前立腺癌

針生検の弊害

Wbc3_20200204172801 PSA値が高いことで、泌尿器科の医師はガン細胞を見つけるために、懸命に前立腺針生検を行います。

針生検を行うと、前立腺が10カ所(6本〜18本)近く傷だらけになります。傷に対して白血球が集まり炎症を起こします。傷のために損傷した細胞を貪食細胞(好中球、マクロファージ、樹状細胞)が集合して食べ、前立腺の外に運び出します。また、顆粒細胞(マスト細胞)も刺激され、炎症を起こし、貪食細胞を刺激し更に集めます。マクロファージは平滑筋細胞が変身する場合もありますから、針生検の後は大騒ぎです。もしもガン細胞が存在すれば、過剰に刺激されますから、悪性度の高まる可能性が出て来るのです。

貪食細胞で食べられたガン細胞は、その対処方法として、細胞分裂して細胞を増やすしかありません。密度が高く狭い前立腺の中で、貪食細胞が全ての癌細胞を捕獲できるとは思えません。その結果、生き残った癌細胞が増え、突然変異のガン細胞が生まれ悪性度が増すのです。PSA検査が全国に普及したために針生検の症例が増えて、その結果、前立腺ガンで死んでしまう患者さんが増えたと、私は考えています。

 

1975年の前立腺ガンの死亡者数は1,200人だったのが、2017年には12,000人を超えました。10倍にもなったのです。1990年ごろから、PSA検査が普及したために、針生検が増えたからでしょう。

 

これは泌尿器科学会では、非常識な考え方ですから、医師は誰も信じてくれません。ガン細胞を生き物ではなく、物として考えているので、無謀な検査をするのです。

 

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ガン治療の考え方

C70067aff1b642dcafd6b76222215fd9医師は癌の治療の際に、癌細胞を物として扱っています。ホルモン剤や抗がん剤の攻撃する標的=的まと=物体として扱っているのです。 攻撃手段を考える医師は、当然、生きた人間ですが、攻撃を受ける癌細胞もその人の生きた細胞なのです。それを意識のない単なる的として攻撃するのですから、必ずしも上手く行く訳がありませんでしょう?

癌細胞は生き物です。それも数ミクロンの大きさの細胞が無数(少なくても数10万個)に集まっているのです。内服薬や注射などで、抗ガン剤やホルモン剤で攻撃しても、癌細胞集団の外周の毛細血管の流れている部分の癌細胞しか死滅しません。集団の中心部分に存在する癌細胞は死滅しません。さらに悪いことに、中心部の癌細胞は、周囲の癌細胞が死滅したことを認識するのです。

その対策として、当然ながら癌細胞を増やすために、細胞分裂を繰り返すのです。何回も何回も細胞分裂を繰り返すと、そのうち当然変異の癌細胞が生まれるのです。それがそれまでの癌細胞よりも悪性度のとても高い癌細胞になるのです。例えば、前立腺ガンでいえば、去勢抵抗生前立腺ガンになるのです。

癌の治療をする医師は、癌細胞を殺すことだけに固執すると、生命体同士の戦いという事を忘れ、逆に患者さんの寿命を短くさせるのです。それを避けるために、癌細胞は物質的な標的ではなく、患者さんの個性に準じた生命体だと思いながら、対策しなければならないのです。

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ステージⅠで悩まれる患者さん

PSA値が4.0を超えて前立腺ガンを疑われ、針生検を行いました。結果、10本中5本に前立腺ガンが見つかり、悪性度はグリソンスコア8で比較的悪性度が高かったのでした。放射線治療や手術を選択肢として提示されたのですが、患者さんは拒否して、現在、代替医療のクリニックで治療を受けています。

ところがPSA値が下がらず心配で心配、代替医療の主治医にご相談したところ、なぜか私を紹介されたのです。11月8日にご夫婦でお越しになりました。前立腺ガンの患者さんの多くがご夫婦でお越しですから、一目見て「前立腺ガンだな」と思いました。

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お話しをお聴きして、現在の状況を知りたいので、早速、エコー検査と触診を行いました。現在、ホルモン治療は行なっていませんから、針生検前と変わらないはずです。しかし、エコー検査で観ても、触診を行なってもガンを見つけることができません。エコー検査では直径たった3mmでも発見できます。結果、ステージ1の前立腺ガンを発見されたと考えるべきです。

