微弱電流と癌細胞
前回、高周波電流と癌細胞について考えました。
高周波電流が癌細胞にダメージを与え、癌細胞を抑制してくれるかも知れないと解説しました。癌細胞の細胞膜は正常細胞の細胞膜に比べて電気抵抗が弱いからです。それでは微弱電流に対して癌細胞はどのように振舞うのでしょうか?文献がなかなか見つからないので正確に議論することは出来ませんが、前立腺癌の患者さん全員に電気メスを利用して高周波電流を流すのは、なかなか抵抗があります。
そこで、微弱な電流を前立腺癌に流してみたらどうなるのか?抗ガン作用が出てくるのか?興味が湧きます。
過活動膀胱の治療機械で、磁気刺激装置があります。椅子の下に大きなコイルが仕掛けられて、10ヘルツの振幅で磁力線が逆方向に交互に発生します。すると磁力線が通過する膀胱・前立腺に渦電流(うずでんりゅう)がやはり逆方向に交互に発生します。これはファラデー法則から導き出せる現象です。
人間の体は、電線と同じで導体ですから、磁力線に動きがあると電流が流れるのです。
実は、この磁気刺激装置を購入しようかと考えています。目的は過活動膀胱・間質性膀胱炎・慢性前立腺炎で悩まれている患者さんのためですが、前立腺癌の患者さんにも治療の可能性が広がるかも知れません。
癌細胞に高圧パルス波を与えながら抗癌剤を投与すると、抗癌剤の効果が高くなるという文献があります。磁気刺激装置で発生する電流は高圧パルス波ではありませんが、何らかの可能性があるのではないかと思えるのです。
| 固定リンク
コメント