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レントゲン検査の弊害?

6e924f682450408daaa7abe9ee4daa0f健康診断や人間ドックなどで胸のレントゲン検査(胸部XP)を行います。特に、ガンの患者さんは、定期的に胸部XPを肺転移を確認するために行います。

ところが、レントゲン検査を拒否される患者さんが結構います。また、レントゲンで肺ガンができるからと言われる医師もいます。

私たちの日常環境では、太陽光線に放射線が混じっていますし、食べ物の中にも、わずかですが、放射性物質が混じっていて、それを私たちは食べているのです。

あるネズミの実験で、餌に放射性物質をゼロにしで、放射線が入らない特殊な部屋で飼育しました。すると、1週間もしない短期間でネズミは死んでしまったのです。

今から30年以上も前の1982年に台湾で建てられた1万人が居住するマンションがありました。建築後の10年後にそこに住んでいる子どもたちが、たまたまガイガーカウンター(放射線探知機)を手に入れて、遊んでいました。すると、驚いたことに、マンションのどこでもガイガーカウンターが「ガーガーガー」と大きな警笛を鳴らすのです。

そこで国が調べてみると、マンションの鉄骨の中に、建築業者のミスか不良品かで、放射性物質コバルト60が混入した鉄骨を使用してしまったのです。当然、マンションはすべて壊されました。そこで、興味を持った医師・研究者たちが、マンション住民のその後を10年間調査したのです。普通で考えれば、放射線を長期間大量に浴びたために、ガン患者さんが大量に発生すると思われたのです。………ところが、台湾の一般の人々のガン発生率と比較しても、一人もガン患者は出なかったのです。

それを機会に、微量放射線治療を実施する代替医療の医師たちが存在します。それを放射線ホルミシス研究と呼びます。有名な先生が、テレビにたびたび出演する川嶋朗先生です。昔、心身医学研究会の理事長で、私も理事のひとりでした。医療に関して仲良く議論していました。

5ed9921777d04a68b4a2cc994a08f449放射線は体内の電解質や酵素やホルモンに当たると、イオン化させて活性化させるのです。その活性化がないと、生命は生きていけないのです。例えば、暖炉・溶解炉・火力発電機に燃料である木材・石油・石炭が入っていても、火を付けなければ、暖炉・溶解炉・火力発電機は活動しません。暖炉・溶解炉・火力発電機と木材・石油・石炭が生命体で、付け火が放射線と考えれば分かりやすいでしょう。適度の放射線を浴びなければ、人間は充実した生き方が出来ないのです。むしろ早く死んでしまうのです。

http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/daitai/2008/11/post-22ce.html

旅客機のパイロットは、一般的にみんな長生きです。1万メートルの高さで飛行すると、陸上で浴びる放射線よりもはるかに多いのです。つまり、放射線をたくさん浴びることで長生きするのです。また、パイロット経験者は髪の毛が薄い人も多いのです(笑)。

以上の観点から、わざわざX線を浴びる必要はありませんが、太陽光線にも放射線が微量ながら入っています。お日様に毎日当たることは健康に良いのです。ですから、朝起きたら朝日を浴びて、お天気の日には、日光に当たるように、なるべく散歩をしましょう。また、最近話題になっている大人も子どもの「引きこもり」を続けると、陽の光を浴びないので、心身ともにダメになるのです。過去に原子爆弾を2つも被害を受けた日本では、放射線=悪の根源と思われても仕方ないのです。しかし、放射線の強さによって、さまざまな有効な現象があるのも事実です。

 

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糖尿病治療薬の抗がん作用

糖尿病の治療薬である「メトホルミン」が、癌の抑制効果があるとされています。以前から知っていましたが、インターネットで下記の記事を見つけました。

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糖尿病とがんの関連、がん発症に結び付く原因解明に向けた研究は、さらに進んでいる。