エコーをよく見ると、膀胱出口が硬く見え、膀胱排尿筋が正常の方向には向いていません。そのため膀胱三角部が厚くなっています(赤い↔)。前立腺石灰も確認できます。前立腺周囲の静脈瘤も確認できます。つまり、排尿障害による後遺症の形状変化です。排尿障害によるPSA値の上昇だったのです。それを前立腺ガンだ疑われて隠れていたラテント癌が見つかったのです。ステージ1の前立腺ガンの5年生存率は悪性度に関係なく92%です。

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この生存率は、前立腺ガンでなかった健康の人の5年生存率と同じです。これは見方を変えれば、ステージ1の5年の死亡率8%は、もしかすると、針生検の影響かも知れません。ですから、前立腺ガンが触診とエコー検査で見つけることの出来ないラテント癌は、針生検をしてラテント癌を刺激しないで経過観察するべきです。そうすれば、触診とエコー検査で見つけることの出来るステージ2を発見してから治療しても、手遅れにはならないのです。ステージ2の5年生存率は表で示すように93%と、ステージ1の生存率よりも逆に高いのです。

ガンは悪性疾患ですが、すべてのガンが同じではありません。周囲の状況に応じて変化するガンも存在します。同じガンでも静かに沈黙を守ってくれるガンもいれば、大暴れをするガンもいます。細胞の悪性度を確認するために針生検をして、逆にガン細胞を刺激して、大暴れをするガンに変身させるかもしれないのです。だから私は、針生検をしないで、悪性度やステージを予測して経過観察したり治療するべきだと考えているのです。ガンをなるべく怒らせないように、ソッと静かに治療すべきだと思うのです。

医師はヒトの病気を軽快させて生活レベルを向上させることが使命のはずなのに、ガンに執着し続けることで、逆にヒトの生活レベルをトコトン下げているのです。

 

 

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比較して分かる前立腺ガンの正体

Cancar 【全国がんセンター協議会のデータより】
前立腺ガンを発見されて、私のブログを読まれてから大いに悩まれる患者さんが多くおられます。
そこで、見方を変えて、インターネットで容易に手に入るデータから下記の通り考えてみました。

✳︎✳︎各臓器の癌の10年生存率の比較(ステージⅢ)と、生存率から観た前立腺ガンの悪性度との比較

前立腺ガン 95.6%   1.0倍比較悪性度※
肺ガン………16.1%   5.9倍
胃ガン………38.9%   2.5倍
大腸ガン……74.8%   1.3倍
直腸ガン……63.0%   1.5倍
食道ガン……66.1%   1.4倍
肝臓ガン………9.8%   9.8倍
膵臓ガン………3.1%  30.2倍
腎臓ガン……51.8%    1.8倍
膀胱ガン……32.3%    3.0倍

ステージⅢとは、臓器の外に超えてしまったガン=浸潤ガンです。臓器周囲のリンパ節に浸潤している可能性があります。また、ステージⅢのガンは発育速度が高いと考えられるので、おそらく悪性度は中等度以上でしょう。 ガンは癌でも臓器別にして10年生存率を比較してみると、こんなにも違います。みんな同じではないのです。特に、前立腺ガンは膵臓ガンと比較すると、30倍以上も10年生存率が高いのです。膵臓ガンは、本当に正真正銘の悪性度の高い癌ですが、前立腺ガンは「本当に癌なの?」と思えてなりません。
ですから、針生検で前立腺ガンが発見されたとしても、心に余裕を持ってください。
また、良性に近い前立腺ガンが、他の臓器のガン発生を一時的にでも牽制してくれているのかも知れません。

さらに心臓の病気との比較では、
心筋梗塞…………… …………51%   1.9倍比較悪性度
肥大型心筋症…………………82%   1.2倍
拡張型心筋症…………………22%   4.3倍
大動脈弁狭窄症 手術例………70% 1.4倍
大動脈弁狭窄症 内科治療例… 20% 4.8倍

Kanngaepp_20191105112001 前立腺ガンの患者さんは、心臓の病気の患者さんよりも長生きができるのです。それから考えれば、前立腺ガンは単なる一般の病気です。

 

 

 

 

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ガンの利点

Noiroze毎年、平均寿命が延びています。その関係か、ガンで亡くなられる患者さんも増えているのです。統計学的に言えば、死亡原因がガンの人が、2人に1人〜3人に1人の割合なのです。単純な考え方では、年齢を重ねれば重ねるほど、ガンのリスクが高まる訳です。逆にガンにならないで長生きすればするほど、今度は老衰や認知症の患者さんが増えるのです。厚労省の方針で、生活習慣病を回避して健康寿命を期待すればするほど、老衰や認知症の患者さんが増えるのです。

