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PSA検査の大いなる誤解と弊害

間寛平さんの出演する前立腺癌早期発見キャンペーンをテレビ・コマーシャルでよく見ることがあります。
PSA検査で前立腺癌を早期発見しようというキャンペーンです。年間43000人が前立腺癌になるという恐ろしい内容です。
依然、このブログで、PSA検査を発見した研究者の最近の思いを掲載しました。(ニューヨーク・タイムズの記事)ここにその直訳を載せましょう。

Published: March 9, 2010
Tucson
発行日: 2010年3月9日ツーソン

EACH year some 30 million American men undergo testing for prostate-specific antigen, an enzyme made by the prostate. Approved by the Food and Drug Administration in 1994, the P.S.A. test is the most commonly used tool for detecting prostate cancer.
『毎年約3000万人のアメリカ人の男性が、前立腺特異抗原PSA(前立腺によって作られる酵素)の検査を受けています。1994年に食品医薬品局によって承認されたPSA検査は、前立腺癌検査の最も一般的に使用される検査法です。』

The test’s popularity has led to a hugely expensive public health disaster. It’s an issue I am painfully familiar with — I discovered P.S.A. in 1970. As Congress searches for ways to cut costs in our health care system, a significant savings could come from changing the way the antigen is used to screen for prostate cancer.
『このPSA検査の流行は、高額な経費かけた国民の健康被害に発展しました。 この問題は、私にとって切ないほど馴染みのある問題です。なぜなら、1970年に私がPSAを発見したからです。 議会が国民のヘルス・ケア・システムでコストを削減する手立てを模索している時に、抗原が前立腺癌のスクリーニング検査として使用される方法に変えることで、かなりの節約になりました。』

Americans spend an enormous amount testing for prostate cancer. The annual bill for P.S.A. screening is at least $3 billion, with much of it paid for by Medicare and the Veterans Administration.
『アメリカ人は前立腺癌の検査に巨額の費用を負担しています。 PSAスクリーニング検査のため、毎年の請求額は少なくとも30億ドル(2400億円)です。それらの多くが老人医療健康保険制度と復員軍人援護局によって支払われています。』

Prostate cancer may get a lot of press, but consider the numbers: American men have a 16 percent lifetime chance of receiving a diagnosis of prostate cancer, but only a 3 percent chance of dying from it. That’s because the majority of prostate cancers grow slowly. In other words, men lucky enough to reach old age are much more likely to die with prostate cancer than to die of it.
『前立腺癌と聞けば多くの重圧を感じるかもしれませんが(あるいは、前立腺癌と知れば多くの記事や評判になるかも知れませんが)、次の数字を考えてみてください。 アメリカ人の男性が、生涯に前立腺癌の診断を受ける可能性は16パーセントです、しかし、前立腺癌で死亡というのは、わずか3パーセントしかありません。 それは前立腺癌の大部分の成長が遅いからです。 言い換えれば、幸運にも高齢者になった男性は、前立腺癌が原因で亡くなるよりも、前立腺癌を持って亡くなる人の方がはるかに多いのです。』

Even then, the test is hardly more effective than a coin toss. As I’ve been trying to make clear for many years now, P.S.A. testing can’t detect prostate cancer and, more important, it can’t distinguish between the two types of prostate cancer — the one that will kill you and the one that won’t.
『その時でさえ、この検査はコイン占い(コイントス)より無意味です。 私が、今まで何年間も明らかにしようとして出来なかったことは、PSA検査で前立腺癌を検出できないこと、さらに重要なことは、それが2つのタイプ、つまり死亡原因になる癌か天寿を全うできる癌かを見分けることができないということでした。』

Instead, the test simply reveals how much of the prostate antigen a man has in his blood. Infections, over-the-counter drugs like ibuprofen, and benign swelling of the prostate can all elevate a man’s P.S.A. levels, but none of these factors signals cancer. Men with low readings might still harbor dangerous cancers, while those with high readings might be completely healthy.
『代わりに、この検査は、男性の血中前立腺抗原がどのくらい持っているかが単に分かるだけです。 感染症、イブプロフェンのような市販薬、および前立腺肥大症はすべて、男性PSAレベルを上げます。しかし、これらの要素のいずれも癌ではありません。 PSA値が低いと判定された場合でも、前立腺癌を完全否定することはできませんが、一方で、高いと判定された場合でも、健常者とされる場合もあります。』

In approving the procedure, the Food and Drug Administration relied heavily on a study that showed testing could detect 3.8 percent of prostate cancers, which was a better rate than the standard method, a digital rectal exam.
『承認手続きの際に、食品医薬品局は、一般的な検査法である直腸触診に比べ前立腺癌発見率が良いとして、3.8パーセントの前立腺癌を検出できたPSA検査研究を大いに根拠としました。』

Still, 3.8 percent is a small number. Nevertheless, especially in the early days of screening, men with a reading over four nanograms per milliliter were sent for painful prostate biopsies. If the biopsy showed any signs of cancer, the patient was almost always pushed into surgery, intensive radiation or other damaging treatments.
『それでも、3.8パーセントは少ない数です。 それにもかかわらず、特に初期のスクリーニングでは、PSA値4ナノグラム/mL以上の男性を苦痛な前立腺生検へとしました。 生検で何か癌の兆候を見つけたら、ほとんどいつも外科的治療や積極的な放射または他のダメージが大きい治療に患者さんは追い込まれました。』

