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PSA検診で前立腺癌50%増加 上毛新聞(5月28日)より

JomoshinbunPSAの異常値(4~5)で来院され、前立腺が71ccと大きく(治療半年で41ccに改善)、排尿障害と前立腺肥大症によるPSA異常値と診断した患者さんが、新聞の切り抜きを持って来られました。
群馬県の癌罹患率が全国平均に比べて10%高いという記事です。その10%高くなった主な原因が、男性の前立腺癌発見が50%高かったという理由です。

Jomoshinbun2群馬県は全市町村の健康診断で前立腺癌検診(PSA検診)が受けられます。
PSA検診を受ける人が多ければ、前立腺癌を発見される患者さんが多いことになります。記事の中では、他の都道府県でも同じようにPSA検診を受けられるようにしたら、前立腺癌が多く発見できると理解できます。
しかし、現状では、前立腺癌が多く発見できていない他の都道府県の前立腺癌で亡くなる人が群馬県に比較して多いという情報は聞いたことがありません。
あらゆる癌において一定の確率で癌死する人が存在する訳ですから、前立腺癌の母集団が大きければ大きいほど、前立腺癌による死亡者数も増えることになります。ここ最近、診断・治療の進歩で前立腺癌の死亡率が明らかに減ったというエビデンスはありませんから、前立腺癌患者数が増えれば、前立腺癌死亡者数も増えることになります。群馬県では50%も前立腺癌が増えた訳ですから、計算上は当然前立腺癌で死亡する人も50%増えることになります。
常識的に考えて、前立腺癌PSA検診は、前立腺癌で死亡する人を増やす原因になると考えることもできます。

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