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膀胱の構造から考えた治療の選択肢

Lutstherapy
慢性前立腺炎や間質性膀胱炎などの下部尿路症の主な原因は、患者さん本人が気付いていない排尿障害です。
機能性排尿障害が、膀胱括約筋を肥厚させ、さらに強い器質性の排尿障害になります。
それと同時に膀胱三角部が肥厚・過敏になります。
膀胱出口の膀胱括約筋と膀胱三角部が肥厚して排尿障害が強くなるため、膀胱体部にも負担が掛かります。
膀胱括約筋のスイッチである受容体は、α1受容体ですから、治療薬はα1ブロッカーのユリーフ、ハルナール、フリバスです。
膀胱三角部のスイッチである受容体は、β3受容体ですから治療薬はβ3作動薬であるベタニスです。
膀胱体部のスイッチである受容体は、ムスカリン受容体ですから、治療薬は抗コリン剤のベシケアなどです。
下部尿路(膀胱・前立腺・尿道)の慢性的病気は、この膀胱括約筋と膀胱三角部と膀胱体部の三つ巴で作られる症状です。ですから、α1ブロッカーとβ3作動薬と抗コリン剤の3つを駆使すればいいのです。

Recepter3type
ところが、この理論で治療しても、すべての患者さんがスッキリ、ピッタリと治る訳ではありません。
なぜなら、平滑筋に作用するスイッチである受容体は、万人が常に均一均等に配分している訳ではないからです。膀胱括約筋=α1受容体、膀胱三角部=β3受容体、膀胱体部=ムスカリン受容体とデジタルにキッチリと配分しているとは限りません。
イラストのグラフで示すように、人によって、受容体の分布配分が様々です。
私なら、まずはα1ブロッカーを投与します。早めに結果を出す時や患者さんの症状が強い際には、β3作動薬を併用します。この処方で大方8割の患者さんは症状が軽快します。
一部の患者さんでは、効果がイマイチの場合があります。その場合には、α1ブロッカーの種類を変えるか、抗コリン剤を併用します。

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コメント

前立腺肥大(30cc)で現在ザルティアとアボロブを服用しています。10数年前に慢性前立腺炎を患い
前立腺の鈍痛と会陰部の不快感がときどき襲ってきます。
現在の服用に加えてα1ブロッカーとβ3作動薬を追加で服用することは可能でしょうか?作用的に何か問題はあるでしょうか?
【回答】
問題はありません。

投稿: 名古屋在住 | 2019/06/03 19:23

初めまして。
友人より紹介されて、連絡させていただきました。3年程前より、トイレが近いな、急に行きたくなると感じるようになってきて、その時期に健康診断でPSAの数値が4という事で生研を指示され受診しました。その際ガンは無と診断でした。トイレが近いというのは良い時と悪い時、波があり、昼夜2時間ごとにというときもあれば、半日に一回程度、夜は全く起きないという時もあります。
【回答】
悪い症状が本来の貴方の症状です。
たまに人を殺す人を「いい人」とは思いませんよね。」

現在のPSAの数値は2.5に下がっています。病院の診断では前立腺肥大は超音波診断で確認できますとの事。現在、処方されているのはユリーフ4mgとアボルバです。その前に茶色いカプセル(名前を忘れてしまった)排尿しにくくする薬を飲んだのですが、これは出が細くなって飲んでられなかったです。先生のブログを見ると前立腺肥大に問題があるという事だけでなく、膀胱など周辺も含めてみるように感じたのですが、如何なものでしょうか?何か対処法があるようでしたら是非、受診させて頂だこうと考えています。アドバイス宜しくお願いいたします。
【回答】
排尿機能障害が前立腺を大きくし、膀胱に負担をかけて症状を作るのです。
詳しくは私の書いた「本当はこわい排尿障害」をお読みください。
Amazonでも購入できます。
お大事に。

投稿: | 2019/06/06 15:27

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