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糖尿病治療薬が前立腺癌治療に効果? m3.comから

メトホルミンはアンドロゲン受容体を標的し、アンドロゲン依存性および非依存性前立腺癌を抑制する

2015年05月19日(原文公開: 2015年04月27日)

中国・重慶の第三軍医大学大坪病院のYan Wang氏らは、前立腺癌に対するメトホルミンの効果がアンドロゲン受容体(AR)依存性かどうか、そうである場合にメトホルミンが他の抗AR薬と相乗的に作用し、有効性が高く、毒性が低い治療レジメンとして役立つかどうかを調べる研究を実施した。 方法 •2種類のヒト前立腺癌細胞株、アンドロゲン依存性LNCaP細胞およびアンドロゲン非依存性22RV1細胞をメトホルミン単独またはビカルタミドとの併用で処理し、その場合の細胞生存能力およびアポトーシスをそれぞれMTTアッセイおよびアネキシンV-FITC染色によって判断した。
•定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)およびウェスタンブロッティング法を実施し、それぞれによってAR mRNAに対するメトホルミンの効果およびタンパク質レベルを調べた。
•クロマチン免疫沈降(ChIP)法を実施して、AR標的遺伝子PSAのプロモーター領域にあるアンドロゲン応答配列(ARE)へのAR誘導を確認した。
結果 •メトホルミン処理は両細胞株について細胞生存能力の抑制およびアポトーシスの促進をもたらし、メトホルミンとビカルタミドの併用でLNCaP細胞を処理した場合には相加効果が認められた。
•LNCaP細胞では、メトホルミンが完全長ARタンパク質をダウンレギュレーションした。
•CWR22Rv1細胞では、完全長および一部切除AR(AR-v7)の双方がメトホルミンによってダウンレギュレーションされた。
•LNCaP細胞およびCWR22Rv1細胞のいずれにおいても、メトホルミンはARタンパク質の分解や安定性に影響を及ぼすことではなく、AR mRNAレベルをダウンレギュレーションすることによってARシグナル伝達経路を抑制した。
結語 •メトホルミンはARシグナル伝達経路を標的にすることで前立腺癌細胞の生存能力を抑制し、アポトーシスを促進する。
•メトホルミンと他の抗AR薬の併用は、前立腺癌、特に去勢抵抗性前立腺癌の治療に関して、有効性が高く、毒性が低い将来有望な治療アプローチとなる可能性がある。

(掲載: The Prostate)

【解説】
メトホルミンは糖尿病の治療で使用されるビグアナイド系の薬剤です。一般的にインスリン感受性を高める作用があり、欧米では多用される薬剤です。
商品名として、メトグルコ、グリコラン、メデットなどがあります。

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コメント

診察番号29367です 4月12日先生に診察してもらい普通の肥大症と言われ安心して地元に帰ってきましたが その後5月13日見てわかるほどの血尿が出て慌てて地元の泌尿器科に行きました 膀胱がんと前立腺癌の生検も仕方なくしました PSA値も高く23.8ありました 結果6本中全部に癌がありました
GSは最悪の8が4本9が1本なんと10が1本で あと今後は骨ケンチとCT待ちです 医者には覚悟してと言われました これほど悪けるば 触診で石のような硬さだと思いますが今は毎日が眠れずうつ状態です 
【回答】
残念です。
一般的な前立腺癌は石のように塊で触診できます。
しかし、悪性度が高くて前立腺全体に広がるタイプの前立腺癌の場合は、前立腺肥大症の組織と混在し、一か所にかたまっていないので、超音波エコー検査でも触診でも前立腺肥大症としか認識できません。
このような患者さんの場合、PSA値がドンドン高くなることを理由に前立腺癌を強く疑い、抗癌剤を処方してみるという手段しかありません。
今回、あなたは針生検で前立腺癌を発見した訳ですから、今の主治医に従って治療を受けてください。
いずれにしろ、事前に正確に診断できなかったことをお詫びいたします。

投稿: hitoshi | 2015/05/30 09:21

初めてメールを致します。59歳の男性です。
6月始めぐらいから、排尿後にしみるような痛みがあり、何か炎症を起こしているかもと、市内の病院で受診。血液検査等を受けたあと問診時に、PSA40あり、前立線がんの疑いが強いと言われました。その場で、1】自覚症状の評価、【2】直腸内指診、【3】尿検査、【4】尿流測定、【5】残尿測定、【6】血清PSA(前立腺特異抗原)測定、【7】前立腺超音波検査エコー検査と尿管検査、を行った結果、針生検をすぐに受けたほうが良いと言われました。その日のことでしたので、即答は控えて帰宅。
一週間後、定期健診を他の医院で受診。PSA36でした。色々調べているうちに、高橋先生のブログを目にした次第です。現在、ユリーフ4mgを
1週間分ほど頂いて、家族との面談を依頼されています。
(6/24-7/1-7/8)
先生(30代前半)は、もしがんであれば、切る方法が一番とのことです。

現在の状態ですが、排尿回数は一日に、10から12回ぐらいです。夜は、1回あるかないかです。今週より、ノコギリヤシEXを飲用。水は極力のんでいません。(代わりにポカリを飲用)。

第3週末ですが、一度、高橋先生へ相談をお願いしたいと考えています。
【回答】
了解しました。


投稿: sonic358 | 2015/07/05 12:09

sonic358さん 上に投函したものです 私の経験上、今すぐに針生検を受けるべきです
私は生検で命を救われたと思ってます、まずエコーと触診でもし癌でないと言われて
本当に安心できますか PSA値が40もあったのに いつまでも もやもやした気持ちで
過ごすのですか 又癌があったらどうするのですか 骨やリンパへの転移検査は
やはり地元の病院で骨シンチやCT検査受けることになるでしょう その時結果的に
針生検をすることになります それなら早いに越したことはない 何も遠回りする
必要はない PSA値が40なら転移の心配を一番にしないと 大変な事になりますよ
私は自分が経験しているので あえて投函しました
先生の手は神の手でも何でもない普通の人間の手です 結局はエコーと触診では解らない
日本で一番有名な人も針生検をしてます。

投稿: hitoshi | 2015/07/08 21:43

はじめまして! 2016/02/17

[お名前] kyoto

[ふりがな] きょうと

[E-Mail] kyoto・・・yahoo.co.jp

[お問い合わせ内容] 相談内容
74歳、男性(京都府) 患者との関係:本人

■疾患名
前立腺肥大(癌の疑い)

■いつ頃から?
始め      
2012/03/15
PSA 10.1
      
最近 
2016/02/02
PSA 15.9
PSAf/t比  29   
フリーPSA 4.58

■検査結果
直腸触診・MRIは異常なし。

■現在使用の薬
調剤はない。

■受診された医師のお話
半年に一回の定期検診で・針生険は今のところ不要でとの事

■ご相談内容
京都市では中堅病院の担当医師ですが!生険は上手くしないと危険が伴いますか?
【回答】
常にリスクがあります。」

調剤はどの様な種類がありますか?
【回答】
前立腺が大きいのであれば、前立腺肥大症の治療としてプロスタールを処方します。


投稿: kyoto | 2016/02/17 16:05

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