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m3.comの記事から BRCA遺伝子変異が前立腺癌にも関連か【米国泌尿器科学会】

前回、BRCA1/2遺伝子変異と前立腺癌について解説しました。
過去のm3.comの記事(米国学会短信2016年5月26日)から下記の内容の記事を見つけたので要約しご紹介いたします。

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 乳癌リスク上昇に関連するBRCA1とBRCA2遺伝子の生殖細胞系列変異が前立腺癌発症や予後の悪化に関連している可能性があるとの複数の報告が米国泌尿器科学会(AUA)の年次学術集会で発表された。5月9日の同学会プレスリリースで複数の関連演題の概要が紹介されている。

❶【ウォルター・リード米軍医療センターからの報告】
根治的前立腺摘除術を受けた前立腺癌患者857例→血液DNAサンプルを解析
・BRCA1/2遺伝子変異率が、黒人:白人=7.3%:2.2%と黒人に多い。
・前立腺癌の転移リスクは、BRCA1/2遺伝子変異ある人:ない人=9.4%:2.4%
遺伝子変異のある人に前立腺ガンの転移リスクが高くなる。

❷【イリノイ州の研究グループによる乳癌既往の男性に対する前立腺癌検査の意義】
原発性乳癌と診断された「男性」5753例→その後の前立腺癌発症率を検討した。
平均4.3年の追跡期間において250例が乳癌の後に原発性前立腺癌を発症していた。
これらの因子を保有する男性乳癌患者への前立腺癌検査が必要かもしれないと考察している。

❸【論文データベースMEDLINEを用いたメタ解析】
 BRCA2遺伝子の変異を保有する前立腺癌患者261例の検討
・診断時の平均年齢は61.7歳
・71%が高悪性度(グリソンスコア7以上)、
・41%が局所浸潤または周囲臓器浸潤あり(T3/T4)、
・26%が遠隔転移ありと判定されていた。
・前立腺癌転移リスクは、BRCA2遺伝子変異保有男性:非保有例=17.4%:4.4%
・病期分類T3/T4(ステージⅢ・Ⅳ)の割合は、遺伝子変異保有者:非保有者=40.3%:10.8%

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