前立腺癌の文献・統計・学会報告

前立腺ガン罹患数を現況と真実

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前立腺ガンの罹患数は、グラフで示すように現時点で8万人前後です。
増加率を観察すると、他の癌の比較にならない程の急峻な増加率です。この数は、とても多い数ですね。

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実際の日本人の高齢者(65歳以上)の割合は約25%です。
それから計算して、高齢者の男性の数は、約1千万人存在していることになります。

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ラテント癌の潜伏率は高齢者(65歳以上)で、右の表を参考にして計算すると、約32%になります。
高齢者の男性のうち1千万人×32%=320万人にラテント癌が存在することになります。
この320万人全員に、前立腺針生検を実施すれば、少なくても3割の人から前立腺癌を検出できると考えます。
320万人×30%=96万人の人から前立腺癌が発見されるでしょう。
現時点の8万人の10倍以上の罹患数に存在する訳です。したがって、PSA検査すればする程、前立腺癌は発見され、何でもない人まで苦しめることになります。ただひたすら、前立腺ガンの罹患数を増やすだけの状況に疑問を感じませんか?

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針生検は何回まで?

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前立腺針生検のガン発見まで、針生検を何回まで行う価値があるのか?の情報をインターネットで見つけました。ここで、その要約をご紹介します。
◉複数の文献によると、
【PSA値が4.0〜10.0 ng/mL のグループ】
❶2,3,4回目の生検における検出率はそれぞれ
10%,5%,4%であった。
❷2,3,4,5,6回目の生検における検出率はそれぞれ
17%,14%,11%,9%,7%であり,7回以上の生検で癌は検出されず,91%の癌が2回までの生検で検出されていた。
【PSA値10.0 ng/mL 以上のグループ】
❸4回目の生検における検出率は11%であった。
❹2回以上の生検で癌が検出された症例の前立腺全摘標本においては,初回生検で癌が検出された症例よりも良好な(良性?低悪性度?)病理所見が示されている。
すなわち,複数回の生検で癌が検出された症例の方が,Gleasonスコア,病期が低く,腫瘍体積が小さかった。3回目以上の生検で検出された癌に限った報告においても同様の結果であった
◉以上をまとめると,
大部分の前立腺癌は2回目までの生検で検出され,3回目以降の検出率は多カ所生検を施行しても低い,また,3回目以降で検出される癌は低グレード/低ステージが多いということになる。
3回目以上の生検を行うにあたっては,生検回数が増すにつれ臨床的に重要でない癌(良性に近い癌、グリソンスコア6以下の癌)を過剰に検出する可能性が大きくなることを考慮に入れなければならない。
【参考】
http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0032/G0000435/0036

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★★★私の意見
この文献から分かるように、前立腺針生検は多くても2回目までです。
3回目以上の針生検は、ステージ❶の前立腺ガンを発見するだけです。以前に解説したように、ステージ❶〜❸の5年生存率は、健康人と変わりません。
また、1回目の針生検で発見出来ないのは、少なくてもステージ❶❷だけです。この時点でも2回目以降の針生検の必要はない事が分かります。

前立腺針生検が、実施中の痛み、検査後の出血や前立腺炎症状で苦しむ患者さんにとっては、心のトラウマになってしまうのです。ある意味、PTSD(心的外傷後ストレス障害)です。医師は患者さんを助けることが仕事にも関わらず、ワンパターンの検査・治療で患者さんを苦しめる必要があるのでしょうか?
Img_0367開業医の私がインターネットでチョッと資料を集めて、透析の4時間の間に書き上げたのが、この原稿です。ベッドの上で考えた理論展開だけでも、この程度の結論を出す事が出来ます。自分たちの常識に対して常に疑問を持つべきです。複数回の針生検をする事は、ある意味で傷害事件と同じの犯罪です。
私の偏向した考え方かもしれません。完璧な理論であれば、私の考えの入る余地もない筈です。あとは読者の判断にお任せします。

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前立腺ガンと他の癌との比較

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この比較表は、千葉県がんセンターの1997年〜2007年も60歳代男女の大腸ガン、胃がん、前立腺ガンの統計報告によるものです。
ポピュラーな大腸ガンや胃がんに比べて、前立腺ガンは断トツに5年生存率が良いのです。
前立腺ガンを除く、大腸癌、胃癌のステージ❶~❸の手術グループと手術しないグループでの5年生存率の差は、27%〜33%です。それに比較して前立腺ガンは、0%〜4%です。

このデータだけを見ると、ステージ❶~❸の前立腺ガンは、手術の必要があるのか疑問です。本当に手術の必要な前立腺ガンは、ステージ❹だけだと言うことになります。
ステージ❶を除いて、ステージ❷❸は、超音波エコー検査と触診で確認できます。確認した時点で、針生検をせずに、軽いホルモン治療して定期的に観察すればOKでしょう。ステージ❹の患者さんは、どのようにするかご自分で選択なさるのが得策と考えます。

日本人の3人に1人は癌で亡くなります。他のガンは早期発見が重要かも知れませんが、前立腺ガンに限っては、針生検による早期発見は無意味です。PSA検査を行って針生検に追い込まれない様にするべきです。どうしても前立腺ガンが心配なら、定期的に超音波エコー検査と触診を実施してもらえば良いでしょう。超音波エコー検査ができないクリニックでは、触診だけでも、ステージ分類は可能です。

