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PSA検診に対する日本泌尿器科学会の見解

アメリカの公式機関でPSA検診を推奨しないとの勧告がありました。
それに対する日本泌尿器科学会の見解が下記のように発表されました。

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米国予防医学作業部会からの勧告に対する見解
2011年10月7日付けで、米国予防医学作業部会(US Preventive Services Task Force)より前立腺癌検診に関する勧告(Recommendation)(案)が出されました。

この勧告は疫学・公衆衛生学の専門家によって作成されたもので、それによると、米国において前立腺癌を疑わせる症状のない男性を対象としたPSA(Prostate specific antigen:前立腺特異抗原)を用いた前立腺癌検診は、年齢を問わずこれを行わないように勧めています。

一方、アメリカ泌尿器科学会(American Urological Association) やアメリカ癌学会(American Cancer Society)は、今回の勧告とは意見を異にしております。また、米国と我が国とでは医療環境を含む社会的背景が大きく異なっております。従って、この勧告を単純に我が国に適用することは、適切ではないと思われます。

本学会は前立腺癌の医療に深く関与しており、この勧告に関しては、その内容を吟味して慎重に検討を行う予定でおります。

2011年10月17日  社団法人 日本泌尿器科学会
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この発表を読んで、いかが思われますか?

ヨーロッパのPSA大規模試験と並行して、アメリカでもPSA大規模試験が行われました。
その結果、ヨーロッパの試験ではPSA検診は有用だと判定されたのですが、アメリカの試験ではPSA検診に有用性は認められなかったのです。日本では、このヨーロッパの試験結果を明らかにエビデンス根拠にしています。
その反面、アメリカの試験結果を強く否定する雰囲気でもありません。お決まりの「タマタマでしょう・・・」「統計処理が不十分だったのでしょう・・・・」ということでしょうか?
ヨーロッパの試験も文献を詳細に検討すると、とても有用性があるとは思えない内容です。アメリカの結果から考えれば、有用性といわれるものの誤差範囲でしかないように思えます。

アメリカの大規模試験にアメリカ泌尿器科学会が強く関与しているのは事実ですから、「アメリカ泌尿器科学会 や・・・は、今回の勧告とは意見を異にしております。・・・」というのも説得力がありません。

いつになったら、世の中はPSA検診の「恐ろしさ」に気付くのでしょう。

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