The medical community is slowly turning against P.S.A. screening. Last year, The New England Journal of Medicine published results from the two largest studies of the screening procedure, one in Europe and one in the United States. The results from the American study show that over a period of 7 to 10 years, screening did not reduce the death rate in men 55 and over.
『医学界はPSAスクリーニングに対してゆっくりと方向転換しています。 昨年、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは、スクリーニング方法について2つの大規模研究を報告しました。1つはヨーロッパ、もう1つは合衆国の研究です。 アメリカの研究結果からは、7年~10年の期間にわたっての研究で、PSAスクリーニング検査は55歳以上の男性の前立腺癌死亡率を低下させることはなかったという報告です。』

The European study showed a small decline in death rates, but also found that 48 men would need to be treated to save one life. That’s 47 men who, in all likelihood, can no longer function sexually or stay out of the bathroom for long.
『もう一つのヨーロッパの研究では、死亡率のわずかな減少を示しましたが、48人もの男性のスクリーニング検査で、治療が必要な人をたった1人しか見つけるにすぎませんでした。 残りの47人の男性は、ほとんど性的機能が廃絶しているか、入浴できないような人たちでした。』

Numerous early screening proponents, including Thomas Stamey, a well-known Stanford University urologist, have come out against routine testing; last month, the American Cancer Society urged more caution in using the test. The American College of Preventive Medicine also concluded that there was insufficient evidence to recommend routine screening.
Thomas Stamey、『ご存知スタンフォード大学泌尿器科医、を含む多数の早期スクリーニング提案者たちは、定期PSA検査に反対しました。 先月、アメリカ癌協会はPSA検査を行う際に、さらに多くの注意を喚起しました。 また、American College of Preventive Medicine は、定期検査を推薦するには根拠が不十分であったと結論を下しました。』

So why is it still used? Because drug companies continue peddling the tests and advocacy groups push “prostate cancer awareness” by encouraging men to get screened. Shamefully, the American Urological Association still recommends screening, while the National Cancer Institute is vague on the issue, stating that the evidence is unclear.
『さて、PSA検査はなぜまだ続けられているのでしょうか? 製薬会社が、PSA検査を売り続けていることと、圧力団体が、男性はスクリーニング検査を受けるように「前立腺癌の啓蒙」を押しているからです。 恥ずかしくも、アメリカ泌尿器科学会は、スクリーニング検査をまだ勧めています。一方、国立ガン研究所はこの問題に関してあいまいな立場ですが、証拠が不明瞭と述べています。』

The federal panel empowered to evaluate cancer screening tests, the Preventive Services Task Force, recently recommended against P.S.A. screening for men aged 75 or older. But the group has still not made a recommendation either way for younger men.
『癌検診を評価するのに権限を与えられた連邦委員会(Preventive Services Task Force)は、最近、75歳以上の男性に対してPSAスクーリング検査を推薦しました。 しかし、委員会は、75歳未満の男性に対していずれにせよ勧告はしませんでした。』

Prostate-specific antigen testing does have a place. After treatment for prostate cancer, for instance, a rapidly rising score indicates a return of the disease. And men with a family history of prostate cancer should probably get tested regularly. If their score starts skyrocketing, it could mean cancer.
『前立腺特異抗原テスト(PSA)は今でも一定のポジジョンを占めているのも事実です。 例えば、前立腺癌治療後に、急速に上昇するPSA値は、病気の再燃を示します。また、前立腺癌の家系がある男性は定期的にPSA検査されるでしょう。 PSA値が急峻に上昇し始めるなら、それは癌を意味します。』

But these uses are limited. Testing should absolutely not be deployed to screen the entire population of men over the age of 50, the outcome pushed by those who stand to profit.
『しかし、これらの用途は限定的です。 50歳以上のすべての男性をスクリーニングするためにPSA検査を絶対に実施すべきではありません。PSA検査は利益追求側に立った人々によってごり押しされた代物です。』

I never dreamed that my discovery four decades ago would lead to such a profit-driven public health disaster. The medical community must confront reality and stop the inappropriate use of P.S.A. screening. Doing so would save billions of dollars and rescue millions of men from unnecessary, debilitating treatments.
『40年前の私の発見が、このような利益主導の国民健康災害につながるとは夢にも思いませんでした。 医学界は、現実に立ち向かって、PSAスクリーニングという誤りを止めなければなりません。 そうすることで、何十億ドルの節約と数百万の男性を不要で有害な治療から救出することがきっと出来るでしょう。』

【原文】

この記事は、2010年11月に掲載したものです。通院している患者さんが、以前読んだこの記事が再度読みたいのに、探せないと訴えられたので、ここに掲載しました。

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コメント

お世話になっています。

2年前に他の病院で前立腺癌と診断され針精検をすすめられ、悩んで先生のところを受診し、結局のところ、肥大だけで以来プロスタールを処方していただいているものです。

その後、特に問題はでておりませんが、時間も経っているので、そろそろエコーと直診を受けた方がよいでしょうか?

できれば高橋先生の診察を受けたいのですが、当方、遠隔のため、思案中です。

ちなみにPSAは7/20の自費検査では、0.9です。

よろしくお願いします。
【回答】
地元で超音波エコー検査と触診を受けられたらいかがでしょうか?

投稿: 診察券番号 34857 | 2018/07/25 11:50

早速のご回答ありがとうございます。

何かあるとすぐに針精検をすすめられたのが、トラウマでなかなか高橋先生以外の診察は気が乗りません。

プロスタールは、ずっと長期間使い続けて問題なければ、このまま様子みたいですが、どうでしょうか?

PSAが上がり始めてからの通院、検査では遅いでしょうか?
★回答
その考えでよいでしよう。

投稿: 診察券番号 34857 | 2018/07/26 16:17

ありがとうございます。

先生も養生なさってください。

いつも本当にありがとうございます。

投稿: 診察券番号 34857 | 2018/07/26 22:04

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