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前立腺ガンの罹患数と死亡数

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このグラフは、乳がんの罹患数と死亡数の年次推移を示しています。
現在、乳がんの過剰診断が問題になっていますが、それは、乳がんの罹患数(発見数)と死亡数の乖離(かいり)が問題視されているからです。乳がんの発見数が増える程、死亡数は増えていないという現象です。乳がん検診で、治療の不必要な乳がんを発見しているのではと言うのです。

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乳がんの例と同じことが、前立腺ガンについても疑われています。前立腺ガンの罹患数(発見数)の上昇と前立腺ガンの死亡数が乖離(かいり)しているという指摘です。
このグラフは、前立腺ガンの罹患数と死亡数の年次推移を示しています。
乳がん以上に前立腺ガンの発見数と死亡数の乖離は広がっています。乳がんと同様に「過剰診断」が問題視されています。

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以前に週間現代に取り上げられたデータです。
PSA検査の盛んだった頃のアメリカと、それほどでもなかったイギリスとの前立腺ガン発見率(10万人当たり)と死亡率(10万人当たり)の比較を示すグラフです。
アメリカでは、発見率が増加している割に、死亡数がイギリスとほとんど変わらないのです。発見するためには前立腺針生検しなければ分かりませんから、意味のない前立腺針生検をされた患者さんが大勢いるということです。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51133

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前立腺ガンの死亡数の牽引しているのが、悪性度の高い低分化型の癌細胞です。グリソンスコアGSで言うと、GS❽〜➓です。
このグラフを見て分かるように、低分化型だけが、針生検した直後から生存率が一気に低下して行きます。高分化型は、10年で生存率が85%くらいですが、低分化型は、10年で生存率が20%を切っています。それまで沈黙していた低分化型が、突然として悪性度を露見したのは、どう考えても針生検がキッカケでしょう。針生検しないで治療すれば、こんなにも生存率が低下しなかったでしょう。

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前立腺ガンの早期発見の意義に異議?

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前立腺癌の5年生存率

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前立腺癌患者は不安から不要な手術を選ぶことも m3.comから

精神的苦痛への対処が重要
国際医学短信2017年4月12日 (水)配信 精神科疾患一般外科疾患腎・泌尿器疾患癌

 不安の強い前立腺癌患者は、不必要と思われる治療を選択する確率が高くなるという研究報告が、「Journal of Urology」2月号に掲載された。

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AUA(アメリカ泌尿器科学会)のガイドライン

PsaauaPSA検診に関するガイドラインは、日本とアメリカとでは異なります。
アメリカ泌尿器科学会のPSA検診に関するガイドラインは次のようです。
①40歳未満のPSA検診は推奨しない。
②40歳~54歳の男性にはPSA検診を勧めない。
③55歳~69歳の男性には、インフォームドコンセント後のPSA検診受診して下さい。の意思決定を強く勧める。
④検診の間隔は2年を勧める。
⑤70歳以上の男性、あるいは余命が10年~15年以内の男性にはPSA検診受診を推奨しない。
【参考】Prostate Cancer Front Line アステラス製薬株式会社発行雑誌から

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カナダ、PSA検査を推奨せず!Medical Tribune記事から

以前からPSA検診に疑問を感じ、矛盾点をこのブログでいろいろな角度から解説してきました。アメリカではすでにPSA検診は推奨されなくなっていましたが、今回、カナダのガイドライン(GL)の報告でも同じ意見に至ったようです。

「カナダの前立腺がんスクリーニング・ガイドライン,PSA検査を推奨せず」

20年ぶりに改訂,USPSTFと足並みそろえる
 カナダ予防医療対策委員会(CTFPHC)は10月27日,前立腺特異抗原(PSA)検査による前立腺がんスクリーニングに関する改訂ガイドライン(GL)をCMAJ(2014年10月27日オンライン版)で公表した。前回のGLは1994年に公表されており,20年ぶりの改訂となった。改訂GLではPSA検診に伴う害(合併症,偽陽性所見,過剰診断など)を示す多くのエビデンスがある一方で,死亡率の低下を示す明確なエビデンスはないと指摘。その上で,「前立腺がんの既往歴がない全年齢層の男性にPSA検診を推奨しない」と明記された。PSA検診の是非をめぐっては,わが国を含めた各国GLで見解が一致していないが,カナダのGLでは米国予防医療サービス対策委員会(USPSTF)の勧告と足並みをそろえる内容となった。

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前立腺癌の保有率

2010年の人口統計から計算すると、日本人の男性は6213万人います。その内、40歳以上の男性の数は3366万人います。
ラテント癌(潜伏癌)は、40歳以上の男性で平均で少なくても20%以上の確率・危険率で存在します。その割合で、40歳以上の日本人男性のラテント癌の保有率は、3366万人×20%=673万人になります。

今後、PSA検診が盛んに実施され、チョッとでも高いからと、針生検を満遍なく実施されれば、計算上は673万人の男性に前立腺癌が発見されることになるのです。

現在、年間4万人の前立腺癌患者さんが発見されていますから、今後も増えることは必至でしょう。この現象を医学の進歩と言うのか、はたまた医学の暴挙・暴走と言うのか分かりませんが、どう考えても疑問が湧きます。

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