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前立腺癌のHIFU改良で生存増  m3.comから

前立腺癌のHIFU改良で生存増
2014年08月06日

文献:Uchida T,et al.Improved Outcomes Owing to High-intensity Focused Ultrasound Devices Version-up for the Treatment of Patients with Localized Prostate Cancer.J Urol. 2014 Jul 28. pii: S0022-5347(14)04047-6. doi: 10.1016/j.juro.2014.07.096. [Epub ahead of print]

Hifu200 1999–2012年に高密度焦点式超音波治療(HIFU)を受けた限局性前立腺癌患者918人を対象に、機器の改良による転帰の改善を検証。全体の10年全生存率と癌特異的生存率は89.6%、97.4%だった。

Hifu5年生化学的無病生存率はSB200/500群48.3%、SB500 ver.4群62.3%、SB500 TCM群82.0%だった。

【備考】
HIFUは高密度の超音波エネルギーを前立腺癌に焦点照射して、前立腺癌を焼き殺すという治療器です。かなり高額(数千万円?)な機械で、私のような小規模開業医では購入できませんし、前立腺癌の治療としては保険適応がありません。
しかし、前立腺肥大症の治療としては保険適応があるので、前立腺癌を前立腺肥大症として治療すれば、一連の治療で保険点数5000点(五万円)で済みます。3割自己負担で一万五千円くらいです。年間100人治療したとしても購入費の採算が取れないほど高額な器械です。これでは、医療サイド側としては、この治療の普及は日本では無理でしょう。大病院が客寄せパンダ的な広告目的に所有することは可能かも知れません。
HIFUの治療を前立腺癌の治療として取り入れている施設では、治療費は80万円~120万円です。この治療費で年間10人実施すれば、年間800万円~1200万円になり、5年間で4000万円~6000万円の収入になりますから、高額な医療機械であっても採算が取れることになります。
医療を行う医師と言えども、金勘定(経営)を一生懸命に考えなければ簡単に倒産してしまうご時世です。お金に縛られず、患者さんのため自由に理想的な治療をしたいと思っているのがほとんどの医師でしょう。

【HIFUの後遺症】東海大の資料より
尿道狭窄 18.6%
精巣上体炎(副睾丸炎) 6.3%
膀胱頸部硬化症(慢性前立腺炎症状?) 2.5%
尿道直腸瘻(焼き過ぎて直腸に穴があく) 0.8%
一時的尿失禁 0.4%
勃起不全 24.2%
逆行性射精 11.7%

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