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前立腺針生検

Lectureevidencepca31前立腺癌検診でPSA値が高いと、常識的に前立腺針生検になります。そして、前立腺癌細胞が発見されると前立腺癌の治療が始まる訳です。診察・検査・治療のこの流れは、常識的で全く非の打ちどころがありません。・・・ただし、前立腺針生検が無害に限りです。針生検は私が研修医になる以前(30年以上も前)から存在する検査法で、前立腺癌の予後には全く影響がないとされている検査法です。私も大学病院や関連病院に在籍した頃には、たくさんの針生検を行っていました。同じ医局の他の先生よりも上手だったことを覚えています。

Lectureevidencepca32前立腺癌の公になっているデータ分析を読んで、ある時「前立腺針生検は全くの無害である」という根拠に疑問を持ち始めました。
スライドの左が前立腺癌の組織像です。針生検を行って組織が削られた状況をイメージしています。

Lectureevidencepca33前立腺組織が破壊的に削られた訳ですから、組織内に挫滅組織が生じます。
検査と言う名の怪我をしたと考えれば分かりやすいでしょう。

Lectureevidencepca34組織内の挫滅組織を体の防御システムが黙認している訳がありません。
早速、炎症に関連した様々な細胞や抗体が患部に集合します。そして、挫滅組織を必死になって修復しようとします。そのため、挫滅組織の様々な細胞や物質を患部から血液やリンパ液を利用して運び去ります。
もしも生きた癌細胞が血液やリンパ液に乗って他の組織に運ばれたら・・・転移・浸潤を引き起こすのは素人でも想像できるでしょう。

Lectureevidencepca35また、タフな癌細胞が炎症細胞にただただ攻撃されているばかりとは思えません。
癌細胞の反撃は、その増殖力と悪性度の増加という形で表現されるでしょう。すなわち、針生検で刺激された前立腺癌細胞は、悪化と転移・浸潤という形で眼を覚ますのです。

この考えが正しいのかどうかは分かりません。しかし、常識的に考えて前立腺針生検が安全というのは暴論でしょう。

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コメント

前立腺の生検による癌細胞の反撃は、その増殖力と悪性度の増加に繋がるとのご見解ですが、大腸や胃の内視鏡による生検はどうなのでしょうか?
【回答】
良い所に気が付きましたね。
私の専門外なので言及してはいませんが、恐らく同じ現象が起きるでしょう。

投稿: 66歳男性 | 2013/10/05 19:55

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