最近では、膵臓で分泌されるインスリンの作用不足で生じる高血糖や、インスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性という状態が、がん細胞の増殖を促進することも分かってきた。血液中のブドウ糖の代謝を促すインスリンが使われないまま血液中にたくさん残ると、様々な臓器に存在する特定のインスリン受容体に作用し、臓器のがん化に結び付くというのだ。

がん発症や再発の予防に期待されるメトホルミン

Bbff48097a72492f8cf9fcad8ead871bもう1つ、欧米で60年以上使われてきた糖尿病治療薬のメトホルミンに抗がん効果があることが、よく知られるようになったトピックについても触れておこう。

インスリン抵抗性改善薬に分類されるこの薬は、インスリンの分泌を促進せずに血糖値を下げる効き目のよさと低価格から、欧米では糖尿病の第1選択薬として普及している。1970年代に米国などで、乳酸アシドーシス(糖尿病の急性代謝失調の1つ)などの合併症による死亡報告が相次ぎ、危険性が高いと忌避された時期があったが、使い方に注意すれば問題ないことが明らかになった。

近年、メトホルミン服用の患者さんは未服用群に比べ、膵臓がんのリスクが62%低下したとの報告(米テキサス大)をはじめ、肺がん、大腸がん、乳がんなど、多種類のがんで抗がん効果があったとする臨床研究結果が世界各地から発信されている。血中インスリン濃度を下げることでがん細胞の増殖が抑えられるためだ。糖尿病でない人に対してもがん予防、再発防止の可能性が期待されている。

日本でも最近、中年でメタボ型の糖尿病の患者さんに、第1選択薬としてメトホルミンを処方する医師が増えつつある。古典的な糖尿病治療薬が抗がん効果を携えてよみがえる「メトホルミンの逆襲」とささやかれているそうだ。

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ガンの患者さんに、糖尿病ではなくてもメトホルミン(商品名メトグルコなど)を処方する必要はあるのかもしれません。当院では、前立腺ガンの患者さんが多いので、このクスリを追加してみたいと思います。

 

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PSA値が高くなり悩まれている患者さんへ

PSA値が高いから十分に調べもしないで、前立腺針生検を迫る医師がおいでであれば、下記の文章を参考にお渡しください。

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 主治医の先生に申上げたいことがあります。PSA値が高いと、即、前立腺針生検を実施するのはお控えください。先ずは必ず前立腺の触診を行い、前立腺ガンの硬結が触れるか否かを確認してください。もしも硬結が触れなければ、前立腺ガンが存在したとしても、ステージ①ですから10年生存率は健常者と同じなので、ガンを発見する必要はありません。さらに、硬結が触れた場合、その硬さや形状で悪性度グリソンスコアがおおよそ予想できます。前立腺肥大症に近い硬さであれば、グリソンスコア6前後です。かなり硬ければグリソンスコア7~8です。硬さが歪であればグリソンスコア9~10と考えていいでしょう。

 Pcagraf PSA検診に関して、世界的レベルのマスコミや学会では、乳がんと同様に前立腺ガンの過剰診断・過剰治療が問題になっています。しかしながら、日本では未だにPSA検査、針生検をやめてはいません。日本の状況を振り返ってみると判明することがあります。1975年頃は、前立腺ガンの死亡者数が1,200人ほどでしたが、2019年の現在では12,000人以上になっているのです。
1975年頃は、前立腺ガンの罹患数(前立腺ガンが発見された人数)が2,000人ほどだったのが、2019年の現在では78,000人以上になったのです。

この数字から客観的に調べると分かることがあります。
1975年の罹患数➗死亡者数=2,000人➗1,200人=1.7倍
2019年の罹患数➗死亡者数=78,000➗12,000人=6.5倍

時代とともに、前立腺ガンの罹患数が1.7倍⇒6.5倍と、まるで放物線のように急激に増加しているのです。しかしながら、前立腺ガンの死亡者数は角度の低い直線状です。このグラフから分かることは、今話題の「過剰診療」なのです。

