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前立腺の触診

Gsstage0PSA値が高いからと言って、すぐに前立腺針生検を迫る医師がたくさんいます。基本的には、先ずは前立腺の触診をしなければなりません。触診でガンを触れることがなければ、正常あるいは前立腺肥大症です。触診で正常であっても排尿機能障害である膀胱頚部硬化症でも前立腺肥大症でもPSA値は上がりやすいのです。

例え前立腺内にラテント癌が存在していてもPSA値は上がりません。PSA値が高いからと言って、前立腺針生検をすると、寝ているガン細胞(ラテント癌)を起こしてしまい、それが原因で悪性度の高い前立腺ガンに変身させて寿命に影響を与えてしまう可能性があるのです。

Gsstage1触診で判定できる前立腺ガンについて解説しましょう。イラストはステージ❷の前立腺ガンの触診所見です。触診で判断できる硬結には2つのタイプがあります。先ずは前立腺肥大症の硬さの前立腺ガンです。前立腺肥大症は通常であれば左右対象の筈です。部分的に前立腺肥大症の硬さを感じられる硬結の場合は、グリソンスコア6以下の良性に近い前立腺ガンです。2番目は石のように硬い硬結です。これはグリソンスコア6以上の悪性度が高めの前立腺ガンです。悪性度が高いガンの場合は、細胞の密度が高いので高くなるのです。

Gsstage2次に考えるのが悪性度の高い前立腺ガンの触診所見です。この前立腺ガンの硬結は、さらに本当の石のように硬く凸凹しています。したがって悪性度はグリソンスコア 7・8・9・10と考えられます。そしてステージも❸❹と高くなるのです。

触診だけで、ここまで判断できるのです。さらに、PSA値÷前立腺の大きさ=0.2以下であれば、悪性度は少ないはずです。また触診で硬結が確認されずに、エコー検査で前立腺ガンが確認出来なければ、正常あるいは、最悪でラテント癌のステージ❶でしかありません。

 PSA値が高いことで、触診もしないで針生検を行なってラテント癌を発見した場合、積極的なホルモン治療、放射線治療、手術治療になります。これは、患者さんの為ではなく、医師たちの増収の為としか思えません。

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コメント

先日大学病院で触診をしてもらったのですがほんの1秒程で特に何も言われませんでした。来週MRI、再来週に診察があるのですが一度そちらでも触診してもらう事は可能でしょうか?
【回答】
もちろん。
超音波エコー検査もします。

投稿: 匿名希望で | 2020/05/20 13:07

高橋先生、お世話になっております。

地元の病院で前立腺がんの疑いで、危うく針精検を受けそうだったところ、2016年8月に、先生に前立腺炎、肥大という診断により助けられた者です。

現在、貴院からプロスタールのほか、時折ベタニスの処方受けております。

あの事件以来、泌尿器科にかなり悪いイメージをもっており、検査や診断を受けていません。

どこかで触診を受けたほうが良いでしょうか?
【回答】
年に1回は粛慎するべきでしょう。」

PSAは1前後、小便はねじれて出るものの、特に痛みや違和感はありません。

たまに沁みたり敏感になるときは、先生のご指示どおりベタニスを飲んでます。

よろしくお願いします。

投稿: 診察券番号34857 | 2020/07/02 13:52

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