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Gleasonスコア【7】の前立腺癌患者さん

Pca26150m68gleason760代の患者さんです。
PSA値が60以上を理由に、大きな病院で前立腺針生検を実施したところ、前立腺癌が見つかりました。Gleason(グレソンあるいはグリーソン)スコアが【7】と診断され、骨転移は認められなかったので放射線治療をすることになりました。

Gleason患者さんは理系の仕事をされている方です。
Gleasonスコア【7】と診断されても、今ひとつピンと来ません。主治医も病理所見に関して説明がないので、インターネットで私を見つけ、組織スライドを持参・来院されました。
Gleasonスコアは、まずは前立腺組織全体の構造を見ます。正常の構造からかけ離れるほど、悪性度が増すことになります。正常の前立腺構造は腺組織であるため大きな腺腔(ルーメン)構造が均一に観察できます。癌化すると大きな腺腔構造が小さくなり、大きさが不揃いになり、最終的には腺腔構造が消失します。

この観点から患者さんの組織スライドを観察すると、腺腔構造が小さく不揃いで、中には腺腔構造が消失していると思われる場所もあります。それから考えると、この写真はGleason分類で【4】です。
他の部分では、腺腔構造が大きくハッキリしたものも確認できたので(Gleason【3】)、Gleasonスコアは、【4】+【3】=【7】と判定できます。

Pca26150m68gleason72同じ組織写真をさらに拡大して観察してみましょう。
写真の中央付近(少し左下)にある小さなルーメンが毛細血管です。周囲に見える他のルーメンが前立腺癌の腺腔構造です。毛細血管のルーメンよりも若干直径が大きい程度ですね。毛細血管の直径は5ミクロン程度ですから、前立腺癌の腺腔構造が毛細血管並みに細いことが分かります。正常では、この何十倍もの直径ですから、これひとつとっても前立腺癌であることが分かります。
毛細血管のルーメンに前立腺癌細胞が無数に接しています。当然前立腺癌細胞で産生されるPSAは毛細血管に漏出して、PSA検査で高い値が出るのは仕方がありません。
正常であれば均一であるはずの細胞の核(濃紺に染まっている部分)は、大きさや形がまちまちです。これも癌細胞特有の所見です。

以上の内容を患者さんに解説し、顕微鏡写真を数枚お持ちになり患者さんは納得してお帰りになりました。

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