ところで、厚労省は病院での高齢者入院を避けて、自宅で家族に見守ってもらう方針でもあります。一見理想的なのかも知れません。専門医である他人に任せないで、素人である家族に、老衰や認知症の患者さんを任せようとしているのでしょう。これは裏の考え方をすれば、国家の医療費負担を抑え、家族=国民の所得財産から消費させようとしているのです。

Nintiこれからすれば、ガンの患者さんは、家族に負担をかける老衰や認知症を回避できるのです。老衰や認知症の患者さんの家族は、精神的にも肉体的にも金銭的にも時間浪費的にも、ものすごい負担がかかるのです。長期間続くと、『早く死んで欲しい』、『やっと死んでくれた、ホッ!』あるいは、介護する家族によって殺人事件まで起きるのです。そうなると、患者さんもご家族もとても不幸になります。

それに比べて、ガンの場合は寿命が確実に制限されます。頭は正常ですから、自分の過去を振り返ることが出来ます。その頃の思い、感情、後悔などを十分に堪能できます。また、周囲の家族から心配されることに本当に感謝します。そして、生前の予想通り、みんなに惜しまれ悲しまれながら、天国に旅立たれるのです。人生の終末のクオリティの観点からすれば、目の前の事しか見えない長生きの老衰・認知症患者さんと、ガン患者さんのどちらが良いと思われますか?

以上は、私の奇想天外の考え方ですから、参考程度にお読みください。

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バランス

生命は幾重にも重なるバランスで成り立っています。しかしながら、歳を重ねらごとにバランスが乱れて来ます。

Balance例えば、ご婦人が更年期を過ぎると、卵巣が老化のため萎縮し女性ホルモンが低下します。中枢は、その事を察知して女性ホルモンを増やそうとします。女性ホルモンの材料であるLDLコレステロールを肝臓で増やします。ところが、萎縮した卵巣はLDLコレステロールを利用しませんから、LDLコレステロールが大量に余ってしまいます。しかしLDLコレステロールは貴重な材料なので、分解代謝しないで血管壁内膜に蓄えます。

血管壁内膜に次第にコレステロールが貯まります。すると、血管壁中膜の平滑筋細胞がコレステロールを固定しようと、中膜から内膜に浸潤して平滑筋が貪食肥満細胞に変身してコレステロールを食べます。たくさん食べた貪食肥満細胞は泡沫細胞に変身します。

泡沫細胞を固定するために、別の平滑筋細胞が線維芽細胞に変身してコラーゲン線維を大量に作り、血管壁内膜にシコリが出来上がります。これが動脈硬化になり、シコリが大きくなると脳梗塞・心筋梗塞になります。シコリの周囲に血栓ができて、それが剥がれると脳血栓・動脈血栓になるのです。

では、治療はどうすればいいか想像できますよね?女性ホルモンを増やすか、擬似ホルモンの大豆イソフラボンを服用すれば、中枢は女性ホルモンが低下していないと騙されて、コレステロールを増やしません。

血管年齢の若い人は、動脈硬化になりにくいのですが、そんな人のコレステロールを下げると、ますます動脈硬化にならずに、さらに血流が良くなります。すると、末梢の毛細血管の血流もさらに良くなります。毛細血管近くの細胞は十分に栄養が良くなります。しかし、毛細血管の届かない細胞との相対的差が開いていきます。相対的栄養不足の細胞は困り果てて変身するのです。それがガン細胞になるのです。実際にコレステロールを下げると、一定の確率でガンのリスクが増えるのです。

550771f2da2e47e6afa28d485c3264ea更年期を過ぎた男性に「うつ病」になる確率が高くなります。一般人はご存知ありませんが、脳中枢でも男性ホルモンが作られているのです。『え〜!脳で男性ホルモンが?』とお思いでしょう?実は、男性ホルモンは「ネガティブな心」を吸収してくれるのです。実業家や出世街道真っしぐらのヒトの男性ホルモンは常に高いのです。40年間以上に渡って血液中の男性ホルモンが高ければ、脳中枢は血中の男性ホルモンに依存して、脳中枢での男性ホルモンの生産が『バランスを保つ』ために落ちてしまいます。ところが、更年期を過ぎて、睾丸での男性ホルモンの低下に対して、脳中枢での男性ホルモン生産が対応仕切れないのです。すると、脳中枢での男性ホルモン全体量が低下しますから、ネガティブな心を吸収することが当然できなくてなります。結果、元気だった人ほど更年期を過ぎると「うつ病」になるのです。逆に、ご婦人の場合は、若い時も血中の男性ホルモンは少なかった訳ですから、脳中枢の男性ホルモン生産は常に多くて、更年期になっても脳中枢で男性ホルモンは十分に作られていますから、更年期を過ぎたご婦人で「うつ病」になる人は少ないのです。逆に元気で男らしくなるのです。

