能が低下します。

【参考文献】
解剖学アトラス
An Atlas of Prostatic Diseases 3rd edition


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前立腺の基礎医学#1(発生学的観点)

前立腺の病気を理解するためには、前立腺の本質を十分に知ることです。しかし、私も含めて臨床医は基礎医学をおろそかにしているので、臨床現場で応用が効かなくなるのです。基本に戻って、前立腺を見直してみましょう。
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【発生学的観点】
胎児第11週の時期に男性ホルモンのテストステロンが一定期間分泌され、その刺激で既にある尿道の原基から、次第に内胚葉性の前立腺芽が周囲の間葉組織中に浸入するように発育し始めます。それが前立腺になります。
第16週には、前立腺がほぼ完成します。この時期に前立腺に対して、精嚢腺に繋がった射精管と、尿管由来の膀胱三角部とが連結します。前者が子孫繁栄に、後者が排尿機能に重要な役割をします。つまり、子作りと排尿は、ほぼ同時に出来上がり、人間の存在には欠かせない二大巨頭になるのです。
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臨床的には、前立腺は、内腺と外腺の2つに区別することが出来ます。これは、発生の時期が異なるという事でしょう。しかし、発生学では、この根拠を見出すことは出来ません。尿道から前立腺が生まれたという事と、外腺が外側に位置するという事で、内腺の方が後から生まれた?、つまり、内腺の方が若いと言う事でしょうか?
そう考えると、外腺の誕生後しばらくしてから、男性ホルモン・テストステロンの分泌が急に増加する時期があり、尿道から再び前立腺組織が発芽して前立腺の内腺が誕生したのでしょう。これが、将来の前立腺肥大症になる組織です。
つまり、前立腺は内腺も外腺も時期をずらして尿道から発生するのです。同じ前立腺にもかかわらず、内腺は若く、外腺は年上で、原始的な性格を有しているであろうと考えられます。したがって、外腺から前立腺ガンが発生するのは理にかなっています。

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以上、発生学の専門書を何冊か読んで、臨床と関連付けて連想できるドラマです。これ以上は記述がないので、裏付けを取れません。そこで、最近の前立腺の事しか記載のない専門書を調べると、前立腺を3つに分けることが出来ます。それは①移行領域、②中心領域、③辺縁領域です。②中心領域は今まで内腺と呼ばれる部分で膀胱頚部から、③辺縁領域は今まで外腺と呼ばれる部分で尿道括約筋付近から発生するのです。①移行領域は、前立腺前面から発生して次第に前立腺の大部分を占め、中心領域と融合して、臨床的に内腺になります。
発生学の記述に比べて、実際の前立腺は発生箇所が異なり、さらに発生時期が異なるであろうという印象です。詳細な時系列も理解できれば、前立腺の本質も見えて来るでしょう。

【参考文献】
ムーア人体発生学第6版・第8版
An Atlas of Prostatic Diseases 3rd edition


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PSA検診が前立腺ガンの死亡率を減らす根拠

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エネルギーから観た生命力と前立腺ガン

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前立腺ガンについて色々な角度から観ていると、その本質が何となく見えてきます。
このグラフは、人体の生命力(緑の矢印線)と前立腺ガン(赤の矢印線)のエネルギーを表したものです。
産まれたばかりの生命力エネルギーを100%として、加齢と共に次第に低下してきます。50歳前後の更年期から、生命力エネルギーはガクッと低下します。
逆に、前立腺ガンのエネルギーは30代後半から芽生え始めてきますが、生命力エネルギーを超えることはありません。ですから、前立腺ガンは、ほとんどが寿命に影響しないのです。

ところが、PSA値が高いという理由で、針生検をするために前立腺ガンのエネルギーに火が付いて、急激に増加してしまいます。そのため、前立腺ガンのエネルギーが生命力エネルギーをはるかに超えた時点で寿命が尽きてしまうのです。

E1981c7a5c034ae896757805d570da47泌尿器科医が前立腺癌を発見することを悪いとは思いません。しかし、見つけるために前立腺針生検を行うことが悪いのです。針生検は、前立腺癌という爆弾💣の導火線に火を付ける様なものです。その爆弾がハリボテ(グリソンスコア6以下)だったら良いのですが、本当の爆弾💣💣💣(グリソンスコア8・9・10)だったら大変です。泌尿器科医は、前立腺針生検をしないで前立腺癌をもっと精密・緻密に診断し、針生検なしで悪性度を予想できるくらいの診断能力を付け治療すべきです。そして、その悪性度に応じて治療法を工夫すべきでしょう。


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前立腺ガンは何処まで増えるのか?

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