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痛みで苦しむ徳島の患者さん

私の著書を読み、徳島県から男性患者さんが娘さんと二人で来院されました。陰部と会陰部の強い痛みと肛門の痛みで苦しんでいた患者さんです。

平成30年11月に血尿認められ、地元の内科医で膀胱炎と診断され抗生剤を処方されました。その後、陰部・会陰部の痛みが出てきて、次第に強くなり、12月には救急車で搬送されました。救急病院で精密検査を行いましたが、「異常なし」でした。

その後、地元の市民病院で痛みの原因を調べたところ、超音波エコー検査で膀胱腫瘍(癌)の初期が偶然にも発見され、平成31年1月に手術(経尿道的膀胱腫瘍切除)を行いました。

Pain37115m72ところが、膀胱腫瘍を治療したにもかかわらず、問題の痛みが治りません。主治医に相談しても「分かりません」「貴方の気のせいです」「慢性前立腺炎でしょう?」と冷たく対応されてしまいました。この悩み解決のために、内科、肛門科、泌尿器科合わせて10軒以上も診察・検査したが、痛みの原因は分りませんでした。

たまたま友人に紹介された私の著書を書店で取り寄せ、本の内容と自分の病状が一致したことに驚き、3回も読んでしましました。そして当院に来院されました。

Pain37115m72pp早速、超音波エコー検査を行いました。パット見て分かりにくい所見です。膀胱出口に白く硬化像が確認できます。

一番気になる所見が、膀胱縦走筋と前立腺結石の区別がつきにくい所です。一つの塊に見えます。当然、排尿機能障害の結果です。また、膀胱括約筋も白く肥大しています。これもまた排尿機能障害の結果です。当然、膀胱三角部が肥大・変形しますから、膀胱三角部が過敏になり、この患者さんの苦しみである原因不明の痛みになったのです。

排尿障害治療薬と頻尿治療薬で治療を開始しました。1ヶ月後に症状が軽快したかどうか、連絡を楽しみです。

【備考」

この患者さんが来院したのが4月23日(火)でした。4月25日(木)に電話があり、痛みが50%になったという喜びの電話でした。何と!クスリを服用して3日目には症状が改善したのでした!

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頻尿とは無関係…前立腺ガン

Pca37102m81bladpp先日、患者さんからご紹介された80代の男性がご夫婦でお越しになりました。

その男性の悩みは頻尿でした。毎日10回以上の頻尿と尿意切迫感で悩まれていたのです。地元の総合病院で治らない頻尿のことを何べん訴えても、同じお薬をただ処方されているだけでした。医師であれば、目の前の患者さんの訴えに応じてお薬の工夫をしなければなりません。

早速、エコー検査を行いました。前立腺の大きさは43ccと通常(20cc)の倍の大きさでした。また膀胱の壁がデコボコしています。これは、排尿障害による膀胱への物理的負荷が長期間かかることによる肉柱(白い→)形成の結果です。体質の関係で前立腺の全体像が詳細に観察できないので、一度、排尿していただきました。

 

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排尿後に残尿測定をしたところ、40㏄以上も残っていました。すると、前立腺が詳細に見えたので、入念に観察しました。膀胱縦走筋が変形して肥厚しています。排尿障害の証拠です。また、前立腺の実質の中に前立腺結石を認めました。これも排尿障害の証拠です。膀胱三角部の粘膜が白く輝いています。これも膀胱出口が十分に開かないで排尿するために生じる膀胱出口の振動が原因で膀胱三角部の粘膜が硬くなった証拠です。つまり排尿障害による膀胱三角部の過敏による頻尿が、この患者さんの症状なのです。

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さらに詳細に前立腺を観察すると、…あってはならない影が見えるのです。そこで前立腺の直腸触診を行うと、前立腺の左葉から中央にかけて硬結が触れたのです。明らかに前立腺ガンでした。

 

Pca37102m81pcappもう一度、エコー検査で確認すると、前立腺外腺組織の左葉から中央にかけて前立腺ガンの陰影(赤い→)が確認できました。前立腺ガンと思われる陰影の大きさは1.54㏄です。

今回の患者さんの悩みは頻尿でしたから、まずは頻尿の治療を優先としました。前立腺ガンの治療は帰宅後どうするのかお考えくださいとお話ししました。

後日、改めてお越しになり、私の奇抜でユニークな治療をすることになりました。

 

 

 

 

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休診のお知らせ

【休診日】

令和3年4月10日(土曜日)〜4月15日(木曜日)は
院長が心臓の治療で入院するため、診察は行いません。
その期間のリハビリと再診による薬の処方は行います。

また、院長が入院の精密検査のため、診療ができない日があります。
診察を希望される方は,前日にお電話で確認のため、午前中にお問い合わせください。電話:03-3771-8000

3月23日(火曜日)の午後は休診です。
3月30日(火曜日)の午前は診察できません。
4月1日(木曜日)の午後は休診です。

【診療時間】

 

月曜日〜土曜日: 午前中9時~12時診療を行います。
ただし、火曜日・木曜日のみ、午後4時〜午後6時も診療を行います。

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頻尿は、冷え性だから…

Hie37071m80先日、80代のご夫婦がお越しになりました。

ご主人がオシッコが近くて困っていると言うのです。日中は1時間半に1回(1日12回)、夜間4回の頻尿があるのです。過去に治してもらおうと、地元の公立病院泌尿器科を受診しました。いろいろと検査を行い、前立は大きくなかったので、結果、「頻尿の原因は冷え性ですね!」と診断され、お薬も処方されなかったそうです。

お話をお聞きして、『ひどい医者だなぁ』と思いました。一般内科の医師がそのように判断するのであれば、仕方がないかなぁ?と思われますが、泌尿器科の「専門医」が何をバカなことを言っているんだと情けなくなりました

早速、超音波エコー検査を行いました。確かに前立腺は19㏄と正常範囲です。おそらく前立腺の大きさが正常なので「異常ない」と判断して、「冷え性が原因です」と診断したのでしょう。

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しかし、超音波エコー検査画像を拡大して精密に観察すると、異常所見が明白に観察できます。

①膀胱縦走筋が膀胱出口の方向に向いていません。(赤い→)そして膀胱縦走筋は先端が先細りになるのが正常なのに、先端が開いて変形しています。(黒い↔)

②膀胱縦走筋の変形=膀胱三角部の増大(赤い部分)しますから、膀胱三角部は過敏になり頻尿になるのです。

③膀胱括約筋の白さの面積も広がっています。つまり、排尿機能障害のために膀胱括約筋が発達したと言うことになるのです。

④前立腺結石も確認できます。前立腺結石=排尿機能障害です。

以上の結果から、排尿機能障害が原因の頻尿だったのです。

 

 

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