前立腺に隠れていた前立腺ガン(ラテント癌)は、正常組織内でひっそりとバランスよく存在しています。ところが、PSA値が高いと針生検でそのバランスを崩してしまうので、ガン細胞に火がつき、命にかかわる悪性度の高いガン細胞に変身してしまうのです。


バランスの乱れで生じるヒトの病気は、幾重にも重なるバランスを十分に認識して治療しなければ、逆効果になるので注意が必要です。

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Tumor Dormancy Therapy 癌の休眠治療

Tumordormancybook癌の治療で手術ができない場合、あるいは不完全な手術の場合は、手術後に抗ガン剤などを使用した化学療法が一般的に行われています。

通常は体重当たり(◯◯mg/kg)、体表面積当たり(◯◯mg/m2)の投与量が決まっており、一般的にその通りに処方し治療します。検査などで確認できるガンの大きさが縮小して、主治医も患者さんも安心します。

しかし、それは一定期間に限られているのです。ある時期を境にガンの勢いが急に増して増加・増大し、最終的には患者さんはガンでお亡くなりになります。現実的にはあらゆる診療科でそのような症例がたくさん存在します。

素人的発想で思えば、ガン細胞を殺す抗がん剤で、何故に全滅出来ないのだろうと思いますよね?何故このような現象が起きるのかと言えば、抗ガン剤でガン細胞のすべてを消滅させることが出来ないからです。ガン細胞に抗がん剤の効果を確認する実験は、ガラス・シャーレで培養したガン細胞に薬液(抗がん剤)を注入し反応を観察するのです。実験のガラス・シャーレにガン細胞は2次元的に均一に広がっていますから、薬液は満遍なく注がれます。ところが、生体内のガンは3次元的立体的構造で存在します。表面に存在するガン細胞と、深部に存在するガン細胞とでは生きるための環境が異なります。毛細血管に接する表面のガン細胞は、当然ながら抗がん剤で容易に死滅しますが、毛細血管の届かない深部のガン細胞は生き残ります。生き残ったガン細胞は、死滅したガン細胞の情報を得て、抗ガン剤を勉強して抵抗力を工夫し、そして一気に増えるのです。

Tumordormancyppイラストは高橋豊著の「Tumor Dormancy therapy」という医学書に記載された、抗がん剤の治療での効果推移と生存期間を示したイメージグラフです。常識的・標準的な投与法・投与量でガンを治療すると、一時的には極端に収縮(50%以下)しますが、一定の期間が過ぎるとガン細胞が急に増え始め、抗がん剤も効かなくなり患者さんは亡くなるのです。しかし、抗がん剤の投与量と投与法を少なくすると、当然としてガン細胞の減少・収縮の効果はそれほど期待できませんが、不思議なことに生存期間は、延びるのです。そうです、延命効果が期待できるのです。このイラストを考案した研究者によると、抗がん剤の処方量が少ないと、免疫力の低下や体調の低下もわずかなので、ガンに対する抵抗力も維持できるので、標準治療に比べて延命効果が出ると言うのです。ガン細胞を抹殺するのではなく、抗がん剤を利用してガン細胞を休眠・冬眠させようとする考え方です。ある意味でガンと共存しようとも言えます。

しかし、この先生の考え方は、私は不十分だと思います。抗がん剤の副作用だけに注目しているからです。なぜかと言えば、ガン細胞は物でなく生命そのものです。例えば、細菌感染症の患者さんに、抗生剤や抗菌剤を長期間繰り返し繰り返し投与すると、抗生剤の効かないバイ菌が生まれるのです。いわゆる、薬剤抵抗性細菌と呼ばれます。バイ菌でさえ工夫して工夫して薬剤抵抗性の能力を確保するのに、高度の細胞である人間の細胞は、もっと能力が高いのに決まっていますよね?人間の細胞から変身したガン細胞にも同様の能力があるはずです。

