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男性のテストステロン低値は夜間頻尿と関連する(アステラス・ウェブ文献より)

日本語版更新日 2014-01-14

「男性のテストステロン低値は夜間頻尿と関連する」

Int J Urol 2013; Advance online publication
英語版 配信日 2013-12-23

medwireNews: 年齢や前立腺体積に関係なく、男性のテストステロン低値と夜間頻尿には関連性が認められることが、韓国の研究で明らかになった。

高麗大学校医療院九老病院(ソウル)のDu Geon Moonらは、2011年7月~2012年8月に下部尿路症状で同施設の外来泌尿器科を受診した患者2180例を対象に検証を行った。

全被験者のうち148例(6.8%)に明らかなテストステロン欠乏(<2.50 ng/mL)が認められ、1399例(63.7%)に3日間の頻度・尿量記録において1回以上の夜間排尿(夜間頻尿)が認められた。

年齢、BMI(体格指数)、前立腺体積なども含めた多変量線形回帰モデルでは用量反応関係が認められ、テストステロン値が0.142 ng/mL低下するごとに1晩当たりの頻尿回数が1回増加した。

併存疾患の有無を組み入れたフルモデルでは、テストステロン値は夜間頻尿と有意に関連し、明らかなテストステロン欠乏が認められる患者は、テストステロン高値の患者に比べて、夜間頻尿を経験する確率が60%増加することが明らかになった。特に、テストステロン値の低下に伴い夜間多尿オッズは93%増加した。

さらに、排尿量、排尿頻度、機能的膀胱容量の概日調節障害についても、それぞれの値を経時的に記録することにより検証を行った。多変量解析の結果、8時間尿量の変化について、血清テストステロン欠乏患者とテストステロン高値患者の間に有意差が認められたが、排尿頻度や膀胱容量では認められなかった。

「排尿頻度よりもむしろ尿生産量がテストステロン欠乏と関連することが示されたことから、病因を明らかにすることは重要である」とMoonらはInternational Journal of Urology誌で述べている。

今回の結果は、夜間排尿頻度が概日リズム障害を引き起こし、それがテストステロン生産量低下につながるという逆の因果関係と矛盾している、とも著者らは述べている。それよりも、テストステロン分泌の概日リズム障害が、夜間尿生産および総テストステロン値低下の両方に共通する因子である可能性が高いと、研究者らは示唆している。

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