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針生検で前立腺癌が見つかってしまった場合

ご承知のように、今まで、このブログの中で前立腺針生検に対して否定的な見解を多数述べました。

今流行りの人間ドックや健康診断でPSA検査をたまたま興味本位に選択し、たまたまPSA値が高く出て、まるでレールをひかれたように当然の針生検を受け、そしてその結果、偶然にも前立腺癌の見つかる人が少なからず存在します。
突き付けられた結果を見て、インターネットで情報収集している間に私のブログを読み、『えっ!!!』と慌てられる患者さんが多くいます。

今回ご紹介する患者さんもその中のお一人です。

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前立腺の大きさ以外のPSA値上昇の原因

Pechomeasure2前回の記事で解説したように、前立腺が大きければPSA値は高くなるのですが、必ずしもそうとは限りません。
大きくてもPSA値が低い人もいます。小さくても高くなる人がいます。それから分かることは、前立腺癌の存在や前立腺の大きさ以外にPSA値を高くする要因がある筈です。
それを検討するために、前立腺の形態的変化や変容を測定して、PSA値との関連性を研究しようと考えています。
図は正常な前立腺と膀胱の模式図です。超音波エコー検査の側面画像を元にして作図しています。膀胱出口は膀胱括約筋ではさまれたS1-S2で表示している部分です。

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前立腺の大きさとPSA値

以前にPSA-density(前立腺の単位大きさ当たりのPSA値)について、文献を元にして解説しました。
Gspsadensity文献によると、前立腺の大きさ1cc当たりPSA値が0.23以下であれば(0.23ng/mL/cm3)、前立腺に前立腺癌が存在したとしてもグレソンスコア7以下(悪性度が低い)か、前立腺癌が存在しないであろうという内容でした。
つまり、前立腺の大きさが20ccでPSA値4.6以下であれば心配ないというものです。前立腺の大きさが40ccでPSA値9.2以下であれば問題ないというものです。

0.23ng/mL/cm3以下というカットオフ値が覚えにくいので、0.2ng/mL/cm3とすれば、カットオフ値が覚えやすく、それでいて厳しくなるので、私のブログでは、この値を使用します。
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前立腺の大きさ    PSA値の正常域
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20cc             4.0以下
40cc             8.0以下
60cc            12.0以下
80cc            16.0以下 
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すると、前立腺20ccであれば、PSA値4以下が正常、前立腺40ccであれなPSA値8以下が正常、前立腺60ccであればPSA値12以下が正常になります。覚えやすいでしょう?

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