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前立腺のラテント癌



PSA検査値が少しでも高いと、「前立腺ガンだ!ガンだ!ガンだ!」と決め付けて針生検を何回も何回も行います。マレにガン細胞が、発見されることがありますが、多くは良性に近いグリソンスコア5〜6です。

前立腺ガン、特にラテント癌は、加齢とともにかなりの確率で増えます。E77ae20c376146e9a511345b46e04cd0 1987年に友人の和田医師が発表した前立腺ガンでは死亡しなかった患者さんの前立腺病理結果です。前立腺ガンの潜伏率は表のようです。
❶80歳代50%→80%以上
❷70歳代33%→60%〜80%
❸60歳代22%→50%〜60%
❹50歳代12%→40%〜
❺40歳代 6%→40%
当時から30年以上も経過した現在に至ると、30%以上も確率が高くなっています。

56d44393e9934dca9bf8b5742e73e9a1 また同じ研究で2枚目の表のように、前立腺が大きければ大きいほど前立腺ガンの存在率が高まります。
❶前立腺の大きさが60cc以上であれば、75%存在する。
❷大きさが10cc以上であれば、20%〜30%存在する。

 

8672427dbb9b4011975b72b48b76d122 この証拠に、最近では前立腺肥大症が増えているので、それに比例して前立腺ガン・ラテント癌が増えているのです。

98269464f72545e1b1697a4a8b566ec1 統計的に前立腺肥大症は、80歳までに80%の男性が前立腺肥大症です。ラテント癌が増加するのは当然でしょう。

前立腺肥大症の増加→排尿障害の増加→前立腺針生検の増加→ラテント癌の発見増加→前立腺針生検で刺激され、ホルモン治療で刺激されたラテント癌の悪性化→前立腺ガンの死因の増加

ですからPSAが多少高くても、触診でガンが触れなければ、様子を見るだけにするべきです。

 

 

 

 

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PSAが高くなる理由



Psasyst1PSAは前立腺の腺腔に溜められているタンパク質分解酵素です。精子が自由に動けて妊娠の可能性を高くする酵素です。精液をサラサラにするのです。

PSAがタンパク分解酵素ですから、目的の精液以外に触れると悪影響があるかもしれません。そのために前立腺細胞で囲まれているのです。しかし初めのイラストに示すように漏れ出てしまうことがあるのです。
❶前立腺肥大症や膀胱頚部硬化症があると排尿の都度前立腺に圧力がかかりPSAが漏れ出ます。
❷前立腺ガン細胞だあると、正常の前立腺細胞よりもシールドが不完全なのでPSAが漏れ出てしまいます。
❸過去にPSAが高いと前立腺針生検をされていると、後遺症で穴が開いてPSAがさらに高くなります。すると、前立腺ガンが増加したと、何回も前立腺針生検をしてしまうのです。
❹生まれつき前立腺にすき間の開いている人がいます。当然、PSAは高くなります。



Psasyst2 以上のことから分かるように、PSAは前立腺ガンだけで高くなる訳ではありません。ですからPSAが高いからと言って何も考えずに前立腺針生検を行うのは・・・問題です。
私は2枚目のイラストのように対処しています。
❶触診で前立腺ガンが触れなければ、PSAが高くなる原因のほとんどが排尿障害です。前立腺に隠れた前立腺ガンを発見するために針生検を行うと、刺激されたガン細胞が増殖し、さらに悪性度が増すのです。
❷触診で前立腺ガンが触れても、針生検をしないで治療を行えば、寿命に影響しません。

これらを色々考えて治療方法を考えるべきです。

 

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