前立腺ガンも他のガン細胞と同じです。標準的なホルモン治療を行うことで、50%以上の危険率で発生する「去勢抵抗性前立腺ガン」も、これまでお話ししたガン細胞の努力・工夫の結果と同じと考えます。以前にお話しした「去勢抵抗性前立腺ガンの対応」で解説したように、少量・微量の抗がん剤やホルモン剤で前立腺ガン細胞は確実に抑えることができるのです。

  【参考】去勢抵抗性前立腺ガンの対応 

 

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隠れた排尿困難で苦しむ前立腺ガンに患者さん

 静岡から70歳代の男性が前立腺ガンの相談に起こしになりました。PSA値が162(正常値4.0)にもなり、地元の基幹病院で骨シンチ検査を行ったら、左肩・左肋骨・骨盤・左大腿骨に前立腺ガンの骨転移が発見されたのです。

4月25日に前立腺針生検を行ったところ、14本中14本にガン細胞が発見されました。前立腺全体にガンが広がっていることを示しています。悪性度はグリソンスコアGS4+4=8の悪性度の高いガンだったのです。(GS5以下=軽度悪性、GS6・7=中等度悪性、GS8・9・10=極めて悪性)

ところが、患者さんは骨の痛みを訴えているのではなく、排尿困難と尿失禁、下腹部の痛みと陰部と下半身の浮腫み(むくみ)を訴えているのです。地元の主治医に症状を訴えても、「前立腺ガンだから仕方がない。早く前立腺ガうンの治療をしてください。」と言うだけで、症状に対する治療はしないのです。

Pcaretension37235m76pp悩んでいた時に、ある製薬会社の主催する前立腺の講演会が地元で行われていました。もちろん参加して視聴していた時に、隣の席の人と会話をしたのです。ご自分の今の悩みを少し口にしたら、その人が「騙されたと思って高橋クリニックに相談に行きなさい」と勧められたのです。たまたま当院に通院している患者さんだったのです(笑)。

早速、エコー検査を行い前立腺ガンを観察しました。先ずお腹を見たら…『!?……何だこれは!』お腹がパンパンでガッチガッチなのです。どう見ても「尿閉」です。そして陰部もむくんでいるのです。エコー検査で観ると、膀胱はパンパンです。そして、膀胱の粘膜が凸凹=肉柱(にくちゅう)形成が認められました(白い矢印)。これは明らかに排尿障害の後遺症の所見です。

2fae7c7c41074a9ea574a7cad162a238早速、カテーテルを使って導尿をしました。何と!1700㎖(写真)も取れたのです。患者さんはお腹がスッキリになりました。数ヶ月前に残尿が500㎖と言われましたが、「前立腺ガンだから」と言って主治医はそのまま放置したのです。そして体重も、この1ヶ月で5kgも増え、下半身もむくんだのです。その話しを必死に訴えても、無視されたのです。どう考えても、【前立腺肥大症→→→排尿障害→→→尿閉→→→閉塞性腎機能低下→→→浮腫み→→→体重増加】だったのです。

Pcaretension37235m762ppさらにエコー検査で前立腺を詳細に観察しました。前立腺の大きさは70cc(正常20cc)の一見前立腺肥大症ですが、前立腺の全体像が均一ではなく、外腺の左右に黒い部分(赤い矢印)が認められ、おそらく前立腺ガンの所見です。直腸触診で前立腺は全体的に硬く、左右のそれぞれ一部にさらに硬いシコリが触れました。おそらく、この2つの部分が前立腺の被膜を破り、前立腺の外に出て骨転移になったのでしょう。

この患者さんの現時点で一番辛いのは、前立腺肥大症による排尿障害です。前立腺ガンの治療も大切ですが、今、命に関わる病気は閉塞性腎機能障害に他ありません。ガンのことしか考えていない馬鹿な医師がいるのです。患者さんの状況を把握して、治療の優先順位を考えなければならないのです。もしかすると、4月ごろに行った前立腺の針生検がキッカケで、排尿障害が増悪して尿閉になったのかも知れません。取り敢えず先に、前立腺を小さくするプロスタールを処方して、排尿障害の治療薬であるユリーフを処方しました。

骨転移しているステージ④の前立腺ガンの治療は、針生検を実施した地元の基幹病院で行なってもらったら?とアドバイスしました。しかし、患者さんは当院での治療を希望されました。私の奇想天外の治療も同時に開始することになったのです。

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喫茶店で遭遇


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私は手術がなかったり、用事がない時には、健康と認知症予防のために、近所を散歩しています。途中で休憩のために寄るのが、ブログに時々紹介するコーヒー店「楡」です。1953年から営業している歴史のあるお店です。私が1952年生まれですから、創業66年です。そのお店のご主人、奥さま、娘さん、お祖母さんがあインフルエンザワクチン接種などで高橋クリニックに訪問されています。