Caseamengアメリカとイギリスの前立腺ガンの罹患数と死亡者数の比較したグラフです。PSA検診を行っていないイギリスの死亡者数と、PSA検診を行っていたアメリカの死亡者数がほぼ同じなのです。にもかかわらず、罹患数はアメリカが極端に多いのです。これは明らかにPSA検診による「過剰診療」なのです。

過剰診療でも、「たくさんの人を助けることが出来るのだからいいんだ!」とお思いですか?前立腺ガンと診断された患者さんのその後の人生において、ガンのことしか考えなくなるのです。ポジティブになれないので人生のQOLが低下してしまうのです。医師は患者さんを幸せにするのが使命なのに、患者さんを不幸にしてもいいのでしょうか?

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日本の前立腺ガンの死亡者数を注目すると、この40年間に10倍も増えているのです。その原因は不明とされていますが、グラフで示すように、PSA検診の普及により前立腺ガンの罹患数も死亡者数も増えたと考えることが出来ます。

その理由は、PSA検査で前立腺ガンが疑われ、前立腺針生検をして前立腺ガンが発見され、治療されるからです。???とお思いでしょう。これはラテント癌が関与しています。ラテント癌は60歳代~70歳代で50%、80歳代で60%も存在しているのです。その寝ているラテント癌をPSA値が高いことを理由に、前立腺針生検を行い、ホルモン療法で前立腺ガンを刺激しまくっているのです。それが理由で前立腺ガンの悪性度は増して、命にかかわる前立腺ガンに変身するのです。

PSA値が高い=前立腺ガンとは考えないで、PSA値が高くなる理由を考えてください。今の日本では80歳までに80%の男性が前立腺肥大症になると言われています。前立腺肥大症の原因のベースには、排尿機能障害があるのです。排尿機能障害があると、必ずPSA値は高くなるのです。触診と超音波エコー検査で前立腺ガンが確認できなければ、前立腺ガンが存在したとしてもステージ①と考えて前立腺針生検はしないでください。PSA値が高い=排尿機能障害と考えて、積極的に前立腺肥大症や排尿機能障害の治療を行ってください。お願いします。

【備考】
http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/bph/2017/11/post-e77b.html

ご質問は下記にどうぞ。
高橋クリニック 高橋知宏(無名の開業医)
東京都大田区中馬込2-22-16
03-3771-8000

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ガン治療の考え方

C70067aff1b642dcafd6b76222215fd9医師は癌の治療の際に、癌細胞を物として扱っています。ホルモン剤や抗がん剤の攻撃する標的=的まと=物体として扱っているのです。 攻撃手段を考える医師は、当然、生きた人間ですが、攻撃を受ける癌細胞もその人の生きた細胞なのです。それを意識のない単なる的として攻撃するのですから、必ずしも上手く行く訳がありませんでしょう?

癌細胞は生き物です。それも数ミクロンの大きさの細胞が無数(少なくても数10万個)に集まっているのです。内服薬や注射などで、抗ガン剤やホルモン剤で攻撃しても、癌細胞集団の外周の毛細血管の流れている部分の癌細胞しか死滅しません。集団の中心部分に存在する癌細胞は死滅しません。さらに悪いことに、中心部の癌細胞は、周囲の癌細胞が死滅したことを認識するのです。

その対策として、当然ながら癌細胞を増やすために、細胞分裂を繰り返すのです。何回も何回も細胞分裂を繰り返すと、そのうち当然変異の癌細胞が生まれるのです。それがそれまでの癌細胞よりも悪性度のとても高い癌細胞になるのです。例えば、前立腺ガンでいえば、去勢抵抗生前立腺ガンになるのです。

癌の治療をする医師は、癌細胞を殺すことだけに固執すると、生命体同士の戦いという事を忘れ、逆に患者さんの寿命を短くさせるのです。それを避けるために、癌細胞は物質的な標的ではなく、患者さんの個性に準じた生命体だと思いながら、対策しなければならないのです。

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