80歳の前立腺ガン
10年前からPSA値が8以上と高かったので、医師から針生検をすすめられたのですが、拒否して、自己治療で過ごしてきた80歳の患者さんです。現在のPSA値は25越えです。
それまで横浜のリークリニックの院長が書いていたブログを読み、その考え方に賛同して自己流の治療法を工夫していました。リークリニックの院長は前立線針生検に否定的な医師でした。残念なことに数年前に食道ガンで他界しました。インターネットで同じようなことを主張した私のブログを読み、来院されました。元々は電気関係の仕事をしていた理数系の人で、今までのデータをきれいにグラフ化して持参しました。
この患者さんはすごくて、速歩のウオーキングとPSA値の比較などいろいろ実験をしています。自宅近くを5km速歩で歩いたら、PSA値が18.5から44.9まで上昇した記録が提示されました。運動はPSA値を下げないのですね。
また、癌は熱に弱点があると知ったら、積極的に遠赤外線治療を受けていました。残念なことに、結果的には、PSA値は下がりませんでした。
現在のPSA値は25で、一般の医師から言えば、完璧に前立線ガンです。早速、超音波エコー検査を行いました。前立線はとても大きく68cc(正常は20cc)でした。前立線の右端に前立線ガンらしき塊が検知されました。写真の赤い矢印の部分です。触診で、前立線全体が肥大症の硬さに、右端にわずかながら前立線ガンの硬い硬結が触れました。明らかに前立線ガンの初期所見です。おそらく、治療の必要のないラテント癌が大きくなっただけでしょう。
一般的な治療手順としては、前立線針生検を実施し、ガン細胞を確認してから治療になります。私は針生検でガンうぃ刺激したくないので、確認せずに治療を始めます。この患者さんは私の考え方に賛同して、私の治療を希望されました。この患者さんは、80歳を超えていますから、前立腺針生検や無理な治療法を選択しなければ、天寿を全うできるでしょう。私よりも長生きかもしれません。うらやましい。
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