さて、コーヒーを飲みながらiPhoneでブログを書いていると、近くの席に80歳代のご高齢の男性がお座りになりました。そして娘さんと待ち合わせしているようでした。10分ほど遅れて娘さんがいらっしゃいました。仲良くお話をしてコーヒーを飲まれていました。

一つ席を置いた側でお話しをされているので、自然とお話しの内容がところどころ耳に入って来ます。お父さんが何となく現在の医師(主治医?)に対して愚痴を言っているようでした。お嬢さんはそれを「うんうん」とうなずいていました。しばらくすると、お嬢さんが「午後4時になったら、高橋クリニックは開いているのかな?」と言って席を立とうとしていました。

私がそのお嬢さんに向かって手を挙げながら「高橋クリニックです。(笑)」と言いました。お二人はビックリしました。実は、この方は某・癌研で前立腺ガンが発見され、その治療方針に悩んでいたのです。主治医にいろいろ質問しても納得のいく説明がなく悩んでいました。たまたま私の自著「本当はこわい排尿障害」をお読みになり、セカンドオピニオンのために高橋クリニックに行こうと思ったのです。私は買い物があったので、「後でお会いしましょう!」と言って「楡」でお別れしました。

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さて、早速エコー検査を行いました。写真のように前立腺外腺に、ガンと思われる陰影が確認できました。(赤い矢印)前立腺針生検の結果は、主治医から詳しくは教えてもらえなかったのですが、お話しの内容と前立腺の触診所見の硬さから推察して、おそらくグリソンスコア4+4=8です。後日、骨シンチで前立腺ガンの骨転移を確認するそうです。その結果で、今後の治療を決めるのですが、ご本人は重粒子線治療を希望されています。それまでの対処の仕方や治療に関して解説してのです。

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前立腺ガンを心配する患者さんに「ひと言」

PSA値が高く前立腺ガンを地元に医師に疑われ、当院に飛行機や新幹線を使って来院する患者さんがたくさんおられます。その患者さんの中で実際に前立腺ガンを確認できたのが、12%でした。2年間にPSA値が高い人が500人来院して、その内60人に、触診と超音波エコー検査で前立腺ガンを確認できました。440人には前立腺ガンは確認できませんでした。ただし、絶対にガンがないとは言い切れませんから、半年に一度、あるいは1年に一度のペースで定期検査に来ていただいています。前立腺ガンの倍加速度(細胞の数が2倍になるまでの期間)が、2年~30年とされていますから、年に1回の定期検査でも十分と思われます。

前立腺ガンの5年生存率や10年生存率をその他の癌と比較してみましょう。
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 【癌ステージ②:5年生存率、10年生存率 】

前立腺癌:99%(100%)、80.6%(100%)

食道がん:52.2%、27.5% 

胃 がん  :58.7%、43.4%

肝臓がん:32%、13.2%

肺 がん  :48.8%、22.9% 

膵臓がん:15.9%、7.4% 

大腸がん:81%、64.2%
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 【5年生存率は2008年~2010年。10年生存率は2002年~2005年のデータ】

ちなみに前立腺ガンの(100%)は、健常者の生存率と比較して全く同じ=100%と言うことです。

この表を見て、どう思われますか?他のガンと比較すると、前立腺ガンは断トツに良性ですよね?まして健常者の寿命とほぼ同じなのです。これから考えれば、前立腺ガンを積極的に治療する必要があるのだろうか?と思われます。

Kanngaeppところが一度PSA値が高く前立腺ガンを疑われたら、その後ズ~と『前立腺ガン(悲)、前立腺ガン(涙)、前立腺ガン(悩)』と悩まれる続ける患者さんが多くおられるのです。そこで私は患者さんに次のような事をお話しします。

「人間は思ったものにしかなれないのです。高層ビルを作りたいと思ったから、資金を集め設計し建築会社に依頼して建物が建てられるのです。例えば、私は医師になろうと思ったから医師になれたのであって、誰かが私に相談もなく医師にした訳ではありません。要するに、この世界はヒトが『思った事しか現実化』になれないのです。ですから、逆の悪い意味でガンの事ばかりを考えていると、現実化して癌ができてしまいますよ。ネガティブな事ばかり考えているとネガティブな現象が起き、ポジティブな事を考えていればポジティブな現象になりますよ。」

 

 

 

 

 

 

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