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レーザー光線手術をしたのに、頻尿・傷みが治らない患者さん

70歳代の男性患者さんがご夫婦で来院されました。
2年前から恥骨部分が痛くて仕方がないそうです。5年前に尿閉を繰り返したので、レーザーを使った前立腺肥大症の手術を行いました。
しかし、手術後も頻尿は改善せずに、毎日15回の頻尿と、夜間2回の頻尿です。さらに、恥骨の痛みが加わり、患者さんは苦しみ悩んでいるのです。
複数の病院を受診して、CT検査などの精密検査をしたにもかかわらず治らないので、精神科にも受診させられました。
娘さんが、インターネットで高橋クリニックを見つけて来院しました。
Turp36433m702
早速、超音波エコー検査をおこなうと、写真のような所見です。
これをご覧になっただけでは、ハッキリ分からないでしょう。
そこで、説明を加えたのが、次の写真です。

Turp36433m705
黒く見える大部分が尿の見えるところです。
レーザー光線で手術を行い、切除された部分が三角形線で示す部分です。
口を開けたヘビのように見える膀胱括約筋の上に、膀胱三角部(赤い→)がハッキリ確認できます。
これで、患者さんの痛み症状と頻尿症状が、前立腺肥大症の手術を行ったにもかかわらず治らなかった理由です。

Turp1
排尿障害→前立腺肥大症→頻尿になる理由を解説しましょう。
排尿障害によって、排尿中に膀胱出口は十分に開きませんから、膀胱出口が振動します。
その振動により、膀胱三角部が過敏になり肥厚します。
膀胱三角部は、尿意のセンサーですから、ここが過敏になると、頻尿や痛みが作られます。

Turp2
最先端のレーザー光線手術で、前立腺肥大症の主な部分(腺腫)を摘出して、それを細かくスライスして膀胱から除去します。
前立腺肥大症の手術だから、前立腺さえ除去すれば良いと、未熟な医師が考えるのです。

Turp3
ところが、前立腺は小さくなって、オシッコの出は良くなりましたが、過敏になった膀胱三角部が手付かずです。結局、過敏になったセンサーはそのままですから、症状が治る訳がありません。
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【前立腺肥大症=排尿障害→頻尿+痛み】
と考えて、短絡的に前立腺肥大症を手術さえすれば、症状がなくなる!と思い込んでいるのです。病気は、そんなに単純ではありません。
本当は、
【排尿障害→前立腺肥大症+膀胱三角部の過敏→排尿障害の悪化+頻尿+痛み】
というのが、この病気の仕組みなのです。
治療は、前立腺肥大症と膀胱三角部の処置が必要になります。
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この状態を解決するためには、膀胱三角部を落ち着かせることを目標とします。
①膀胱出口の緊張を緩めるために、ユリーフ
②膀胱三角部を直接に緩めるために、ベタニス
③残っている前立腺の硬さを柔らかくするために、アボルブ
④痛みは脊髄中枢で合成された痛みなので、脊髄中枢の興奮を抑える、トラムセット

以上の治療で改善が得られなければ、内視鏡手術で膀胱三角部を処置すればよいのです。


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